ありふれた悪魔狩人《DEVILHUNTER》で世界最強   作:ヴェルザ・ダ・ノヴァ

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恋愛描写がド下手クソですが、許してください。m(__)m

ここまで本格的な恋愛描写書いたのはいつぶりだろ……?
あ、今回が初めてか。

今回もアニメ〝DevilMayCry〟をモデルにしています。


Not Love part1

 夕暮れ時、一人の眼鏡を掛けた女性が階段を急いで走っていた。

 

「門限に遅れたら、お父様に怒られちゃう……! キャアッ!」

 

 女性は階段を駆け下りていると、足を踏み外し転んでしまい、靴が片方だけ脱げて数段下に落ちてしまう。

 

「いったたたた~…」

 

 足を怪我したのかさすっていると、脱げてしまった靴に手が伸び拾い上げられる。靴を拾ったのは眼鏡をかけた優男風の青年だった。

 

「大丈夫ですか?」

 

 そう言いながら青年は女性に近づいた。

 

「あっ、はい。ちょっと足を挫いてしまだけd「動かないで」

 

 青年は立ち上がろうとしてる女性を静止させ、足の腫れている部分に手をかざすと黄緑色の優しい光が包み込んだ。しばらくして光が収まる。女性は足に違和感を覚える。

 

 

「あれ?」

「立ってごらん」

「……痛くない?」

「よかった」

 

 彼女の怪我は治っていた。

 

 青年は治ったことに安堵し女性に靴を履かせる。

 

「はい」

「あの…今のはなに? 手品? それとも魔法?」

「フフフッ、それじゃ」

 

 青年は女性の質問に答えず、少し笑って別れを告げ階段を上がっていこうとしている。辺りはすっかり暗くなってしまった。

 

「待って! あなたのお名前は…?」

 

 女性が名前を尋ねると、青年は振り返り名乗った。

 

「レイ」

「レイ……また会えますか?」

 

 女性、福谷有希(ふくたにゆき)の声と共に、街灯が光りだして二人を照らす。二人の恋が始まった瞬間だった。

 

 

 

 日は変わり、別の日。

 

 

 

 何時かの階段の上で、零は黄色い花を片手に持って眺めながらある人を待っていた。

 

 そこにタッタッタッという靴音が聞こえてきた。有希だ。ゆったり目のズボンにブラウスと上着を着て帽子を被っている。

 

「ごめんなさい!」

 

 遅れたことを謝ると、零は持っていた花を有希の帽子に挿して微笑む。有希はその笑みを見て一瞬ポカンとするが、すぐに満面の笑顔で返した。

 

 二人は恋人つなぎをして笑いながら道を走っていく。その姿は、微笑ましい恋人同士のそれだった。

 

 

 

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 三日月が夜を照らす頃、ある一軒の豪邸の一室で怒鳴り声が響いていた。

 

「いいか、有希! これ以上あの男と会うのは許さん!」

「どうして!? レイはとってもいい人よ!」

 

 その一室で、有希は一人の男と話していた。眼鏡をつけ、キッチリとしたスーツを着ている。有希の父親だ。

 

「とにかく! ヤツとは会うんじゃない。約束するまで、部屋からは一歩も出さん!!」

 

 そう言って、父親は部屋から出て扉をバタンッと音を鳴らして閉めると、南京錠で鍵をした。

 

「これはお前のためなんだ」

 

 扉越しに有希にそう言い聞かせて、部屋の外で待機していた執事に「頼んだぞ」と言って鍵を渡し、執事はそれに「畏まりました」と頭を下げながら返した。それを見て、父親は部屋から離れていき、執事はそれに追従していった。

 

 部屋では、有希が一人残され、ガクッと膝から崩れ落ち、顔を抑えて「レイ……」と愛しい彼の名を呟いた………

 

 

 

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 日は変わって、翌日。

 

 綺麗な青空の下、立派な垣根に囲まれた広い敷地と、その中に大きな日本家屋、というより屋敷だ。正門もまた重厚で立派な構えで、木と鉄が年月を重ねてきたことを明白に伝えている。一般の人が初めて訪れたのなら、無意識に襟を正してしまいそうだ。

 

 その屋敷でバチンッ! という音と共に「めぇぇぇぇええんっ!」という大勢の門下生達の稽古に励む声が響いてくる。正門の脇にある家名には〝八重樫〟と書かれていた。

 

 ここは、ハジメが中学二年のころから世話になっている〝八重樫流〟の剣道道場が併設された屋敷だ。

 

 その道場では、一対一の組手や素振りをしている人たちの端で、袴の胴着を身に着け、横に一本の竹刀を置いて正座をして瞑想しているハジメと剣道防具一式を身に着けた八重樫流の門下生十数名がハジメを囲っている。

