今回は少し短めとなっております、許してね。
それでは!今回も楽しんでいってくださいね!
紅魔暴走⑤ 「七色の天使」
フラン「ん……、」
フランが目を覚ますとそこは、いつもの薄暗くジメジメとした地下牢ではなく、白がまぶしい普通の部屋のベットの上であった。
フラン「ここは……?」ムクリ
フランは身体を起こし、寝起きで働かない頭を頑張って回転させながらなぜここにいるのかを考える。
フラン(私……なにしてたんだっけ?)
眠い目をこすりながらベットから降り、若干おぼつかない足取りで部屋から出る。
フラン「……広い。」
長い間外に出れなかった為、記憶には薄いが廊下だけでこの広さだ。改めてこの屋敷はとても広い。
フラン「…クチュン!」
まだ朝方なのか辺りは薄暗く、そして冷え込んでいる。
幸い服装がいつもの半袖ミニスカではなく、暖かいパジャマだったので、そこまで寒くない。
フランは記憶を辿りながら、紅魔館を歩く。
……しかし、
この紅い館は無駄に広く、しかも同じような景色がずっと続いているので、ずっと前だがここで暮らしていたフランでさえ道がわからなくなってしまった。
フラン「うぅ……寒い…。」
いくら暖かい服装をしているとはいえ、長く居ると冷えてくる。
そろそろツラくなってきた。
フラン(誰か……見つけないと……)
フランが寒さに耐えながら歩いていると…
フラン「あ……!」
~~~~~
紅魔館のメイド、十六夜咲夜はいつもの様に主であるレミリアの為に朝食を作り、いつものテーブルに配膳する…が、
そこにレミリアの姿はなかった。
そう…………あの戦いでレミリアは………………。
というわけではなく、ただ単に妹が心配なので、
いつもは絶対起きないような時間に早起きし、誰よりも早く我が妹の様子を見に行っているのだ。
咲夜はそろそろレミリアが帰ってくるだろうと思い、朝食を準備していたのだった。
ガチャ……
さっそくドアが開く音がした。
挨拶をしようと咲夜が振り返ると……
咲夜「え………い、妹様!?」
咲夜は驚きが隠せなかった。
振り返るとそこにいたのは、レミリアではなくフランであった。
フラン「あ……、咲、夜?」
フランは久々に人と話すようで、上手く言葉が出てこない。
咲夜「妹様!大丈夫ですか?」
咲夜は不安そうな顔で、フランに駆け寄る。
フラン「え……あの、うぅ……。」
咲夜(……!)
咲夜は何かに気付いたような表情をすると、
ニコッと笑いながら今にも泣きそうなフランの手を優しく握り、
咲夜「お久しぶりです、妹様。メイドの咲夜ですよ。」
フランの目を見て、ゆっくりと話しかけた。
するのフランの顔がパァッと明るくなり、
フラン「うんっ!久しぶりだね!」
見た目相応の、無邪気な笑顔で笑う。
よかった。
咲夜は心の中でそう思う。
咲夜「よくここがわかりましたね。」
フラン「あのね、お姉さま達をさがして歩いててね、でも寒くてね、それで急がなきゃと思ってたらね、猫ちゃんがいてね、ピカッて光ってね!そしたらここの行き方がわかってね!ここに来たの!」
咲夜「なるほど、猫がですか……。寒かったでしょう、とりあえず暖かいものを用意しますね。それから、いっぱいお話しましょう。」
咲夜がニコッと笑いながらそう言い、準備の為にキッチンに行こうとしたその時
レミリア「咲夜ーーー!!!!」
元気な声と共に、ドアが勢いよく開いた。
それと同時に咲夜が吹っ飛ばされる。
レミリア「咲夜!!大変!!!フランがいないの!!!!」
レミリアが息を切らしながら切羽詰まった表情でそう叫ぶ。
レミリア「あれ?どこなの!咲夜ーーー!!!!」
