ありふれた悪魔狩人《DEVILHUNTER》で世界最強   作:ヴェルザ・ダ・ノヴァ

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悪魔、旅立つ

 ハジメが雫に卒業させられ、ユエにまで喰われていろいろと吹っ切った夜から二ヶ月が経とうとしている。十歳で身体が怪物化し、奈落で更に身体を作り替え勝利してきたハジメも、女性には勝てなかったようだ。雫にいきなり押し倒されそのままヤってしまい、終わったと思ったらユエまで乗ってヤったのである。ハジメの下半身のライフは0だ!

 

 雫とならこうなってもおかしくないがユエまでくるとはハジメには予想外だった。元々ユエのアプローチから自分に好意を持っていることは気づいていたが、雫がいるため理性で沈めてきた。だが、こうなってはもう無視もできないだろう。

「俺、どうしよう……」

 と、気が沈んでいたハジメだが、雫が自分に気をかけてくれるなら、別に構わないと言ったことで、ハジメは実質彼女を二人ゲットしたことになる。

 

 そんな三人はオルクス邸をフルで活用しながら、〝ふざけんな!〟〝リア充爆破されろ!〟と叫びたくなるような生活を送っている。遠い場所で、一人の女子生徒である聖剣士がスタ○ドに、かの魔帝を背後に浮かべて周囲の人が気絶していようが、それは関係の無い別の話である。近い未来、修羅場が起きる布石である。

 

「フッ!ハアッ!セラァア!」

「ハジメ、かっこいい…」

「んっ、同感」

 現在、ハジメは魔剣ジェネシスと七戦斧ヒュドラによる二刀流の剣舞をしている。それを女子二人がポワワワ〜とした空気の中で見ていた。その際、七戦斧ヒュドラの刃が逐一色が変わる。その理由は能力にあった。

 

 七戦斧ヒュドラは言うなればヒュドラの生まれ変わりであり、その能力に合わせて刃の色が変わるのである。普段は美しい銀色に光っており、赤い蛇の像が光ると刃も赤くなり炎撃を放つように、緑色なら風雷撃、青は水撃、黄色は攻撃力アップの重撃、黒は相手を切ることにより精神を不安定にして錯乱させる呪撃、そして最後の白だが、これは少し特殊な能力だ。というのも、刃が白くなり味方全員に対して神水と同じ効果を発揮してくれる能力は嬉しいが、問題はもう一つの能力だ。その能力とは相手のHPを吸い尽くすドレイン能力だ。このさじ加減が大変であり、下手すれば相手の魂すら喰らい尽くすため注意が必要であり、生半可な鍛錬では使ってはいけない武器である。

 

 そんな武器をハジメは握った瞬間から100%使えるようになっていた。やはり、初見の武器でも扱えるのはスパーダの血族の特徴らしい。

 

 この二ヶ月で三人の実力は恐ろしいことになっている。まずは雫のステータスはというと、

 

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 八重樫雫 17歳 女 レベル:???

 天職:魔剣士

 筋力:10950

 体力:13190

 耐性:10670

 敏捷:13450

 魔力:14780

 魔耐:14780

 技能:全属性適性・全属性耐性・状態異常無効・剣術[+斬撃速度上昇][+抜刀速度上昇]・魔刀術・縮地・高速魔力回復・魔力変換[+体力][+治癒力]・万能感知・魔力遮断[+幻踏]・精密射撃[+銃弾自動装填][+必中]・魔力操作[+魔力放射][+魔力圧縮][+遠隔操作]・胃酸強化・纏雷・天歩[+空力][+縮地][+豪脚][+瞬光]・陰業・風爪・夜目・遠見・金剛・威圧・念話・追跡・全スキル全アビリティ・限界突破・生成魔法・言語理解

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 もうツッコミどころがありすぎるステータスとなっている。前にも言ったがレベルはその人間の現在の限界値を表す物なのだが、魔物の肉を喰いすぎたせいなのか、ある時期から、筋力などのステータスは上がれどレベルは変動しなくなりついに表示され無くなってしまった。

 

 魔物の肉を喰うことにより身体を変質させて成長限界の上昇を行なっていたとすると、ステータスプレートは雫のレベルを測れなくなったことを意味する。

 

 ちなみに、〝糞勇者〟又は勇者(笑)〟でお馴染みの天之河光輝の限界はオール1500といったところで、限界突破により三倍に上昇できるが、それでも雫には届かない。

 

 一応は比較をするが、通常の()()()の限界が100から200であり、天職持ちで300から400となる。魔人族や亜人族は種族特性から一部のステータスで約300から600が限度である。勇者(笑)がチートなら、雫は化物としか言い様がない。だが、それを超える者がいる。それがハジメだ。

 

 ハジメのステータスは雫をも超えもはや人間か疑うレベルである。そんなハジメのステータスは、

 

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 南雲ハジメ 17歳 男 レベル???

