ありふれた悪魔狩人《DEVILHUNTER》で世界最強   作:ヴェルザ・ダ・ノヴァ

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ガーディアン

 エセアルラウネを倒してから数日経つ。三人はいよいよ奈落の最初から数えて百階層目にたどり着いた。

 

 その一歩手前の階層で雫は閻魔刀と閻魔の点検、ハジメは装備の確認にあたり、ユエは相変わらず飽きもせずにハジメの作業を見つめている。というより、作業してるハジメが好きな様で、今も、ハジメのすぐ隣で手元とハジメを交互に見てまったりしている。その表情は迷宮には似つかない緩んだものだ。

 

 ユエと出会ってからどれくらい日数が経ったのか時間感覚がないためわからないが、最近、ユエはよくこういうまったり顔というか安らぎ顔を見せる。露骨に甘えてくるようにもなった。

 

 特に拠点で休んでいる時は必ずと言っていいほどにくっついてくるのだ。横になれば添い寝の如く腕に抱きつき、座れば背中から抱きつく。吸血させるときは正面から抱き合う形だが、終わった後も中々離れない。ハジメの胸元に顔をグリグリと擦りつけ満足げな表情でくつろぐのだ。これには流石の雫もユエにジト目になる。

(一応、ハジメは私の彼氏なんだけど……)

 と思っているに違いないだろう。だが、ハジメにはアピールは効かず、「何してんだ、こいつ?」程度にしか思っていない。相変わらずの鈍感さである。

 

「ハジメ…いつもより慎重……」

「まぁ、それもそうでしょね。ハジメの考えがあっていれば、次は奈落の最下層だもの」

 ユエは雫とそう話していた。

 

 確かにハジメの仮説である『オルクス大迷宮の奈落は百階層理論』が正しければ次の階層には何かがあってもおかしくない。それどころか、何かラスボスがいる可能性もあるだろう。

 

 ありとあらゆる戦闘術、魔法・固有魔法、兵器、錬成を相当極めている、という自負がハジメにはあった。雫も剣技や最近使える様にした銃術がある。ユエは魔法チートだ。そうそうやられはしないだろう。それでも、予想の遥か上を行くのが人生ってヤツだ。十分気を付けていても、やられる可能性はある。

 

 だからこそ「準備は入念に、万全に」である。読者諸君もゲームなどで「次はボスが来るだろう」と予測し準備をするだろう?それと一緒である。

 

 それと現在のハジメと雫のステータスはこうなっている。

 

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 南雲ハジメ 17歳 男 レベル81

 天職:悪魔狩人(デビルハンター)・錬成師 職業:DEVIL MAY CRY

 筋力:7621[ソードマスター発動時:+8000][魔人化+10000]

 体力:7693[魔人化時:+10000]

 耐性:7598[ロイヤルガード発動時:+8000][魔人化+10000]

 敏腕:7699[トリックスター、ガンスリンガー発動時:+8000][魔人化時:+10000]

 魔力:8154[魔人化時:+10000]

 魔耐:8154[ロイヤルガード発動時:+8000][魔人化時:+10000]

 技能:火、雷、氷属性適性・全属性耐性・状態異常無効・魔力操作[+魔力放射][+魔力圧縮][+遠隔操作]・胃酸強化・纏雷[+放雷]・天歩[+縮地][+空力][+豪脚]・風爪・夜目・遠目・気配遮断・戦闘術[+全武器]・剛力・先読・高速魔力回復・万能感知・全武器適性・精密射撃[+銃弾自動装填][+必中][+部位破壊]・金剛・威圧・念話・錬成[+銃弾虚無錬成][+鉱物系鑑定][+精密錬成][+鉱物系探査][+鉱物分離][+鉱物融合][+複製錬成][+圧縮錬成][+高速錬成][+自動錬成][+イメージ補強力上昇]・スタイルチェンジ・全スキル全アビリティ・悪魔の覚醒(デビルトリガー)(※現在使用不可)

