モバイレーツ
出典 海賊戦隊ゴーカイジャー
能力 レンジャーキーの力を開放
備考 この世界では七海総一の転生特典として存在する
1
「なあジョー、ルカ。」
「なんだ?」
「何よ?」
「本当にこれで道あってる?」
「谷底一本道なんだから間違えるはずないでしょ!?」
ジョーを仲間に加えてから四カ月。
俺の異世界生活五カ月目の今日。
俺たちは相変わらずアクセル目指して旅をしていた。
あれから四カ月。いろいろな事が有った。
例えばジョーも俺たちの仲間として指名手配され
200000ザギンの賞金を懸けられ、
俺とルカは100000ザギンづつ賞金単価が跳ね上がって三人合わせて530000ザギンの賞金首になってしまった。
それだけならまだいい。
問題は挑んでくる魔王軍の行動隊長や荒くれ者の数が阿保みたいに増えた事。
そして何より
「ジョー!ステイステイ!
お前は何でこうも好戦的なんだぁああ!」
ジョーが敵と出会う度に戦おうとするから大変なのだ。
そうなると俺とルカも付き合わされるわけで毎日ヘロヘロ。
レンジャーキーをゲットできたとしても釣り合わないぐらいに疲れる。
しかもジョーだけは最後まで生き生きしてるから質が悪い。
しかしそんなジョーも乗り気じゃない時がある。
「おいルカ!
悪徳貴族だか何だか知らんが相手にするだけ損だぞ!?
王国からも賞金首にされたいか!!」
ルカが悪徳貴族の宝石が欲しいと言いだす時だ。
何でか知らんがルカはそれだけは譲らない。
まあ、もともと彼女光物は好きだが
「何よジョー。普段貴方みたいなイノシシ武者に付き合ってあげてる身としては安いもんでしょ?」
そう言われるとジョーも強く出れない。
そして厳重な警備に最後見つかり
「忍風!シノビチェンジ!はぁ!」
<ハーーッリケンジャー!>
「水が舞い!波が躍る!水忍!
ハリケンブルー!」
専用グライダーのブルーウィンガーで逃げる。
ここまで一つの流れだ。
おかげでハリケンジャーには大勢の前で変身出来なくなってしまった。
しかも大抵盗んでくるものが金属だったり宝石だったりするので重いしかさばる。
そんなこともあって俺が一日ぐらい休みたいと言うと
「駄目だ。俺たちは一刻も早くアクセスに向かわないといけない。」
「駄目に決まってるでしょ!?水の恵みが何だか知らないけど魔王軍より先に見つけなきゃいけないのよ!?」
「じゃあ余計な戦闘とか不要な冒険とかしないでさっさと行けばいいじゃん!」
「「なんか言った!?」」
この一言で黙らされる。
はっきり言って理不尽である。
俺なのに。
一番戦ってて一番荷物を持ってるのも俺なのに。
そう言う訳でショートカットのために谷底の道を一週間かけて進むと言われた時に駄々をこねにこねて馬を購入した。
初老の元農耕馬だ。パワーがあって体力がある。
まさに何かを引っ張るのにお誂えな馬だ。
「なあ、この馬の名前ジョールカにする?
それともルカジョー?」
「その名前にしたら叩っ切る。」
「その名前にしたら顔がアイスクリームの化け物みたいになるまで殴る。」
そう言われてドンという名前を付けた。
小まめに休憩をしたがるがその分働き者だ。
で、谷底に入って早三日。
永遠続く同じ景色になかなか当たらない日光。
水も持ってきてる分しかないから風呂も無い。
俺たちのストレスは限界値に達そうとしていた。
「なあ!折り返し地点には橋が架かってるんじゃないの?
さっきから青いお空しか見えねーだけど。」
「うるさい!