 天職:悪魔狩人(デビルハンター)・錬成師 職業:DEVIL MAY CRY

 筋力:26526[ソードマスター発動時:+10000][魔人化+13000][真・魔人化+20000]

 体力:26497[魔人化時:+13000][真・魔人化+20000]

 耐性:26498[ロイヤルガード発動時:+10000][魔人化+13000][真・魔人化+20000]

 敏腕:26529[トリックスター、ガンスリンガー発動時:+10000][魔人化時:+13000][真・魔人化+20000]

 魔力:27540[魔人化時:+13000][真・魔人化+20000]

 魔耐:27540[ロイヤルガード発動時:+10000][魔人化時:+13000][真・魔人化+20000]

 技能:全属性適性・全属性耐性・状態異常無効・魔力操作[+魔力放射][+魔力圧縮][+遠隔操作]・胃酸強化・纏雷[+放雷]・風爪・夜目・遠目・気配遮断・戦闘術[+全武器]・先読・高速魔力回復・魔力変換[+体力]・自動再生・万能感知・全武器適性・悪魔威圧・魔眼・念話・錬成[+銃弾虚無錬成][+鉱物系鑑定][+精密錬成][+鉱物系探査][+鉱物分離][+鉱物融合][+複製錬成][+圧縮錬成][+高速錬成][+自動錬成][+イメージ補強力上昇]・トリックスター[+空力][+縮地][+豪脚][+瞬光]・ソードマスター[+斬撃速度上昇][+抜刀速度上昇]・ガンスリンガー[+銃弾自動装填][+必中][+部位破壊]・ロイヤルガード[+剛力][+金剛]・全スキル全アビリティ・悪魔の覚醒(デビルトリガー)[+真なる覚醒(真・デビルトリガー)]・限界突破・生成魔法・言語理解

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 もはや、人間の皮を被った神と言われた方が納得のいくステータスとなっていた。例えば、これをメルド団長が見たら顔が青くなるどころか、全身が灰となるだろう。それでも、これより高いステータスを持っている者たちが地球にいるのだ。地球も十分ファンタジーである。

 

 そんな彼等の新装備をお披露目しよう。

 

 まずは、〝宝物庫〟というアーティファクトを手に入れた。

 

 これはオスカーが保管していたもので、指輪に取り付ている約一センチの紅い宝石の中の空間に物を保管して置けるというものだ。要は、四次元ポ○ットのようなものである。空間の大きさは、正確には分からないが東京ドームほどか、それ以上と思われる。ありとあらゆる装備や道具、素材を詰め込んでも、まだまだ余裕がありそうだ。そして、この指輪に刻まれた魔法陣に魔力を流し込むだけで物の出し入れ可能で、半径一メートル以内なら任意の場所に出すことができる。

 物凄い便利な道具なので三人揃って「すげ〜」と気の抜けた声が出たのは愛嬌だ。

 

 本来ならこの宝物庫はドンナーのリロードに使用される物だったであろう。しかし、本作ではそのリロードは無いのである。その理由は〝銃弾自動装填〟に秘密がある。銃弾自動装填の能力は、弾を撃った後の空薬莢を空間魔法により排出、装填を行いリロードをするという行為を必要としないようになる技能だ。実際にリロードは行われているが、本人がやるという訳ではなく、勝手に排出と装填が繰り返し行われるのだ。止める時は、頭で念じて停止すればいい。

 

 更に、〝銃弾虚無錬成〟の効果で銃弾自動装填はより扱いやすくなった。銃弾虚無錬成は、素材が無い状態でも銃弾を無数に作り出すことが出来る技能だ。そのかわり、弾丸のサンプルとして銃を作った場合、その銃に調整された弾を作り技能に覚えさせなければいけないのが玉に瑕だ。

 

 次に、ハジメは〝駆動二輪と六輪〟を製造した。

 