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 八重樫雫 17歳 女 レベル75

 天職:魔剣士

 筋力:2548

 体力:2690

 耐性:2579

 敏捷:2450

 魔力:2680

 魔耐:2680

 技能:火、雷、氷、光属性適性・全属性耐性・状態異常無効・剣術[+斬撃速度上昇][+抜刀速度上昇]・魔刀術・縮地・高速魔力回復・気配感知・魔力感知・魔力遮断・精密射撃[+銃弾自動装填][+必中]・隠業・魔力操作[+魔力放射][+魔力圧縮][+遠隔操作]・胃酸強化・纏雷・天歩[+空力][+縮地][+豪脚]・風爪・夜目・遠見・金剛・威圧・念話・全スキル全アビリティ・言語理解

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 ステータスについてだが、初めての魔物を喰えば筋力などはアップするが、固有魔法は獲得出来なくなってきた。その階層のヌシランクの魔物の固有魔法は獲得出来るのだが、通常の魔物では固有魔法獲得は不可能の様だ。どうやら、身体が魔物を喰った事により変質したらしく、固有魔法の獲得が難しくなった様である。

 

 

 

 そうして三人は準備を終えて百階層へ降りた。

 

 

オルクス大迷宮 奈落 百階層

 

 

 その階層は無数の大きな柱に支えられた広大な空間だった。柱の一本一本が直径5mほど、一つずつ螺旋模様と木の蔓が巻きついたような彫刻が彫られており、規則正しく一定間隔で並んでいた。天井まで30mはありそうな高さだ。地面も荒れておらず平らになっており、どこか神秘性を感じる。

 

 ハジメ達は200mほど進むと、直径30m以上の魔法陣が展開された。

「jackpot!予測は大当たりだ!」

「ハジメ!言ってる場合じゃないわよ!?」

「……でも、大丈夫……私たちは負けない……」

 ハジメが魔法陣を見て自分の仮説が正しかったことを喜び、雫はそんなハジメにツッコミして、ユエは自信満々にそう言う。

 

 魔法陣は更に輝き、弾けるように光を放った。三人は咄嗟に腕をかざし目潰しされない様にする。光が収まった時、そこに現れたのは……体長は三十メートル、六つの頭部と長い首、鋭い牙と赤黒い眼の化け物。神話の怪物ヒュドラだ。

「ヒュ──!番犬ならぬ番蛇ってかぁ?ハハッ!」

 ヒュドラは「そうだ」と声をあげる様に咆哮する。

「「「「「「クルゥゥゥゥゥアアアン!!」」」」」」

 それと同時に赤頭の口が開き火炎放射が噴き出される。

「全員散れッ!」

 〈トリックスター!

 ハジメは火炎を避けて、ドンナーを抜き赤頭に構えて即引き金を引く。ドンナーから出た弾丸は寸分違わずに赤頭に当たり吹き飛ばす。

「効くみたいだな!」

 ハジメが内心でガッツポーズを決めていると、白頭が咆哮すると赤頭が復活した。

「……回復を持ってるなんて、厄介ね」

「……ん。〝緋槍〟!」

 ユエがヒュドラに向けて魔法を撃つが、黄色頭がそれを防ぎダメージを肩代わりして、そのダメージを白頭が回復させた。

「黄色は盾役か!バランスがいいなあ!」

 ハジメはドンナーを速射して全弾を白頭に弾丸の雨を浴びせようとするが、またしても黄色頭に邪魔をされる。

 

 ハジメは一か八か、ベヒモスで突撃しようとする。そこに

「イヤアアアアアアア!!」

 ユエの悲鳴が轟いた。ハジメがユエの方を見ると、頭を抱えて蹲っていた。そこに青頭が大口を開いてユエを喰おうとしている。

「雫ッ!ユエを頼むッ!!」

「分かったわッ!!」

 雫にユエの状態確認を頼み、ハジメはヒュドラの首全てを食い止める為に走り出す。

 

 

