最弱悪魔と銀氷の魔女 [リメイク版]   作:リメイル

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第2話です。大体は原作通り、原作通りです。
呼び方や表現等を変更しているので、前回よりは読みやすくなっていると思います。
私視点ですがね。
それでは本編に移ります。どうぞ。


2弾 緋色来訪

 

 

 

彼は生まれながらにして、選ばれし者だった。

 

 

父親から受け継いだその才能は、多くのものから称賛を得た。

 

 

しかし、それは長くは続かず。

 

 

かつて存在していた名誉は、絶たれていったのだ。

 

 

彼はどれほど自分を憎んだだろうか。

 

 

何度後悔しただろう。

 

 

しかし彼は、それほどを背負うにはまだ若すぎたのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あんた!あたしのドレイになりなさい!」

 

 

奴との通話の後、自宅である学生寮の一室に向かった。

 

 

ただいま、と言い部屋に入った瞬間、今朝聞いたアニメ声が響いた。

 

 

何かの聞き間違いかと思った。

 

 

ここは確か男子寮――――――――つまり男しかいないはずの場所だ。

 

 

ため息をこぼし、靴を脱いでリビングに向かう。

 

 

そうすると、ここにいるはずのないピンクのツインテールとキンジが向かい合っていたのだ。

 

 

そう、あの神崎・H・アリアが

 

 

「.....なぜ神崎はここにいる?」

 

 

とりあえず二人を座らせる。

 

 

コーヒーを出しながら、ソファに座っている神崎に問いかける。

 

 

「あら。リュウジならわかってるんじゃないの?」

 

 

「.....大体は察するが、ここに来る意味はわからんな。キンジもいるのだから、説明をしてくれ」

 

 

キンジを横目で見ながら神崎の方を向く。

 

 

「説明もしてほしいが、リュウジとアリアは知り合いなのか?初めから知ってたようだが........」

 

 

 

 

 

「.......俺が東京に来る前、仕事として雇われたのが神崎の家だっただけだ」

 

 

「そうね。今から5年前、あたしが11歳の時まであたしの”護衛”として付いていたわ」

 

 

神崎がそれに頷きながら続ける。

 

 

「護衛を付けなきゃいけないって、アリアの家庭はどうなってんだ?」

 

 

「それは自分で調べなさい」

 

 

キンジの質問を、神崎は一言で流した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(キンジ視点)

 

 

 

武偵が気をつけなければいけないものが3つある。闇。毒。そして女だ。

 

 

その三つ目ことアリアはコンビニでももまんをなんと7つも買った。

 

 

まさかその全部を今食うつもりなのかと思ったらそのまさからしく、テーブルについたアリアはすでに5つ目までを平らげている。

 

 

俺はいつものハンバーグ弁当を食べながらこの迷惑な侵入者に「早く帰れ」と目で伝える。リュウジは気にせず食後の紅茶を飲んでいた。

 

 

......こいつ、食い終わるの早くね?

 

 

だがアリアはそんなことどこ吹く風で6つ目のももまんを食べて、

ふにゅうー、とウットリ味わっていた。そんなにうまかったか、それ?

 

 

「さっきの質問の続きだ。ドレイってなんなんだよ。どういう意味だ」

 

 

強襲科(アサルト)であたしとリュウジのパーティーに入りなさい。

 そこで一緒に武偵活動するの」

 

 

「何言ってんだ。俺は強襲科(アサルト)がイヤで、武偵高で一番マトモな探偵科(インケスタ)に転科したんだぞ。

 それに武偵自体、やめるつもりなんだ。それを、よりによってあんなトチ狂った所に戻るなんて......無理だ」

 

 

「あたしはキライな言葉が3つあるの。『ムリ』『疲れた』『面倒くさい』。

 この3つは、人間の持つ無限の可能性を自ら押し留める良くない言葉。あたしの前では二度と言わないこと。いいわね?」

 

 

人の話を聞けよ。

 

 

「そうね。キンジはあたしと一緒にフロントがいいわ」

 

 

「よくない。そもそもリュウジがいるのになんで俺なんだ」

 

 

「太陽はなんで昇る?月はなぜ輝く?」

 

 

また話が飛ぶ。

 

 

「キンジは質問ばっかりの子供みたい。仮にも武偵なら、自分で情報を集めて推理しなさいよね」

 

 

子供みたいな見た目のお前には言われたくない。

 

 

とにかくだ。こいつとは、会話が成立しない。

 

 

「神崎、今日はこの辺にして帰った方がいい。もう夜だ」

 

 

リュウジが説得するようにアリアに言った。

 

 

だが、

 

 

「キンジが強襲科(アサルト)であたし達のパーティーに入るって言うまで帰らない!」

 

 

「だ。そうだ」

 

 

失敗かよ........でも俺は絶対に。

 

 

「入るなんて言わねえよ。なら、どうするつもりだ」

 

 

毅然とした態度で断ると、アリアはその大きな眼で俺を睨む。

 

 

「言わないなら、泊まってくから」

 

 

「は!?」

 

 

さすがのリュウジも、眉をピクリと反応させた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アリアの襲撃(?)のあと、俺とリュウジはそれぞれのベットに入った。

 

 

なんか床にブービートラップらしきリード線と対人地雷のようなものが見えるのはきっと幻覚だろう。そう思おう。

 

 

それにしても、本当に迷惑なヤツだ。

 

 

勝手に俺(+リュウジ)の生活に侵入してきて、縄張りまで作って、挙句の果てに「強襲科(アサルト)に戻って、一緒に武偵活動をしろ」、だと?

 

 

俺は将来、特にやりたいことはない。

 

 

何になったっていい。何にもなれなくたっていい。

 

だが(・ ・)もう武偵にはなりたくない(・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・)

 

 

武偵だけは(・ ・ ・ ・ ・)イヤなんだ(・ ・ ・ ・ ・)

 

 

そう思いながら、俺は........落ち着かない気分で眠りに落ちていった。

 

 

 

 

 

(キンジ視点out)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「お試し期間、というふうにしないか?」

 

 

「「お試し期間?」」

 

 

次の朝、俺の案にキンジと神崎はそろって首をかしげる。

 

 

お試し期間、と聞くと大体はテレビでやる通販番組を想像するだろう。

 

 

1ヵ月お試しして、効果があったら購入。

 

 

俺が考えているのはまさにそれに類似する。

 

 

つまり、どういうことかと言うと

 

 

「神崎のパートナーをしばらくキンジにして、本当に自分の求めていた相棒かどうか見極めるんだ」

 

 

「なら、リュウジはどうする。これからも護衛としてチームで続けるのか?」

 

 

キンジの言葉に少し考える。

 

 

俺のやりたかったこと。それに少しでも近づけるなら、

 

 

「俺は神崎―――――――元雇い主をキンジに任せられるか自分で判断する。もし大丈夫だったら.....俺は.......」

 

 

俺がやらなければならないこと。それは.....

 

 

「?リュウジ?」

 

 

「ああ。悪い」

 

 

今は考えないことにした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

しかしその日常は、明日の事件によって壊れるのを俺たちはまだ知らなかった。

 

 

 

 

 

[続く]

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




次回、武偵殺し、動きます。
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