ありふれた悪魔狩人《DEVILHUNTER》で世界最強 作:ヴェルザ・ダ・ノヴァ
今回は少し短めです。
外の世界
地上の人間にとって、そこは地獄の処刑場だ。断崖の下はほとんど魔法が使えず、にもかかわらず多数の強力で凶悪な魔物が生息する。深さの平均は一・二キロメートル、幅は九百メートルから最大八キロメートル、西の【グリューエン大砂漠】から東の【ハルツィナ樹海】まで大陸を分断するその大地の傷跡を、人々はこう呼ぶ。
【ライセン大峡谷】と……
そのライセン大峡谷の壁の一部が吹き飛んだ。煙の中からは黒色のブーツの靴底が見えている。
次に現れたのは、銀色の髪に黒いコート。中には白のワイシャツ、その上に灰色のベストを着て首にネッカチーフを巻いており、黒のズボンを履いて両太腿にドンナー&シュラークを入れるホルスターを付けた男性と、瑠璃色のコートに白のワイシャツ、その上に灰色のベストを着て下はスカートにハイブーツを履いて、腰に閻魔刀を携えた銀色の髪の女性と、白コートにブラウス、フリルのついた黒いドレススカートといった服装を身に纏い、綺麗なブロンドヘアをリボンで結んだ少女だ。
「やっと出れたな」
ハジメ達はオルクスの魔法陣から転移して、外に通じる洞窟に飛ばされ外に出ようとしたが、洞窟を隠している岩が動かなかったため、蹴り壊して出てきたのだ。
三人は、久しぶりの太陽を見て少し息を吸って吐き出すを繰り返す。そして、しばらくしてからグッーーと屈んで、
「よっしゃああああああああ!!」
「んっーーーーーーーーーー!!」
「やったあああああああああ!!」
一気に腕を伸ばしながら立ち上がった。宇宙○ター!!並に。
そうしてしばらくの間、人々が最悪の場所と謳う大峡谷に大きな笑い声が響き渡った。途中、地面につまずき転倒しても、面白可笑しくケラケラ、クスクス笑っている。
ようやく笑いが遅まる頃には、見渡す限り………………………魔物がいた。
「おいおい、無粋だなぁ?ちったぁ余韻に浸らしてくれよ」
「でも、ここは魔法が使えないのよね」
雫が閻魔刀を抜きながら首を傾げる。ハジメの知識を少し教えてもらい、ここがライセン大峡谷であり、魔法が使用不能な場所だと理解している。
「ああ、そういえばそうだな」
「……分解される。効率も十倍くらいになってる」
ライセン大峡谷で魔法が使えないのは魔力を分解する性質があるからだ。並の魔術師などではすぐに魔力を分解されて魔法が行使不能になるだろう。だが、ユエやハジメ並の魔力量でゴリ押しすれば魔法は使えるようだ。このライセン大峡谷では初級魔法に上級魔法級の魔力が必要らしい。
「なら、ユエは俺がやったエボニーを使え。ちょっとした的当て訓練だと思えばいい」
「ん、わかった」
そうして地上での初戦闘が始まった。
ハジメは、流体の様な自然な動きでドンナーを握り魔物に照準を当てて引き金を引く。魔物は銃を見たことはない。よって攻撃されると分からなかった様で、一発の直線にいる魔物を貫通していく。
魔物たちは貫通してその部分が爆散して死んでいる魔物の死骸を見て呆然としている。辺りには銃声がまだ響いていた。
「さあて、ここから先はR指定だ」
そうしてハジメの蹂躙が始まった。頭や心臓部を吹き飛ばされて絶命した魔物、首を跳ね飛ばされて絶命した魔物などが辺り一面に転がりあらゆる場所に血が付着している。恐怖でそこから動けるものはおらず、一匹残らず殲滅され、それにかかった時間は5分もなかった。
ハジメがホルスターにドンナー&シュラークをしまってため息をついている。
「……どうしたの?」
「……………ねえ」
「え?」
「歯応えがねえ」
「ハジメが化け物なんじゃないの?」
「その言葉キツイぜ、雫…」
そう言って肩を竦めたハジメは崖を見始めた。
「さて、この崖を登っていくのも構わないが、ここがライセン大峡谷なら迷宮がある筈だ。と、すると……樹海側に進むか」
「「……なんで、樹海側?」」
「いや、俺が作ったオプティマイオスの機能チェックも兼ねてそっちに進んでもいいが、いきなり砂漠横断したいか?」
「「よし!樹海側に行こう!」」
と、いうことで樹海側に進む方向で決定した。
ハジメは、中指にはまっている宝物庫から〝駆動二輪 シュタイフ〟を取り出す。ハジメがそれに颯爽と跨り、雫がハジメの後ろに跨ってハジメの腰にしがみつき、ユエがハジメの前に乗っている。
本来なら、このシュタイフは魔力で動くため駆動音は静かだろう。しかし、このシュタイフは前に書いた通りメヴィウスエンジンが積んである。つまり、
ブロロロロロロロロロロロロロロロロロ
エンジン音が鳴るのである。更に、燃料は水なので魔力を分解するこのライセン大峡谷でも長時間使えるのである!
