デレマスとのクロスオーバー『 基本はコメディ』 作:エビアボカドロックンロール
「ち、違うんです!仁奈ちゃんが『八幡はどんなお酒が好きでごぜーますか?』って聞いてきたんです!!」
「―――で、なんて答えたんだ。最期の言葉くらいは聞いてやるよ…」
「(…激怒した顔もエロい…ではなく)――『比企谷さんはね~トリスハイボールが好きみたいですよ~』と言いました!!!」
「ちゃう、その後や」
「(…ブチギレ過ぎてエセ関西弁になってるじゃないですか。くぅ~。かわいい♡♡…でもなくて)――『せっかくなのでそのお酒と比企谷さんの名前を足してニックネームみたいに呼んであげれば喜ぶかもしれませんよ?』と言いました!!!」
「そんでその結果。…よりにもよって親子連れの多い土曜の公園で仁奈が俺をなんて呼んだか言ってみろよ。お前もいただろ?」
「『ハチトリス行くのが早過ぎでごぜーますよ!仁奈も一緒に行きたかったでごぜーます!!』………多少行くのが早くても私は気にしませんよ?」
「―――しばく」
「はーはっはーーー!捕まえられるもんなら捕まえてみてくださーい!!!むしろ一生離さないで~~~♡♡」
「待たんかいボケがあ゛ぁぁぁぁ゛!!!」
――――――
事務所は今日もワイワイとにぎやかです。
そのもっぱらの原因は口から蒸気を吐く勢いで赫怒する比企谷さんと、みんなの前で怒られる恥ずかしさからか顔を真っ赤にしてそれを受ける茄子さんです。
もし私があれほどの勢いで怒られてしまったらきっと恐ろしくて腰を抜かしてしまうと思います。
あれが大人の女性の強さというものでしょうか、茄子さんは毅然とした…とは言えませんが比企谷さんの目を真正面から穴が開くほど見つめています「もうっゆかりちゃんたら!穴があるのは私の方「お前まじでいい加減にしろ!品はどこへ置いてきたんだ!」…何か楽し気な一言を残したかと思うと、また比企谷さんと追いかけっこに行ってしまいました。わざわざこれを言うためにここまで戻ってきたんでしょうか?――怒られている時でもユーモアを忘れない茄子さんはやはり大人の鑑です!
「ねぇねぇゆかりちゃん!今の茄子さんの表情見た!!?」
「…?あれだけ大きな声で騒いでいたので見ていましたが…それがどうかしましたか?」
「えーー!ゆかりちゃんはキュンと来なかったの!?有香ちゃんは分かるよね!?」
法子ちゃんは先ほどの比企谷さんたちのやり取りからどうやら私と違ったものを感じ取ったようです。しかしこう言っては何ですが、法子ちゃんは…何と言いますか…癖の強い性格をしているので独特な感性を持っているんですよね。
有香ちゃんもどちらかと言えばこちら側の人なので法子ちゃんの気持ちはきっと分からないと思います。
メロウ・イエローで飛びぬけた個性を持つ法子ちゃんに私たちが救われた経験は数えきれません。しかしメンバーが奇数である都合上、どうしても彼女が少数派になることを、少なからず申し訳なく思ってしまうのも事実です。
有香ちゃんと私の個性を伸ばし三すくみで相乗効果的になることが理想ではあるのですが…
「押忍!わかりみ!」
「有香ちゃん!?」
有香ちゃん分かるんだ!分からない私がおかしいの!?
「だよねだよね!!――――だからずっとあたしは考えてたの!!」
「何をでしょうかっ!?」
「待ってください!私にも説明を!」
このままじゃ置いていかれてしまいます!
