デレマスとのクロスオーバー『 基本はコメディ』   作:エビアボカドロックンロール

42 / 71
単短編前編 ちひろ「東尋坊のロケが終わったらちゃんと芳乃ちゃんのとこ行ってくださいね~」八幡「………仕上げに塩を少々」

 

 

 

 潮の香りのする荒々しい日本海の風が全身を撫で、眩しさに手をかざしてみればキラキラと乱反射する水面がすさんだ心を落ち着けてくれる。海は凪が一番だな。そのまま断崖へと向かい歩みを進めてみれば、なるほど自殺の名所と言われるだけはある。

 

 今日は俺の一番お気に入りで目をかけているアイドル達が参加する路線バスれなんだかんだしながら海から川へと遡上していく、鮭れすか?と聞きたくなるような企画に幸運なことに俺、比企谷八幡は付き添いれ来させてもらっている。うるとらはっぴー☆ばーてぃかるりみっと☆

 

 

「……モノローグ返してもらえません?」

 

「海の日の主人公!!!モノローグ担当の浅利七海れす!」

 

「本日の日本海は大しけですが凪は凪です。どうも凪です」

 

「―――だからこのロケだけは来たくなかったんだ……。てか浅利は台本形式しか出れないんじゃねえのかよ……」

 

「七海は常に予想を超えてきます!!!プロデューサーさんの胃は風前の灯火れすねー♪焼き肉で言うとミノれす♪」

 

「ストレスで胃に穴が開き過ぎてハチノスになるでしょう。ギアラと言ってもセンマイできませんよ」

 

「嫌だと言っても撤回できませんよ?」

 

「「叙々苑!!」」

 

「え、どういう意味??」

 

 

 では、改めて。―――潮の香りのする荒々しい日本海の風が全身を撫で、眩しさに手をかざしてみればキラキラと乱反射する水面がすさんだ上に傷だらけでボロボロになった心を落ち着けてくれる。あぁ、今すぐかえって寝たい。海が凪だろうが大しけだろうが千葉の海に比べれば大したことがないな。そして断崖に立ってる俺を見て止めるべきかどうか迷っている警備員さん、そんな今にも飛び降りそうな目でもしてますか?

 

 日本海から美しい渓流まで、路線バスで遡上しながらバス停の周りにある飲食店で食事をし目的地を目指すロケの特別編に内の事務所が挑戦させてもらえることになったのだが、指名されたのが海の日にちなんで海の女こと浅利と実は海の用語が名前の久川だったのが運の尽き。

 

 

「またまた~♪本当は喜んでいるのを七海はぎょぎょっとお見通しれすよー♪」

 

「凪はお腹がすいたので朝ご飯を食べたいなぎ」

 

「ええいうっとうしい絡みつくな!―――んで久川はこれ以上変なキャラをつけないでくれ……」

 

 

 ただでさえ潮風でべたべたするというのに健康的に露出した服装の二人が絡みついてくるのだから暑苦しいことこの上ない。

 

 

「朝はパンに限ります。BLTサンド希望です」

 

「ロケでたくさん食事シーンあるが大丈夫か??」

 

「一口食べて適当にリアクション取ったら残りはスタッフに食べさせるので大丈夫です」

 

「嫌なプロ意識……」

 

「七海も朝はパン派れす。プロデューサーさんのBL希望れす。―――朝はパン♪パンパパン♪」

 

 

 逆光を背負いピンと手をあげながら最低な宣言をする久川、わるなぎポーズがカワイイネー

 たしかに大御所の中には仕事の後に食事の予定があるからと平気で食べない人もいるらしいが、育ち盛り食べ盛りのうちのアイドルたちは本当においしそうに食べることが大好評でこの手の仕事がかなり多い。

 あと事務所内で大西の布教禁止令はよ!パン祭りの歌が意味深に聞こえちゃう!

 

 

「「昼はタン♪タンタタン♪ 夜はナン♪ナンナナン♪」」

 

「仙台在住インド人の一日かな?」

 

「さすが東京在住大阪人のP」

 

「大阪人の血なんて一滴も流れてねえよ…。生まれも育ちも千葉だ」

 

「なるほど、プロデューサーさんはチバニアンだったんれすね!」

 

「チバニアンは地質時代の新しい区分だ。………3分だけでいいから普通に話してくんない??」

 

「「―――3分後―――」」

 

 

「………それはずるくないか?」

 

 

「クジラは200年以上生きると言われているらしいれす」

 

「なるほど明日は我が身だな?」

 

「七海も200歳まで生きるれすよ!!その証拠にほら、見るれす!!」

 

「わーお。肩まで延びる線、さては激長生命線だな?」

 

 

 ここらで止まってくれねえかな……

 願いもむなしく、きゃいきゃいと騒ぎながらちょっかいをかけ続ける二人が俺の周りをまわりながら腕に手を伸ばしてきた。

 

 

「せっかくなのでプロデューサーさんにも描いてあげるれす♪」

 

「せっかくのせっかくなのでおびただしい数のネズミも描いてあげましょう」

 

「描いてるって言っちゃってるしバンクシー好きすぎない?―――っておい、手帳にまで描くんじゃねぇよ!」

 

「猫ちゃん!どこれすか!?」

 

「ね、猫?……あぁ、“描いてる”と“猫いてる”が似てるのな……いや漢字が似ててもそんな間違い方しないだろ。しかも“猫、いてる”ってそんなこてこての大阪弁使ったことねえわ」

 

「素晴らしいツッコミ。座布団5000枚差し上げましょう」

 

「業者かな?―――ったく、ほんとに落書きしやがって。お前ら消しゴム持ってないか?」

 

「もんぎゃあ!プロデューサーさんにゴムを求められてしまったれす!!」

 

「なるほど、凪の使用済みゴムが欲しいと」

 

「………帰りたい」

 

「「土に??」」

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。