先週は休んですみません!ちょっと予定がみちみちすぎた……。
では、今回も楽しんでいってくださいね!
紅魔暴走③ 「反撃の狼煙」
~魔法の森~
和真達は霧の湖手前の森の上を飛んでいた。
和真「……やっぱりおかしい。」
いつもは不気味なほどに静かなこの森だが、今日はやけに騒がしい。
まあ、空がいきなり紅い霧で覆われたのだ。みんな慌てるのも無理はない。
しかし……。
和真「空が覆われてからしばらく経ってるはずなのに、なんでみんな落ち着かないんだ?」
猫夜「なにか他の原因があるのかもしれないな。」
和真「……嫌な予感がする。」
和真達がそんな話をしていると、いきなり視界の端が光った。
振り向くとそこには、どこか見覚えのある気がする極太レーザーが、空に向けて発射されていた。
和真「!!」
猫夜「おい、和…」
猫夜が名前を呼ぶより先に、和真は動いていた。
猫夜「どうしたんだよ!そんな焦って。」
和真「わからない……けど、なにか胸騒ぎがする。」
~~~
フラン「キャハハハハ!!!」
段々とフランの笑顔が歪んでいく。
弾けるようなあの眩しい笑顔は、もう無い。
霊夢(このみんな消耗してる状態でアレと一対一は絶対にマズい!)
魔理沙(八卦炉もしばらくは使えない…このままじゃ本気でヤバいな…)
弱るどころか増えてしまった目の前の悪魔により、二人の顔から笑顔が消えてゆき、頭には「諦める」という選択肢が浮かび始めていた。
……しかし、そんな時でもこの二人は前を向いていた。
妖夢「斬ッ!」
フラン「キャアアア!!!」ピチューン
妖夢の居合抜刀が通り過ぎると同時に数えきれない程のナイフがフランを囲い、フランは消滅した。
妖夢が振り返り、霊夢達に向かって叫ぶ。
妖夢「妖怪退治の専門家がなにをやっているんですか!」
霊夢「……悪かったわね。」
魔理沙「……すまないんだぜ。」
フラン「モウ……」
咲夜「早く構えて!来るわよ!」
フラン「コワレチャエ!!!」
残った三人のフランが横に並び、一斉に弾幕を撃ってくる。
魔理沙「なっ!?」
霊夢「これじゃあ攻撃する余裕がない!いや、避けきれるかも怪しいわね……。」
妖夢「咲夜さん!どれが本物でどれが偽物か見分ける方法ってありますか!?」
咲夜「わからない……けど、左側のカラフルな弾幕を撃ってきてるのが本物だと思うわ!」
妖夢「了解です!右側から行きましょう!咲夜さん、時間を止めて右側の子の上にみんなを置くことって出来ますか!?」
咲夜「ええ、みんな構えて!」
咲夜が言い終わると、すぐにみんなの座標が移動する。
魔理沙「ちょっ、マジか!」
妖夢「咲夜さん、ありがとうございます!」
霊夢「こうなったら……」
霊夢&魔理沙「負けてたまるかぁぁぁあぁぁあ!」
みんなの士気が上がっていっている。
フラン「キャアアア!!!」ピチューン
妖夢「霊夢さん!」
尽かさず妖夢が叫ぶ
妖夢が居合抜刀の構えをし、空中で静止している。
霊夢「……!!」
すぐに意図を察した霊夢が妖夢の後ろに結界を張る。
妖夢「ありがとうございます!!」
妖夢は霊夢の張った結界を踏み締めて、横ががら空きになっている真ん中のフランへと一気に飛んでいく。
フラン「!」
しかし、寸前の所で気付かれレーヴァテインで防がれてしまった。
妖夢「!」
妖夢(ガードされた!力の押し合いじゃこの子に勝てない!)
