ありふれた悪魔狩人《DEVILHUNTER》で世界最強 作:ヴェルザ・ダ・ノヴァ
では、どうぞ♪
マサカの覗き魔
「ふふっ、あなた達の痴態、今日こそはじっくりねっとり見せてもらうわ!」
上弦の月が雲から見え隠れしながらも健気に闇夜を照らす。今もまた、風にさらわれた雲の上から顔を覗かせその輝きを魅せ、その光は、地上のとある建物を照らし出す。正確に言うなら、その建物の屋根からロープを垂らし、それにしがみつきながら何処かの特殊部隊員のように華麗な下降を見せる一人の少女を照らし出していた。
三階にある角部屋の窓までスルスルと降りていき、そこで反転して、どこぞのハイブリッド恐竜のように逆さまになって窓の上部よりそっと顔を覗かせる。
「この日のためにクリスタベルさんに教わったクライミング技術その他!まさかこんな場所にいるとは思うまい、ククク。さぁ、どんなアブノーマルなプレイをしているのか、ばっちり確認してあげる!」
ハァハァと興奮したような気持ち悪い荒い呼吸をして室内に目を凝らす少女、何を隠そう、ブルックの町〝マサカの宿〟の看板娘ソーナちゃんである。明るく元気で、ハキハキ喋り、くるくると動き回る働き者、美人というわけではないが野に咲く一輪の花のような素朴な可愛さがある看板娘だ。町の中にも彼女を狙っている独身男は結構いる。
そんな彼女は、今持てる全ての技術を駆使して、客室の一つの〝覗き〟に全力を費やしていた。その表情は、彼女に惚れている男連中が見れば一瞬で幻滅するであろう………エロオヤジのものだった。
「くっ、やはり暗い。よく見えないわ。もう少し角度をずらして……」
「こうか?」
「そうそう、この角度なら……それにしても静かね?もう少し嬌声が聞こえるかと思ったのに……」
「魔法使えば遮音くらいは出来るんじゃねぇか?」
「はっ!?その手があったか!くぅう、小賢しい!でも私は諦めない!その痴態だけでもこの眼に焼き付け………………」
もう一度言うが、今の時間帯は
銀色の長髪を風で靡かせて、空中で仁王立ちする薄ら寒い笑みをしたハジメがいた。
「ち、ちなうんですよ?*1お客様。これは、その、あの、そう!宿の定期点検です!」
「ほぉ~、こんな夜中にか?」
「そ、そうなんですよ~。ほら、夜中にちゃちゃっとやってしまえば、昼に補修しているところ見られずに済むじゃないですか。宿屋だからガタが来てると思われるのは、ね?」
「なるほどぉ~、商売根性逞しいなぁ~。そんな看板娘ちゃんに聞きたいんだが、この宿に最近覗き魔が出るらしいんだ。それってどう思う?」
「そ、それは由々しき事態ですね!の、覗きだなんて、ゆ、許せません、よ?」
「ああ、その通りだな。覗かれたヤツからしたらいい迷惑だからな」
「そ、そうですよね!い、いい迷惑ですよね!]
互いに顔を見合わせて「ははは」「ふふふ」と笑い始めるハジメとソーナ。但し、ハジメは眼が半目で、ソーナは小刻みに震えながら汗をポタポタ垂らしているという何とも対照的な笑いだが。
「いい加減にしろっ」
「ひぃぃぃぃぃ!、ごめんなざぁ~い!」
ジト目のままでハジメが、ソーナの顔面をアイアンクローする。空中でジタバタともがきながらソーナは悲鳴を上げ、必死に許しを請う。だが、ソーナは一般人の女の子だ。それに対するお仕置きにしては少々やりすぎではと思う仕打ちだ。これが初犯なら、ハジメも「もうやるなよ」と言って、優しく地面に降ろしただろう。というより、既にやっている。にもかかわらず、ライセン大迷宮から帰還した次の日に、再び宿に泊まった夜から毎晩、あの手この手で覗きをしてくるのだ。女性と子どもに優しいハジメでも我慢の限界というヤツである。それでも泊まっているのはひとえに飯が美味いからである。
ちなみに、ハジメは持ち上げる程度にしか力を入れていない。その理由は今、ハジメとソーナの下にいる。
ソーナはあまり痛くないことに気づいてジタバタするのをやめて「よかったぁ~」みたいな顔で下を見ると………鬼がいた。満面の笑みだが眼が笑っていない母親という鬼が。
「ひぃ!!」
ソーナが気がついたことに気がついたようで、ゆっくり手を掲げると、おいでおいでをする母親。まるで地獄へ誘う悪魔のようだ。
「こりゃぁ~、ケツ叩き百発なんかじゃきかないかもな」
「いやぁああああああああああああ!!」
ハジメがポツリとこぼした言葉に、今までのお仕置きを思い出して悲鳴を上げるソーナ。きっと、翌の朝食時には、お尻をパンパンに腫らした涙目のソーナを見ることができるだろう。毎晩毎朝の出来事に溜息を吐くハジメであった。
今の小説の基本文字数は5000~6000なんですが、このままでいいですか?
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減らして(4000~5000)
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このままでいい
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増やして(一万文字ぐらいまで)