今回もギリギリで書き終わった……。
今回のタイトルはめっちゃお気に入りなんですよ、ええ、逆にこれがやりたかっただけ感すらあります。
今回も楽しんでいってくださいね!
紅魔暴走④ 「紫色の黒猫」
……白き稲妻と共に突如現れた謎の妖怪(?)が、ポケットに手を入れながら、ゆっくりとフランの方へ歩いてゆく。
その妖怪(?)は歩きながら咲夜達に話しかける。
「えーと、咲夜と妖夢……だったか?」
妖夢「え……あ、はい。」
咲夜(なんで私達の名前を知ってるの……?)
咲夜はこの妖怪のことを少し怪しみ、警戒体制に入る。
…しかし、妖怪の次の言葉で、その心配は無駄となった。
「よく頑張ったな。」
咲夜「……え?」
意外にも、その妖怪の次の言葉は、咲夜達への「労いの言葉」であった。
咲夜達があっけにとられていると、その妖怪は不意に立ち止まり。
「ここからはオレに任せろ。」
あの狂気に満ちた悪魔を目の前に、妖怪はそう言いはなった。
咲夜「あなたは……いったい…。」
猫夜「あぁ、自己紹介が遅れたな。オレの名は「猫神 猫夜(ねこがみ びょうや)」こいつ(和真)の中に潜む大妖怪さ。」
猫夜は妖夢達の方に振り返り、お気楽そうに4本もある紫のしっぽを揺らし、笑いながらそう言った。
猫夜「てなわけで……」
猫夜はフランの方に振り返る。
猫夜「さっそく遊ぼうぜ、お嬢ちゃん。」
咲夜&妖夢「……え?」
……気付けば猫夜は空中にいるフランの背後で、ニヤリと不気味な笑みを浮かべていた。
フラン「ナッ……!!」
フランが慌ててレーヴァテインを振るうが、避けられる。
フランは尽かさず追撃を入れるが、それも軽々と避けられた。
フラン「……ッ!」
フランはさすがに相手がただの妖怪ではないことを悟り、冷静さを取り戻すために一旦距離をとる。
が……
猫夜「どうした?まだ始まったばかりだぞ。」
猫夜がポケットから手を出したと思えば、
フランに向かって煽るように手招きをする。
普通に考えて、この挑発は乗るべきではない。
そんなことはフラン本人もわかっている……しかし、
フラン「ッ!ウガァアアアア!!!!!」
なぜかフランは挑発に乗ってしまい、雄叫びと共に猫夜の元へと飛んでいった。
フランは勢いに任せてレーヴァテインを振るう。
しかし、猫夜には届かない。
猫夜「ハハッ、頑張れ頑張れ。」
猫夜がさらに油に火を注ぐ
この状態のフランに言葉が通じるのがはわからないが、バカにされているというのはわかるようだ。
フラン「グギギギ………ガァッ!」
フランのレーヴァテインを振るう勢いが増す。
それと共にレーヴァテインの炎の勢いも増し、二回りほど太くなり、紅い霧に覆われた中で眩しいほど光を放っている。
フランは怒りに任せてその二回りほど太くなったレーヴァテインを容赦なく振るう。
が、猫夜はそれを難なく避ける。
猫夜「ほらほら、そんながむしゃらに振ってても当たらないぞ。」
猫夜が軽く笑いながらそう言い放つと、フランがいきなり横のなぎ払いをキャンセルし、レーヴァテインを下から大きく斬り上げる。
それを猫夜は少し後ろに下がり、ギリギリで避ける。
猫夜「おっと、今のはちょっと惜しかったな。」
猫夜はクククと喉をならして笑っている。
が……
妖夢「……!危ない!!」
フランの斬り上げを避けた猫夜の後ろで
もう一人のフランがレーヴァテインを振りかぶっている。
二人になっても火力は変わらないようで、もう一人のフランが手に握っているレーヴァテインも、本体と同じく二回りほど太くなっている。
いくらしっぽが四本もあろうとも、あれに当たれば無事では済まないだろう。
妖夢(後ろのもう一人に気付いてない!助けなきゃ!)