妖夢「咲夜さ…」
妖夢が言いかけると、咲夜がフランの後ろに現れ、貫通して妖夢に当たらないように少し小さめのナイフを……
容赦なくフランの背中に投げ付けた。
フラン「ガッ!?」
フランが驚き、少しガードが緩む
この隙を妖夢は見逃さない
妖夢「ありがとうございます!!」
妖夢がそう言い終わる頃には攻撃が終わっていた。
フランが一瞬にして消滅した。
咲夜「妖夢、あなた……」
咲夜(この子…本当に出来るわね。)
咲夜は改めて思った。
魔理沙「あの二人もなかなかやるな!まあ、私たちには及ばんが。」
魔理沙がそんな呑気なことを言っていると
霊夢「魔理沙っ!危ない!」
魔理沙「え?」
霊夢の声が聞こえると同時に、魔理沙の視界が急激に流れる。
霊夢「……っ!!」
霊夢が魔理沙を庇い、被弾してしまった。
飛んで体勢を立て直すことも、声をあげることも出来ずに霊夢は力なく落下していく。
魔理沙「え…、え?」
魔理沙は状況を理解できていない。ただ焦りだけが募っていく。
妖夢「魔理沙!避けて!」
妖夢の声が聞こえる
魔理沙(なにが起こってるんだ…?)
内容が頭に入ってこない、頭も体も動かない。
魔理沙(避けるってなんだっけ…?)
前を向くと、紅い閃光が目の前に広がる
魔理沙「もう…わからねぇ……や。」
妖夢「魔理沙!」
魔理沙の身体が紅い閃光…フランの放った弾幕の一つに包まれ……
力なく地面へと落下していった。
妖夢「間に合わなかった……」
妖夢が仲間を救えなかったことを悔やんでいると、
咲夜「妖夢!」
咲夜の声が聞こえる。
妖夢(っ!!)
霊夢達の二の舞にならないよう、すぐさま臨戦態勢へとスイッチを切り替え、後ろを向く。
が……
妖夢「え…?」
呆気に取られてしまった。
振り返った妖夢が見たものは、先程魔理沙を襲った紅い弾幕ではなく……
不気味な笑みを浮かべるフラン本体だった。
我に返った時には既に妖夢に向かって、レーヴァテインが振り下ろされる。
妖夢「なっ……!」
とっさに剣を構えようとするが、フランのレーヴァテインの方が早い
妖夢(マズい!間に合わない!)
その時
「すまんなお嬢ちゃん、ちょっと痛いが我慢してくれ。」
その聞き覚えのある声が聞こえると、フランの顔に拳がめり込み、妖夢の視界からフェードアウトしていった。
和真「よかった!間に合った!」
妖夢&咲夜「「和真さん!」」
和真「妖夢も咲夜も、大丈夫かい?」
妖夢「私は大丈夫です!」
咲夜「私もまだ動けます。」
和真「「ここは俺に任せろ!」…ってカッコよく言いたいところなんだけど、人間の俺にはちと厳しいからな。すまないけど、手伝ってもらえるかな?」
咲夜&妖夢「もちろんです(!)」
和真「じゃあ…、反撃といこうか!」
~~
和真(元気に答えてたけど、さすがに疲れが見えるな。このまま長期戦は無理そうだ……。なら、)
妖夢「和真さん!来ます!」
妖夢の声が聞こえると、フランが飛んでいったであろう方面から再び弾幕が飛んでくる。
和真「俺がヘイトを買うから、二人は避けつつ接近してくれ!攻撃するのは近付いてからでいい!一気に叩こう!」
咲夜&妖夢「「はい!」」
和真が指示を出すと、二人はすでに行動に移っている。
さすが仕事の出来る従者達だ。
和真「さて、背中託されてるんだ、絶対に外すなよ……。」
和真は両腕を前に出し人差し指と中指を伸ばし、両手で銃の形を作る。
和真「「弾幕が撃てる」」
和真は咲夜と妖夢が出来るだけ安全に攻めれるように、フランの放つ弾幕を弾幕で撃ち落とそうとしている。
妖夢の修行を受けたとはいえ、和真はまだ能力での消耗が激しいので、それを配慮してのこの手の形だ。
少しだけ目を閉じて深呼吸をする
和真「あの二人が近付くまでの数秒間……、ヘマするなよ!」
和真はカッと目を見開くと、フランが放つ弾幕を持ち前の身体能力で避けつつ、攻めの二人に飛んでいく弾幕を撃ち落としていく。
この男、幻想郷では周りが周りなので目立たなかったが、意外と動けるのだ。
和真「実戦経験はあまりないけど、この手のゲームはやりこんでたんだよ!」
すべてがアドリブで、この緊迫感。
緊張と興奮で脳からアドレナリンが分泌される。
和真「おっと、お前の相手は俺だぜ。」
咲夜や妖夢にヘイトを移そうとするフランに向かって弾幕を放ちつつ、フランの行動を制御する。
和真「あと少し……」
あと少しで二人が充分な間合いまで近付くであろう、和真も少しずつ近付き、攻撃の準備をする。
……しかし、
猫夜「和真っ、上に飛べ!」
和真「え?」
猫夜「いいからはやく!」
和真が言われるがまま上に飛ひ下をみると、後ろから弾幕が通りすぎていく。
和真「え?」
まさかと思い後ろを向くと、二人のフランが弾幕を撃ってきていた。
和真「なっ……!」
さっきまで相手にしていたフランは後ろにいる。ということは瞬間移動したわけでもない。
猫夜「分身……だな。」
和真「こんなのありかよ…」
~
咲夜(和真さんの弾幕が止んだ?)