 

 ハジメは、その防具を籠手しか身に着けておらず、普通の人なら竹刀を思い切り叩きつけられたら怪我するような格好だ。そう()()なら。

 

 すると、次の瞬間、門下生たちが全方位から竹刀を振り下ろし攻撃してきた。

 

 それに対し、ハジメは、目をゆっくりと開けると次の瞬間、目の前にいる門下生を突きでぶっ飛ばしていた。その勢いで周りの門下生を纏めて胴を横一閃で倒していく。

 

 そこからは瞬殺で、ハジメの圧勝だった。この試合は、ハジメが一対多数を想定して、門下生に手伝ってもらってやったのだ。それと、これは門下生の数人タッグでの連携の稽古も兼ねている。

 

 そんなこの戦いを見ていた人は皆揃ってこう言った。「ハジメ(南雲)さん、ツエ~…」と。

 

 そこに、一人の男がやってきた。八重樫流師範代の八重樫虎一である。彼は、ハジメを手招きして裏手に呼び、ハジメはそれについて行き、二人きりになる。

 

「やぁ、ハジメ君。精が出るね」

「どうもっス、虎一さん。いやぁ、俺なんかまだまだですよ」

 

 ハジメは苦笑いでそう言うと、鷲三は少し困ったような顔で口を開いた。

 

「何を言うんだい。僅か、三ヶ月で八重樫流の剣技を全て習得し、八重樫流で一番強い祖父を負かした八重樫流派の数人の合格卒業者の一人だろう? 今じゃ、新しく入ってきた門下生の師範代じゃないか」

「アレは、パワープレイのゴリ押しでクリアしたようなものだからカウントに入らないし、師範代は虎一さんでしょうが。俺はただの代理っすよ」

「相変わらずの実直さだね………依頼を受けてくれないか?」

「依頼、ですか?」

「ああ、jackpotだ」

 

 それを聞いた瞬間、ハジメは気を引き締めた。〝jackpot〟。この言葉には二つの意味がある。一つは決めセリフとしての意味。もう一つは、仕事の合言葉だ。この言葉を使うということは裏の仕事だということである。

 

 仕事となれば、凝り固まった口調はしない。常にラフに無礼に。それがハジメの仕事スタイルだ。

 

「珍しいな、アンタが俺を頼るなんて…裏ってこたぁ、悪魔絡みか?」

「あぁ。実は、古い友達が頼ってきてね、その内容で君を頼らなきゃいけなくなったんだ」

「なるほどなぁ」

 

 そんな話をしていると、「ああああああああああああ!?」という悲鳴が八重樫家に鳴り響いた。

 

「何だ…!?」

「さ、さぁ…」

 

 突然の悲鳴に二人が驚いていると、廊下から涙目の少女がハジメに近づいてきた。

 

「ハジメええ!」

「どうした、雫? ネズミでも見たか?」

 

 少女の名は八重樫雫。この八重樫家の一人娘である。

 

「テレビ壊れちゃったのよ! 〝春のボレル〟の再放送最終回だったのに!」

「(あ~、パティが見てたやつか)雫、直してやりたいのは山々だが、俺も今から仕事だ、わりぃな」

「えぇ~!? 直してよ! 依頼料出すから!」

「ハァ~、しゃあねえなぁ。わりぃ、ちょっと待っててくれ」

「あぁ、分かったよ」

 

 ハジメは、結局折れてテレビの修理をし、代金は虎一持ちだったため、彼から修理費を貰って依頼場所に向かった。余談だが、意外なところで結構な出費を出してしまい、お小遣いがかなり減って涙目になった虎一であった。

 

 

 

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 夕暮れ時の太陽の光が窓から入り照らす部屋で、有希はベッドに座って花束の入っている籠を手に持っていた。

 

 それは、レイと共に花屋で選んで買った物である。今現在、部屋に軟禁されている彼女にとって、この花が唯一の心の支えだった。彼との想い出を思い出させてくれるこの花だけが。

 

 そんな中、物音に気付いた有希は、窓に近づいて外を見ると、一台の車が屋敷に入ってくるのが見えた。

 

 そのタイミングで、メイドが扉を開け入り一礼して、有希に声を掛ける。

 

「お嬢様、お食事の用意が出来ています」

「食べたくないわ」

「お願いします、お嬢様。私が旦那様に叱られてしまいます」

 

 有希は、メイドのその言葉に、溜息を吐いた。

 

 

 

