ありふれた悪魔狩人《DEVILHUNTER》で世界最強   作:ヴェルザ・ダ・ノヴァ

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新しく作られたオリジナル魔具の魔剣ハジメですが、ネーミングがダサいとコメントに書かれていたので、「勝手な白熊」さんの案から魔剣ハジメを魔剣ジェネシスに改名します!!

そして!UA43,976!お気に入り登録者数が389件と、大変嬉しく思っています!これからもこの作品をよろしくお願いします!!


反逆者の屋敷と真なる歴史

 心地の良いそよ風が吹き、薄いカーテンの布がその風に合わせて動く。そのカーテンの中には一人の女性が眠っていた。彼女はそのベッドの、体全体を包み込む柔らかさに意識を落としている。その女性、八重樫雫はそのベッドで微かにだが少しづつ重い目蓋を上げた。

(あれ?ここは迷宮じゃなかったかしら……? なんでベッドで寝てるの?)

 雫はそう思い、調べるためにベッドから降りる。

 

 そこで雫は驚いた。なぜなら、自分の服装が変わっているからである。大きめの白いワイシャツに、脹脛部分がダボダボのズボンを履いていた。

「私の服、変わってる?」

 雫はそう思いながらもカーテンを開けて外に出る。その光景に雫は圧倒された。

 

 太陽の様な暖かな光が辺りを照らし、心地の良い水の音が聞こえてくる。その奥の部屋は一面が滝になって、川に合流して奥の洞窟へと流れ込む。滝の傍特有のマイナスイオンが溢れる風が心地いいことこの上ない。よく見ると魚が泳いでいるため、地上に繋がっているのかもしれない。

 更に畑などもあり十分生活できそうである。

 

 雫はベッドに隣接された屋敷のドアを開けてその中に入った。

 

 その屋敷は全体的に白く石灰のような手触りの石造りだ。清潔感があり、エントランスに、温かみのある光球が、天井にある台座の先端に灯っている。薄暗い場所に長い間いた雫には少し眩しいほどだ。どうやら三階建てらしく、上まで吹き抜けになっている。

 

 雫は奥に進み通路を右に進もうとした時、その通路から剣を担いだ怪物(ハジメ)がヌッと現れて雫の目の前を横切っていく。それを見て雫は腰を抜かして床にへたり込んだ。

「な、だ、誰!?」

 そこにユエがやって来て、

「……ハジメ、解除忘れてる」

 と言った。怪物(ハジメ)はそれを聞いて真魔人化を解く。

「ああ、すまん。完全に忘れてた」

「ん、そのせいでシズク、怖がってる」

 ハジメはそれでやっと雫の存在に気づいて背後をみると、雫がハジメを信じられないと言わんばかりに見ている。

「おお!起きたか雫!」

「え、ええ。起きたわ」

 ハジメが雫に手を伸ばし、雫がその手を掴みハジメが引っ張り上げて起こす。

「それで、あの姿はなに?」

「「人間卒業した姿だが?/だけど?」」

 雫はそれを聞いてまた倒れた。

 

 

 

 あの後、雫が起きてから屋敷の探索を再開した。

 

 ハジメとユエは雫をベッドに運んだ後、一階は全て調べて使っていたという。そして今日はハジメとユエは訓練をしていて、ハジメが真魔人化の変身限界時間を調べている時に雫とばったり会ってしまったという訳だ。

 

 一階の探索結果だが、リビング、台所、トイレを見つけていた。ハジメとユエはそれを活用して雫が寝ている間生活していた様だ。中でも役に立ったのは一階の奥にある部屋だろう。

 

 そこは

「お、お風呂〜!!」

 そう、風呂である。それも結構な大きさの大浴場である!そしてやはり水を吐くのはライオンがお約束らしく、マーライオンの様に口から湯を吐き風呂に湯を張っている。ちなみにだがハジメとユエは一人ずつでしか風呂に入っていない。理由はハジメがユエを先に風呂に入れて、ユエが出た後に隙を見て入っているからである。ハジメが初めて風呂に入った時にユエが突撃しそうになっていたので、その方法を取ったらしい。