「比企谷プロデューサーに強めに叱られてみたい!!!!!」
「「わかりみ!!!」」
「でしょー♪」
なるほど、一撃で納得させられてしまいました。
――もう一度落ち着いて、先ほどの比企谷さんの表情がこちらに向けられているとしたらと考えてみましょう………ふむ、悪くないじゃないですか。
茄子さんは発情していたから真っ赤なお顔だったんですね。いえ、決して私が発情しそうだからそう思ったわけではないです。
しかしそれには問題が…
「でも比企谷プロデューサーと私たちの関係ってさ…」
「「「おじいちゃんと孫…」」」
「…うんうん。比企谷さんと話していると、空手を教えてくれている方ではない田舎のおじいちゃんを思い出します」
「…ですね。私もフルートの練習をしているとたまに泣きながらこっちを見てるので驚いちゃいます」
「…あたしなんか誕生日に『世界一のドーナツだ』なんて言って一個20万円のドーナツをプレゼントされちゃったよ…」
むっ………
「――沖縄の国際空手大会に応援に来てくれて、優勝のお祝いに美ら海水族館に連れて行ってもらいましたっ」
「―――フルートのコンクールの応援にフランスまで来てくれました……フランス料理のフルコース、とてもセボンでした」
「待って待って!もはやおじいちゃん超えてるよ!?中国の富裕層のパパ活だよ!―――あたしが言いたいのはそうじゃなくて!他の子たちは妹扱いが嫌だなんて言ってるけど、あたしたちはもはや孫だもんねってこと!」
法子ちゃんにたしなめられてしまいました…
「だからあたしが用意してきたのは~!――デケデケデケデ~デンッ!“メロウ・イエローでボケまくって比企谷さんから強めに叱ってもらえる1日にする~Hachiman make MY day~大作戦”です!!!」
「「おぉ~(パチパチパチ)」」
「いいでしょ~!時子さんに相談したら色々作戦をたててくれたの、あたし達は3人組だから小ボケ大ボケツッコミが良いんだって!作戦名の命名も時子さんだよ♪」
「「トキカワ!!」」
相変わらず怖いもの知らずな法子ちゃんです。とても私なんかじゃ真似できないですね。
でも時子さんへ相談したというのは不思議ですね、今まさにどこかで叱られているであろう茄子さんに聞いてみれば早そうなものですが。
「と、時子さんにこんな相談したんですか?」
「ノリノリだったよ~?『私が考えてあげたのだから死力を尽くしなさい?せいぜいあの鴉におじいちゃん孝行すればいいわ』って♪」
「お、押忍。――いつも一緒にいるのにモノマネが激ヘタですね……法子ちゃんが時子さんのセリフをそのまま言っただけでしたよ……」
「えへへ~じゃあまず有香ちゃんはこれを2粒食べて!」
「は、はいっ!いただきます!」
どうやらこれは時子さんも私たちを使って遊ぼうという狙いもありそうですね。案外比企谷さんに弱いあの人のことですから、いつもとは趣向を変えた意趣返しという線もあるかもしれませんね。トキカワ!!
そして有香ちゃんは何も聞かず言われるがままに、法子ちゃんから渡されたラムネのようなものを2粒飲み込みました。躊躇とかないのでしょうか…
「飲み込んだ?―――よし、じゃあゆかりちゃん何かボケてみて?」
「……………そ、そんな名前の人しらないっ!!」
突然の無茶ぶりでしたが我ながら良い返しをできたと思いますが、これは、地獄……
「自分から中の人ネタとか安直すぎやろ!てかゆかりちゃんとキャラ違い過ぎてさっき調べるまで気付かんかったわ!これからはエロマンガ先生て呼ばしてもらおかいな!」
「へへー♪志希さん特性“ノンダラカンサイジンニナール”だよ!」
「命名センス小林製薬か!大家族の15人目くらいの子供でももうちょい考えて名前つけられてるで!!」
「1粒で一週間の効き目だよ♪」
「ほな絶対1粒で良かったやろ!なんで2粒飲ましたねん!2週間も関西人ならなあかんの!?そんなん絶対嫌やで!押忍でんがなとか言うてもたらどうしよ!?」
「大丈夫大丈夫!全然違和感ないよ!!」
「どんなゴリ押しの仕方やねん!押し過ぎやろ!鳥人間コンテストやったら新記録でる勢いやわ!?」
はっ!!あまりの衝撃に意識が飛んでしまいました。……これ私がボケる必要ありましたか?有香ちゃんひとりでやっていけそうなんですけど……
「こんなん下段にもならんわ!あっ、ちごた。上段にもならん!あかん、またまちごーてもた…冗談にもならんわ!言いたかってん。――ほんまウチはつくづく空手家やわ~下段とか上段がパッと出てまうんやもんな~」
「イイよ有香ちゃん!なんだかオールドファッションな芸人みたいで!」
「それを言うならオールドスタイルやろ!どんだけドーナツ好きやねん!ええ加減にしとかなあんたのドーナツ全部ソースかけてまうで!」
――――――
「…お前らはいつ見ても楽しそうだな。――この事務所で数少ない癒しなんだ、頼むからそのままでいてくれよ?」
「ひ、比企谷さん!いつからいたんですか!?」
「いつからもなにもずっといたぞ?なすびを捕まえてからここで躾けてたからな」
「うわぁぁぁぁ!なんで四つん這いの茄子さんに座ってるんですか!!しかも真顔で!!」
「ぐへへ。背中に比企谷さんの体温を感じますぅ~」
「まんざらでもない感じ!」
「どうした水本、この椅子が気になるのか?座り心地は最悪だからおすすめできないが、俺の膝でよければ座ってみるか?」
「お、お膝の上も魅力的ですけど……(い、いいい、椅子のように扱われる……アリです!ゾクゾクします!)」
「おう、なんなら肩も揉んでやるよ」
「い、椅子のように扱われてゾクゾクしてるなすびは悪いなすびですか!!!」
「(ゴクリ)…比企谷さん!!」
「どうしたんだ?」
「わ、私も仁奈ちゃんに良からぬことを吹き込んできます!!!」
「え、なんで!?」
「では!」
「行っちゃったよ……」
「なすびの事はガ・ン・無・視♡♡」
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