ありふれた悪魔狩人《DEVILHUNTER》で世界最強 作:ヴェルザ・ダ・ノヴァ
この約一ヶ月期待して待っていてくれた皆様には感謝してもしきれないです!
ですが、その分ブランクがありますので文章がおかしかったり、PCを使っているので誤字脱字があるかもしれません。そこ等辺は
「あれ?間違えてるよ~」「ここら辺、言葉がおかしいよ~」
と教えてくれればありがたいです。
ハジメに旅の同行を許可されて大喜びのシアは、久しく会っていない家族たちに報告しようと思い両耳を可愛らしくピコピコと動かしながら意気揚々と駆けて行こうとした。
だが。
「我が君。課題であった魔物、狩ってまいりました」
「へぇあっ!?父様!?」
いきなり現れた亜人族の集団と父親*1の言動にシアは戸惑っている。しかも、カムの顔は歴戦の剣士のようでただ立っているだけなのにスキがない。まるで某不適合者の作品の『魔王の右腕』のようだ。周りの亜人族達も身体が鍛えられており、精悍な顔をしている。
混乱しているシアを他所に、カム達は課題として狩ってこいと言われた魔物一頭分の尻尾や鱗に爪などの素材を腰の袋から取り出した。
「…多いな」
「教えである『狩った獲物は全て使え』に則ったまでです」
「そうか。それとアイツ等はどこだ?」
ハジメがハウリア族+αの居場所を聞くと、カムは少し顔をしかめた。
「ん?どうかしたのか?」
「あ、いえ。では、報告します」
カムによると、課題の魔物を狩りに森に行き無事に狩ったはいいが、血の匂いに誘われて大量の魔物が現れたらしい。カムはこれ以上魔物を狩っても量が増えハジメに迷惑がかかる、そして迷宮のようなリスポーンの魔物ではなく生態系を確立した魔物だったことから狩り過ぎると生態系が崩れるかもしれないと思い帰還しようとしたが、他のハウリア族や弱かった亜人族は「殲滅せよおおおお!!」と
「まもなく帰ってくる頃かと…」
カムがそういうのと森の中から課題を終えた兎人族達が出てくるのはほぼ同時だった。
「ボス、課題の魔物の素材です」
そう言ってきたのは、前に訓練で質問を返してくれた兎人族の中年男性だ。彼の言葉と同時に兎人族達は袋から大量の素材を出してきた。その量は小山が出来るほどだ。
「…俺はカム以外は1チーム一頭って言った気がするんだが…………」
「ええ、そうなのですがね?狩りの途中で音や血の匂いに気付いたのか、魔物がわらわらと大量に出てきまして殺意を向けてきたんで出迎えてやったんですよ。なぁ? みんな?」
「そうなんっすよ、ボス。こいつら魔物の癖に生意気な奴らでした」
「きっちり落とし前はつけましたよ。一体残らず大型メイスで潰してやりやした」
「ウザイ奴らだったけど……カリバーンで斬った時はいい声で鳴いたわね、ふふ」
「見せしめに晒しとけばよかったか……」
「まぁ、フレイムダガ―でバラバラに刻んでやったんだ、それで良しとしとこうぜ?」
アウトなセリフを連発し元の温和で平和的な兎人族の面影が微塵もない。そこにいるのはギラついた目と不敵な笑みを浮かべている殺戮集団だった。
そんなハウリア族を見て全員が
「「「……俺等が言えたことじゃねぇけど、アンタ等誰だよッ!?」」」
と、叫んでいた。
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「ちょっとハジメさん!?あれってどういうことですか!?」
「な、なにがだ?」
ハジメは苦笑いしている。
「とぼけないで下さい!何すればこんな有様になるんですかっ!?完全に別人じゃないですかっ!見てください!彼なんて、さっきから剣を見つめたままウットリしているじゃないですか!あっ、今、剣に〝ジュリア〟って呼びかけた! 剣に名前つけてますよ!更に愛でてますよっ! 普通に怖いですぅ~!」
樹海にシアの怒声が響きわたる。別の場所ではカムが眉間に手を置いてしわを寄せており、他の亜人達も「メンタルケアしときゃよかったああああ!」と嘆いている。
