ありふれた悪魔狩人《DEVILHUNTER》で世界最強   作:ヴェルザ・ダ・ノヴァ

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遅くなってすみませんでした。いろいろと改変をやってて遅れました。

変更点は、
・香織の剣を双大剣から双剣へ
・魔界の定義
とかですかね。

この小説を、今後ともよろしくお願いいたします。


幕門:Devil May Cry再始動
ヘルシャー帝国と悪魔 前編


 数週間前に遡り、ハジメ達がヒュドラと死闘している頃、勇者一行は、迷宮攻略を一時中断しハイリヒ王国に帰還していた。

 

 今までのマップありの探索と違い、完全未知の領域による探索攻略速度の減速。そして、ベヒモス以上の強敵との戦闘。これらのことにより、勇者達の疲労が激しく、「一度中断して休養を取る」という結論に至った。

 

 休養ならホルアドの宿でも休めるのだが、オルクス大迷宮の新階層に到達したことでヘルシャー帝国の使者が勇者に会いにハイリヒ王国に来るらしく迎えが来たのだ。

 

 ヘルシャー帝国は、人間族の国の中でも最大の軍事力を誇る国である。

 

 その昔、三百年前にとある名を馳せた傭兵が建国した国がヘルシャー帝国であり、この国では実力がモノを言うのだ。どっかの伝説のデビルハンターが好きそうな国である。

 

 エヒト神への信仰心はあるが、他の国と比べるとまだ宗教的な思想に強く染まる人間はいない。そんな国が、いきなり現れ、人間族を率いる勇者と言われても納得しないだろう。

 

 しかし、ベヒモスを倒したことにより、帝国の皇帝が興味を持ち、是非会ってみたいと言ってきた。王国側も聖教教会も、いい時期だと了承したのである。

 

 だが、実際にベヒモスを倒したのは()()()()()()である。この事実を知る者はその場にいたクラスメイトと騎士達、そして上の人間だけである。公的には、『勇者の力が覚醒し、ベヒモスを打ち破った』ということになっている。全くもってふざけた話である。

 

 

 

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 一行を乗せた馬車が王宮にたどり着いてから三日後。ついに帝国の使者がハイリヒ王国に到着した。

 

 現在、迷宮攻略メンバー、王国の重鎮達、そしてイシュタルが率いる司祭数人が勢ぞろいしていた。陛下と使者の定型的な挨拶をし、光輝達のお披露目となり、話は進む。

 

 その中で天之河が勇者として呼ばれ、帝国の使者の前に立った。

 

「ほう、貴方が勇者様ですか。しかし随分お若いようですが、本当にあのベヒモスを倒し、65層を突破したのですかな?」

 

 イシュタルの手前、露骨な態度は取らないが疑いの眼差しを向けている。使者の護衛の一人は、値踏みするように上から下までジロジロと眺めていた。

 

 それから天之河がどうやって倒したか話すや、六十六層のマップを見せるなどいろいろ提案したが、使者はそれを断り、その代わりに護衛の一人と戦うことでその力を証明することになる。なので、全員で訓練場に移動した。

 

 

 

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 天之河の対戦相手は、普通の平凡そうな男だった。高くもなく低くもない身長、特徴という特徴がなく、人ごみに紛れたらすぐ見失いそうな平凡な顔。一見すると全く強そうに見えない。

 

 持っている刃引きした剣もだらんと無造作にぶら下げており、構えらしい構えもとっていなかった。

 

 その行動に、天之河は舐められていると些か怒りを抱き、初撃で度肝を抜けば真面目にやるだろうと考え、最初の一撃は半分本気で打ち込むことにした。

 

「いきます!」

 

 天之河が風となる。〝縮地〟により高速で踏み込み豪風を伴って唐竹に剣を振り下ろした。並みの戦士なら視認も難しいかもしれない。もちろん、天之河は寸止めするつもりだった。だが、その心配は無用。その代わり、舐めていたのは天之河の方だと証明されてしまう結果となった。

 

「ガフッ!?」

 

 飛んだのは天之河の方だった。男は剣を掲げるように振り抜いたまま天之河を睥睨している。寸止めのため一瞬、力を抜いた刹那にだらんと無造作に下げられていた剣が跳ね上がり天之河を吹っ飛ばしたのだ。俗に言うカウンターである。

 

 まさに一撃必殺。これが戦場ならば既に天之河の命はないだろう。

 

 天之河は地滑りしながら体勢を整え、驚愕の面持ちで護衛を見つめる。寸止めに集中してのもあるが、男の攻撃がほぼ認識できなかったのだ。

 

 男は掲げた剣をまた力を抜いた自然な体勢で構えている。先ほどの攻撃も動きが水の如く自然だった為、危機感が働かず反応できなかった。

 

「まさかこれで終わりじゃねえだろうなぁ?勇者ってのはこんなもんか?なっちゃいねぇなぁ。やる気あんのか?」

 

 平凡な顔に似合わない荒々しい乱暴な口調で呆れた視線を送る男。その表情には失望が浮かんでいた。

 

「すみませんでした。もう一度、お願いします」

「戦場には〝次〟なんざねえんだがなぁ…」

 

 そう言いながら、二人の戦闘が始まった。

 

 だが、その戦いは圧倒的に天之河の不利で続いていた。

 

 強者の雰囲気を感じなかった風体の男に対し油断した天之河は、殺気の込められた攻撃を咄嗟に受け止めたことで相手が本気で自分を殺しに来ていると察知する。

 

