冒険者カード
出典 この素晴らしい世界に祝福を!
能力 レベルの可視化。スキルの管理
備考 偽装不可能
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スキルを習得し終え、店内に戻ると唯一置いて行かれたアクアを中心に人だかりができていた。
「アクアさん!お願いです!
幾らでも出すんでもう一回!もう一回花鳥風月を!」
「何言ってんだよ!金より飯の方がいいですよね?
俺、何でも奢りますよ!」
そう言って宴会芸をせがむ冒険者たちにアクアは
「駄目よ。
小粋なジョークはその場限りだから面白いのよ!
うけたからって同じ芸を何回もやるのは三流芸人。
それに私は芸人じゃないからお金は受け取れないわ!」
アクアにしてはまともな事を言ってるような気がする。
「ふーん。芸か…おーい!お前ら注目!」
急に総一さんが声をあげた。
「ここにいる俺の自慢の後輩が早速習得した窃盗スキルを使いたいとの事だ!
宴会芸の女神!ちょっと実験台になってくれよ!」
「おー!それは良いね。
さあ!私のパンツの次は何を盗るのかな!?」
総一さんだけじゃなくてクリスまで何言ってるんだ!?
ああ、周囲の女性冒険者と一部男性冒険者から刺さるような視線が!
「お、おいクリスお前!」
「これ位の復讐はさせてね。」
と小さくウインクするクリス。
「ま、そのカズマにスティールを伝授したのはこいつなんだがな。」
「ちょ!ジョーさん!」
一部女性達がクリスの事も白い目で見始めた。
「か、カズマにクリス羨ましい!
私もみんなにあんな冷たい視線を……ッ!」
「ダクネス貴方…」
「ジョーさん?なんで私の目を塞ぐんですか?」
「リア。まだお前には早い世界だ。
これでお前を俗世間に染めちまったとなればルカに合わせる顔がない。」
そして仲間からも散々な扱いを!
「へえ~?カズマ、夜中に先輩と潰れるまで飲んで探しに行った私を路地裏で乱暴する以外にそんな事までやってたんだ?」
「ええ!!?」
「アイツそんな事まで・・・。」
「お前まで誤解を招く言い方するんじゃねぇ!
あれは最初暴れたのお前だろ!!」
もう頭きた。周囲の男性冒険者のスティールコールも、
女性冒険者からの視線も気にするか!
もうなるようになれ!
「アクア、その態度は何盗られても文句ないって意味だな!?」
「もちろん!低レベルのカズマに負ける訳ないじゃない!
そうね…失敗しても三回までなら笑わないであげるわ!」
「その言葉忘れんなよ!スティール!」
まず一回目!俺の手に赤い人形のようなものが握られる。
「レンジャーキー!」
「な!?せ、成功したの!?
しかも私のティラノレンジャーのキー!」
いきなり
さてはアクアも寝込んでる間に凱さんみたいな人に会ってたな。
それで貰ったんだろう。
「さーて、アクアさんよ?あと二回!良いんだったな!」
「ま、待って!」
「スティール!」
続いて俺の手に緑色のレンジャーキーが握られる!
前に総一さんに見せてもらったゴーピンクのキーに似てる、ゴーグリーンか!
「よーしよし!それじゃあ最後の一回!」
「ま、待ってカズマ!お願い!お願いよ!
もう最後の一本しかないの!こ、これ以上は!」
「女神が泣きごと言うな!スティール!」
最後の一回!今度も硬い感触が・・・感触が?
「なんだ?最後だけ柔らかい肌触りが…」
俺はそれを広げて掲げると
「いよっしゃああああ!!!
最後の最後も大当たりだぁああ!」
「いやあああああああああああああああ!
パンツ返してぇええええ!!!」
「だれが返すか!
男の下着はただの布だが女の下着は家宝にできるんだよ!
一応聖布ってことになるから神棚にでも飾っておくかなぁ!?」
「う、うわあああああああ!
カズマが意地悪するぅうう!!!」
流石にアクアがギャン泣きしたところで男性冒険者からも俺を非難するような視線が向けられだす。
流石にやりすぎたか?
…………と、その時
『緊急クエスト!緊急クエスト!
