合わせ鏡の転生者(凍結)   作:lily_black

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神獣鏡

 

 私は今、長野県にあるとある遺跡の中で息を潜めている。というのも私の聖遺物たる神獣鏡を回収しに来たのだ。

 

 回収のやり方はとっても簡単で、聖遺物発掘チームがノイズに襲われてる隙に神獣鏡を掠めとっていくだけ。さすがにこれまで何度もやってきただけに難易度はベリーイージー。

 

 たまにぜんぜん襲われなかったり、そもそも発掘チーム自体いない人生(とき)もあってその時はとてもめんどくさいのだけど、今回は絶賛襲われてるので簡単にことを運べるだろう。

 

 悲鳴が聞こえなくなって、ノイズが逃げた生存者を追いかけてったところで急いで回収に向かう。ここでグズグズしてるとラスボスさんが神獣鏡を回収しに来ちゃうからね。何度か鉢合わせして消されてる私が言うんだから間違いない。

 

 灰の山の中に手を突っ込んで神獣鏡を探す。今までの経験で大体の位置はわかるけど、その時その時で微妙に位置が変わるのは面倒。

 

 5体目の灰に手を突っ込んだとき、ふと指先になにか固いものが触れる感覚があった。灰を押しのけて手に取ると、それは紛れもなく神獣鏡の欠片。それを持ってきといたカバンに押し込んで、灰を怪しまれない程度に元に戻したら、できるだけ急いで離脱する。

 

 あとは遺跡を脱出して森にまで逃げ込んでしまえばこっちのもの。懐から転移結晶を取り出し、それを真下に放る。地面に激突した転移結晶を中心に術式が広がり、一瞬の明転の後、私の部屋へと転移が完了した。ふう、これで一安心かな。

 

 ちなみに神獣鏡を見つけてすぐに転移しなかったのは、少しでも私に繋がる証拠を残したくなかったから。転移結晶に残った術式の残滓で転移先を特定されれば目も当てられない。まあさすがに二課にそれができる人間がいるとは思えないけど、ラスボスさんは錬金術を知っててもおかしくないし、念には念をってことでね。

 

 あとは回収した神獣鏡をファウストローブに加工するだけ。それがまた大変だけど、さすがにもう慣れちゃった。さてと、善は急げと言うし、早速作業に取り掛かろっと。

 

 

 

 

 

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 はい。というわけで完成しました。

 

 今は起動テストと動作テストをするために人目につかない海岸に来ています。

 

「〜ッ!〜ッ!」

 

 目の前には切り立った崖、背後には鬱蒼とした森が広がっていて、こんな所にわざわざ足を運ぶ物好きはいないだろうからこの場所を選んだ。

 

「〜〜ッ!」

 

 さっきから足元に転がってる中年のおじさんがモゴモゴうるさいので顔面を蹴って黙らせる。手足を縛られて猿轡されてるおじさんは、蹴られたことで鼻から血を流しながらさめざめと泣き出してしまった。

 

 まあ無理もないか。怖ぁーいお兄さん達に無理やり連れてこられた場所が人目につかない海岸で、そこに居た小さな女の子にお兄さん達がペコペコしてるんだから。まあ私のことだけど。

 

 ちなみにお兄さん達は私に協力してくれる組織の人間だ。前に私が直接協力を『お願い』しに行ってから、とてもよくしてくれるロリコン達だ。ファウストローブを作るのに必要な場所や素材、資金を提供して貰ってる。

 

 そしておじさんは今回のテストに際し、威力テストの実験台として提供して貰ったサンドバッグだ。これが終われば処分されるから存分に使い潰すことができる。

 

 お兄さん達には一旦遠くに退避してもらって、早速ファウストローブを起動してみる。特になんの問題もなく起動した。自分の姿を見てもデザインと違うところはないし、身体を軽く動かしてみても何も違和感はなかったからそのまま動作テストにうつる。

 

 最初にテストするのはステルス機能だ。これがないと二課に捕捉されて動きずらくなるから必須の機能だ。

 

 ステルスを起動した途端、目を見開いて固まってたおじさんがキョロキョロしだしたので、機能は問題なく作動していると考えていいだろう。

 

 試しにおじさんの前に立って、思い切り蹴ったけど、蹴られる瞬間までおじさんは私を認識してなかったし。

 

 そしたら今度は分身機能だ。これは使えば結果がわかるのでちゃっちゃと使ってみる。

 

 目の前に私の分身が生成された。試しに分身を動かしてみたら、思い通りに動いたのでこの機能も問題なく動作していると見ていいだろう。

 

 あとは機能の効果範囲と分身の限界数を実験して、分身機能のテストを終了する。

 

 そしたらあとはお待ちかねの威力テストだ。周囲に鏡を展開しておじさんを狙う。試しに1発照射したら、皮膚が爛れて肉が焼ける臭いがした。1発でこれなら攻撃力も申し分ないだろう。

 

「〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッ!」

 

 あとは破壊力が知りたいところだ。鏡を連結して大きな鏡にする。それを見て私が何をしようと察したのか逃げようともがいてるけど、もう遅い。

「〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッ!!!」

 

 発射されたエネルギーは、極太のレーザーになっておじさんに直撃した。激しい音と土煙で周囲が見えなくなる。

 

 煙が晴れて、おじさんがいた所をみると、地面は抉れ、大きな穴が空いていた。穴の中心には黒焦げの何かが転がってる。

 

 どうやら破壊力も十分にあるみたい。聖遺物としての(ランク)が低くて、武具でもない神獣鏡にしては上出来かな。

 

 あとは神獣鏡特有の凶払いも試したいけど、さすがにホイホイ試せるものではないので自重しよう。

 

 ファウストローブを解いて、後片付けをお兄さん達に任せた私は転移結晶でその場を後にした。

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