 二輪の方はアメリカンタイプ、六輪はピータービルトにトレーラーがベースだ。最初はハマータイプにしようとハジメは考えていたのだが、雫に

「アメリカにカッコいいトラック系の車無い?」

 と聞かれて、ハマったアメリカ映画からピータービルトを持ってきたのだ。

 

 その映画はマイ○ル・ベイが手がけるロボット映画で、その三作目仕様にトラックはなっている。決して、トランスフォームして戦ったりもしなければ、トレーラーと合体して空も飛びませんのであしからず。

 

 エンジンだが、ハジメが以前仕事で回収した魔具の一つ(ディメンションリング)で飛ばされた世界で教えられたメヴィウスエンジン*1が搭載されている。また、メヴィウスエンジンの燃料は水だ。つまりガソリンが無いこのトータスでも水さえあればエンジンは動くのである。

 

 もう一度言うが、劇中の様に超速変形もしなければ、必殺技で地球の様な星を何周もしないのであしからず。

 

 また、この二台にはギミックが仕掛けられており、魔法を起動すると地面を錬成して整地し、ほとんどの悪路を走破することもできる。また、大量の兵器が搭載されている。

 

 そのほかにも、アザンチウム鉱石で復活を遂げたシュラーゲン、大量の敵を殲滅する際に使用する電磁加速式ミニガンのメツェライ、ロマン兵器の十二連式回転弾倉ロケット&ミサイルランチャーであるオルカンを製造。

 

 そして、ハジメにとってのアイボリーの後継機、リボルバー式電磁加速銃のシュラークが完成した。やはりハジメには二丁拳銃によるガン=カタが性に合うらしい。

 

 それとエボニーだが、修理が終わり今はユエが護身用に持っている。

 

 その他武器や道具多数が作成され宝物庫に入っている。そして神水は試験管型容器十二本に収まり枯渇した。神結晶に魔力を込めてみたが、神水は抽出されなかった。やはり長い年月が掛かった濃縮された魔力でなければダメな様だ。

 

 しかし、捨てるには惜しい代物である。「オルクス邸に飾っておく」という手もあるがそれは嫌だ。そこで魔力を溜め込む性質を利用して、錬成でアクセサリーグッズ一式にした。それを二人に送ったのだ。魔力のストックがあれば、最上級魔法を連発出来るし、魔力枯渇で動けなくなる可能性はゼロに等しくなる。

 

 しかし、二人は違う目でこれを見ていた。それは、

「「……プロポーズ?」」

「ぶっ飛ばすぞ?」

 二人の第一声にハジメは笑いながら右拳を見せてくる。

「それは魔力をストックしておくアーティファクトだ。それがあれば万が一があっても大丈夫だろ?」

「……やっぱりプロポーズ」

「唯の新装備をやっただけだ!」

「ハジメは照れやね♪」

「お前等、いい加減にしろよ?」

「……ベッドの上でも照れ屋」

「OK、よく分かった。戦争だな?戦争が御所望だな?」

「「あ、 や っ べ」」

 この後、ハジメは魔人化してドンナー&シュラークで二人と追いかけっこしたのは言うまでも無い。

 

 それから十日後、いよいよ地上へと出る日になった。

 

 ハジメはオスカー・オルクスの墓に花を供えてお参りしていた。

「……アンタの依頼、片付けてくる。またいつか会おう」

 ハジメはそう言ってオルクス邸三階に向かった。

 

 

 ハジメは三階にやってくるなり、魔法陣を起動準備段階に移行させる。

「いいか、お前等。俺たちの武器や力は、外の世界では異端だ。聖教教会の連中や各国が黙っていないだろう」

「んっ」

「近代兵器ばかりだものね」

 

「俺たちに武器やアーティファクトを要求され、戦争に強制参加させられる可能性もある」

「んっ」

「あまり考えたくは無いわね…」

 

「トータスの人間達全員を敵に回すかもしれねぇし、下手すりゃ奴さん(クソ神)が来るかもしれねえ、やばい旅だ」

「それでも大丈夫…!」

「今更ね」

 

 二人の言葉に苦笑いをするハジメ。それでもすぐに顔の表情を引き締める。

「互いが互いを守り戦う。俺たちは強い。襲いくる全てをなぎ倒して解放者達の重荷を無くしてやらねぇとな」

「ええ!」

「んっ!」

 ハジメは二人の目を見て出発の宣言する。

そんじゃ、行くか!!

*1
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  • 連れていかない!
  • どっちでもいいな〜

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