ありふれた悪魔狩人《DEVILHUNTER》で世界最強 作:ヴェルザ・ダ・ノヴァ
Devil May Cry
夜の帳が下りた街。
時計の針が頂点を過ぎても、歓楽街は賑わいを見せている。パトカーのサイレン、車のクラクション、人々の喧騒に、目が可笑しくなりそうなぐらいに光る無数のネオンサイン。
そんな中、黒のシャツに赤のロングコートとズボン、ブーツを履いた男がコートを揺らしながら、ゆったりと歩いていた。180ほどの身長に、日本人特有の黒髪がよく目立つ。
男は、そのまま地下へ続く階段に歩いていく。看板に書かれている名称から酒場だということが分かる。それほど深くない場所に入り口はあり、ドアについているベルが鳴り、開けると雰囲気の良いバーが現れる。
「いらっしゃい、ご注文は?」
奥の席でポーカーをやっているグループを横目に見ながら、男はカウンターの席に座る。
「ストロベリーサンデー」
「っ、お客さぁん・・・・」
涼しい顔で好物を口にすれば、マスターらしき男は呆れた声を出し、肩をすくめる。
「ここは酒場だ、餓鬼のくるとこじゃねぇぜ」
「ほ~お、にしちゃあ、酒の匂いより血の匂いのほうが濃いけどな」
タバコを吸ってポーカーをやっていた一人に、少し挑発的に、そう返す。グラスを拭いていたマスターの手が止まった。
怪訝な視線を涼しげに受け流して、男は話を続ける。
「まっ、そんなのはどうでもいい。それより、こんな話を知ってるか?ここら辺に、最近じゃあもう流行らねぇ暴力バーがあるらしい」
マスターはまたグラスを拭き始める。
「とんでもねぇよな。何せ、酒飲んだ代金が、金じゃなくて自分の命なんだからよ」
「・・・・ッチ」
「ふっ、悪いな」
ポーカーをやっていた一団を見てみれば、一人が舌打ちをしている。
こちらに背を向けた男の手札が丸見えだ。
「ロイヤルストレートフラッシュ、か……そんな役出してたら早死にするぜ」
男は、忠告するかのように物静かに、しかし力強く言った。
「みんなぁ、今日は一杯………………………………………………奢るぜぇッ!!」
男は、忠告を無視するかのようにテーブルにロイヤルストレートフラッシュの役を並べながら立ち上がると、狂気的な笑みで振り返り、カウンターにいる男に飛びかかった。
しかし、飛びかかったその男を出迎えたのは黒くゴツい一丁の銃だった。
ドバンッ!!
「ゴハゥアアッ!?」
BGM:d.m.c
硝煙の匂いが辺りを包み込み、薬莢が一つ吐き出され、男は大きく仰け反る。そのまま倒れるかと思いきや、体の至る所が盛り上がり、
「グゥオオアアッ!」
怪物、否、〝悪魔〟の姿へと早変わりして、再度突撃してきた。男はカウンターを蹴って攻撃を回避し、後ろを振り向く。案の定、他二人の男も悪魔だった。
男は、もう一丁の白い銃をバックスピンで取り出し、
「グオッ!?グアッ!?」
「アウッ!グエッ!」
後ろにいる悪魔二体の頭に銃弾を何発か撃ち込み、そのまま頭を吹き飛ばす。
そこに、カウンターに突っ込んだ一体が復活して、白い銃を持つ右手に噛み付く。牙が肉に深く食い込み、吹き出す血をちゃっかり味わいながら骨を砕こうとしている。
「やるじゃねぇか、ロイヤルストレートフラッシュ」
しかし男は、もう片方の手に持つ黒い銃を落としながら、自分の手首に噛み付いている悪魔を称賛する。
そこに、天窓を破って細長い剣が入ってきた。その剣の名は〝魔剣フレイロフ〟。
「グアアアアアアアアアアアアアアアッ!!」
男は魔剣フレイロフを力強く振り回して悪魔を三枚におろし、更に、一回大きく振って魔剣フレイロフに付いた血を振り払い背中に背負う。
男は、ドアに近寄ると、一度しまったフレイロフをもう一度抜き、思い切り深くドアに突き刺し、そこから血が滴り流れてくる。曇りガラスの向こうでくぐもった断末魔が聞こえ、間髪いれずガラスを突き破り、マスターが倒れこんできた。
「フッ、次に店開くときは」
男はこれで終わりだ、と言うようにマスターの死体に背を向ける。
「ストロベリーサンデーぐらい置いときな」
そんな軽口を叩きながら魔剣フレイロフを背負い、階段をのぼる。
しかし、死んだはずのマスターが、ぶるぶる震えだす。
「グウゥゥアアァア」
マスターは悪魔の姿となり、男に襲い掛かる。
「グアアアアアアアアア!!」
だが、
「ビンゴ」
男はそれよりも早く二丁拳銃〝エボニー&アイボリー〟を構えて悪魔を撃ち抜き殺した。
男の名は、南雲ハジメ。日本に住む
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青い空の下、商店街にある一軒の建物があった。光っていないデカいネオンサインの〝Devil May Cry〟の文字がよく目立つ。
その事務所で、男、南雲ハジメはデスクに脚を組んで雑誌を読みながらピザを食べていた。
「あのさぁ~、俺の話聞いてる!?」
そこに、ハジメに向けて怒声が響く。その声の主の名は「遠藤浩介」という、ハジメの相棒である。
「え?知らねえよ。おれは仕事をしてきただけだ」
「暴れすぎなんだよ……服部さん泣いてたぞ」
浩介は、落胆したようにため息を吐いて俯いた。
それと、服部という男は、ハジメ達が仕事をした後にその跡を片付けに来る公安警察の刑事である。
ちなみに、服部は1,2年後に〝帰還者対応課〟という部署で窓口をすることになるのだが、それはまた別の話だ。
「まっ、もう片付いた仕事だし、気にしなくてもいいだろ」
「それもそうか。ピザ貰ってもいいか?」
「……後で奢れよ」
「ケチくさっ」
ハジメと浩介は、ピザを食べながら次に仕事について話していた。
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