デュエルポンドソード
出典 魔法戦隊マジレンジャー
能力 魔法の封印
備考 天空聖者共通武器
1
アクアは元に戻ってくれたが、
俺たちの生活までは元に戻らなかった。
魔王軍幹部が居座り続けているからだ。
「どうするんだ?
もう本当にロクなクエストが残ってないぞ?
私としては一撃が凄まじい奴らと戦えるなら大満足だが、防御スキルの無い3人はキツいからな。」
そんな訳でダクネスは時々戻っては来るが基本実家に帰って筋トレ、アクアは総一さんやルカさんに紹介してもらったバイトや内職をこなしていて、俺も何か商売は出来ないかと考えたが、これと言って思い付かない。
「でしたら私に付き添ってくれませんか?」
と、めぐみんに頼まれて付き合う事になった。
なんでも1日1回爆裂魔法を撃たないと気が済まないが、街の近くでぶっ放すとまた守衛さんに怒られるからとの事だ。
流石に2回目は許して貰えなさそうだしな。
「もうだいぶ奥まで来たぞ?適当に撃って帰ろうぜ。」
いくらモンスターがいないとは言え、
あんまり街から離れ過ぎるのも良くない気がするのだが。
「ダメです。取り敢えず街を出る時からずっとつけて来てる奴らの隠れる場所がなくなるぐらいまでは!」
シュッ!と杖を向けるめぐみん。
その先の茂みから意外な2人が出て来た。
「ジョーさん!それにこの前の魔剣の!」
ジョーさんは今日はマントではなく上着を、
アイツは買い戻したらしい魔剣を腰に携えている。
「サトウカズマ。君に頼がある。」
「頼み?」
「ああ。タダとは言わないから、僕と勝負して欲しい!」
またかよ。前に話しかけて来たコイツの取り巻きのクレメアとかいう奴にも言ってやったが、勝負受けた時点で対等とか知るか。
凱さんじゃないけど、勝負なんてのは勝てると確信してるから挑んでくるんだろうが。
だったら挑まれた側は相手が強さを測り違えてない限り虚を突く以外にどんな勝ち方があるって言うんだよ?
俺の戦い方を卑怯というならただ若くして死んだだけでチート武器貰ってそれにおんぶに抱っこで強くなったコイツだって見方によっちゃ充分卑怯だろ?
「これは、あくまで僕のアクア様に選ばれた勇者候補としてのプライドの問題だ。
負けたらアクア様を渡せなどとは言わない。
代わりに、勝敗に関わらず受けてくれたらこれを渡す。」
そう言って見せた来たのは赤いブラックコンドルに似たレンジャーキー、レッドホークのキーだった。
「この前魔王軍の行動隊と戦った時に偶然手に入れた物だ。
先日の掃除機の怪人との戦い、見せて貰ったが、
君たちはこれを求めているんだろう?」
「ふーむ……話だけは聞いてやるよ。どんな勝負だ?」
「デュエルポンドだ。」
答えたのはジョーさんだった。
モバイレーツを取り出し、マジシャインに変身すると
「エンシェントミスティックモード!」
鎧をパージさせて金色の魔人の様な姿に、後で教えて貰ったが天空聖者サンジェルに変身する。
「本来は天空聖者同士の決闘の為のルールだが、女神に選ばれた英雄候補同士の対決だ。構わないだろう。」
ジョーさんは二本の剣をとりだし
「この剣はデュエルポンドソードだ。
魔法やスキルを封じる力があり、
それ以外ではただの剣だ。
まあ、カズマのは元が貧弱だから多少の筋力強化は出来る様に細工してある。」
それで剣が本職のアイツと対等って訳か。
「だがそれだけじゃない。
勝負が始まれば両者は手首にこの鎖を、
マジカルチェーンをつける。
これは勝負が終わるまでは外れない。」
そう言ってジョーさんはロングチェーンの先に腕輪が付いた道具を取り出す。
要は剣でやるチェーンデスマッチか。
「決闘だが、流石に死ぬまではやらせない。
どちらかが降参するか、力尽きるか、剣がチェーンの範囲外に飛んで行ったらその時点で終了。どうだ?」
俺はジョーさんの言葉に頷き、剣を取った。
予め持っていたモバイレーツやブリンガーソードはめぐみんに預ける。
アイツも魔剣を地面に突き立てると鎧を脱いでデュエルポンドソードを構えた。
「天空聖者の名の下、
未来の勇者として誇りにかけて公平なる勝負を。
はじめ!」
最初に仕掛けて来たのは向こうだった。
流石は上級職の高レベル。
スキルも魔法も得意の得物がなくとも怒涛の連撃、見事な剣捌き。
躱す受けるで手一杯だ。
「だったら、これだ!」
俺は上段からの一撃を受けた時に手繰り寄せたチェーンを剣に絡ませて、思い切り引っ張る!
「あっ!」
剣は回転しながら天高く舞う。
「まだだ!」
勝利を確信した俺の懐にミツルギが間合いを詰めて来た。
俺の剣を持った手を器用に掴むと俺をぶん投げる!
「うわっ!と!」
起き上がろうとする俺の喉元に剣が突きつけられる。
ミツルギが持っているのは、俺の剣だ。
(太刀取り?)
「スティールは防ぎ用がないから奪われた剣を奪い返す方法が必要だと思ってね。君と違って取れるスキルが限られてるから純粋に体術を覚えたよ。」
……これは文字通り1本取られたな。
剣も勝負も。これ以上なく完敗だ。
「負けたよミツルギ。お前の勝ちだ。」
俺がそう言うとマジカルチェーンが光になって消える。
「いや、君があの時僕の剣をもっと高く飛ばしていれば僕は負けていた。
この勝負、僕の中では引き分けとさせてもらう。」
そう言うとミツルギは剣をジョーさんに返して荷物を纏めると
「サトウカズマ!僕は必ず君より早く魔王を倒す!
だからそれまでくたばるな!」
そう言ってレッドホークキーを投げ渡す。
「と!キャッチ!………ああ!お前こそそんな大見得切って恥の上塗りしても知らないぜ!」
そう返してやるとミツルギは小さく笑って街の方に引き返して行った。
2
「全く余計なことしてくれましたね。」
「同じ剣士のたっての頼みだ。断れなかった。」
「まあ過ぎた事はいいですよ。
それよりめぐみん、撃つんならあの廃城なんてどうだ?」
俺が指差す丘の上にあったのは正にお化けなんかが住んでいそうな朽ち果てた古い城だ。
「あれにしましょう!
あれなら盛大に破壊しても誰も文句は言わないでしょう。」
そう言ってウキウキと魔法の準備を始めるめぐみん。
心地よい風が吹く丘の上。
のどかな雰囲気には場違いな、爆裂魔法の詠唱が風に乗った……!
名曲紹介 その11
シャイニング マジック マジシャイン
歌手 サイキックラバー
作詞 YOFFY
作曲 山下康介
備考 マジシャイン専用曲