しかし……
妖夢「くっ……うぅ……。」
長い間フランと戦った疲労と、被弾したダメージで身体が思うように動かない。
妖夢「お願い……!気付いて……。」
妖夢が出せる限りの声量で叫ぶが……
猫夜にまったく反応が見えない。
もうレーヴァテインが猫夜の背中に迫っている。
妖夢「お願い!避けて!」
~
レーヴァテインが猫夜の目の前を通過したその時、
残り火の奧でフランはまるでやってやったと言わんばかりの嫌味な笑みを浮かべていた。
もう一人がレーヴァテインを猫夜に向けて振り下ろそうとしている。
フランの目の前の妖怪はこの事に気付く様子も見せない。
「勝った」
この数秒の間でフランは勝ちを確信していた。
猫夜「フッ……」
フラン「……?」
猫夜は不意に鼻で笑うと、大きく体をのけ反らせ……
猫夜「気付いてるよバーカ。」
フラン「!?!?」
そのままオーバーヘッドキックを分身のフランにキメた。
フランは状況が理解できていなかった。
こいつは一回も後ろを見ていないし、そんな暇を与えた覚えもない。気付いている様子も見えなかった。
勝ちを確信していた。
なのに……
フラン(分身)「キャアアアアア!!!!」ピチューン
フラン「エッ……ナッ……」
猫夜「あはははは!!その顔いいねぇ、さっきまで「勝ちました」みたいな顔してたもんな!」
フランの顔は青ざめ、さっきまで暴れまくっていたのにも関わらず冷たい汗が流れていた。
そう、狂気に呑まれているフランでも、こいつと自分の「力の差」がわかり始めてしまったのだ。
猫夜「あはは、はぁ……。どうした?もう終わりか?」
猫夜は再びポケットから手を出し、フランに向かって煽るように手招きをする。
普通なら戦意喪失し、本能的に逃げるような場面だが……
フランに再び火が着いてしまった。
フラン「ッガァアアアア!!!!!」
フランは猫夜に向かって斬りかかる。
猫夜は当たり前のようにそれを避けるが…
猫夜「おっと、」
後ろからもう一人のフランが斬りかかってきた。
猫夜「そういやマックス4人まで増えるんだっけ。……!」
最初の方のフランの攻撃をギリギリで避ける。
猫夜「あっぶね、見てなかった。……ッっと、」
二人のフランが怒りに任せ、容赦なく、全力でレーヴァテインを振り回してくる。
猫夜「いいね、二対一か。面白い、かかってきな。」
咲夜「……すごい…!」
猫夜は二人のフランの猛攻撃を苦戦することもなく、まるで次の動きがわかっているかのように、鮮やかに避けている。
もちろん、手はポケットに入れたままで。
フラン(分身)「ハァ……ハァッ……!」
猫夜「……なぁ、」
猫夜が避けながらフランに話しかける。
フラン(分身)「フッ……、フウッ……!」
しかし、フランには届いていない。
猫夜「……そろそろ当てようぜ?」
フラン(分身)「!?!?!?」
無我夢中でレーヴァテインを振り回していたフランの目の前に、いきなり猫夜が現れる。
そして、4本もあるしっぽの一本が不意に揺れて……
フラン(分身)×2「キャa……」ピチューン
フランは叫ぶ暇もなく消滅していった。
猫夜「……さて、準備は出来たか?」
猫夜は上を見上げると、そこにはフラン本体が力を溜めていた。
フラン「ギ……ギギギ…!!!」
猫夜「次は何をするんだ?」
フラン「キ……禁弾「スターボウブレイク」!!!!」
フランの宣言と共に、彼女の羽根の色を思わせるような七色の弾幕が一斉にばらまかれ、
それぞれが不規則に猫夜の方へ降り注がれる。
猫夜「…………」
猫夜(こいつ……わかってるな)
フランはここにきてあえて集中攻撃系ではなく、「時間稼ぎ」系のスペルを発動してきた。
果たしてそれが意図的なのか偶然なのかはわからない。
だが、ただでさえ長時間活動できない上にボロボロの和真の身体を使っているのだ。このまま長期戦は圧倒的に不利である。
普通に考えて、猫夜ならこの程度は余裕で避けれるであろう。しかし、都合が悪いので……
猫夜「時間がなくなってきたな、とっとと終わらせますか。」
猫夜はしっぽを大きくなぎ払い、フランの放った弾幕を打ち消すと、本体に向かって飛んでいく。
しかし……
猫夜「!?」
フランがいきなり後ろから抱きついてきた。
…正しくは後ろから抑えられた。
猫夜「なっ…!力強すぎだろ、女の力じゃねぇ!」
抑えられた腕がミシミシときしむくらいの力で抑えられている。
猫夜「くっ、離せ!」
猫夜がフランを引き剥がそうと奮闘していると、
フラン本体は変わらず上から見下ろしており、寒気が走るような笑みを浮かべながら、右手を前に伸ばしていた。
そして……
フラン「キュッとして……」
咲夜「!?」
フランが右手をゆっくりと閉じてゆく
それに伴い、猫夜は身体が圧迫されていく感覚に襲われる。
咲夜(あの能力は本当にマズい……!!)