街にいる冒険者の皆さんは至急ギルドに集まってください!』
街中にアナウンスが響き渡った。
原理は魔法なんだろうが、この世界にも拡声器ってあったんだな。
「ジョー、リア。ルカは今日なんかクエスト受けてたか?」
「いや、特になかったはずだが?」
「宝石店で鑑定のバイトでもしてるんじゃないですか?」
「なら行けるな。蛮族か、モンスターか、それとも魔王軍か。どれだと思う?」
ついさっきまで誰よりも悪乗りしいていた総一さんが一気に真面目モードになる。
半年だけとは言え、先輩冒険者とあって面構えは中々だ。
「どれでもない。多分キャベツの収穫だろ。」
「は?きゃ、キャベツ?」
「キャベツってあの、緑色の丸っこい奴で、
千切りにして揚げ物の付け合わせとかになってるアレか?」
「アレだ。」
「それを取りに街中の冒険者総出で農家のお手伝いに行くのか?」
困惑する総一さん。
そりゃそうだ。俺だって困惑している。
リアだってなんだかよく分からんって顔をしている。
しかしジョーさん以外の冒険者は、
なんだか浮足立ってるように見える。
「まさか、お前の住んでたニッポンとかいう国のキャベツは飛ばないのか?」
「野菜が飛んでたまるか!てかなんだそれ!?
この国のキャベツは飛ぶのか!?」
「外側の葉っぱが羽みたいになるとかですか?」
「ああ。にしても飛ばないキャベツがある国か。
流石はニッポン。根っこを食べる国は違うな。」
「だからアレはゴボウって言ってれっきとした食べ物だ。」
「とにかく行くぞ。魔王軍よりは楽な仕事だ。
倒せば経験値になるし、捕まえて持っていけば、
近年は出来がいい年が続いてるから一玉7000エリスは下らないぞ。」
「キャベツ一個に7000エリス!?
そんなにするんですか!?」
そう言って困惑する総一さんとリアを引っ張てジョーさんは店を出ていった。
2
「何が悲しくてキャベツと追いかけっこしないといけないんだよ!」
「文句言うな!一玉10000エリスだぞ!」
ジョーさんの叱咤を背中に聞きながら俺は早速覚えた潜伏スキルを使って潜み、敵感知で動きを補足。
そして窃盗で他の冒険者を攻撃するキャベツを回収するを繰り返していた。
「お願いキャベツマスター!こっちにも手を貸して!」
「キャベツマスター!こっちも!」
「そこの見知らぬ魔法使いと剣士!
俺に不名誉なあだ名付けんじゃねえ!
助けにいってやらないぞ!」
「お願い後でスキル教えてあげるから!」
その言葉忘れんなよ!
と叫び俺は2人のもとに駆け付ける。
もうこんなことを10回は繰り返していた。
キャベツの群れとそれを追ってやって来たモンスターの数は留まることを知らない。
「めぐみんの方はうまくやってるんだろうな?」
これは後から聞いた話だが
「よ!はぁ!そらそら!まだまだ行くわよ!」
「キャベツより断然やりがいあるぜ!はぁ!」
「くぅううう!雲霞のごとき敵!
猛スピードで容赦なく突っ込んでくるキャベツ!
この感触たまらないっ!」
めぐみんを高い所に配置した総一さん、ルカさん、ダクネスの三人はキャベツを追ってやって来たモンスターを一か所に集めていた。
「「真面目にやればかドマゾ!」」
「んっっっっ!!!」
ダクネスが悦んでるのはもうあきらめた二人は他の冒険者たちと協力し
「頼むぞ!」
「ふっふっふ!それでは!
義を貫きし魂の爆裂道を極めし勇者たち、
科学戦隊ダイナマン!
今こそその加護を我に!
見るがいい!感じるがいい!後悔するがいい!
汝らが受けるは我が力のみにあらず。
星を救いし1つの英雄譚!
そしてこれより最強を証明する伝説の序章!
『エクスプロージョン』ッ!」
ダイナブルー、ダイナイエロー、
ダイナピンクのレンジャーキーのパワーを上乗せした爆裂魔法をぶっぱなす!
これは俺も遠目に見ていたが、レンジャーキー3本でもそれは天を焦がし、物を消し飛ばし、見る者を圧倒する破壊の炎嵐だった。
「はは!相変わらずとんでもねぇ威力!
ルカ大丈夫か?唖然としたまま動けてないぞ?」
と言った具合に各々キャベツ狩りを思い思いに有効利用していた。
「うひゃあ!あ、アクアさん話してください!
キャベツが!キャベツが迫ってきますから!」
「嫌よ守って!
あなたの神器なら守れるでしょおぉーー!!」
アクアはまあ、リアに散々迷惑かけたらしい。
名曲紹介 その8
fantastic dreamer
歌手 Machico
作詞 園田智也
作曲 園田智也
備考 この素晴らしい世界に祝福を!OP