 

 雫は風呂を見て目がキラキラしていた。だが、それも後回しにして再び屋敷を探索する。

 

 

 二階には書斎や工房などがあったがロックが掛かっており開かなかった。そのため、三人は開かない部屋は後回しにすることにした。

 

 

 ハジメ、雫、ユエの三人はいよいよ最上階である三階にやってきた。

 

 三階には一部屋しかなく、その部屋には直径七、八メートルの精密かつ繊細に描かれた魔法陣が床に刻まれていた。その幾何学模様は美しく、芸術品と言われても誰も疑わないだろう。

 

 魔法陣の奥には豪奢な椅子に座る骸があった。その骸は、黒に金の刺繍が施された見事なローブを羽織っている。

 

 その骸は椅子にもたれかかって俯いている。その姿勢のまま朽ちて白骨化したと考えられる。魔法陣しかないこの部屋で骸は何を思っていたのか。この場所を選んで果てた意図はなんなのか……

 

 雫とユエが気づいた時には、ハジメはその骸に合掌をしていた。それに倣い、雫とユエも慌ててその骸に合掌をした。

 

 数分間してから、ハジメは合掌をやめて魔法陣の中に入ろうとする。

「ハジメ、怪しく思わないの?」

「俺が前に言った事を忘れたか?反逆者であって反逆者じゃねえかもしれねぇだろ?」

 ユエが止めてきたが、そう言って笑いながら、ハジメは魔法陣に入った。その瞬間、魔法陣が光り爆ぜ部屋を光で染め上げた。

 

 ハジメは、眩しさに目を閉じる。それと同時に、走馬灯の様に頭をいろんな記憶が過ぎ去っていく。

 

 光が収まり、目を開けたハジメの目の前には、黒衣の青年が立っていた。

 

 その青年は、骸と同じローブを着ていた。

 

『試練を乗り越えよくたどり着いた。私の名はオスカー・オルクス。この迷宮を創った者だ。反逆者と言えばわかるかな?』

 

 その青年の名はオスカー・オルクスというらしい。そういえば、昔、オルクスという名の伝説の錬成師がいたなと、ハジメは思っていた。

 

『ああ、質問は許して欲しい。これはただの記録映像のようなものでね、生憎君の質問には答えられない。だが、この場所にたどり着いた者に世界の真実を知る者として、我々が何のために戦ったのか……メッセージを残したくてね。このような形を取らせてもらった。どうか聞いて欲しい。……我々は反逆者であって反逆者ではないということを』

 

 オスカーの話は、聖教教会の言う歴史と全く違う歴史であり、ハジメの考察がほぼ正解だった。

 

 神代の少し後の時代、世界は争いで満たされていた、争う理由は様々だった。中でも一番の理由は"神敵"だからという理由である。今よりずっと種族も国も細かく分かれていた時代、それぞれの種族、国がそれぞれに神を祭っていた、その神からの神託で人々は争いを続けた。

 

 だが、ある時、偶然だが、神々の真意を知ってしまった者たちがいた。トータスの神々は、チェスをやってる感覚で、人々を駒に遊戯ので戦争を促していたのだ。それを知った者たちは同志を集め、人々を巧みに操り戦争へと駆り立てる神々に戦いを挑もうとした。それが当時、"解放者"と呼ばれた集団であった。

 

 しかし、その目論見は戦う前に破綻してしまった。周到な準備を重ねすぎ、相手に時間を与えてしまったのだ。神々は人々を巧みに操り"解放者"たちに神敵、そして"反逆者"のレッテルを貼り、守るべき人々に相手をさせたのである。

 

 守るべき人々の手で次々と討たれていく"解放者"たち。最後まで残ったのは"解放者"のメンバーの中、強力な力を持った幹部の七人だけだった。

 

 彼らは自分達では神を討つことはできないと判断し、バラバラに大陸の果てに迷宮を造り、潜伏することにした。試練を用意し、それを突破した強者に自分達の力を譲り、いつの日か神の遊戯を終わらせる者が現れることを願って……

