スーパー戦隊このすばフォース   作:伊勢村誠三

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アイテム紹介 その4

スコープショット

出典 轟轟戦隊ボウケンジャー
能力 探知、ワイヤー射出など
備考 共通武器


冒険スタートアップ!

「お疲れ様でしたー!」

 

今日の分の仕事を終え、

親方から日当を受け取り大衆浴場に向かう。

 

俺、佐藤和真とアクアはここ2週間、最低限の装備代とその日の飯代を稼ぐ為に街の土木工事に従事していた。

 

「あー、極楽。どこの世界でも風呂はいいもんだな〜」

 

「へー、ニホン?っていったか?にも風呂は有るだな。」

 

「ジョーさん!お久しぶりです。」

 

「ああ、勝手に隣に座らせてもらってるぞ。」

 

この人はジョーさん。この前金を貸してくれた七海先輩のパーティーメンバーで職は上級剣士(ソードマスター)だ。

レベルは31とパーティー内で1番高いらしい。

 

「冒険者生活はどうだ?」

 

「どうだって言われても、

まずは装備を整える為に土方やってますよ。

後1週間も頑張ればショートソードが買えるんで、

そしたらなんかクエスト受けるつもりです。」

 

「ほう。なら今度剣の手解きをしてやろうか?」

 

「いいんですか?」

 

「減るもんじゃないからな。」

 

「まあ、減るのは俺のスキルポイントだけですからね。」

 

この世界にはスキルという概念がある。

倒した魂により得られる経験値、スキルポイントを消費してスキルと呼ばれる魔法を習得できる。

 

それは職によって様々で例えばジョーさんのソードマスターは最高の攻撃力の職業。

スキルとしては『片手剣』などの覚えるだけで人並み以上に剣が使えるようになるなどかなり便利だ。

 

「いや、俺は剣術のスキルは全く取ってないぞ?」

 

「え!?そうなんですか?」

 

「ああ。俺は正進怒涛流の剣士。

下手にスキルを覚えて他の流派の動きが混じれば腕が狂う。

その分『筋力強化』や『俊敏向上』のスキルを取ってる。

後は普通は剣士系の職なら誰でも取れるが聖騎士(クルセイダー)しか取らない様なスキルも幾つか取ってるな。」

 

「なるほど、けど俺はなるべく早く覚えたいんでスキルで取っちゃうかな?」

 

なんで手解きはまたの機会に。

そう言うとジョーさんは少し残念そうだったが

 

「そうか。まあ、戦い方は人それぞれだ。

同じ剣使いとして応援してるぞ。」

 

そう言ってジョーさんは先に上がって行った。

俺もちょっとしてから上がってアクアと合流して夕飯を食べに食堂に向かう。

 

「アクア、今日は何食べる?俺は肉の気分なんだ。」

 

「私も!スモークリザードのハンバーグ食べたい!」

 

「じゃあ宿屋の親父にそう頼むか。」

 

「はぁ!?何言ってるのよカズマ。

先週の事をもう忘れた訳?」

 

「先週?………ああ!今日はあの日か!」

 

「その通り!楽しみにしてたんだから!

さ、行くわよ!」

 

 

2

話は1週間前に遡る。

その日も土木工事の終わりに大衆浴場に行こうとした時の事。

 

「そこの二人!」

 

馬を連れた黒髪の美少女に呼び止められた。

 

「あ!アンタはあのバックドロップ男のパーティーの!」

 

「リアっていいます。」

 

リアは俺より一個歳下で職業は前衛職のランサー。

なんでも昔薙刀を習っていたとの事で、

七海先輩と同じ神器使いだそうだ。

今日は馬のドンと荷物運びの仕事を済ませて来たところらしい。

 

「あの時は総一さんが本当にごめんなさい!」

 

「本当よ!ちゃんと首輪をつけておきなさい!」

 

アクアはまるで自分に非が無いみたいに言ってるが、

果たしてどうだろうか?

人の死因を馬鹿にして異世界に道連れにされるような女神だからなぁ……。

 

「お詫び言っては何ですが、これを。」

 

そう言って渡されたのは二枚のチケットのような物だった。

 

「これは?」

 

「実は私、そのバーで歌わせてもらってるんです。」

 

「へぇ!すごいな。」

 

スポーツ、しかも武道系が出来て歌が上手くてこの美貌。

俺がもし同じ学校だったらリアを見るために不登校になんなかったかもしれない。

 

「と言っても私なんかまだまだ…たまたま店長に気に入られただけで」

 

「兎に角ありがとう。これ何時使える?」

 

「一週間後です。楽しみにしててくださいね。」

 

てなわけでリアのお陰でいつもの料金でいつもよりいい所でいい飯にあり付けた俺たち。

 

「ん~~!やっぱ自分で稼いだお金で食べるご飯は美味しいわね!」

 

「ああ。俺もずっと日本に居たら味わえなかっただろうな。お、リアの出番だ!」

 

一週間前に出会ったのと同じ衣装でリアが出て来た。

リアが歌ったのは、アイドル的に言えばクールに分類される曲だったが、リアは本当に歌えることが嬉しくて嬉しくて仕方ないと言う様に身体中から生き生きと歌った。

 

「すっげぇ……すげえ!リア!サイコーーー!」

 

「ええ!その自分の浪漫にどこまでも真剣な声!