妖夢「咲夜さん!危ない!」
咲夜側にフランがもう一人現れる。
妖夢「はあっ!」
妖夢が尽かさず飛び込み、フランを斬るが……、
妖夢「……っ!踏み込みが足りない!」
先程の霊夢の結界のように、空中には土台になるものがない。飛び込み、加速しながらだったとはいえ、しっかり踏み込んだものには劣る。
咲夜「充分よ!」
妖夢の攻撃によりガードが崩れたフランを数えきれない程のナイフが襲う。
咲夜「妖夢!このまま押すわよ!。」
妖夢「了解です!」
咲夜と妖夢は引き続きフラン本体の相手をする。
妖夢(和真さん…大丈夫かな…。)
~
和真(俺の能力的にもあの二人的にも時間はかけられない…)
和真「しょうがない…一気に終わらす!「速く飛べる」「脚力強化」」
和真は下から周り、フランの後ろに回り込むと……
和真「女の子にこんなことしたくないんだけどなぁ……、許せ。」
もう一人のフランの方へ思いきり蹴り飛ばし、
和真「「強く投げれる」」
念を込めて五発ほど、まとまった二人に向けてあの時より強く投げた。
フラン×2「「キャアアア!!」」ピチューン
和真「おっけぃ!あの二人は大丈夫か!?」
和真が二人の元に向かおうと振り向くと…
和真「えっ…」
目 の 前 に は フ ラ ン が い た
フランの固く握られているであろうその拳が目の前に迫る。
和真「っ!受け流s」メキッ
命がすり減る音が聞こえる。
フランの拳が和真の顔に刺さる。
まるでゲームのようなヒットストップが起こる、
さっきのお返しだと言わんばかりに思いっきり殴り飛ばす。
和真の身体が面白いくらいの速度で吹っ飛んでいく。
和真「……っ……こ…「硬質化」」
和真の身体が地面に叩きつけられる。
和真「あ"ぁ"っ……間に合った…」
あそこで「受け流す」を選んでいたら耐えきれず身体がバラバラになっていただろう。
和真「まいったな……感覚がまったく無い。意識が……」
和真の身体は「硬質化した」だけであって、衝撃は受け流せない。
外見は普通だが、体内は……ご想像にお任せしよう。
~
フラン「キャハハハハ!!」
後ろからフランの笑い声が聞こえる。
咲夜&妖夢「「!?!?」」
二人が振り向くとそこに和真の姿はなく、フランが一人笑っているだけであった。
咲夜「な、なんで……」
少し遅れて、えげつない音が下から聞こえてくる。
妖夢「ま、まさか……」
妖夢の顔が青ざめていく。
咲夜「え?あ……あぁ………」
咲夜は完全に別の世界に言ってしまっている。
妖夢「お前が……」
妖夢「お前がやったのかぁぁあぁぁぁあぁ!!!」
妖夢は叫び、凄まじい速度で和真をやったであろうフランの元へ飛んでいく。
フラン「!!」ガキィン
ガードされたが、今はそんなこと関係ない。
すぐさま弾き飛ばし、次の攻撃に移る。
妖夢「お前が……お前がぁぁあぁ!!!!」
フランの表情が、ニヤニヤと不気味な笑みから慌てたような表情に変わっていく。
妖夢「お前がっ!和真さんをっ!!」
先程避けるだけで精一杯だったのが嘘のように、凄まじい剣幕でフランを攻める。
妖夢「和真さんをっ!!やったのかぁぁあぁぁぁ!!!」
フラン「……!」ピチューン
フランが声をあげる暇もなく消滅する。
~
咲夜「あぁ……あぁ………」
咲夜はまだ状況を受け入れれていない。
もしかしたら弾幕が飛んでいっただけかもしれない。
そうとも思うことが出来るが……しかし、
もう「そう」としか考えられない。
咲夜「和真さんがやられた……」
だんだんと理解が追い付いてくる。
咲夜「イヤ……」
