「あの、できれば離していただきたいのですが……」
「ダメに決まってるじゃん。」
「そこをなんとかお願いできませんでしょうか。」
「じゃあデートしてくれたらいいよ。」
「デート?」
「何?文句でもあるの?」
「誰か一人とデートするとですね、他の人から特別扱いはずるいと言われてですね、強制デートだったり、強制✖️✖️✖️だったり、果てには監禁してからの✖️✖️✖️だったりとですね、私の身がかなり危険にさらされるんですよ。」
「だから?」
「いやーそれでですね。デートはできればやめていただけると……」
「は?」
「あっいえなんでもありません。」
「他の人とデートしたくないなら断ればいいじゃん。」
「いやーそれもそれで申し訳ないというか、俺の命が危なくなるというか……」
「響はほんと優柔不断だよね。あんまり妻を困らせないで欲しいんだけど。」
美竹蘭、お前もか。
「ほんとに、昔はもっとツンツンした感じのツンデレ赤メッシュちゃんだったのにいつからこうなっちまったんだか……」
「何?馬鹿にしてる?めちゃくちゃにするよ?」
「……ほんとになんでこうなった。」
「なんでって当たり前じゃん。」
「……俺何かしたっけ?」
「は?覚えてないの?」
「すんません。」
「私をこんなにめちゃくちゃにして変えておいて?」
「覚えてないとは言ったがその表現に間違いがあるのはわかるぞ。」
「へー。ほんとに覚えてないんだ。大切な思い出なのに。」
「すまん。」
普通に悲しまれると心が痛むからやめて欲しい。
「はぁ、まあいいよ。特別に許してあげる。」
あれ?許された?いつもみたいにならない?そうかこれが天使か。
「ただしデートは絶対行ってもらうから。私とデートができてその上許してもらえるんだから光栄でしょ?」
「はいはいそうですね。」
「デートじゃなくて✖️✖️✖️の方がいいって言うなら私は歓迎だよ。じゃあとりあえず響の家に行こっか。」
「いやほんとすんません。デートで許してください。」
「最初からそうしてればいいんだよ。」
「はい。肝に銘じておきます。」
「……ところでさ、さっきさらっと流れちゃったけど蘭が変わったのって何があってからだ?」
「私が変わった理由か……」
➖➖➖➖➖➖
あれは私が響にあってまだ間もない頃の話だ。その頃はまだ響のことをただの男友達としてしか見てなかった。あんまり男と関わることがなかったから響と話すのは少し新鮮でもあったけど特に意識したりはしなかった。
ちょうどその時ぐらいだろうか。私は家の問題とバンドのことについてとても悩み追い詰められていた。
私の家は厳しかった。いろいろな習い事をやらなきゃなかったし父さんはバンドをみとめなかった。所詮は子供の遊び程度でしかないと。もっと真剣に将来を考えろと。あの時言われたことは今でも覚えてる……
➖➖➖➖➖➖
「蘭。お前は最近習い事にも集中できず、学業もいいとは言いがたい。その上バンドなんぞを組んでいるな。」
「……それが何。」
「蘭。お前はもう少し真剣に将来を考えるべきだ。習い事も学業もしっかりと行わなければタメにならん。バンドなんぞにうつつを抜かしているようでは将来まともな人間にならんぞ。」
「私は真剣にバンドをやってる。それに勉強だって苦手なだけで真剣にやってる。」
「お前のバンドが真剣だろうがそうでなかろうが所詮は子供の遊びにすぎん。いずれ飽きれば残るのは意味のない技術と無駄に過ごした時間だけだ。」
「遊びじゃない。それに私たちの過ごした時間は無駄なんかじゃない!」
「なんど言ったらわかるのだ。いつまでも子供みたいに駄々をこねるのはやめなさい。」
「駄々をこねてるわけじゃない!父さんが私のバンドの何を知ってるの?何も知らないくせに、何も知ろうとしないくせに馬鹿にしないで!あそこは私の、私たちの大切な居場所。それを誰かに否定されるつもりはない。勝手にこっちの事情に首突っ込んで文句だけ言うのはやめて。」
「私はお前の将来を考えて行っているんだ。友達との居場所などどこにでもあるだろう。わざわざバンドなど作る必要はない。」
なんでこの人は理解してくれないんだろうか。バンドはAfterglowは私たちの絆や思い出が詰まった場所なのに。
「っ!だからそれが余計だって言ってるの!」
「……はぁ、頭を冷やしてきなさい。」
「こんな場所……」
『バンッ!』
「蘭?戻ってきなさい!蘭!」
➖➖➖➖➖➖
「とりあえず出てきちゃったけどどうしよ。流石にみんなに心配かけるわけにはいかないし……。」
つい飛び出しちゃったから持ち物もスマホぐらいしかない。本当にどうしようかと思っていると……
「あれ?蘭?こんなとこで何やってんだ?」
こいつが現れた。
「響?そっちこそ何やってんの?」
「俺は夜食を買いに来てたんだよ。そっちは?」
「……別に何も。」
正直家の事情はあまり聞かれたくなかったから答えをはぐらかした。
