ブラックコンドル
出典 鳥人戦隊ジェットマン
順番 2番目
色 黒
正体 結城凱
決技 コンドルフィニッシュ
1
気が付くと、そこはミッドナイトブルーのバーだった。
静かな水底のさらに奥のような、
静かさだけが染み入る場所で、俺、佐藤和真の目の前で一つのトランプ勝負が行われていた。
向かって左に座っているのがゆったりとした白い羽衣を身にまとい、長い白銀の髪と白い肌の少女だ。
向かって右に座っているのが、
上下黒の衣装にオールバック気味の髪形。
東洋系のイケメンダンディだ。
傍らに置いた楽器ケースの中身はサックスだろうか?
客としても、奏者としても、
この空間になんの不思議も無くぴたりと当て嵌まる。
「では、よろしいですね。」
「ああ。俺が勝つからな。」
まずは少女がカードをオープンする。
もうカードの交換は済んでるらしい。
「♣A K Q J10。
ロイヤルストレートフラッシュ。」
少女が出したのは最強の一手だった。
思わず「おお!」と声をあげそうになったが、
なぜか体が動かない。視線を動かす以外何もできない。
「……エリス、お前は幸運の女神の癖に弱いな。」
「カードをオープンする前からそれを言いますか?」
「ああ。俺は負ける賭けはしない。」
そう言って男がカードをめくる。
「♠5、❤︎5、♦5、♣5、JOKER。
ファイブカード。」
「な、なんと!」
少女が美しい青い瞳を真ん丸にして驚く。
「言ったろ?さ、約束だ。」
「仕方ありません。少しだけですよ?」
そう言って穏やかに笑いながら、少女が指を鳴らすと
「うおぉ!?動けた……。」
「おい少年!」
「は、はい!」
「ちょっとこっち来い。」
俺は賭けに勝った男に招かれるまま男の隣、少女とは反対側に座った。
「お前が仲間をぶん殴ってでも止めようとしたところ、
全部見てたぜ。
女に手をあげるのはいただけねぇが、
お前の戦い、俺の知ってるレッドレンジャーには及ばねぇが魂こもってたぜ。」
そう言って俺の腰を指さす。
そこには下げた覚えのない昨日アクアと戦った時、
もっと言えば鳥人の黒い戦士に変身した時に使った剣が下げられていた。
「いつの間に!?」
「ブリンガーソード。
俺たちジェットマンの武器、お前に預ける。
武器ってのは女だ。
構ってくれねぇと機嫌悪くするから気を付けろよ?」
「は、はい……あの、あなたは?」
「結城凱。見ての通りの気前がいい上にいい男だ。
マスター、少年に砂糖抜きのホットミルクを。
こっちにはマッカランのストレート!」
俺の前にホットミルクが、凱さんの前にお酒が注がれる。
「頑張れよ、この世界のブラックレンジャー。」
「は、はい!」
なんだか大先輩が頼もしく見送ってくれるような感覚になりながら俺と凱さんはグラスとカップを打ち付け合い、
中身を煽る。
「さて、ワンゲームじゃそろそろ時間か。
最後にそうだな、性格はあれだが、
お前の女、大事にしろよ?じゃあな。」
そう言って笑った凱さんの声がだんだん遠ざかっていく。
そして俺は……
2
俺はいつも通り馬小屋で目を覚ました。
(……夢か。まあそうだよな。
昨日は爆裂魔法に、操られる女神に、
最後にゃスーパーヒーローに大変身だ。
変な夢みっるぐらいに疲れたって…)
かちゃり、と腰に変な物が着いてるのが分かった。
それは白いホルスター付きのベルトだった。
そのホルスターに収納されていたのが
「ブリンガーソード……」
間違いなく俺が昨日使った剣だった。
夢で見たままの形でそこにあった。
「反対側にもホルスターが…これは?」
それは昨日七海先輩から勝手に借りたケータイ電話と全く同じ形の物が収まっていた。
ただし色は違って、金と銀の部分が逆転している。
「よく分かんないけど、
とりあえず昨日のこともあるし先輩たちのとこ行くか。
おい、アクア!起きろアクア!」
「う……へっほへっほぉ!ぐぉっほごっほ!」
「へ?え、えっとアクア、様?いかがなさいました?」
「やぁ……何でよぉ……女神なのに、風邪ひいたぁ……」
3
「いや、家は駄女神専門の医者じゃないんだけど?」
「いや先輩。そうは言っても医者に行けるような持ち合わせがなくて、ここくらいしか頼れるところが無くて!」
俺はアクアを担いで途中で合流しためぐみんと共に七海先輩達の家にいた。
「うぅ…ごほ!風邪引いた…げほ!
