デレマスとのクロスオーバー『 基本はコメディ』   作:エビアボカドロックンロール

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単短編完結(下) 八幡「なんか全国各地で同じ日に俺の目撃情報があるんですけど…」ちひろ「あっ………。盲点でした」

「―――って感じでした。久しぶりに祖父母に会えたのはそりゃ嬉しかったですけどもうあんなドッキリはやめてくださいね」

 

「いえいえそんなお礼を言う必要はないですよ。私の優しさだけ知っててくれたらいいんです」

 

「…日本語通じてます?」

 

 

 それはもう色々あった弾丸帰省から無事東京へと戻ってきた次の日。たまっていた仕事が思いのほか少なく出社して早々に一段落がついたので報告とクレームを兼ねてちひろさんに一連の出来事について話してみたが、なぜかリアクションはいまいちでしまいにはかなり見当違いな言葉が返ってきた。

 あまりにもリアクションが薄いもんだから焦って言わんでいいことまで言ってしまった気がする…。ほら、聖水コーヒーのこととか…

 

 

「凪ちゃんと七海ちゃんのガス抜きにもなったようでよかったです。いくら奔放な性格でも見えないストレスは溜まっていきますからね」

 

「…そういやちひろさんはストレスは性欲で発散させるタイプって言ってましたよね。見たところ相手はいなそうですし相当ストレス溜まってるんじゃないですか?」

 

「…セクハラで死にたいんですか?――なんなら比企谷君が相手してくれてもいいんですよ…?」

 

「………ハハッ面白い冗談ですね。……つーか前にちひろさんが自分で言ってたんじゃないですか…」

 

「あーあー。聞こえませーん」

 

「少なくともアイドル事務所で口にしていい言葉じゃないですよ」

 

「やめてくださいー。正論は紅茶だけで十分ですぅー」

 

 

 まるでいい仕事をしたみたいな表情で俺を見るのでちょっとした意趣返しにと以前ちひろさんが武内さんを誘惑していた時に(未遂に終わった)言っていたセリフを引用してからかってみたが、自爆覚悟の超絶カウンターを喰らってしまった。なんかもう、少なからず想像してしまって最悪な気分だわ。良い子のみんなはマネしないでね!

 

 あとスリランカ原産の紅茶、セイロンティーは関係ねえだろ。…おもしれえから今度雪ノ下に使ってみよ。正論は紅茶だけで十分だ。――死ぬほど冷たい目で見られそうだな…

 

 

 そんな風にちひろさんとイチャイチャしていると事務所の奥からアイドルたちが白熱した会話を繰り広げているのが耳に入ってきた。喧噪の中でも自分の話題は聞き取れるカクテルパーティー効果とか、たぶんそんな感じのやつ。まあカクテルなんてしゃらくせえもん飲まねえしパーティーなんて魔境もできるだけ行かないから知らんけど。

 

 

「そんなわけでプロデューサーさんのおじい様おばあ様にかなり気に入られたんれす♪」

 

「最後には二人まとめて嫁に来ればいいとまで言ってくれました。はーちゃんもいるので3人になってまだ残りひと枠ありますよ。勝ったなガハハ」

 

 

 先ほどまで俺がちひろさんに話していたことを200倍くらい大げさにして語る浅利と久川は勝利宣言をするかのように残りのメンバーを見渡しふんすと鼻息をならした。

 

 変わって聞き役に回っていたのはどこか余裕の表情で話を聞いている鷹富士、渋谷、佐々木、櫻井、美優さん。俗に言う、地雷原でタップダンスどころかハカで踏み鳴らしてんじゃねえかと思うようなメンツなので、いつもならここいらで試合開始のゴングが聞こえてきそうなもんだがどういうわけか今日は誰しもが余裕たっぷりの笑みで勝利宣言を聞いていた。

 

 

「あれあれー?私の耳がおかしくなったんでしょうか?ダーリンはこの1週間ずっと私と二人きりで、全国の神社を巡って結婚式の下見をしてたんですけどー?『十二単って12回も脱がせられるのか。…興奮するな』って言ってくれたんですけどー?」

 

 

 誰がダーリンだ。

 

 

「運がいいだけの無駄乳おばさんこそ何を言ってるの?ダーリンダーリンは私と二人きりでオリジナル花言葉1万個考えるまで帰れまマンしてたんだよ?『頑張って考えたけど9割は凛への愛の言葉になっちまった』って言ってくれたんだよ?」

 

 

 誰がダーリンダーリンだ。いきものがかりか。

 

 

