今回は慌てて書いたのでおかしいところがあるかもしれません……申し訳ないです。
では、今回も楽しんでいってくださいね!
第二十回 「和真の陰陽修行!」②
~翌日の早朝~
和真「着いた着いた。ふ~…、寒くなってきたな。」
和真がそんな事を言いながら手をさすっていると、寺の裏門が開く。
真秀「おや、早めに出たつもりなんだが、先を越されてしまったか。早めに来るとは偉いじゃないか。」
和真「あ、真秀先生。おはようございます。」
真秀「はいおはよう。朝はやけに冷え込むね、対策をしないとツラくなってくるよ。」
真秀「……ところで、なぜ君はこの寒い中薄着になっているんだい?」
和真「あぁ、どうせ走るんだから、先に脱いだ方が早いかな~と。」
真秀「ほう、今日は朝から座学にしようと思っていたのだが。そうかそうか、そんなに走りたかったのか。」
和真「あっ……、」
和真(やっちまったぁ…………。)
真秀「じゃあさっそく、元気にいってみようか。」ニッコリ
和真「……はい…。」
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和真「あ"あ"ぁ……、もう無理ッス……。」
先日とほぼ同時刻、真秀の寺の裏門の前に走り込みによりクッタクタのボロ雑巾と化した和真が転がっていた。
和真「あっづぃ……。」
和真は汗によりしっとりとしてしまっているシャツを力無くバサバサと扇ぎながら、空を見上げている。
真秀「ははは、すぐに冷えて寒くなるさ。」
和真「あ~、風が気持ちいい…。」
真秀「…今日は昨日より難しい「念」の操作をするからね。体力はともかく、精神力だけはしっかり持っておいておくれ。」
和真「了解です。」
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真秀「よし、じゃあさっそく今日の本題に入ろうか。」
和真「はい。」
真秀「これは実践も含めて長くなるから覚悟して受けるように。」
和真「……。」
真秀「こら、露骨に嫌な顔しないの。」
和真「……わかりましたよ、頑張りますよぅ。」
真秀「それでいい。…じゃあまず、式神には大きく三種類あるんだ。君が昨日使ったような、こっちで全部操作して動かす「人形型」、命令するだけで動いてくれる「半自律型」、妖怪などと契約して仲間になってもらう「完全自律型」……ってところだね。」
和真「自律型!自分で操れる人形だけじゃないんですね。」
真秀「そうだ、式神は頼もしい仲間にもなってくれる。君には式のセンスがあるから、これらを使い分けながら立ち回れるようになって欲しいし、日常でも役立てて欲しい。」
和真「なるほど、面白そうですね。」
真秀「そこでだ、君に課題を出そうと思う。」
和真「課題……ですか?」
真秀「そう、それもかなり無茶振りの。」
和真「無茶振りて……、どんなのなのでしょうか。」
真秀「この修行が終わるまでの間に、パートナー、つまり「完全自律型」の式の仲間を作って欲しい。」
和真「それってつまり……。」
真秀「ああそうだ、自分の力で見つけてこい。」
和真「そんな無茶な……。」
真秀「今は始めたばかりだからそう思うのは無理もない。だから今日は、人形型の式を自由自在に動かせるまでやるぞ。」
和真「マジかぁ……。」
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真秀「とりあえず、昨日もやった基礎訓練からやっていこう。」
そう言いながら真秀は机の引き出しを開け、昨日も使った人形を三枚取り出し、和真に渡した。
真秀「はい、これが午前中の目標ね。」
和真「?、どういう事です?」
真秀「昼までに三枚を同時に動かせるようになれってこと。」
真秀がニコニコとしたままそう言い放つと、しばらく寺の空気に間が空く。
和真が愛想笑いをしてしまうのも無理はない。
昨日、あんなに頑張ってやっと浮かばせることが出来たというものを、昼までに三枚同時に動かせと言うのだ。
この空気の中、相変わらず真秀はニコニコとしている。
真秀「ほらほら、早く始めないと時間無くなっちゃうよ。」
真秀がゆる~く和真を急かす。
和真は深くため息をついた後、頭を抱えながら手の中の三枚の人形を眺め
和真「……頑張ります。」
と、力無く言い放った。
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真秀「まずは一枚、自由自在に動かせるようになろう。昨日と同じようにやってごらん。」
和真「はい。」
和真は返事をし、さっそく一枚を手のひらに乗せ、座禅を組み、手のひらの上の人形に全意識を向ける。
がしかし、人形は手のひらの上で細かく震えているだけで浮かばない。それもそうだ、昨日一回出来ただけなのだから。和真は感覚を思い出せずに苦戦する。
昼までの目標は三枚。なのに一枚も出来ていない。そのことに焦りを感じ、段々と集中が乱れ始める。
