【完結】無惨様が永遠を目指すRTA   作:佐藤東沙

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11話 「最終決戦・其の弐」 大正(西暦1915年頃)

「猗窩座、上弦の参だ」

「俺は派手の神、宇随天元。音柱だ」

 

 (かぶ)いた自己紹介を気に留める事なく、猗窩座は嬉しそうに口を開いた。

 

「では天元、提案がある。お前も鬼にならないか?」

「はあ?」

 

 現在進行形で戦っている相手からのスカウトに、天元は思わず訳が分からないという顔になる。

 

「お前は強い。先程の奇襲からも、その闘気からも分かる。だがそれはすぐに失われる。人間だからだ。老いるからだ、死ぬからだ」

「んなモン当たり前だろーが」

「俺はそれが耐えられない。鬼になれば老いないし死なない。怪我をしてもすぐに治るし毒も効かない。百年でも二百年でも鍛錬し続けられる。あのお方は今はあまり戦力を増やそうとはしておられないが、お前ほどの強者なら認められるだろう。俺も口添えする。だから天元、鬼となれ」

 

 饒舌に語る猗窩座に向け、天元は刀を持ったままの片手を突き出し制止する。

 

「あー……ちょっと待ってくれ。いくつか聞いていいか?」

「何だ?」

 

 猗窩座がすぐに襲い掛かって来る事はないと見た天元は、元忍びらしく情報収集に舵を切った。

 

「俺ぁ鬼ってのに詳しくはねえんだが、人間がなれるモンなのか?」

「鬼は全て元人間だ。だが選ばれし者しかなれない。お前にはその資格がある」

 

 無惨が選んだ者しかなれないので、猗窩座の言葉は全くその通りである。だがその無惨が戦力を集めていたのは鬼殺隊を滅ぼすためなので、天元の加入を認めるかは微妙なところだ。とは言え、自身の役に立つと判断すれば無下にはしないであろう。

 

「鬼は人喰いだとか聞いたんだが、どうなんだ?」

「昔はそうだったらしいが今は違う。少なくとも俺は人を喰った事はないし喰う気もない」

「んじゃ何を食ってんだよ」

「人間と同じだ。量は多いがな」

 

 人間が最も効率がいい事には変わりなく、あくまでその代用であるため、大量に食べる必要があるのだ。とは言え珠世が改良を重ねているので、昔ほど多く食べなくても済むようにはなっている。

 また、植物より肉の方が栄養になる。人間は草食よりの雑食だが、今の鬼は肉食よりの雑食だと言えるだろう。

 

「日輪刀で頸を斬られねえ限り死なねえってのは本当か?」

「さあな。試してみたらどうだ?」

 

 さすがに肝心なところは言わねえか、と天元は内心で舌打ちし、質問を変える。

 

「上弦の参ってのは何だ? その目の地味な刺青に関係があるのか?」

「強い鬼の証だ。壱から陸の六人いる」

「つまりお前は真ん中だって事か……。参考までに聞くが、俺はどのくらいだと思う?」

「そうだな……陸よりは上だが肆よりは下といったところか」

 

 だが、と猗窩座は歓喜と共に言葉を続ける。

 

「鬼になればもっと強くなれる。俺と同じところに……いや、ひょっとしたら上弦の壱にすら届くかもしれん。そろそろ答えを聞こう、天元。鬼になれ」

「断る」

 

 迷う素振りもなく拒絶した天元に、猗窩座の眉がぴくりと動いた。

 

「何故だ」

「こちとら色々背負うモンがあるんでな。投げ出す訳にゃあいかねえよ。何より」

 

 天元は目つきを険しくさせると、猗窩座を見据えて言い放った。

 

「お前らお館様を殺したんだろ? だったらせめて、仇くらいは取ってやらにゃならんだろうが……!」

「そうか。鬼にならないなら殺す」

 

 ――――術式展開 破壊殺・羅針

 

 猗窩座は雪の結晶の如き羅針盤を展開すると、間髪入れずに技を繰り出す。

 