「あの…ダーリンダーーリンは千枝の実家に挨拶に来てくれました…。千枝が色んなコスプレをしたらとっても喜んでくれましたっ。『コスプレは正しくはコスチュームプレイって言うんだが、プレイって何をするんだろな』って…興奮しながら言ってくれましたっ」

 

 

 誰がダーリンダーーリンだ。ミスチルか。

 

 

「みなさま何をおしゃってるんですの?ダリダリーンちゃまはわたくしが所有する島や湖を二人で旅行しながら名前をつけて回ってたんですのよ?『島が八幡島だから、湖は……はちまんこ…だなっ』と鼻息荒く語ってくださっていましたのよ?」

 

 

 誰がダリダリーンだ。矢井田瞳か。

 

 

「あれ?でもおかしいです。Darlingは私がずっとお家で看病していたはずなんですけど……『ぼ、母乳には免疫物質が入ってるらしいです…ゴホッ…こんな体調の悪い時に…誰か飲ませてくれたらなー…ゴホッ…』ってその後はご想像にお任せしますけど……」

 

 

 誰がDarlingだ。西野カナか。

 

 

「ツッコミの波動を感じますけど誰もリンダリンダを比企谷君のことなんて一言も言ってないですからね…?」

 

「あっ……。――あとそれは山本リンダかブルーハーツです。ダーリンですよ。いや、ダーリンでもねえよ」

 

 

 ウルトラミス!!!

 いつも引っ付いてくるメンバーだから自動的に自分だと思ってツッコんでたけど誰も俺の名前出してなかったわ。ただの自意識過剰君でした。

 だとしたら誰のセリフかは知らんがこいつらこの1週間どんな変態と過ごしてたんだ?普通に心配になるんだが…

 

 

 ……いやちょっと待て、八幡島って言ってるよね?八幡なんてキテレツな名前他で聞いたことねえよ

 

 

「やっぱり俺じゃないですか…」

 

「てへっ」

 

「うわキツ」

 

「………まあ、今のは自覚あります」

 

 

 つーかまじで俺のことだとしたら全員嘘をついてるのか?浅利と久川以外のエピソードにはまったく身に覚えがないが、セクハラ台詞に関しては絶対に言わねえとも言い切れない絶妙な加減でよくできている。まあ俺が実際にセクハラするのは夢見だけなんだがな。

 

 

「それよかちひろさんはなんか知ってるんですか?あいつらの目もどうにも嘘をついているようには見えないですし、まさかモラルぶっちぎってクローン造ったとか言わないですよね…?」

 

「ギクッ」

 

「ギクッって言いました?」

 

「…まさか。イクッって言ったんですよ」

 

「まじで欲求不満すぎません?」

 

 

 雑にごまかすちひろさんはこれ以上言い訳するのがめんどくさくなったのか、これまでの経緯についてぽつりぽつりと自供を始めた。

 

 

「まあ、さすがにクローンは作りませんよ。可能かどうかは置いておいて」

 

「そんな可能性は捨ててください」

 

「と言ってもトリックは本当に簡単なんです。そもそも今私が全部話そうとしてる時点で比企谷君なら気付きそうなもんですけどね…」

 

「ど、どういうことですか…」

 

「あなたにはもう用はないと言うことですよ。――おやすみなさい、ゆっくり眠ってくださいね、ダーリン…♡」

 

 

「な、き、急に眠気、が………―――シャットダウンシマシタ」

 

 

 

ーーーーー

 

 

 

晶葉「ふむ。アンドロイド八幡のハード面における性能は生理現象以外は問題ないようだな。エネルギーもうまく食事から変換できている」

 

志希「んー、ソフト面はどうしても複数体用意した場合の個々における記憶の整合性が取れなくてバグが起こってるみたいだにゃー」

 

ちひろ「ローカルネットワークを構築して記憶の同一化を図りますか?」

 

志希「それも考えたけど、同一時間帯に複数存在することへの矛盾をAIがどう判断するかによっては目も当てられない結果になりそうだからにゃー」

 

晶葉「なるほど!つまり自爆はロマンと言うことだな!」

 

ちひろ「ウチの会社をテロ組織にしたいんですか…。ひとまず生理現象を、主に性的な生理現象を再現できるようにもう一度あらゆる状態で3Dスキャンしてみましょうか。――それから八幡Ver8.05の起動は一体だけで事務所内限定、それでいいですね?」

 

志晶「「異議なし!!」」

 

 

ちひろ「ふぅ。貸し出しは難しそうですね。――いいお金になるかと思ったんですけど……」

 




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