スーパー戦隊このすばフォース   作:伊勢村誠三

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アイテム紹介 その7

マジステッキ

出典 魔法戦隊マジレンジャー
能力 魔法の発動
備考 マジレンジャー共通装備(初期6人)


このドMクルセイダーと魔王軍撃退を!

1

俺、佐藤和真と七海総一さんは何かクエストを受けようとギルドに来ていた。

 

「あ、カズマにソウイチ。おはようございます。」

 

「おはようめぐみん。」

 

「ああ、おはよう。」

 

今日はジョーは一人で息子に剣を教えて欲しいと言う依頼を受けてある裕福な家に。

リアは隣町のエリス教会の聖歌隊に一人病欠が出てしまったとかでピンチヒッターに。

そしてルカはアクアの看病で残ってくれている。

 

「という訳で、どれのクエストを受けようか?」

 

カエル…は先日の件が有るから遠慮しておこう。

今の俺にはブラックコンドルのキーが有るからいざとなれば射程外まで飛んで逃げれるけどけどそういう問題じゃない。

他のクエストもみてみると

 

『森に悪影響を与えるエギルの木の伐採。

報酬は出来高制。

 

迷子になったペットのホワイトウルフを探して欲しい。

 

魔法の実験台を探しています。

※要、強靭な体力か強い魔法抵抗力を持つ方に限る。』

 

「じゃあこの魔法の実験台ってやつ行ってみようか。」

 

「いや総一さん!?」

 

「正気ですか!?死にに行きたいんですか!?」

 

「なんでだよ?

マジシャインの鎧が有れば何も問題ないだろ?」

 

「日銭を稼ぐためにあのかっこいい鎧を使わないでください!」

 

めぐみんの猛抗議に渋々引き下がる総一さん。

 

「じゃあこの起動要塞デストロイヤーの偵察か、

魔王軍行動隊の偵察のどっちかに」

 

と総一さんが言いかけた所で

 

「すまない。ちょっといいだろうか?」

 

掲示板の前に立っていた俺たちに声を掛けて来たのは、

 

女騎士。

 

それも飛び切り美人の。

ぱっと見身長170cmで、

金髪碧眼に金属の鎧を着こんでいる。

 

「このメンバー募集はまだやっているだろうか?」

 

鎧を着こんでいてわからないが、

相当なグラマーなんだろう。

それにしても、なんでかな?

凛々しいのになぜか加虐心を煽られるって、見とれてる場合じゃない。

 

「そうですけどあなたは?」

 

「私はダクネス!騎士(ナイト)の上級職のクルセイダーだ。

先日そこのウィザードの少女が気絶してるのを君が連れてるのを見た!

弱きの盾になるのがクルセイダーの役目!

ぜひ私をパーティーに入れて欲しい!」

 

胸に手を置きながらグイグイ迫って来る。

言ってることはまともなクルセイダーなんだが、

なんだろうこの強烈な違和感は。

 

「いいんですか?かなり問題のあるパーティーですよ?

爆裂魔法しか使えないアークウィザードに、

打撃効かないモンスターに打撃技で向かって行くアークプリーストに

最弱職の冒険者のパーティーですよ?」

 

「おまけによくつるむパーティーは

雷魔法しか能のない冒険者に

敵を見たらどんなに不利でも突っ込んでいくソードマスターに

防御無敵の代わりに攻撃全然できないランサーに

人型じゃないモンスター相手にロクに戦えない盗賊ときてるがどうする?」

 

「な、なんだその理想のパーティーは!

戦闘中にどんなトラブルが起きるか想像するだけでエクスタシーが……」

 

「今エクスタシーって言ったか?」

 

「言ってない。」

 

「今エクスタシーって言ったよな?」

 

「言ってないな。」

 

「今エクスタシーって言いましたよね?」

 

「言ってない。」

 

俺たち三人はこのクルセイダーに、

ダクネスに聞こえないように話し合う。

 

「あの人、落ち着いたお姉さんかな?

