デレマスとのクロスオーバー『 基本はコメディ』   作:エビアボカドロックンロール

14 / 71
第3話 ありす「ごめんなさい。 こういうときどんな顔すればいいかわからないの。」桃華「ニマニマしてますわよ」

 

 

 

 

「比企谷さん、何か言わないといけないことがあるんじゃないですか?」

 

 

 

 

 自粛ムードもいよいよ終息し、溜まっていた仕事を片っ端から片付け、久々に文香の弁当を味わっていた昼休みのこと。険悪な声とは裏腹に、つい微笑んでしまいそうになる仕草と共に橘ありすはやって来た。

 

 腕を組みこちらを睨む様は大変に可愛らしく、いっそ写真でも撮ってやろうかとも思うのだが、これ以上怒らせるのは得策ではないだろう。

 

 

 

 

「…?おはよう橘」

 

 

 

「おはようございます、ありすです。ありすと呼んでください。―ではなく!言わないといけないことありますよね?」

 

 

 

「八幡ちゃま、紳士ならしっかり言葉にしないといけませんわ」

 

 

 

 

 

 いつもみたく煙に巻いてうやむやにしても良かったのだが、射抜くような視線を向けるありすはあくまで真剣なようで、子供扱いをするのは失礼だと思い直す。

 ただこちらにもやむにやまれぬ事情がある(主に黒歴史)。墓穴だけは掘らないように慎重に返答しなければならない。

 

 

 あと、扉からひょっこりと現れた櫻井に関しては俺のどこが紳士だと思うんだろうか。紳士より不審者の方がまだ近い気がするんですけど。

 

 

 

 

 

「…今日も橘は可愛いな」

 

 

 

 

「なっ!!ど、どこで覚えてきたんですかそんな言葉!!?」

 

 

 

 

 ふっ。一矢報いてやったぜ。

 

 口をパクパクとさせ、手はアワアワと宙をさまよわせるありすを網膜に焼き付け永久保存する。

 

 

 

 

 

「………八幡ちゃま、わたくしはいかがですの?」

 

 

 

「ハチくんハチくん!!アタシも褒めてー☆」

 

 

 

「ん?あぁ、櫻井も莉嘉も今日もいつも通り可愛いな」

 

 

 

「ふふっ。レディの扱い方…少しは心得てきたようですわね。その調子ですわ♪」

 

 

 

「えへへー♪ハチくんもカッコイイよ☆」

 

 

 

 

 

 恐る恐る言葉を紡ぐ櫻井は当然お嬢様可愛いし、どこからともなく現れた城ヶ崎もハツラツ可愛い。俺のぞんざいな褒め言葉でもこれほど喜んでくれるのなら、もっと安売りしてもいいんじゃないかと思える。

 

 次から次へと襲い来る可愛さが完全にキャパシティを超え、何らかの形でまろびでそうになった時、ふわふわした意識を引き戻す鋭くも可愛い声があがった。

 

 

 

 

 

「それでもなく!昨日文香さんを泣かしたと聞きました!!いくら事務所公認の鬼畜眼鏡とはいえ、女の子を泣かしてしまうのは許せません!!」

 

 

 

「そーだった!ハチくん!カブトムシをイジメちゃダメだよ!!」

 

 

 

「莉嘉さん、カブトムシは関係ないですわよ」

 

 

 

 

 

…夢見は後でディープな折檻をするとして。

 

 

 作為的に情報が伝わっている気がするし、何より主犯の名前があがらないのはおかしい。

 いや、あの場合最初に仕掛けたのは文香だからあいつが主犯になるのか?

 矛先を京の腹黒女から俺に変えたのか。姑息なやり方で嵌めようとするやからには、鬼畜眼鏡の本領を見せてやるとしよう。

 

 さしあたって莉嘉に蜂の子入りご飯の事を教えてトラウマ刻み込んでやろうか。カブトムシの幼虫食べる所も(世界のどこかには)あるらしいぜ。…あーやめとこ。シスコン怖いし。うん、懸命。

 

 

 こうなったらとっとと説明責任を果たしてもらって、俺の俺だけの何人たりとも介入させることの無いシエスタを貪らせてもらう。

 

 

 

 

 

 ギアスを持って命ずる。

 

「おい、文香。聞こえてるんだろ、早く出てこい」

 

 

 

 

 

「……呼ばれて飛び出てジャジャジャジャーン」

 

 

 

「…なんでほんとにヘボくなってんの?」

 

 

 

 

 

 

 顔を真っ赤にして謎の供述を繰り出す真犯人につい毒気を抜かれてしまう。可愛いじゃねぇか、くそう。

 狙ってやったとしたら相当な策士だし、天然ならそれはそれでとてもいい物なのである、と声を大にして宣言したい。魚も天然の方が美味しいしたぶんそんな感じ。

 

 だがそんな内心には気付かず、ありすは文香に歩み寄ろうとする俺の前に両手を広げ立ち裸る、じゃなくて立ちはだかる。

 

 

 

 

 

「文香さんは私が守護(まも)ります!!」

 

 

 

「でしたらわたくしは…は、八幡ちゃまを抑えておきますわ!!」

 

 

 

「わーい!莉嘉も襲っちゃおー♪」

 

 

 

「…わ、私も」

 

 

 

「文香さん!?それから桃華さんに莉嘉さんも何をしてるんですか!!?」

 

 

 

 

 

 何か決心をしたような強い瞳に見蕩れていた俺を、バラの香りを纏った桃華がふわりと抱きしめる。これで何か抑え込まれてるんですか?むしろ溢れそうなんですけど。

 そのまま元気よく莉嘉に飛びつかれ、文香までもが申し訳なさげにちょこんと袖をつまむ。

 組み付いたままにキャイキャイと楽しげにはしゃぐ3人の姿に、ついにありすも毒気を抜かれてしまったのか何か言いたげな表情でこちらを伺う。

 

 

 昨日のことはおいおい説明するとして。

 怒ったり照れたりと色々な表情を見せてくれるありすだが、せっかくなら寂しそうな顔よりも楽しそうな笑顔の方が見てみたい。

 でっかい人もきっとそう言うだろうし、何よりこんなシュンとした顔はありすには似合わない。

 

 

 

 

「………ありすも来るか?」

 

 

 

「橘ではなく、ありすと読んで…あれ??………うーっ。4人で押さえ込んだ方が効率的ですから!仕方なくですから!」

 

 

 

「…さいですか」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ちひろ「あらあら、4人ともこんな所で寝ちゃって」ウフフ

 

武内P「比企谷さんのこのような油断した姿は珍しいですね」

 

ちひろ「せっかくなので写真を撮っておきましょう。買収、脅迫。いいネタ頂きですね♪」ウフフ

 

武内P「いい笑顔です」

 

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。