焦りと緊張で集中するどころから、意識がバラバラになってきている。そんな負のループが回り始めたところに、真秀から声がかかる。
真秀「……焦らないで、自分のペースでやるんだ。」
真秀の言葉によってハッと我に帰ると、一度深呼吸をしてから再び挑戦する。
先程とは違い、今度は落ち着いている。
真秀「そうそう、ゆっくりで大丈夫。」
和真「……はい。」
和真が返事をしてすぐに、プルプルと震えながらゆっくりと人形が浮かび上がる。
和真「はぁ……出来たぁ……。」
真秀「よかったよかった。感覚を忘れてたらどうしようかと思ったよ。」
和真「本当に、焦りましたよ。」
真秀「はは、じゃあ次は浮かばせた人形を自由にうごかせるようになろう。これは本当に慣れだからね、とにかく動かしてみてくれ。」
和真「わかりました。」
和真が言われた通りにやってみると、人形がプルプルと震えながらゆっくりと動き始める。どうみても苦しそうだ。
真秀「あはは、力入れすぎだよ。もっと気楽にやってみて。」
和真「そんなこと言われましても、どうしても力が入っちゃうんですよ……。」
真秀「最終的には息をするように、当たり前のように出来てもらわないと困るからなぁ~。頑張って。」ニコニコ
和真「そんなぁ~……。」
真秀「じゃあ私はちょっと物を取ってくるから、帰ってくるまでに出来るようにね~。」
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真秀「はーい戻ったよ~。……お?」
真秀が部屋に入って最初に目に飛び込んできたのは、少しぎこちなくはあるが、部屋の中を飛び回る人形だった。
そして操っているのはもちろん、
和真「あ、真秀先生お帰りなさい。」
真秀「はは、大したものじゃないか。何があったんだ?」
和真「本当にこれって慣れなんですね。念を解除してからまた入れて動かすんじゃなくて、ずっと入れたままにしたら一気に楽になりました。」
真秀「うん、いいところに気が付いたね。一回一回解除してたら使う念の量も多くなる。何度も使うなら入れっぱなしにしていたほうが楽だね。そして、動かし方も上手くなってるね。」
和真「ありがとうございます。まだ少しぎこちないですけどね。」
真秀「いいさ、始めにしては上出来すぎるよ。」
真秀「さて、少し面白いものを見せてあげよう。」
真秀はそう言いながら引き出しを開け、そこから大量の人形を取り出し、一気にばらまいた。
がしかし、ばらまかれた人形は落ちること無くみんな空中で静止している。
真秀「この人形は紙で出来ているから、かなり自由に変形することが出来るんだ。」
真秀がそう言うと、空中に静止していた人形達が一斉に真秀の手に集まり……
棒状に変形した。
真秀「一度に多くの人形を操れると、こういうことが出来るようになる。さっきも言ったように自由に変形出来るから、想像次第ではどんな形でも作れるだろうね。」
和真「…………。」
和真は開いた口がふさがらないようだ。
真秀「これが、この「人形型」の主な使い方になるだろう。他にもいろいろ出来るけど、戦闘とか考えると私はこれが一番多いと思うな。……っておい。」
真秀は驚きでどこかに行ってしまっている和真の頭を、人形で作った棒で軽く叩く。
和真「あいたっ。」
真秀「さあ、この変形を出来るようになるためにも、三枚同時、やってみようか。」
和真「……はい。」
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真秀「さて、床に三枚並べるんだけど、せっかくだから自分で操って並べてみようか。」
和真「はい、やってみます。」
和真は真秀に言われた通りに手の上の人形を操り、目の前に一枚づつ並べた。
真秀「うん、だいぶ上手になったね。まだ力が入りすぎてるから、もう少し自然に出来るようにね。」
和真「まだ難しいですね。他の事と同時進行で出来ないです。」
真秀「まあ、それは慣れだから回数やるしかないね。とりあえず、三枚同時にいってみようか。」
和真「はい。」
和真は目の前にある三枚の人形に念を込め、動かすイメージを固める。が、
和真「違う、そうじゃないんだ……。」
三枚が見事にバラバラに動き始める。
一枚に気を配ると他の二枚がおかしくなり、調整しようとすると崩れ始める。そんなループが生まれている。
和真「……っはぁ、難しいなぁ…。」
和真がそう言うと、少し浮いていた三枚の人形が、ヒラヒラと落ちていく。
真秀「うん、やっぱり今までと感覚が違うしょ。」
和真「全然ですね。下がってきてる一枚を上げようとすると他への意識が途切れちゃって……。三枚全部に意識向けられないです。」
真秀「あはは、単体とは意識の使い方が違うからね。私でも三枚を別々に動かすのは難しいよ。人形に念を込めるまでは一緒、だけどここからが違う。三枚を一枚として扱うんだ。」
和真「つまり……どういうことです?」
真秀「三枚を別々に扱うんじゃなくて、一枚として、全部連結してるようなイメージで動かすんだ。」