「こんな状況で何もはねーだろ。」
でもこいつはそんな弱った心にズカズカと入り込んできた。
「ほんとに響には関係ないし。」
「……何があったんだ?俺でよけりゃ聞くぜ?」
この時は不思議だった。言うつもりはもともとなかった。なかったはずなのになんでか言葉が出ちゃってた。多分誰かに聞いて欲しかったんだと思う。そうして弱った心を支えて欲しかったんだろう。
「……ちょっといろいろあって、家出、した。」
「家出?そりゃなんでまた。」
「父さんとバンドのことでもめた。」
「バンドのことでねぇ。それでこれからどうすんだ?」
「どうって?」
「行くあてはあんのかって聞いてんの。家出したんだろ?」
「……ない。」
「他のバンドのメンバーのとこは?」
「心配かけたくない。」
「……じゃあ俺のところに来るか?」
「は?何言ってんの?」
ほんとにこいつは何を言ってるのかと思った。行くあてがないとは言ったものの知り合ったばかりの男子の家に行くのは少し抵抗があるし、いきなり私が行ったら迷惑だろう。
「いやー、俺の家さ。両親が海外にいていないんだよ。お金は送られてくるから生活は出来るんだけどな。それでまあ俺しかいないなら迷惑にもならんし、このまま放置するのは気がひけるし。」
「あんたしかいない家に止まるの?」
「安心してくれ。小心者の俺に手を出す勇気はない。」
正直迷った。でも確かに行くあてはないしこのままここにいるのも怖くはあった。
「分かった。じゃあ行かせてもらう。」
「よし。じゃあとりあえず行くか。」
➖➖➖➖➖➖
「風呂沸かしてあるから、入ってきていいぞ。」
「分かった。」
「服は申し訳ないが俺ので我慢してくれ。」
「ん、了解。」
私は服を受け取って、家から持ってきていたスマホを充電させてもらいお風呂に向かった。この時に一応家に連絡しておくべきだったのかもしれないけどちょっとした反抗心から連絡はしなかった。
「……あったかい。」
家を飛び出してきた時はここまでゆっくりできると思っていなかった。響はどうやら本当に善意から私を家に止めてくれたようだ。最初は少し警戒していたが家に来るまでの間で響が悪い人じゃないのはよく感じられた。
「今度お礼しなきゃ……」
私はそんなことを考えながらお風呂を出た。服を着て脱衣所から出ると誰かが話しているような声が聞こえた。響が誰かに連絡しているのだろうか?と考えてとりあえず居間を覗いてみた。
「……はい。分かりました。それでは今日はこちらに泊まらせるということで。はい、それは心得ています。では……」
「響?」
「蘭⁈もうあがってたのか。」
「ってそれ私のスマホ……」
「あー実は親御さんから電話がきてな……」
「勝手に出たの?」
「それはスマン。何度もなってたから出ちまった。」
「ふーん。それで?なんて言ってたの?」
どうせ文句でも言っていたのだろうと思っていた。だから響が言ったことは驚きだった。
「心配してたよ。すごくな。」
「……ウソ。だってあんなに怒ってたし、私のやることを否定してた。」
「うーん。それなんだがさ明日もう一度話し合ってみないか?」
「何で?別に話したところで今までと変わらない。」
「蘭の親父さんはな、別にお前のやってることを否定したいわけじゃないと思うんだよ。ただ言葉にするのが下手なだけでさ。だから今日は一旦お互いに頭冷やしてさ、伝えたいことをまとめて話してみろよ。」
「それで何が変わるの?今まで散々否定されてきたのに?」
「そうだな。確かに親父さんの言い方にも問題はあるだろうし、あんまり詳しく知らない俺が何か言うのもおかしいんだろうが。少なくとも変わるとは思うぜ。今よりはいい方向に。」
「……分かった。」
別に根拠があったわけでもないけどなんだか不思議と信頼できるような気がしてとりあえずそうしてみようと思った。
「じゃあ今日はさっさと飯食って寝るか。」
➖➖➖➖➖➖
目が覚めたらご飯と書き置きが置いてあった。どうやらあいつはご飯だけ作って、用事があるため出て行ったらしい。
「……美味しい。」
ご飯はとっても美味しかったです。
➖➖➖➖➖➖
「ただいま。」
「帰ってきたか。とりあえず座りなさい。」
「分かった。」
「……それで昨日の件だが。」
私はお父さんが何か言うより先に自分の言いたいことを伝えた。
「何度言われようと私の考えは変わらない。私はみんなとバンドがしたい。勉強も家の習い事も頑張る。だからバンドは続けさせて欲しい。」
説得はうまくできる気がしない。だから言いたいことを先に伝えたけれど、正直言いたいことを言っただけでお父さんが考えを変えてくれるとは思わない。だから私は少し身構えて次の言葉を待っていた。
「……分かった。」
「……えっ?」
私はしばらく言葉が出なかった。あれだけバンドを否定していたのにこんなに簡単に許可を出すのだろうか?