 

 長い話が終わり、オスカーは穏やかに微笑む。

 

『君が何者で何の目的でここにたどり着いたのかはわからない。君に神殺しを強要するつもりもない。ただ、知っておいて欲しかった。我々が何のために立ち上がったのか。……君に私の力を授ける。どのように使うも君の自由だ。だが、願わくば悪しき心を満たすためには振るわないで欲しい。話は以上だ。聞いてくれてありがとう。君のこれからが自由な意志の下にあらんことを。そして、願わくば、スパーダさんの血族がこれを聞いてくれることを』

 

 そう締めくくり、オスカーは足から徐々に消えていった。それと同時にハジメの脳裏に何かが侵入してくる。ハジメはこの感覚を知っているので特に反応もしなかった。

 

 やがて、痛みも収まり魔法陣の光も収まる。ハジメはオスカーの骸を決意を決めた目で見ていた。

「……オスカー・オルクス。アンタに敬意を表し、その依頼、この南雲ハジメが引き受けよう」

 そう言ってハジメは、二人の方へ体を向けた。

 

「さて、俺の予想とほぼ同じだったが、爆弾発言を聞いちまったな」

「ええ、まさか遊戯のために私たちが召喚されるなんてね」

「……それで、ハジメはどうするの?」

オスカーの話を聞いて、ユエが今後の方針を聞いてくる。

「この世界がどうなろうと知ったこっちゃねえ………と、言いたいところだが、それは俺のルールに反するんでな。オスカー・オルクスの『神エヒトの討伐』依頼、受けるつもりだ。だが、お前等はどうする?なんなら王都まで送ったりもするが?」

ハジメの言葉に二人は目を合わせてからハジメの方へ向いて

「「ハジメの隣がいい……!」」

と見事なシンクロをしながらそう言った。

「たくっ、わかったよ」

ハジメは照れているのを誤魔化すために咳払いを一つした。

 

「ああ、それと二人とも、この魔法陣乗っとけ」

「どうしてなの?」

首を傾げる雫に衝撃のカミングアウトがされる。

「この魔法陣、神代魔法が手に入るぞ」

「……ホント?」

信じられないといった感じのユエ。それもそのはず、神代魔法とは神代の頃に使われた今ではもう失われた過去の遺産である。

 

ちなみに、ハジメたちを召喚した召喚魔法も神代魔法だったりする。

「この魔法陣は神代魔法を頭ん中に刻み込む、いや、使える様に頭ん中を弄るって方が正解か」

「大丈夫なの、それ?」

「大した問題はないな。それにこれは俺や浩介のためにあるような魔法だな」

「へえ〜、どういう魔法なの?」

「生成魔法……鉱物に魔法を付与して、特殊物質を生成することができる魔法。一言で言うなら、アーティファクト作成魔法だな」

 生成魔法とは神代の頃に、アーティファクトを作るために生まれた魔法らしい。まさに、錬成師にピッタリの魔法である。

「一応、お前等も覚えとけ。使わなくてもせっかくの神代魔法だ。貰わなきゃ損だぞ?」

ということで、二人も生成魔法を手に入れることにした。その時、またもやオスカー・オルクスが現れて一からまた先程の説明をして、雰囲気をぶち壊したのはまた別の話だ。

「さて、一応、ここは彼の家だし、埋めてやらねえとな…」

「「…畑の肥料?……」」

に、する訳ねぇだろうがあああああああああああああああ!!

ユエと雫の慈悲の無い言葉に対し、ハジメの怒声がオルクス邸に響き渡ったのは言うまでもない。

 

 

結局、オスカーの骸は、滝の横に埋められハジメがグランツ鉱石などを使い荘厳な墓を建てた。その際、トータスの埋葬方法がわからず、アメリカスタイルでそのまま埋めることになった。もし、日本式なら骨を砕いて壺に入れて埋めたことだろう。

 

墓ができた後、三人はハジメが作った簡易式の線香で合掌した。

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