 ――――破壊殺・乱式

 ――――音の呼吸 肆ノ型 響斬無間

 

 衝撃波の乱打を、天元は爆ぜる刀を回転させて迎撃する。上弦の参と音柱の戦いが始まった。

 

 

◇ ◇ ◇

 

 

 猗窩座はこれまでの約百年で鬼殺隊と交戦し、柱も殺していますが、鬼殺隊が原作より小規模な事もあって原作ほど多くは殺ってません。音柱の方は鬼との交戦経験はありませんが、前職的に考えて原作より実力が大きく劣る、という事はないでしょう。

 なのでどっちが勝つのか気になるところではあります。だが早送り。悲しいけどこれってRTAなのよね。

 

 さて、他のところは……。

 

>地下水脈を引き込み、水がせせらぐ無限城の一角。

>自らの血鬼術を最大限に発揮できるその場所で、童磨は倒れ伏す水柱の傍に座り込んでいた。

>「辛そうだね、肺が凍って壊死してるもんね。もうちょっと注意してたら吸わずにいられたかな?」

>水柱は悔しそうに童磨を見上げるが、ぜひゅーぜひゅーと喘鳴(ぜんめい)が漏れるばかりで、身体は思うように動かない。吸った者の肺を凍らせる血鬼術、粉凍りを吸ってしまったためだ。

>鬼殺隊の力の要は呼吸法。だがこの血鬼術は、呼吸こそを狙い撃つ。

>目が良く空気中の細かな氷を捉えられるだとか、気配に敏感で粉凍りの気配を感知し避けられるだとかの特長があれば結果は違ったのかもしれない。

>だが、優れた剣客ではあってもそれ以上ではなかった彼女に気付く術はなく、気付いた時にはもはや遅かった。

 

>「いやー、無理かなあ。君ってば猪みたいに突進してきたもんね。昔空木ちゃんに聞いた事があるけど、水柱って皆そんな感じなのかな? 俺が殺した柱に水はいなかったから分かんないや」

>快活にケラケラ笑う童磨に水柱は何かを言い返そうとするが、口から出たのは咳と血だけだった。

>自らの血で溺れる水柱に、慌てたように童磨は告げる。

>「あっごめんね、肺に血が入ってるんだもんね、苦しいよね。すぐ楽にしてあげるからね」

>鉄扇を振るうと水柱の首がスパンと落ちる。

>血と涙に濡れ、憎悪と無念に歪んだ顔に、童磨は常と変わらぬ屈託のない笑顔で語りかけた。

>「君のようなか弱い女の子が刀なんて握っても無駄なのに、ここまでやり抜くなんて本当に感動したよ! これが儚い人間の素晴らしさなんだね! ここまで鍛えるのは苦しかったし辛かっただろうね、でも大丈夫、これで君はそんな苦しみから解放された。おめでとう、君は救われたんだ!」

>まるで舞台役者のように大仰に手を広げる童磨は、一転して沈んだ表情となった。

>「本当は俺と一つになって永遠を生きて欲しかったけど、信者の皆を差し置いてそうする訳にはいかないからなあ。ごめんね」

>童磨は、いや鬼たちは皆、面倒を嫌った無惨に殺人を(基本的には)禁止されている。

>故に童磨は自らの信者と“永遠を生きる”事はない。

>信者を“そう”していない以上は、信者ではない者を“そう”する訳にはいかないという、童磨のよく分からない律儀さであった。

 

>「……ううっ、でも、なんて可哀そうな子なんだ。救われたと言っても、天国も地獄もこの世にはないんだから、俺と一つにならない限り、消えてなくなるだけなのに。――――いや、泣いている暇はない。可哀そうな子たちを救ってあげなくちゃ。それが俺の使命なんだから!」

>童磨は空虚な涙を振り払うと、普段通りの中身のない笑みを浮かべ、『結晶ノ御子』を数体生み出し無限城の中に解き放った。

 

