デレマスとのクロスオーバー『 基本はコメディ』 作:エビアボカドロックンロール
あなたを愛しています、感謝、上品、しとやか、深い尊敬、純潔。
贈り物の定番であるバラには驚くほどたくさんの花言葉が存在する。
海外においてバレンタインとは一般的に男性から女性へと贈り物をする日として認識されており、中でも人気なのが薔薇の花だそうだ。
だが日本へ持ち込まれたバレンタインの文化はお菓子会社によって別の形へと変えられ、それはこんにちまで呪いのイベントとして数多くの日本男児にトラウマを作り続けている。
そして今、ネットにより世界中の情報が簡単に手に入るようになった弊害として、日本人は本来ならバレンタインとは男性から愛を伝える日だということを知ってしまった。
つまりはそんな感じの手紙がひと月ほど前から定期的に俺のデスクへと届けられていた。
なに?花くれってこと?
「この薔薇でも摘んで帰りますか…?」
隣に並び立つ武内さんへと声をかける。
山奥で見つけた白い薔薇は恵みの雨を浴びて気持ちよさそうにゆらゆらと踊り、そんな珍しい野生の薔薇を見ていてふと思い浮かんだアイデアだった。
「いえ、さすがに小便をひっかけた花を摘む気にはならないですね…」
「ですよねー」
二人仲良く大自然の中で立ちション中のワンシーン。
山々を駆け抜ける一陣の風がただの排尿を最高の青春へと演出する。
「ところで比企谷君は何かプレゼントをするのですか?」
「俺の愛は俺にしか向いていないですから…」
苦い顔で呟く俺を妙に達観した表情で見つめる武内さん。
2人が描く放物線は木漏れ日を受けて美しい虹を作り出し、バックショットだけで見たならば映画のポスターのような世界観ではないだろうか。スタンドバイミー的な。
踊り続ける白い薔薇を愛でているとポツリと武内さんが囁いた。
「――これは友人から聞いた話なのですが」
「不穏な導入だ……」
「その彼は昨年のバレンタインにチョコをいただいたのですが、ホワイトデーのお返しをすっかり忘れてしまったそうです」
「ことさら不安になる展開だ…」
告げる武内さんは真っ青な顔だがそれでもこれだけは伝えなければといったある種の覚悟を感じる。
「そしてこう言ってしまったんです………、なんでもするので許してください…と」
「ち、ちなみに相手は…?」
「………千川さんです。そしてその約束は先日無事、履行されました」
名前を聞いた途端、俺の下半身は過去にないサイズにまで縮み上がり、武内さんのモノも普段の様相が嘘かのように縮こまっている。
名前を言ってはいけないあの人かよ…
「な、何をされたんですか?」
「―――続きはWEBで」
「おい…」
「冗談はさておき、聞くも涙語るも涙の物語です」
ちょいちょいっとチ○コをズボンの中へとしまい、近くにあった切り株へと腰を掛ける。
鬱蒼とした森の中で佇む巨体は後光がさし、肩や頭へと小鳥が羽を休めに集まってきた。
武内さんは指先にとまった小鳥をいとおしそうに眺めているがさっきまでその手でチ〇コを触っていたと思うと複雑な気分だろうか。
「ま、まさかプレゼントは……」
「実は、ええ…、チ○コです……」
「―――ん?チンコですか?チョコですか?」
「チョコです」
だよね。
びびったー
「なんでも言うことを聞くと言った割りには普通のお願いだったんですね」
てっきり“チンコの形のチョコを作りたいからさっさとそのでけえチンコを私の眼前へとさらけ出すんだよ”みたいなお願いをされたとばかりに思っていたが。
……なんだよ、ちひろさんにも意外とロマンチックな一面があったのかよ。
「チンコの形状のチョコを作ったので私の目の前でイヤらしく食べてください…そう言われました」
ニアピンだよおい
「そしてそのチョコは………私のモノと寸分たがわず同じ形をしていたんです……」
しかも怒張時の…と小声で付け足す武内さん。
そりゃ泣くわなー
だって自分のチンコしゃぶるなんて絶対嫌だもん。あと友人設定どこいった?
「んで、食べたんですか…?」
「覚悟が決まるまで一週間の猶予をいただいてます。そしてこれがその現物なんですけれど」
「……ちょっと武内さん?さっき立ちションの時に見たのとそんなに大きさが変わってない気がするんですけど?」
「一口…いかがですか…?」
「アーーッ!!!!」
「はい、カット!!!」
「ふぅ……、あのちひろさん、武内さんは100歩譲っていいとしてどうして俺まで?」
「比企谷君がいた方がインポテンツとしての質が上がりますから」
「コンテンツな…」
「予想通り、かなりチンポよく撮影ができました」
「テンポな…」
「はいはい、正しく言えばいいんでしょ?シコリましたシコリました」
「かしこまりましたを略してもシコリましたにはなんねえよ」
「即ちんぽ」
「即ち(すなわち)…んぽ。――うん、意味が分からん」