和真「三枚を一枚に、連結させて動かすんですね。」
真秀「まあそんなところかな、私の語彙じゃこの感覚を伝えるのが難しいから、とりあえずやってみてほしい。」
和真「了解です。」
和真は真秀に言われた通りにやってみるが、
和真「……ありゃ?」
念を込め、一枚として動かすイメージを向けた瞬間、三枚が全部中心に集まり、ぐしゃっとまとまってしまった。
和真「真秀先生これはどういう事です?」
真秀「あ~…、私の伝え方が悪かったね。何て言ったらいいんだろう。三枚でも何枚になっても一枚一枚別々ではなく、全体で一つと捉えること。今は目の前に三枚あるけど、それを三枚じゃなくて「それで一つ」として考えること。…としか言えないなぁ。こればっかりは本当にすまないね。」
真秀は申し訳なさそうに和真に向かって手を合わせる。
真秀「この捉え方さえ出来てしまえば、人形が何枚になろうと使う念の量が変わるだけで、動かし方は変わらないんだ。頑張ってくれ。」
和真「わかりました。やります!」
和真は真秀からのアドバイスを参考に試行錯誤し始める。
そして、
和真「……あれ?」
真秀「ふぅ……伝わってよかった。無事に時間内に出来たね。」
和真の前にあった三枚の人形が、横並びで宙に浮かぶ。
真秀「試しに、動かしてみなよ。」
和真「あ、はい。」
和真は言われた通り前後左右に動かしてみるが、
真秀「…どうしたんだい?そんな浮かない顔して。」
和真「いや、なんか……呆気なかったなって。もっと苦戦すると思ってました。」
真秀「あはは、私の伝え方が下手なだけであって、やること事態は簡単だったんだよ。一枚をしっかり操れて、イメージのセンスさえあればすぐ出来るのさ。」
和真「そうなんですかね?先生はどれくらいで出来ました?」
真秀「ん~、人形動かせるようになったすぐ後くらいかな?」
和真「自分と同じくらいですか。……これって他の人もすぐに出来るものなんですか?」
真秀「いや、みんな苦戦してたね。一週間かかっても出来ないやつもいたな~。」
和真「…………。」
真秀「ん?どうした。」
和真「いや、自分で言うのもあれなんですけど、ここが化け物なだけなんだなぁ~って。」
真秀「?」
和真「いや、何でもないです。」
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和真「……本当だ。人形の枚数が増えてもそんなに変わらない。」
和真の周りには、まだ動きがぎこちないが五枚の人形が隊列を組んで飛び回っている。
和真「俺も早く変形使えるようになりたいなぁ~。」
和真がそんな事を言いながら練習をしている部屋の中には、真秀の姿がない。
なぜ真秀がいないのかというと、昼までに三枚同時に動かすというミッションを終えた後に二人で昼食をとっていると、寺に慌てた様子の来客があったため、対応中なのだ。
真秀は対応に行く際に和真に「少し対応してくるから、食べ終わったら練習しててね。」と言い残して走っていったので和真はこうやって一人で練習をしているのだ。
和真「先生は陰陽師なんだから、そりゃ仕事もくるよなぁ。」
和真がそんなのんきな事を言いながら人形を飛ばしていると、いきなり勢いよく襖が開いた。
入ってきたのはもちろん真秀だ。
和真「わっ、どうしたんですか先生。」
真秀「すまない!緊急の仕事が入ったから今日の修行は中止だ。」
先生は緊迫とした様子で着替えながら部屋に入ってくると、人形などが入っているであろう引き出しの中を漁り始める。
和真「仕事……妖怪ですか?」
真秀「まあ、そんなところかな。」
真秀は慌てた様子で道具を袋に入れる。
普段はのほほんとしている真秀がこんなに慌てている。
きっとただ事じゃないのだろう。
真秀は手練れの陰陽師だ、実力を目の当たりにしたことは無いが少なくともそこら辺の妖怪には負けないだろう。
しかし、和真は嫌な予感を感じていた。
和真「……先生。」
真秀「ん?なんだ?」
和真「自分も付いていっていいですか。」
真秀「ダメだ!君はまだ初心者だ。危なすぎる。」
和真「役に立てる自信はあります!」
真秀「何を言う、君にはまだ攻撃手段がないじゃないか!」
和真「……ありますよ。」
和真がキッと真秀を睨む。
和真自信もなぜこんなことをしているのかわからない。
でも、なぜかここで下がると後悔する気がするのだ。
和真はしばらく真秀の目を睨む。
そして、真秀は観念したようにため息を一回つき、和真に返事をする。
真秀「……わかったよ。ただし、命の保証はしないぞ。」
和真「はい、重々承知しています。」
真秀「よし、じゃあこれ持って。」
真秀は人形などの道具を入れた袋を和真に向かって投げる。
和真「わっとと。」
真秀「時間がない、急ぐよ。」
和真「はい!」
二人は寺を出て、走り始める。
さあさあ、いきなり戦闘の予感が!そしてなにやら嫌な感じがしますね。(個人差アリ)
まあ、和真がいるから大丈夫でしょう。
次回もお楽しみに!