そんなこと俺に言われても分かるわけないだろ!?」
「いや、分かったかもしんない。」
「どうしたルカ?なんか見えるのか?」
ルカは目がいい。
遠い物も暗い所でも動くものでもすぐに見つけられる。
なんでも弓の師匠に鍛えられたとか。
「向こうに壊れた馬車みたいなのが有る。」
「向こう?あの若干盛り上がって見えるとこ?」
「貴方達にはそう見える?」
「ああ。」
「行くか?」
「どうせ通り道だしな。」
俺たちは少し道を急いでその壊れた馬車を目指した。
そこには本当に上から落っこちて来たらしい馬車に頭が変な方向に曲がった馬に、何枚か板が落ちていた。
「橋ごと落っこちてって感じか。」
瓦礫を見ながらジョーが言う。
ドンは、馬の死体を見てか近づこうとしない。
「ジョー。ドンを繋げたら、馬の死体をわきの方に。
俺とルカで馬車の中を探る。」
「分かった。」
「オッケー」
まずは散乱したものをどかし中を見ると
「女の子がいる!傷が深そう!」
「よし来た!ダイノ!バックラー!」
<ジューーッウレンジャー!>
俺はマンモスレンジャーに変身して自慢の怪力で潰れた入り口を押し上げる!
その間にルカがその怪我した少女を引っ張り出す。
俺は馬車を入り口が上を向くようにひっくり返した。
「とぉ!ルカ!その子の傷は?」
「結構深い。」
「変容の薬は?」
「もともと五瓶しかなくて、ここ最近戦闘激しくて消耗速いから…この傷の深さだともう開けてる奴全部使っちゃうかな?」
「あと一瓶か。
どんなに多く見積もっても五回!キツイな。」
ルカはその女の子に変容の薬を飲ませる。
苦しそうに呻いた後、みるみる傷が塞がっていく。
「こうして見ると、結構可愛い顔だな。」
穏やかにとはいかないが、眠る少女は艶やかな長い黒髪に、整った顔立ち。
クール系の動きやすい衣装といい総じてかっこいい系の美人だ。
「う…うん?」
「あ、気が付いた。」
「!!?」
起きた少女は俺を見ると恐怖に顔を引きつらせ、下がろうとしたが
「!!?……ぁあ!」
「まだ動いちゃダメ!傷は塞いだけど痛みは残るし、
出血しちゃった分の血は戻らないから!」
少女を落ち着かせる。
彼女はキッ!と俺たちを睨み上げ
「魔王軍……私を治してどうするつもり?」
「魔王軍?俺たちが?」
思わず笑ってしまいメットを被っててよかったと思った。
顔を元に戻すとメットを脱ぎ
「逆だよ逆。俺らは魔王軍に喧嘩売った賞金首だ。」
俺は手配書を見せた。
「えぇ?……本当だ。」
まだこちらへの警戒は解いていないようだが、
とりあえず魔王軍でないことは分かってくれたようだ。
「見りゃわかるけど、俺は七海総一。
こっちの喧嘩っ早いのがジョー・ギブケン。
で、そこの手癖悪いのが盗賊ルカ。」
「喧嘩っ早いジョーだ。剣の修行をしている。」
「手癖悪いルカよ。
悪者から財産ふんだくるのが趣味。貴方は?」
「私は、リア。」
取り合えずここに留まる訳にもいかなかった俺たちはリアをドンに乗せて、リアの分と合わせて四人分の荷物をもって先を急いだ。
そしてその日限界まで進み、星が瞬きだした頃
「ここをキャンプ地とする!」
テントを張って火をおこし、休息を取った。
「リア。酒は飲めるか?まだ一瓶だけあるんだが。」
「ジョー!なに病み上りに飲まそうとしてんのよ!」
「酒は百薬の長だ。だろソウイチ?」
「酒かぁ、飲んだことないな。」
「お前いくつだ?」
「そろそろ19。ジョーは?」
「今年で21だ。ルカは?」
「17。リアは、15ぐらい?」
「ええ。その位の、はず。」
「はず?」
「どうした歯切れ悪いな?」
