デレマスとのクロスオーバー『 基本はコメディ』 作:エビアボカドロックンロール
REC ON
在宅勤務に切り替わって一週間。
疲労原因の大半を占めていたアイドルたちとも、当然顔を合わせるわけにはいかない。なのでそれぞれに趣味や特技などを撮影してもらってそれを検閲し編集するのが最近の主な仕事だ。
今日送ってもらった分の作業が終わり、完全に気が抜けてソファへと沈み込んでいた時にそれは起こった。
「デュワッ!!!!!」ビクッ
怖い怖い怖い!巨大なムカデが胸元を横断してるんですけど!左から右へワシャワシャと大量の足を器用に蠢かせ、精密機械のような美しい動きが目に毒なんですけど!!
虫だけはほんと無理だから、ほんとに無理だから!!助けてキャルちゃーん!!
「だれどすかそれ?八幡はんも童心に帰りたいときもあらはるんでしょうけど、なんでウルトラマンのまねしてはるん?もう少しでお夕飯できるさかい大人しく待っといておくれやす~♪」
運が良いのか悪いのか、今日は部屋に紗枝が来ていた。
以前にアップした日本舞踊の動画はかなり反響が良く、これからの進展についてビデオ電話で話し合っていたのだが、衣装の質感などは直接見なけらば分からないからなど、何のかんの理由をつけて押しかけてきたのだ。
だが今だけはそのことに感謝しよう。一人だったら即座に部屋から脱出した上に二度とこの部屋へ戻ってくることはなっかただろう。
「すみません紗枝さん!何でもするんで助けてください!!」
「もうかなんわぁ、こんな時だけ頼ってきて。ムカデなんぞは熱湯をかけたらしまいどす。ほら、守護ったるさかいこっちおいでやす」
そこからは圧倒的な蹂躙であった。30センチはあろうかという、巨大なそいつへむけて縮地であっという間に接近したかと思うと、指を狐のように立て可愛くポーズ。
指先より発射された漆黒の玉へムカデは断末魔の悲鳴を上げながら吸い込まれるようにして消えていった。やだ、かっこいい。てかお湯のくだりはなんだったんだよ。
「よしよし、こわかったどすなー。もう大丈夫やさかい安心しなはれ。」
「あぁ、すまん。気が緩みすぎて変なリアクションしちまった。」
「ふふ、そんなことあらへんよ、かわいかったどす♪それにキャルはんがどこの誰やら知りまへんけど、うちにはうちのええところがいっぱいあるんどす♪」
なぜか慈愛顔で俺を撫で続ける紗枝。落ち着いて考えたらあれほどのリアクションする必要はなかった気がするがついウルトラっちゃうほどの衝撃で正気を失っていた。
紗枝の包み込むような優しい手つきに身を委ねていると心の底から安心感が沸いてくる。なるほどこれがバブみか。
「さて、これで借り1どすな。何でもしてくれる言うてはったし、自粛明けるんがえらい楽しみやわぁ♪さっお夕飯にしましょー(しっかり録画できてるとええんやけども)」
REC OFF
『ムカデ 日本最大』検索っと。ふむふむ、15~20センチ??どう見てもあれは30センチ以上あったぞ。よく考えればこんな都会にムカデがいるのもおかしいよな。いったい何だったんだ?