最弱悪魔と銀氷の魔女 [リメイク版]   作:リメイル

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どうも皆さま、活動報告にて書いた通り大幅な設定・展開変更をしました。
そこで改めてリメイク版として投稿することにしました。お気に入り登録してくださった方や続きを待っている方、申し訳ございません。今後はこちらで進行していこうと思います。
さて、早速本編に移ろうと思います。それではどうぞ。


1章 武偵殺し編
序弾 転入生


 

 

 

 

夢を見ていた。

 

 

それは今よりも数千年も前の出来事。

 

 

黄金の大地に、二人の男が佇んでた。

 

 

一人の、不思議な形状の杖を持った男は口を開いた。

 

 

『本当にいいのかい?この先に進めば、もうこちらには戻れない』

 

 

そしてもう一人、全身に鎧をまとった男が言葉を返す。

 

 

『止めないでください、■■■■。これは私が引き起こした運命なのです』

 

 

そう言って鎧の男は、背を向けた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

目の前には緑の生い茂った深い森、そして仕えていた騎士の姿。

 

 

騎士は同じように鎧を纏っていた。

 

 

『■、今はこちらに。すぐに兵を呼んでまいります』

 

 

男の体を大樹に預け、騎士は立ち上がる。

 

 

『どうかそれまで辛抱を。必ず兵を連れて戻ります』

 

 

視界は今にも黒に埋め尽くされようとしていた。

 

 

もはや意識はないに等しい。

 

 

騎士は礼をして、乗ってきた白馬へと踵と返す。

 

 

『――――――■■■■■■■■』

 

 

その前に。

硬い口を開き、騎士の名を口にする。

 

 

騎士は驚愕の表情をして、男に近寄る。

 

 

『■!?意識が戻られましたか......!?』

 

 

『......うむ。少し....夢を見ていた』

 

 

その朦朧とした声は、ひどく――――――否、騎士には温かな物に聞こえただろう。

 

 

『夢.....ですか.....?』

 

 

騎士は探るように声をかける。

 

 

『そうだ.....あまり見たことがないのでな。貴重な体験だ』

 

 

男の意識は確かではない。

いずれ、また闇の中に落ちるだろう。

 

 

『.....それは。では、どうぞお気遣いなくお休みください。私はその間に兵を呼んでまいります』

 

 

そう言って再び踵を返そうとする騎士。

 

 

それを、もはやしていることさえわからないほどの小さな息遣いのまま、静かに呼び止めた。

 

 

『■■■■■■■■。我が剣を持て』

 

 

掠れた声で、最後の命を口にする。

 

 

『よいか.......この森を抜け、あの血塗られた丘を越えるのだ。その先には深い湖がある。そこに―――――――――』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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「なあ、風霧!」

 

 

始業式後、新しくクラス分けされた2年A組の教室。

 

 

その窓際で、頬杖をついて外を見ていると。

 

 

隣の席に座る身長の高い男、武藤剛気が声をかけてくる。

 

 

「何だ武藤」

 

 

振り向いて見て彼の顔は、いつも以上にうれしそうにしていた。

 

 

「おいおい!なんだその反応は!?転入生だぞ!転入生が来るんだぞ!」

 

 

転入生か.....

 

 

この武偵高だ。碌な奴ではないだろう。

 

 

こちらの薄い反応を見た武藤は、鼻息荒げに聞いてもないのに話しだした。

 

 

後々めんどくさいため、少しでも聞いてやることにした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「先生、あたしはアイツの隣に座りたい」

 

 

噂の転入生――――――――神崎・H・アリアが、いきなりキンジを指してそんなことを言ってきた。

 

 

遅れて教室に現れたキンジは鬱々とした表情をしていたため、なにかありそうだと感じていた。

 

 

クラスの生徒たちは一瞬絶句して、それから一斉にキンジを見た。

 

 

女性特有の甲高い声から野太い声まで、いろんな種類の歓声を上げた。

 

 

キンジはただただ絶句をしていた。

 