ここでレミリアが吹っ飛ばされて床に横たわっている咲夜を見つける。
レミリア「いたいた、こんな時になに寝っ転がってるのよ!!フランが大変なのよ!!!」
レミリアは咲夜の上半身を起こし、肩を掴み大きく揺らしながら叫ぶ。
レミリア「どうしましょう誰かに誘拐されちゃったりしてたら!!」
咲夜「おっ、落ち着きましょうお嬢s」
レミリア「あー!どうしましょう!あんなに可愛いから誘拐したくなるのもわかるけど絶対許せないわなんとしても見つけてとりもどさないと!」
フラン「お……、お姉さま?」
レミリア「ちょっと待ってねフラン、今はとにかくフランを誘拐した犯人を……え?」
レミリアとフランは目が合ったまま数秒フリーズする。
レミリア「っっフラン!?!?!?」
フラン「えっ……あっ……」
レミリアがフランにすごい勢いで抱きつく。
レミリア「よかった!無事だったのね!!痛むところとかない?大丈夫?」
フラン「あっ…………うん。」
レミリアのあまりの勢いにフランは反応が追い付いていない。
レミリア「よかったぁぁ……、あなた三日間も寝てたのよ!もう起きないかと思ったじゃない……ぐすっ…。よ"か"っ"た"あ"あ"ぁ"あ"ぁ"ぁ"ぁ"……」
レミリアが一人独走していると、再びドアが勢いよく開く。
美鈴「お嬢様!!叫び声がしましたが大丈夫ですか!?」
美鈴が寝癖でボッサボサのままの髪型と、片手には枕、起きたばかりなのか目が3の形というふざけた姿で部屋に飛び込んできた。
改めて確認しよう、ドアに吹っ飛ばされた上にレミリアに強く揺らされたメイドに、一人で勝手に騒いでると思ったら急に抱きついてきて号泣している姉、そして上にあるようなボケを狙ったような姿の門番。
フラン「……っあははは。」
フランは気付けば笑っていた。
いや、この状況で笑わない方がおかしいだろう。
心のどこかにあったみんなに嫌われてないか、受け入れてもらえるかどうか不安だった気持ちは、もうどこかへ跡形もなく消えてしまった。
よかった……私の居場所は、ここにあるんだ。
心が暖かくなっていく。
「ナニに」かは自分ではわからないが、もう負ける気がしない。
フランは清々しい気持ちで溢れていた。
そんな中、咲夜は起き上がると、レミリアに乱された服装を手早く整え、みんなに声をかける。
咲夜「とりあえず……みんなで朝食にしませんか?」
フラン「さんせーい!」
フランは元気よく手を挙げて返事をする。
レミリア「うぅ……よかったぁ……」
レミリアはまだ泣きながら妹の無事に安堵している。
美鈴「お嬢様!大丈夫ですか!?」
美鈴はまだ寝ぼけているのか、壁に向かって構えながら声をかけている。
咲夜「……ふふっ、じゃあ朝食にしましょう!パチュリー様も呼ばないとですね。」
咲夜はナイフをまだ寝ぼけている美鈴に向けて投げてから、朝食を作るためにキッチンに向かった。
フラン「ほら、お姉さま!いつまで泣いてるの!みんなでご飯食べるよ!」
レミリア「わかったわよぉ……本当によかったぁ……。」
フラン「もう、そんなんだとおいてくよ~!」
そんな話をしながら、姉妹仲良く手を繋いでテーブルへ歩いていく。
……朝方の薄暗く冷たい紅魔館だが、その日は一部屋だけ、暖かく、輝いて見えたという。
紅魔暴走 「完」
はい、紅魔暴走が遂に終わりました!全部読んでくれた人はありがとうございます!自分としては、まだ上手く書けたなと思う部分が多々あるので、次回の長編ではもっと凝って、わかりやすいように書きたいです。
「回収してなくね?」や「猫夜とか和真は?」などは
「その後」にて回収しますので、ご安心ください。
さて、次回もお楽しみに!