 天之河は男の動きに見覚えがあった。それはメルド団長だ。彼と天之河のスペック差は既にかなりの開きが出ている。にもかかわらず、未だ天之河はメルド団長との模擬戦で勝ち越せていないのだ。それはひとえに圧倒的な戦闘経験の差が原因である。

 

 男は、メルド団長と同じく数多の戦場に身を置いたのだろう。その戦闘経験が天之河とのスペック差を埋めている。つまり、この男はメルド団長並かそれ以上の実力者というわけだ。

 

 模擬戦である以上相手を殺す覚悟の無かった彼は反撃に躊躇いを持ち、持ち前のスペックでどうにか凌ぐ。ゲームなどでいう、舐めプしてHPが25%切っているような状況だった。

 

「ふん、確かに並の人間じゃ相手にならん程の身体能力だ。しかし、少々素直すぎる。元々、戦いとは無縁か?」

「えっ? えっと、はい、そうです。俺は元々ただの学生ですから」

「……それが今や〝神の使徒〟か…………おい行くぞおおおおお!!」

 

 荒々しく洗礼された剣筋で天之河は足を引っ掛けられて転び、彼に向かって剣が振り下ろされて…

 

「があっ!?」

 

 光輝は咄嗟に切り札の技能〝限界突破〟を発動させ、窮地を凌いだ。

 

 この限界突破、光輝が強敵との戦いにのみ使う能力でその効果は一定時間だが全てのステータスを三倍に引き上げるというある意味主人公的な振る舞いをしている彼らしいと言える技能だ。

 

 

 

 

 

 

「アイツをどう見る?龍太郎」

 

 戦いの様子を見ていた浩介は、横で腕組みしている龍太郎に問う。

 

「どうって言われても…………アイツは〝限界突破〟の能力をはき違えてる。アイツは〝限界突破〟をマ〇オのスター取った時の無敵時間みたいに捉えてるみたいだが、あれはハジメの〝悪魔の覚醒(デビルトリガー)〟と同じで少しの間だけ強くなってるだけだ。アイツが勝つには〝限界突破〟の間に仕留めねぇと無理だ」

 

 

 

 

 

 

 

 天之河の顔には一切余裕はなかった。恐怖を必死で押し殺すように険しい表情で剣を構えている。

 

 そんな天之河の様子を見て、男はニヤリと不敵な笑みを浮かべた。

 

「ハッ、少しはマシな顔になったじゃねぇか。さっきまでのビビリ顔より、よほどいいぞ!」

「ビビリ顔?今の方が恐怖を感じます。……さっき俺を殺す気じゃありませんでした?これは模擬戦ですよ?」

「だからなんだ?まさか適当に戦って、はい終わりっとでもなると思ってたのか?この程度で死ぬならそれまでだったってだけだ。お前は、俺達人間の上に立って率いるんだぞ?その自覚があるのか?」

「自覚って……俺はもちろん人々を救って……」

「傷つけることも、傷つくことも恐れているガキに何ができんだ?剣に殺気一つ込められない奴がご大層なこと言ってんじゃねぇよ。おら、しっかり構えな?最初に言ったろ?気抜いてっと……死ぬってな!」

 

 男が再び尋常でない殺気を放ちながら天之河に迫ろうと脚に力を溜める。天之河は苦しそうに表情を歪めた。

 

 しかし、護衛が実際に踏み込むことはなかった。なぜなら、男と天之河の間に光の障壁がそそり立ったからだ。

 

「それくらいでいいでしょう。これ以上は、模擬戦ではなく殺し合いになってしまいますのでな。……ガハルド殿も戯れが過ぎますぞ?」

「……チッ、バレてたか。相変わらず食えねぇ爺さんだ」

 

 障壁を張ったイシュタルに対し小さく悪態をついた男は剣を収め、右耳につけていたイヤリング型アーティファクトを外す。すると男の身体が白い霧のようなものに包まれ、それが晴れると全く異なる姿に変わっていたのだ。

 

 四十代位の野性味溢れる男で、短く切り上げた銀髪に狼を連想させる鋭い碧眼、スマートでありながらその体は極限まで引き絞られたかのように筋肉がミッシリと詰まっているのが服越しでもわかる。

 

 彼の姿を見たとたん、周囲の喧騒が大きくなった。

 

「が、ガハルド殿!?」

 

 実はこの男、ヘルシャー帝国現皇帝〝ガハルド・D・ヘルシャー〟その人なのである。なお、この男は某有名海賊漫画とは何のつながりもないのでご注意ください。

 

「これはどういうおつもりですかな、ガハルド殿」

「これは、エリヒド殿。すまなかったな、ろくな挨拶も無しにせずに済まなかった。だがこれから先人間族の未来を担う重要人物だから直接実力を見たほうがいいと思って一芝居打たせてもらった。無礼は許して頂きたい」

 

 謝罪すると言いながら、全く反省の色がないガハルド皇帝。それに溜息を吐きながら「もう良い」とかぶりを振るエリヒド陛下。なんでも、この皇帝陛下、物凄く足が軽いらしく、このようなサプライズは日常茶飯事なのだとか。

 

「「えぇ~……」」

 

 天之河たちは連続の出来事に呆然としている。浩介と龍太郎は呆れた声を出していた。

 

 

 

 次の瞬間、訓練場が炎に包まれた。

登場人物の設定資料みたいなのいりますか?(やるなら三章)

  • やれよ(章の最初)
  • やれよ(章の最後)
  • 両方やれよ(章の最初と最後)
  • どっちでもいい
  • さっさと話進めろや!
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