咲夜「猫夜さん!逃げて!」
徐々に圧迫感が強くなっていく。
猫夜は必死に拘束を振りほどこうとする。
猫夜(これ以上はこいつ(和真)の身体じゃ耐えられない!)
猫夜はしっぽを4本全て使い後ろのフランを貫き、拘束を解いた。
だが……
フラン「ドカーン!!!」
右手をが完全に閉じてしまった。
猫夜「なっ……!!」パァン!!
猫夜が爆発した。
少しの間、静寂に包まれる。
フラン「…………キャハ」
フラン「……キャハハハハハ!!!!!」
フラン「ヤッタ…ヤッタ!!」
フランがまるで子供のように、無邪気にはしゃいでいる。
ゆっくりと地に落ちていく猫夜「だったもの」
咲夜「あぁ……ああぁ…。」
妖夢「えっ……え……」
咲夜と妖夢はそれを信じたくはなかった。
和真までもがやられて絶望に呑み込まれそうになっていた咲夜達の元に現れたその妖怪は、あの悪魔二人を相手にしても余裕で立ち回るほどの実力を持っていた、
なのに……
妖夢「い、……」
妖夢「いやあぁあああぁああ!!!!」
猫夜「そうだよな、信じたくないよな。」
フラン「!?」
咲夜&妖夢「「!?!?」」
フランは突如現れたあの妖怪を、破壊した。
確かにこの目で確認した。
……なのに、
な ん で 後 ろ か ら あ の 妖 怪 の 声 が 聞 こ え る の だ ろ う 。
フランが恐る恐る後ろを振り向くと……
想像もしたくない未来が待っていた。
そう……
猫夜「はっ、あの程度でこのオレを倒せると思ったか?」
フラン「ナッ……!!」
あの妖怪が後ろにいたのだ。
妖夢も咲夜も、確かに猫夜が爆発したのをしっかりと見ていた。
なのに、どうやって猫夜は生き残り、フランの後ろに回ったのだろう。
猫夜「お前ら全員、「なんで?」って顔をしてるな。良いだろう、特別に教えてやろう。」
猫夜「和真だけじゃなくて、オレも「能力」を持ってるんだよ。」
妖夢「……え?」
咲夜「それって……一人が二つ「能力」をもっているってことなの……?」
猫夜「そして、オレの「能力」は、「嘘をつく程度の能力」……ってのは少しちがうな。こいつに合わせるなら、「思い込ませる程度の能力」ってところか。」
猫夜「こいつが自己暗示系だとするなら、オレは他者暗示系の「能力」だ。つまるところ、ここにいる全員はオレに騙されてたって事だな。」
妖夢「……ははっ、」
ぶっ飛びすぎてて言葉が出なかった。
咲夜「私が言うのもあれですけど、そんなのって……ありなんてすか…。」
さっきまでの空気はどこへいったのか。力が抜けていく。
猫夜「ただし、限界が近いってのは本当でね。だからお嬢ちゃん……。」
猫夜がフランの目の前に一瞬で移動する。
フランは猫夜と目が合うと、身体の血が一気に引いた気がした。
そして、蛇に睨まれた蛙の如く、体が動かなかった。
猫夜「そろそろ終わりにしようぜ。」
猫夜の4本もあるしっぽの内の一本が不意に揺らめき……
音が遅れて発生するほどの速度で、フランの顎先をかすめた。
そこで、フランの意識は途絶えた。
フラン、ダウン。
はい、猫夜の初戦闘でした。
いや~我ながらなかなかぶっ飛んでる能力ですよね、みんな見事に騙されていましたね。フランが猫夜の挑発に乗ったのも、これのせいなんでしょうね。
さて、次回もお楽しみに!
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