 

「な、なんでだよ.......!」

 

 

ようやく出てきた、と言わんばかりの声でキンジが呟く。

 

 

どうやら目を付けられてしまったようだ。

 

 

「よ.....良かったなキンジ!なんか知らんがおまえにも春が来たみたいだぞ!」

 

 

武藤はキンジの手を握ってブンブン振りながら、転入生さんと席代わりますよ!、と立ち上がる。

 

 

それを聞いた先生は、嬉しそうに神崎とキンジを交互に見て、武藤の提案に即決した。

 

 

教室の拍手喝采で、より一層項垂れるキンジ。

 

 

「キンジ、これ。さっきのベルト」

 

 

そう言って取り出した物をキンジに放り投げる。

 

 

それは、キンジのベルトだった。

 

 

「理子わかった!わかっちゃった!これ、フラグばっきばきに立ってるよ!」

 

 

隣の席に座るツーサイドアップの少女、峰理子が勢いよく立ち上がる。

 

 

「キーくん、ベルトしてない!そしてそのベルトツインテールさんが持ってた!

 これ謎でしょ謎でしょ!?でも理子には推理できた!できちゃった!」

 

 

所謂改造制服に身を包んだ彼女は、キンジ曰く探偵科(インケスタ)一のバカ女、らしい。

 

 

「キーくんは彼女の前でベルトを取るような“何らかの行為”をした!

 そして彼女の部屋に忘れてきた!つまり2人は 熱い熱い、恋愛の真っ最中なんだよ!」

 

 

最近の学生は早い、と誰かが言っていたが、あの遠山キンジだ。

 

 

言いがかりにも程がある。

 

 

しかしここは武偵高。

 

 

こういったことには息が揃う。

 

 

「キ、キンジがこんなカワイイ子といつの間に!?」「影の薄いヤツだと思ってたのに!」

「女子どころか他人に興味無さそうなくせに、裏でそんなことを!?」「フケツ!」

 

 

教室全体が、キンジの話題で盛り上がる。

 

 

「お、お前らなぁ、、、」

 

 

キンジが頭を抱え、机に突っ伏したとき

 

 

 

ずぎゅぎゅん!

 

 

 

鳴り響いた2連発の銃声が、クラスを凍り付かせた。

 

 

真っ赤になった神崎が、二丁拳銃を抜きざまに撃ったのである。

 

 

「れ、恋愛だなんて.......くっだらない!全員覚えておきなさい!そういうバカなこと言うヤツには.....」

 

 

今後何度聞くだろうセリフを、はじめて武偵高の皆に発した。

 

 

「風穴開けるわよ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

放課後、キンジがクラスメイトから逃れたのを確認した後、荷物をまとめて寮に向かう。

 

 

そんな中、突然ポケットの携帯が振動する。

 

 

取り出して応答する。

 

 

「もしもし?」

 

 

『やあ、武偵生活は楽しんでいるかい?』

 

 

昔散々聞いた、”奴”の声が聞こえた。

 

 

「.........一体何の用だ?」

 

 

『怖い声をしないでくれ。君と僕の仲じゃないか?』

 

 

相変わらず癪に障る言い方だ。

 

 

「そんなことはどうでもいい。何の用か聞いている」

 

 

『久しぶりにゆっくり話そうと思ったのだがね―――――――――今日、アリア君が来ただろう?君の学校に』

 

 

「......何を企んでる」

 

 

その思考には勝てないことをわかっているため反応はしない。

 

 

『君に依頼があってね。もちろん、受けてくれるよね?』

 

 

「......なんだ」

 

 

奴の言うことに従わなければいけないことに、怒りがたまる。

 

 

『なに、君には簡単なことだよ』

 

 

そんな前置きをして、奴は依頼の内容を口にする。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『”もう一度”君を歓迎しよう――――――――”ナンバー0”として』

 

 

奴の計画は、まだ読むことはできなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

[続く]

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




次回もよろしくお願いします。ありがとうございます。
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