しかし、悪夢はここからで、先ほどのやり取りから更に他のハウリア族も戻って来たのだが………何故か、全員が悪魔化していた。
シアはハジメをジト目で睨みつけ、変わり果てた家族を指差しながらハジメに凄まじい勢いで事情説明を迫っているが、ハジメは汗流しながら首を横に振っている。そして、何故かハジメの後ろにいたカムがシアからサッと目を逸らす。
それを、首を振っていたハジメとハジメを睨んでいたシアは見てしまった。
「………父様……なにしたんですか?」「………カム……お前、何しやがった?」
「……………少し鍛えただけです」
「「これがちょっとであってたまるかっ!」ですぅ~!」
「も、申し訳ございません…」
「で、何やったんだ?」
「実は……」
そこからは衝撃の事実の連発だった。どうやら悪魔化しているのは最後まで魔物を狩ることを躊躇っていた奴等らしく、それを見てカムは歯がゆくなりハジメから悪魔の血を「自分が強くなるため」と言って貰い、培養して全員にぶち込んだらしい。どうやって培養したかはご想像にお任せする。
「父様、本当に父様なんですか!?なぁに肉体改造してんですかぁっ!この八日間何があったんですかぁ!?私の知ってるみんなじゃないですよぉっ!」
「安心しなさいシア、私は至って正常です。もし変わったとすれば、趣味が剣の鍛錬になったことくらいです」
「あれ?口調とかが変わっただけですかぁ…よかったぁ…」
シアが安堵するのも束の間、カムは一本の樹の前に立ち誰にも見えない程の光速で腰にある剣を振り一瞬で木に生えた葉を全て斬り落とした。それを見てまとも勢はポカーンとしている。
「これが今の私の実力です」
「やっぱり別人ですぅっ!」
シアが様変わりした父親に嘆いている一方で、
首にズーム機能が付いたゴーグルを掛けて肩には狙撃用の大きいスコープが付けられた大型のマークスマンライフルを担ぎ、脇腹には二本のダガ―エッジ、腰に剣を下げている随分ニヒルな笑みを見せる少年が霧の奥から現れた。かつて、花が大好きだった少年パルだ。
「ハジメ様!至急、お耳に入れたいことがっ!」
「お、おう?どうした?(確か此奴には樹海の一番高い樹で監視をしろって言った筈だが……)」
少年の歴戦の騎士もかくやという雰囲気に、今更ながら、シアの言う通り少しやり過ぎたかもしれないと若干どもるハジメ。パルはお構いなしに報告を続ける。
「帝国兵の一団の物と思われる馬車を発見、距離4㎞!」
その言葉を聞いた瞬間、ハジメは直ぐに顔を引き締めた。
「…事実か?」
「前を歩いていた者が帝国兵の鎧を着ていたので間違いないかと…」
「分かった、下がれ」
「はっ!」
パルは頭を下げると、素早く下がった。ハジメはそれを確認すると、すでに装備を整え終わっている亜人族達のほうを向く。しかし、中には緊張していたりする人が数人いる。そんな彼等をハジメは激励した。
「いいかっ!今回の戦いが諸君等の初陣だ!しかしっ、俺は全くお前達を心配していない!何故か分かるか?お前達が負けるなど微塵も思っていないからだっ!この八日間、諸君等を見て鍛えてきた!お前達は十分に強くなった!今や、帝国など其処等の魔物のような雑魚でしかないっ!今こそ奴等に見せつけてやれ!自分達が何者で、なぜ存在するのかをっ!」
「ううおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」
「うわぁ~ん、やっぱり私の家族はみんな死んでしまったですぅ~」
変わり果てた家族と亜人族を目の当たりにし、崩れ落ちるシアの泣き声が虚しく樹海に木霊する。流石に見ていられなかったのか雫とユエがポンポンとシアの頭を慰めるように撫でている。
「………ハジメ様」
「ん?どうした、カム」
「彼等の近くに居なくてよろしいのでしょうか?」
「お前は負けると思っているのか?」
「いえ、そういう意味ではなく、もし戦闘狂のように暴走した場合は誰が止めるのかと思いまして……」
「あぁ……確かにな。じゃあ近くにいるか……」
ハジメはそう言うと、雫達を連れて戦地に向かった。