ライセン大峡谷は東西に真っ直ぐ伸びており、迷う事はまずない。*1なので、道なりに進めば樹海側に着くのである。三人は迷う心配はないので、迷宮の入り口らしいものがないか注意しながら、進んでいく。車体下に仕込んだ錬成の魔法陣により、悪路を整地してくれるので楽だ。
それでも、魔物はどうしようもないので、ハジメがドンナーで蹴散らしていった。
しばらくシュタイフを走らせて進んでいると、結構な音量の咆哮が聞こえてきた。ここからそう遠くない場所だ。中々の威圧で、今までの魔物とは一味違うかもしれない。
シュタイフを走らせ突出した崖を回り込むと、その向こう側に大型の魔物が現れた。かつて見たティラノモドキに酷似しているが頭が二つある。ツインヘッドティラノサウルスモドキだ。
だが、もっと注目すべき点は、そのツインヘッドティラノが追っかけている何かだろう。それはぴょんぴょんと跳ね回って逃げ惑うウサミミ少女だった。後ろのツインヘッドティラノが怖いのか、半泣きである。
「「なんだ?/なに? あれ」」
それをハジメと雫は一筋の汗を流しながらジト目で見ていた。
「……兎人族?」
「なんでこんなところにいんだ?兎人族って樹海の中に住んでたよな?」
「ん」
「ってことは、処刑されたとか?」
「あんな弱そうなのが何やったんだよ?」
「「………処刑されたは無し」」
三人は首を傾げ、逃げ惑うウサミミ少女を見ながら少しお喋りを興じた。あのウサミミ少女が何をやっているのか考察していたが、よくわからなかった。
雫とユエは、ハジメに進もうと催促するが、ハジメは逆にシュタイフから降りた。
「ハジメ?あの子を助けるの?」
「ああ」
雫の質問にハジメは即答する。そのまま、ツインヘッドティラノの方へ進んでいく。
「…どうして?」
ユエの問いに、ハジメは進みながら笑って、
「ユエ。人を助けるのに理由がいるか?」
そう言った。そのまま進む速度を上げ、駆けた。
「ヒィィィィイイイイイ!?もう、もう無理ですぅ〜!あっ!」
そのウサミミ少女は逃げながらそう叫んでいたが、いよいよ限界なのか躓いてしまう。その勢いで、顔面から地面にダイブした。
「イタタタ…ヒッ!?」
上体を起こすも、後ろからツインヘッドティラノがその大きな口を開けてウサミミ少女を喰おうとしている。
「ひぃ!だ、だれかだずけてくだざあああい!!」
そして、ツインヘッドティラノの口が閉じる。
前に、ツインヘッドティラノの頭が吹き飛んだ。否、切り落とされた。ツインヘッドティラノの後ろには回転している片手斧が飛んでいた。七戦斧ヒュドラだ。
「グルアア!?」
ツインヘッドティラノは驚いた様な鳴き声をあげる。七戦斧ヒュドラは、逆再生するかのようにツインヘッドティラノのもう片方の頭を切断して持ち主の手に戻っていった。そう、ハジメの手に。
「そんな…!?ダイへドアがたった二撃で…!」
どうやら、あのツインヘッドティラノはダイへドアと言うらしい。
ハジメは七戦斧ヒュドラを新しく手に入れた技能『魔具庫』に入れる。この中には、他の魔具が全て入っている武器庫のようなものだ。ちなみに、この魔具庫は装備用であり、技能ではない保管庫のデカイのは日本のデビルメイクライ事務所で保管している。
「へ、へあ?」
ウサミミ少女は戦斧が飛んでいった方向を見ると、自分を見る青眼の
だが、いつになっても何も起きない。ウサミミ少女はそっと目を開けるとハジメは、
「大丈夫か?girl」
と言いながら手を伸ばしていた。
「は、はい!」
ウサミミ少女はその手を掴んでハジメに引き上げられる。ハジメは立ち上がらせたウサミミ少女に怪我が無いか人目見て確認して、シュタイフに戻ろうとする。
「それじゃa、何してんだ?」
ハジメは手を挙げて別れを告げながら後ろを見ると、ウサミミ少女が転けて倒れていた。ウサミミ少女はそれでも、腕を伸ばしてハジメの足を掴む。そして、顔をあげた。鼻水やら涙やらグチャグチャである。
「先程は助けて頂きありがとうございました!私は兎人族の一つ、ハウリア族のシアといいます!お願いです!私の仲間も助けてください!」
そして、なかなかに図太かった。
登場人物の設定資料みたいなのいりますか?(やるなら三章)
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やれよ(章の最初)
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やれよ(章の最後)
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両方やれよ(章の最初と最後)
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どっちでもいい
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さっさと話進めろや!