気に入ったわ!」

 

それは本当に真摯な気持ちで、

俺たちまで嬉しくなれる素晴らしい歌だった。

 

「凄いじゃないのあの子!

あの男のパーティーなんて辞めて踊り子にでもなればいいじゃない!」

 

「流石に言い過ぎな気もするけど確かに!

俺の元居た世界ならCD出せるよ!」

 

久々に、もしかしたら生まれて始めて歌で感動したかもしれない俺たちは満ち足りた気持ちで寝床として借りてる馬小屋へ。

 

「あ~明日からも頑張れる気がする。」

 

「本当ね。歌は世界を救うのね。」

 

「ああ。お休み。」

 

「ええ。今日も良く働いたわ。」

 

 

やあ皆。総一だ。

アクセルの俺たちの家に初めてお客様がやって来た。

 

え?冒険者は皆金が無いから基本馬小屋暮らしなんじゃないかって?

俺らの場合ルカが悪徳貴族から盗んできた宝石とか貴金属が有るから四人家族用の家が買えたんだ。

 

宝石売るって言った時ルカはかなり渋ったんだが

 

「お前のリスクの方が明らかに高い我儘に付き合ってやってると思えば安いだろ?」

 

というジョーの一言でだまった。

 

そんあこんなで俺たちが冒険者登録を済ませてから3週間。

初めてのお客様はお金を返しにやって来た和真君だった。

 

「いらっしゃい和真君!

時間あるかい?ゆっくりしてきな?」

 

「あ、いえ!これからクエスト受けに行くんで。

あとこれ、借りてた5000エリス。」

 

「いいのにこんくらい。」

 

「そういう訳には行きませんよ。

変な話俺も自立しないといけないんで。」

 

「そっか。また何か困ったら遊びに来な。」

俺でよければ力になるよ。」

 

ありがとうございますと頭を下げると、待たせてるアクアと共にギルドに向かって行った。

 

 

雲一つない晴れやかな空の下。

 

「あああああああああああ!

助けてくれアクア!

助けてくれええええええ!」

 

「プークスクス!

やばい、超うけるんですけど!

カズマったら真っ赤な顔で涙目で、

超必死なんですけど!」

 

街の外に広がる広大な平原地帯。

私、盗賊ルカは仲間のソーイチが気にかけていた少年がジャイアントトードに追いかけられてるのを腹を抱えて笑ってる自称女神の頭が可哀そうなプリーストという光景を見せつけられていた。

 

「貴女、アクアって言ったわよね?

仲間が食べられそうになってるわよ?助けないの?」

 

「知らないわよ。

それに女神が武器をぶん回して暴れるなんて絵になんないじゃないの。」

 

「アクアー!!アクアー!!

いつまでもその通りすがりの人と話してないで助けてくれよぉお!」

 

「まずは私をさん付けするところからねー!」

 

「アクア様ー!!」

 

彼女の事をソーイチが嫌ってる理由がわかった気がする。

きっとカズマ少年をいつか顔に甘い汁を塗ってアリの巣の横に頭だけ出して埋めてやるとか考えてるに違いない。

 

「しょうがないわねー!

いいわ、助けてあげるわヒキニート!

その代わり、明日からはこの私を崇めなさい!

街に帰ったらアクシズ教に入信し」

 

私は背後から迫る影を感じて素早く逃走スキルを使い潜伏スキルで岩陰に隠れた。

 

「ごはんの時には私が欲しいと言ったおかずを抵抗せずに素直にぎゅぶ!」

 

「あ、アクアー!」

 

口から青い物が生えたカエルに向かってショートソードを片手に突っ込んでいくカズマ少年。

彼の前途は多難の一言なんだろうなと、

崩れ落ちるカエルと号泣する念液まみれのプリーストを遠目に見ながらルカは何もしてやれない代わりに今度自分の盗賊スキルでも教えてやろうと思うのだった。




名曲紹介 その4

冒険者 ON THE ROAD

歌手 サイキックラバー
作詞 岩里祐穂
作曲 YOFFY
備考 轟轟戦隊ボウケンジャーED
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