と一瞬思ったけど……」

 

「私の考えてることが正しければ…」

 

「まさか、ドマゾなのか?」

 

三人で振り返り、まるでボールを待つ犬みたいな顔でこっちを見てくるダクネス。

 

「どうする?」

 

「一回クエスト受けてみて考える、

というのはどうでしょう?」

 

「まあそうだな。

性格アレでもめぐみんみたいにある局面では役に立ってくれる能力があるなら、まあな?」

 

 

なんて思っていた時期が俺にもあったよ……。

やあ画面の前の諸君。七海総一だ。

俺たちは今最悪の事態に遭遇している。

 

「スゴスゴスゴ!まさか偵察任務に鈍重、しかもロクに攻撃系スキルを取ってないクルセイダーを同行させるなんてお前ら馬鹿スゴ!」

 

・・そこのやけに饒舌な強めの雑兵(スゴーミン)の言う通りだった。

彼女、クルセイダーのダクネスはきっと生まれついての生粋のドマゾだったのだ。

捕まる直前、彼女はこう言っていた。

 

「世界征服を企む魔王軍に捕らえられる女騎士…相場を考えれば私がどうなるかなど明白!

ああ・・考えただけで武者震いがぁ!いってくりゅ!」

 

そして偵察任務のはずなのにスゴーミン三体とゴーミンの群れに飛び込んでいき、

攻撃にこそ耐えていたがまともに一撃も浴びせられず数に押されて捕まって今に至る。

 

「ああ…素晴らしい!シチュエーションだ!

カズマ!ソウイチ!めぐみん!

遠慮なく置いて行ってくれ!

私のことなど気にせずいっそ爆裂魔法でもぶっ放してくれ!」

 

そして捕まってなおこれである。

こいつ、下手したらあの風邪引き女神より頭おかしんじゃないか?

だって見ろよ。

捕まえた側のスゴーミンやゴーミンたちも若干引いてる。

 

「どうしますカズマ?やっちゃいますか?

爆裂魔法撃っちゃいますか?」

 

「そうだなさっさと殺っちまおう。」

 

和真はやけに早口で言うとめぐみんを抱えて全力で走りだした。

 

「え早!てか和真ちょっとまった!」

 

そう言えば和真の奴ジョーから腕力強化と脚力強化のスキル教わってたんだっけ?

冒険者だとそこそこスキルポイントくうけど、

それなりに実用性と有用性有るから取ってる冒険者は多い。

 

「な!ま、まてぇ!」

 

高速移動モードに変形可能なスゴーミンは兎も角、

普通のゴーミンに追いつかれるような速度ではない。

そして人質を連れているスゴーミンはどうしてもゴーミンにスピードを合わせるしかない。

和真は一瞬振り向いて俺が安全圏にいると確認したんだろう。

 

「めぐみん!今だ!」

 

「ふふ!本来ならちゃんとカッコよくポーズ取って決めたいところですが魔王軍とのデッドレースなんてそうそう出来るものでは無いので良しとしましょう!」

 

エクスプロージョン。

人は人類が出来る最強の破壊の大輪をそう呼ぶ。

レンジャーキーの加護がなくてもその威力は絶大だ。

 

ド派手な爆音をバックに吹き抜けていく爆風に吹っ飛ばされる和真とめぐみんだったが

 

「クロスチェンジャー!」

 

<ジェーーットマン!>

 

ブラックコンドルに変身し、空中でめぐみんをキャッチし、華麗に降り立つ。

 

「さて、総一さんとダクネスは?」

 

「お前の左足の下だ。」

 

見下ろすと爆風にまきっ込まれて半分土に埋まった総一さんが喋っていた。

 

「うわああ!大丈夫ですか!?」

 

「何とか五体満足だ。で、あのドマゾだけど…」

 

俺たちは爆裂魔法が炸裂した後のクレーターを見下ろす。

その中心ではゴーミンの残骸に埋もれたダクネスがアへ顔(快楽に負けた間抜け面)を晒している。

 

「こ、これが爆裂魔法……まるで物の様に無理やり空にぶん投げられる感覚に、着地の衝撃、後から降って来る瓦礫や土……しゅごいいぃ・・・。」

 

「よどみねえな。」

 

「よどみないな。」

 

「よどみないですね。」

 

俺たちは三人同時に呟いていた。

一周回って変態女と罵倒するより、

表彰ものだなと感心さえできる。

 

「貴様らぁ!よくも部隊を全滅させてくれたな!