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 一方その頃、ハジメと虎一は応接室らしき場所で待たされていた。ハジメはドカッとにソファに座っており、虎一は礼儀正しく背もたれに背中をつけず、前のめりに猫背で座っている。

 

「しっかし、どんな事すればこんな立派な家が建つんだ?」

「この市の市長だからな」

「今回は市長か…ってことは、マスコミか悪魔絡みかだな」

 

 ハジメがそう零すと、応接室の扉が開いて人が入ってきた。この屋敷の主人である福谷信明(ふくたにのぶあき)だ。

 

「遅れてすまない、会議が長引いてしまってね。よく来てくれた虎一」

 

 虎一と信明は互いにあいさつ代わりに握手をする。そのまま、信明はハジメの方に視線を移すと、ハジメは欠伸していた。

 

「早く依頼内容言ってくれ。でないと、退屈で寝ちまいそうだ」

 

 ハジメの傲慢不遜な態度に顔をしかめ、虎一に視線で「本当に大丈夫なのか?」と訴える信明。

 

 それに、虎一はサムズアップしながら答えた。

 

「腕は保証できるぞ。ちょっと気難しいけどな」

 

 その説明に、ハジメは鼻で笑って顔を逸らした。

 

 ハジメへの依頼内容は、ある男の抹殺依頼だった。

 

 信明は早くに妻を亡くし、男手一つで育ててきた有希という名の一人娘がいた。だが、その愛娘を連れ出そうと企んでいる者がいる。それが、ターゲットであるレイという男だった。信明は、自分の娘が素性の分からない男に誑かされ、好きにされる事が気に食わないらしい。

 

 その内容に、ハジメは溜息を吐いた。

 

「それで〝殺せ〟ね……。こりゃ、とんでもない話だな。映画にでもすれば大ヒット間違いなしだ」

 

 ハジメが話を茶化すと、こっちは真剣なんだ、というように信明は歯ぎしりした。

 

 

 

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 一方その頃、依頼に出てきた信明の娘である有希は夕食を取っていたが食欲も湧かず、ふと立ち上がり扉に近づいた。メイドが声を掛けるが、無視をしている。

 

「お嬢様?」

「お手洗いくらいは、独りで行かせて」

 

 流石に、扉の前に立ちふさがる執事は無視できず、トーンの低い声で用事を伝えて部屋を出た。

 

 

 

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「ニュースとかでよくやってるが、最近、この街で通り魔事件が多発してるのは知ってるよな?」

 

 出された紅茶を飲んで一息ついた虎一がハジメに話し掛けると、ハジメは興味深そうに耳を傾けた。

 

「ああ。凶器は不明、死体はまるで大太刀か大剣でズタボロに引き裂かれた斬殺死体、だったな」

「良く知ってるな」

 

 驚く虎一に、ハジメは沈んだ声で呟いた。

 

「本当なら、今日の夜にこの街に来る予定だったからな」

 

 その続きを信明が話した。

 

 なんでも、この通り魔事件はレイという男が現れたのと同じ時期に発生しているらしい。

 

「つまり、そのレイってのは通り魔で悪魔だっていうのか? 夢の見過ぎだな」

 

 ハジメが馬鹿馬鹿しいと呟くが、信明は確信めいた眼で「私は見たんだ!」と零した。信明曰く、レイは枯れた花に掌をかざし、そこから花が光を纏って再生したらしい。

 

「間違いない…あの男は悪魔だ!」

 

 信明が大声を出し、その声音に隠れるように小声で「君向けな仕事だろ?」とハジメに言う虎一。

 

 

 

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「お願いだ。レイを殺してくれ!」

 

 その叫びを有希は聞いてしまった。有希はよろよろと扉から離れると家を飛び出して、彼がいつもいる高台の広場に向かう。

 

 そこには、案の定、レイが夜景を見ていた。

 

 有希は、レイの名を呼んで泣きつくように抱きしめた。それをレイが優しく抱き留める。

 

「お願い……一緒に逃げてっ!」

 

 有希の尋常じゃない様子気が付き、そっと声を掛けるレイ。

 

「どうしたんだい、急に?」

 

 そのままレイは、抱きしめる形から、肩に手を置いて「落ち着いて話してごらん」と優しく問いかける。

 

 有希は、屋敷で聞いたことを全て話した。父親が殺し屋を雇い、レイを殺そうとしていること。その理由が、レイの不思議な力が原因だということを。

 

「お父様はレイを悪魔だと思ってるわ……!」

「……そうか…」

 

 レイは、有希の言葉を聞いて俯いて目を下に逸らした。まるで観念するように、諦めるように……




一万文字を超えてしまったので、残りは後半のパート2で書いていきますので、楽しみにしていてください。

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