 雫は、そのままユエを抱えて柱の影まで後退した。

「ユエ!大丈夫!?」

 雫はユエの頬をペチッペチッと優しく叩きながら声をかける。だがユエは顔が青ざめてガタガタと震えていた。そんなユエを雫は抱きしめた。それによりユエの震えが弱まる。

「ユエ、平気?」

「……雫?」

「ええ、そうよ」

 ユエはその小さな手を伸ばして触る。雫がそこにいると実感すると、ユエは安堵の吐息を漏らし目の端に涙を溜めた。

「……見捨てられたと思った……また暗闇に一人で……」

 それを聞いて雫はユエを更に抱きしめる。

「大丈夫…私もハジメもそんなことはしないわよ。ハジメは特にね」

 

 雫がユエをなだめていると、ハジメがそこにスライディングで駆け込んできた。

「あっぶねえ!おい、お前等大丈夫か!?」

「ん。もう平気」

 ハジメはそれを聞いてニヤリと笑った。

「じゃあ、反撃開始と行くか!時間稼ぎを頼むッ!」

「「ん!/ええ!」」

 ユエと雫はヒュドラに向けて攻撃を開始して、ハジメは武器の一つへ駆けていった。

 

 雫が何回もの次元斬をヒュドラに繰り出し、ユエが魔法をヒュドラに浴びせまくる。

「ハアア!!」

「〝緋槍〟!〝皇砲〟!〝凍雨〟!」

 その攻撃の土砂降りを煩わしく思ったのか、黒頭がもう一度ユエを洗脳しようと近づくが、

「貴方の相手は私よ」

 それを雫が阻む。黒頭は予定変更をするかの様に雫を洗脳しようとするが、

「残念だったわね。私には〝状態異常無効〟があるの」

 雫はそう言って閻魔刀を一振りする。それにより黒頭は首を刎ねられる。否、細切れにされた、と言った方が正しい。

 

「お前等!退避しろ!」

 準備が終わったハジメは雫とユエに指示を出して後退させる。ハジメの手には以前作られたシュラーゲンが握られていた。ハジメはシュラーゲンのスコープを覗き込み照準を合わせる。

「JACK POT!」

 ハジメの決めゼリフと共にシュラーゲンからライフル弾が撃ち出される。その弾は黄色頭を貫通して白頭に到達し一気に二体の首を奪った。だが、それで終わらず、ハジメはシュラーゲンを床に投げると背中に背負ってる魔剣ベヒモスを抜きヒュドラを縦横無尽に斬り刻む。辺りは煙でなにも見えなくなった。

 

 雫とユエはその煙をずっと見ている。鳴っているのは鉄が打たれる様な音。しばらくして煙が晴れると、ヒュドラの頭が一つも無くなっておりハジメが二人の元へ歩いてきていた。二人はハジメにサムズアップを送るとハジメもサムズアップを返してくれた。

 

 だが、

 

「「ハジメ!!」」

 

 二人の切羽詰まった声を聞きハジメは背後を振り向くとヒュドラに七つ目の首が生えていた。

 

 銀頭はハジメを一瞥するとユエと雫に向けて極光を放った。それは太陽光レーザーの如く二人に向かって行く。二人は突然のことに頭が回らず動けないでいた。二人にもう少しで極光が浴びせられる直前に何かが間に入った。

 

 それは魔力にものを言わせて無理やり悪魔の覚醒(デビルトリガー)を使っているハジメだった。

ウウウオオオオオオオアアアアアアアアアアア!!

 

 

 極光が収まり、ユエと雫は吹き飛ばされた余波で寝転がっていた。状態を起こすと、二人の前に背中を見せているハジメがいた。全身から煙が上げながらベヒモスを盾の様に構えていた。

「ハ、ハジメ?」

「大丈夫?」

 二人が声をかけた瞬間、ハジメの手から魔剣ベヒモスは落ちて地面に当たり砕けた。

 

 更に

「グハァッ!!」

 ハジメは吐血し義手は粉々になり、全身から血を流して背中からドサッと倒れ込んだ。

「「ハ」」

「「ハジメええええええええええええええええええええ!!!」」

 

 

 

 

 To be continued……

ミレディ・ライセンを連れていくかいかないかをアンケート取ります!

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