「まだ完全に認めたわけではないし、そもそもお前のバンドのことはよく知らない。だからとりあえず次のライブのときにでも観に行かせてもらおう。」
今までは知ろうとしなかった。それなのに今は理解しようとしてくれている。何で急に変わったのか本当にわからない。
「何で?何でそんなに急に考えを変えたの?」
「変えたわけではない。ただ、少しひとりの青年に考えさせられただけだ。」
「ひとりの……青年?」
「なかなかいい友達を持ったじゃないか。あれだけ人のために真剣になって頭を下げてくるようなのは初めてみたぞ。」
お父さんはそう言って笑っていた。
「青年って響のこと?」
「そうだ。」
「何で響が?」
「それは私もよくは知らん。だが彼は一生懸命バンドと向き合って努力している。だから少しでもまずは理解してあげて欲しい。一度でもライブを観に行ってくれれば、お前にとってのバンドがどのようなものなのかわかるはずだと言っていたよ。あとはもう少し素直に気持ちを伝えろとも言われてしまったな。」
「素直?」
「ああ。蘭。私はお前を大切な我が家の子だと思っている。だから昨日いきなり家を飛び出した時はとても心配したんだ。そして今まで理解をしようとせず否定して悪かったね。簡単に考えを変えられるわけではないが少しは考えてみよう。だから次のライブは楽しみにしているよ。」
「……分かった。次のライブで私のバンドがどんなものなのか証明してみせる。」
「分かった。それで?彼のところに行かなくていいのかい?お礼ぐらいは言っておいた方がいいんじゃないのかい?」
「……ちょっと出てくる。」
『ガタッ』
「……随分と素直になりましたね?」
「……あそこまで人に寄り添える青年はおらん。そんなやつがわざわざ大した事情も知らないのに頭を下げにきたんだ。ただ蘭が困っているから助けたいなどと、それだけの理由でな。あれだけ真剣に説得をしに来ていたんだ。少なくとも邪険に扱っていいような奴ではなかっただけだ。」
「ふふ。そうですか。あんな子が蘭のそばにいてくれるなら安心ですね。」
「……そう簡単には認めんさ。」
「あらあら、また素直じゃなくなってしまいましたね。」
➖➖➖➖➖➖
「響!」
「ん?蘭か。どうした?」
「……何で助けてくれたの?」
「別に大した理由はないよ。ただ、蘭がバンドに対して真剣に向き合っているのは知ってたからな。それを蘭の親父さんにも知って欲しかっただけだ。」
「それだけの理由で?」
「俺にとっては大事なことなんだ。」
「……その、ありがとう。」
「別にいいよ。このくらい。」
「家にも泊めてくれたし、何かお礼がしたい。」
「別にいいんだけどなー。」
「なんかないの?」
「……じゃあさ。また何か困ったことがあったら相談してくれよ。俺がどの程度力になれるかわかんないけどさ。バンドのメンバーに言えないことも俺になら言えるだろ?俺もお前のバンドは応援してるしさ。」
「……それお礼にならないんだけど。」
「まあまあいいんだよ。それで。」
本当にこいつは変な奴だ。そして絶対に損をするタイプでもある。
「本当にいいの?愚痴とか聞いてもらうことになるかもよ?」
「いいよそれで。」
「困った時はまた頼っていいの?」
「ああ!もちろん!」
そう言ってそいつは笑っていた。私がAfterglow以外に手放したくない、渡したくない大切な場所を手に入れた瞬間だった。
➖➖➖➖➖➖
「それなのに響はそのあとすぐにいろんな子をたらし込んでたよね?」
「えっ?突然なんの話?」
「やっぱりお仕置きカナ?」
「えっ?ちょっまっ、チョママチョママ!」
響の隣は私の居場所だから。私の弱った心を包み込んでくれる優しい場所。だからたとえAfterglowのみんなだろうとそれ以外だろうとここだけは渡さない。
「響の隣は私の場所だから。ゼッタイニダレニモワタサナイ。」
あー!デレ蘭可愛いィィィィ!!!!!!!!
いろんな時間軸にずれるのに全部➖➖➖➖➖➖でやってるから多分わかりにくいと思う。そして人もわかりにくいかな?名前セリフの前につけた方がいい?蘭の家で話してた人は蘭ママだよー。多分わからんよね。
惚れた理由やってくとしたら多分全部こんな感じになる。ほとんどヤンデレ関係ねぇな。ちなみに蘭が選ばれた理由は書き始めるとき一位だったのと、作者の独断と、Afterglowのイベントが来てたからです。10連一発でつぐみ出たよ!やったね!
こんな感じでいいのかはわからんがいいならこのままな感じで書く。不評なら頑張ってネタ路線に変えてみる。それじゃまた次回。さいなら〜
次は誰がいい?桐ヶ谷透子かロックの場合は感想に
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