許さんぞ!」

 

どうやらしぶとくも生き残っていたスゴーミンがいるらしい。

数は二体。なら、アレが有るか。

 

「めぐみん、走れるか?」

 

「まだきついです。」

 

「じゃあモバイレーツ貸してやる。

変身すれば、後で反動来るけど少しは体力も補助される。」

 

「助かります。」

 

ダイナピンクに変身するとめぐみんはクレーターの底に滑り降りていった。

 

「和真、前にレンジャーキー使った時に頭痛がしたことってあるか?」

 

「え?ありませんけど?」

 

「じゃあ覚悟しろ。」

 

俺は懐からゲキレッドのレンジャーキーを投げ渡し変身の構えを取る。

 

「ーーーッ!これっ、て?」

 

「いろいろ流れ込んできたろ?

俺はレッド以外のキーで結構そうなる。」

 

レンジャーキーからそのレンジャーのデータがラーニングされる時、

相性によって頭痛がする。

俺の場合レッドのキーと、和真の場合ブラックのキーと相性がいいらしい。

 

「それじゃ行くぜ!ガオアクセス!

サモン!スピリットオブジアース!」

 

「たぎれ!獣の力!ビースト・オン!」

 

俺は百獣の力を授けられた戦士に、

和真は激獣拳の正義の力の戦士に姿を変えた!

 

「灼熱の獅子!ガオレッド!」

 

「体に漲る無限の力!

アンブレイカブルボディ!

ゲキレッド!」

 

「燃え立つ激気と!」

 

「正義の雄叫び!」

 

「「スーパー戦隊ビーストレッド!見参!」」

 

俺はライオンファングを、和真はゲキセイバーを構えてそれぞれゴーミンに対峙する!

 

「牙吠!」

 

腕がデカい分、大降りになるスゴーミンの攻撃を軽快に交わしカウンターパンチを叩き込む!

 

「しゃ!よくわかんないけど!

ニッキニキのワッシワシで戦うぜ!」

 

二本のゲキセイバーでスゴーミンの攻撃をいなし、

守り、生まれた隙に刃を滑り込ませていく!

 

「ならこれスゴ!」

 

二体いるうち片方が高速モードに変形し、

その上に乗ったもう一人が上空から砲撃を仕掛けてくる。

 

「うぉお!和真!タイミング合わせよう!

俺は上!お前は下だ!」

 

「了解!」

 

俺はライオンファングをしまって、

ファルコンサモナーアローモードを構える。

和真もゲキセイバーを一つに合体させる。

 

スゴーミンどもが接近してくる・・・今!

 

「ファルコンサモナー!アローモード!」

 

俺は仮にスゴーミンの狙撃を食らったとしてもコースも威力も落ちないパワーでエネルギーの矢を放つ!

上に乗ったスゴーミンを見事撃ち落とした!

そして残った一体を

 

「ゲキセイバー!波波斬!」

 

横一文字の必殺斬りが炸裂!

二つに分かれたスゴーミンは背後で派手に爆発した!

 

「ふぅ…お疲れ。」

 

「うっす。」

 

変身を解除し、レンジャーキーを返却される。

 

「それじゃめぐみんとダクネス拾って帰りますか。」

 

「だな。」




名曲紹介 その7

愛の嵐

歌手 小津芳香(別府あゆみ)
作詞 別府あゆみ
作曲 高見優
備考 マジピンク専用曲

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