「実は…私は覚えてないんだ。
何でここに居たのかとか。どこから来たとか。」
「えええぇ!?」
まさかのネタ被り。俺は帰れない理由として使ってるだけだけど、リアは状況的にマジっぽいな。
「このリアって名前も、本当の名前かどうか…」
「何か断片的にでも覚えてることはないのか?」
「……踊り子の仲間、紫色の魔導騎士、
それから…最後に落ちていく感覚…。」
「なんだそりゃ?」
「思ったより深刻だな。」
「いや、通貨の単位とかそういうのは覚えてるんだが…」
「ソーイチとは逆ね。」
え?といってこっちを振り向くリア。
俺も記憶喪失なんだ。自分の事とかは覚えてるんだけど、お前とは逆にこの世界の常識とかは分かんない。
と言うと少しはこっちに親近感を持ってくれたみたいで、そうか。と興味を持ったような視線を向けてくる。
「こっち来てから覚えてるのはこれの使い方だけだな。」
そう言ってモバイレーツとレンジャーキーの入った袋を取り出す。
「それは?」
「アクアとかいう糞女神から押し付けられた呪いさ。
これが有るから魔王軍に狙われて、これが有るから戦える。」
「その、人形で?」
「ああ。見るか?」
そう言って試しにさっき変身したマンモスレンジャーのキーを渡す。
「これ、知ってるかも。」
「え本当?」
「うん。でもこれじゃない。」
「この中にあるか?」
とここ五カ月で三十本に増えたキーを一個ずつ見せていく。
「ゲキレッド?」
「違う。」
「ニンジャホワイト?」
「違う。」
「イエローライオン?」
「全然違う。」
「ビッグワン?」
「ちょっと似てるけど違う。」
「アバレキラー?」
「それ!」
そういってキラーのキーを取るリア。
「それを、見たこと有るのか?」
「うん。多分どこかで……」
けどそれ以上は出てきそうにない。
それ以外のレンジャーキーも見せてみたが見覚えが無いとのこと。
「よく分からんが、もしさっき言ってた紫の魔導騎士が魔王軍なら、リアが襲われた理由はレンジャーキーについて何か知ってたからかもな。」
「だとすれば…魔王軍の奴らに聞けばいいのか?」
たが相手は魔王軍だ。
聞いて素直に答えてくれる訳がない。
そうなると戦うことになるだろうが、
彼女1人ではキツイだろう。
「だったらさ!私たちと一緒に来ない?」
「え?」
「私たち、本気で魔王軍を潰すつもりなの。」
「俺たちは魔王軍に勝てるかもしれない切り札を探してアクセルって街に向かっている。
ここからなら一月掛かる掛からないかだ。」
「お前も来ないか?」
「……分かった。連れて行ってくれ。
私は自分が知りたい!」
「そっか。よろしくなリア!」
2
「魔王様?よろしいでしょうか?」
魔王軍の城。魔王城。
その上空に陣取った魔王の旗艦ギガントホースの指令室にて。
「どうした?」
魔王は席から立たないまま高圧的に入ってきた占い師に問いかけた。
「アクセルという街に神々しき光がありました。
放置しておけば何があるか分かりません。
どうかご一考を。」
「なに?」
魔王はすぐに幹部のべルディアを呼び出した。
「お呼びでございましょうか魔王様?」
「なにやら占い師どもが騒がしい。
アクセルという街に神聖な何かの痕跡が無いか調べてこい。
近場の行動隊長も向かわせる。」
「御意!」
べルディアを下がらせると一人ほくそ笑んだ。
「人と同じところまで堕ちた気分はどうだ?
水の女神アクア。」
名曲紹介 その3
dead end game
歌手 仲代壬琴(田中幸太朗)
作詞 桑原永江
作曲 羽田健太郎
備考 アバレキラー専用曲