しかし、理解したくなかった、受け入れたくなかった。
咲夜「イヤァァァァァァァ!!!!!」
咲夜が頭を抱え、叫ぶ。
その後ろには、フラン本体の弾幕が迫ってきている。
妖夢「咲夜さん!下がっていてください!」
妖夢は棒立ちになっている咲夜を下に投げ飛ばし、フラン本体へ向かっていく。
~
和真(咲夜…妖夢…ごめんよ…。今回はダメかもしれない……。)
和真は妖怪でも神様でもない、普通の人間だ。
その普通の人間があの速度で叩きつけられれば、硬質化していたとはいえ無事で済むはずがないであろう。
和真(出過ぎたか……あっけない終わりかただなぁ……。)
感覚はないが、死が迫ってくるのがわかる。
和真(ちくしょう……男の癖に、~~な女一人助けられないのかよ…ちくしょう……)
猫夜「……ま。」
和真「なんだ……?」
猫夜「和真。」
和真(あぁ、猫夜か……)
猫夜「なぁ和真、」
和真(ふふ、お前も済まなかったな。せっかくいいパートナーだと思ったんだが……)
猫夜「なぁ和真、お前、悔しいか?」
和真「あ…当たり前だろ……。」
猫夜「お前、勝ちたいか?」
和真「あぁ……。」
猫夜「お前、あいつらを救いたいか?」
和真「あぁ。」
猫夜「……その為ならどうなってもいいか?」
和真「あぁ!!」
猫夜「見えてないだろうが、いい目をしてる。契約成立だな。」
和真「え……?」
猫夜「よく頑張った、あとは任せろ。」
~
妖夢「許さない…!許さない!!」
妖夢は勢いに任せ、フラン本体へと向かっていく。
しかし、分身と違い本体は弾幕が多い、
妖夢「くっ……」
思うように前に進めない。
段々と身体にも限界が来ている。
妖夢(負けちゃ…ダメだ……!)
段々と動きが重くなっていく。
もはや剣を振るうのもやっとに見える程だ。
妖夢「きゃあっ…!」
ついに被弾してしまった。
身体が動かない。
妖夢(ごめんなさい和真さん……私…ダメでした……。)
妖夢の目の光が消えかける……
……その時。
後方から今まで見たこともないような強力な光が発生する。
妖夢「え……?」
妖夢の身体が白い光に包まれる。
少し遅れて、地を裂くような、とてつもない轟音が鳴り響く。
妖夢「きゃあっ!」
妖夢は理解が追い付かなかった。
もしかしたらフランの攻撃かもしれない。
しかし……、
妖夢はとても安心していた。
自然と口から、その人の名前が出ていた。
~
……咲夜は今起きたことの全貌をその目でしっかりと見ていた。
咲夜「白い……稲妻…」
和真が叩き落とされたであろう場所に突如、紅い霧に覆われた空を切り開き、白い雷が落ちたのだ。
もしかしたら自然現象かもしれないし、はたまた別の敵からの攻撃かも知れない。
しかし……
咲夜も妖夢と同じように、あの人の名前が自然と口から出ていた。
咲夜&妖夢「「和真さん……!!」」
やがて周りを包んでいた白い光が晴れてゆき……。
「…………少し暴れすぎなんじゃないか?」
咲夜&妖夢「「え……?」」
つい、気の抜けるような、すっとんきょうな声が出てしまった。
妖夢達の予想とは裏腹に、光の中から現れたのは、
いつもの、緑のパーカーの和真ではなく……
咲夜「黒いパーカーに……」
妖夢「……紫のしっぽ………?」
「さぁ…………、お仕置きの時間だぜ、お嬢ちゃん。」
霊夢、魔理沙、咲夜、妖夢、和真(?)……ダウン
はい、最後に現れたのはいったい誰なのか……()
みなさんはもうおわかりですよね?
さて!次回もお楽しみに!
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