女神なのに風邪引いた!げっほごほ!」
「おいウイルス女神!
和真君の顔を立て寝床貸してやってるんだから大人しくしてろ!」
誰かこの中で看病とか出来る奴は?
と七海先輩が尋ねると
「生まれてこの方、骨折と打撲と刀傷の手当てしかした事がない。」
と、ジョーさん。
「多分経験ないです。」
とリア。
「妹の看病とかは何回か。」
とルカさん。
「私も少し。」
とめぐみん。
「良し、ならルカと和真君とこのアークウィザードちゃんに任せた。
リアは街で薬かなんか探して来てくれ。ジョーとリアは」
「今日の飯代ぐらいなんかしらクエストで稼いでくる。」
「ドンも走らせてあげないとストレス溜まっちゃいますから。」
「頼んだ。」
全員が出て行くとそこに残ったのは俺と七海先輩。
アクアが本当の女神だと知る2人だけ。
「和真君。やっぱりあいつのアレってさ」
「あの黒いケータイぐらいでしょうね。」
2人とも同じ考えだったらしい。
俺たちは物置に聖骸布で封印された黒いケータイを取り出した。
「直接触るのは駄目ですかね?」
「多分な。逆にウイルス女神が使ってたレンジャーキーはなんの異常も無かったから、もしアイツに何か干渉したとすればあの黒いモバイレーツだ。」
「モバイレーツって、これの名前ですか?」
俺はホルスターから自分のモバイレーツを取り出す。
「そうそう。ってえ!?和真君それは?」
「朝起きたらこの剣と一緒に持ってて。
何か、あるんじゃないかなって。」
「あの駄女神の体調がマシになったら色々聞きたいことが増えたが、まずはこっちだな。」
七海先輩は自分のモバイレーツとレンジャーキーを構え
「天空聖者よ!我に魔法の力を!
天空変身、ゴール・ゴル・ゴルディーロ!」
<マーーッジレンジャー!>
金色の戦士に変身した!
「輝く太陽のエレメント!
天空勇者、マジシャイン!!」
「う、うわぁああ!なんですか!?
なんですかそのカッコいいの極みみたいな口上は!
凄い!凄いです!
爆裂魔法とは別系統でカッコいいです!」
いつの間にかいためぐみんは大興奮…てかめぐみんいつからそこに?
「変身するところからです!
ルカさんに1人でいいから2人とクエストにでも行っていいと言われたので来てみたら!
ソウイチさんがカッコいいことに!」
目をキラッキラさせながら満面の笑みでマジシャインを見上げるめぐみん。
「和真君もやる?
マジレンジャーのキーは後二本あるけど?」
「え?」
「カズマもやるんですか?やれるんですか?
やれるんならやって下さいお願いします!」
「わーっ!分かった!分かったから落ち着け!」
俺は七海先輩に差し出された二本のキーのうち赤い方を受け取り、ケータイを、モバイレーツを開く。
「天空聖者よ!我に魔法の力を!
魔法変身! マージ・マジ・マジーロ!」
<マーーッジレンジャー!>
赤い魔法陣に包まれ、俺も変身する!
「燃える炎のエレメント!
赤の魔法使い、マジレッド!!」
「最高!最高ですよカズマ!
ちょ、ちょっと兜脱いで貰えますか?
私も被ってみたいです!」
めぐみんにマジレッドのメットを渡してやり、
俺たちは黒いモバイレーツに集中する。
「これどうしましょうか?」
「なんかしら呪詛が刻まれてるのは間違い無いから
マジレンジャーの力で浄化しよう。」
2人がかりで浄化魔法をかけて、黒い瘴気を祓う。
めぐみんの興奮が落ち着いた頃、浄化は完了して、黒かったモバイレーツは俺のと同じカラーリングに変化した。
「さて、問題はこれをちゃんと使えるかどうかだな。」
「誰かでテストしないと駄目ですよね?」
「だったら私!私がやりたいです!
やらせて下さい自分の鍵もありますから!」
そう言ってめぐみんはあの時の鍵束を見せる。
「ダイナマンのレンジャーキー!
これを何処で?」
「故郷で拾ったんです!」
「……これは、問い詰めなくちゃな。
あの駄女神様をよ。」
怪人紹介 その6
デンソーヅノー
出典 超獣戦隊ライブマン
地位 頭脳獣
武器 電送能力
備考 ドクターマゼンダ製