 水柱はやっぱり義勇じゃありませんでしたが、そんな事がどうでもよくなるこのサイコパスっぷりよ……。なのにこいつが最も仕事が早いというね。というか粉凍りが初見殺しすぎるんですよ。鬼殺隊士は呼吸が武器なのに、吸ったらアウトとか分かるかんなもん。有能なサイコパスとか扱いに困る……。

 

 

 ……気が滅入るんでサイコパスの話はもうやめましょう。はい、やめやめ。まだ早送りは続きそうですし、ここは前にちらっと言った「無惨様と鳴女のみで最終決戦勝利」の動画の話でもしましょうか。動画を探して見てもらうのが一番早いんですが、一応こっちでも説明します。

 

 まず前提として、原作とほぼ同じ状況で、無限城に鬼殺隊を落としたところからスタートです。鳴女がいるんならもっと良い方法があるんじゃねとか言ってはいけません。原作通り頭無惨なのであんま賢い事は出来ないんです。

 

 んで落とした後ですが、高難易度だと何故か時間制限があり、その中で鬼殺隊を全員殺さなければなりません。鳴女はほぼ戦力にならず他の鬼はいないので、無惨様一人で。

 

 この時点でかなり厳しいんですが、さらに鳴女を守りながら戦わなければなりません。うっかり目を離すと、原作通り鳴女が愈史郎に乗っ取られて鬼殺隊ごと地上に叩き出されます。そうなると、「鬼殺隊を一人残さず殺害する」という勝利条件を満たせなくなってゲームオーバーです。逃げ場があると逃げる隊士はいますからね。

 

 無惨様は本来なら鬼殺隊全てを相手取っても勝てますが、この時は珠世の薬で弱体化してるので厳しいです。なので無限城を操作して、無惨様のところに柱がまとめて来る事態を防がなければなりません。

 

 それでですね、高難易度だと鳴女AIはクソなので、自分で操作しないといけないんです。何がキツイってこれがキツイ。

 

 強い隊士がどこにいるのかを把握しながら、鳴女の“眼”の映像(複数。しかも画像が小さい)を見ながらその先を操作して進行を妨害しながら、血鬼術で隠れている愈史郎と隊士に注意しながら、時間制限に気を付けながら、柱や準柱級の隊士と戦わないといけません。

 普通はキャパオーバーで死にます。でもやり切った人がいるんだから、人間ってスゲーと言わざるを得ません。というか実は人間じゃなかったと言われても信じます。

 

 もちろん、勝つだけなら頭無惨な無惨ルートでももっと楽な方法はあります。鳴女AIがクソと言っても、戦力が多ければ問題にはなりません。あくまで魅せプレイの一つです。一人モードでぷよぷよ47連鎖みたいなもんです。さすがに真似は出来ません。する気もないですが。

 

 

◇ ◇ ◇

 

 

 ぜえぜえと天元は大きく息を吐く。その身体は血塗れで、肋骨は折れ内臓はいくつか潰れ、片目に至っては抉れていた。まさに満身創痍という言葉そのままだった。

 

「くっそ……」

 

 対する猗窩座もまた、満身創痍だった。片腕は斬り落とされ胴体は袈裟に斬られ、心臓は爆発によって抉り取られていた。だがそれらの傷は、瞬きする間に全て再生していた。

 

「マジか……どういう体してやがる……」

「爆ぜる刀など初めて見たが、素晴らしい威力だった。奇術やまやかしの類ではない、確かな業に裏打ちされた見事な剣だった。だが全ては無駄だ。見ての通り、既に完治してしまった」

 

 猗窩座は悲しそうな顔で語りかける。

 

「だがお前はどうだ? その傷はもはや致命的だ。放っておくだけで死ぬだろう。しかし鬼ならすぐに治る。鬼ならそんなものはかすり傷だ。鬼に人間では勝てない」

「だから、鬼に、なれってか」

「そうだ天元、鬼になれ。死ぬな。こんなところで死ぬ事はない。俺と永遠に戦い続けよう」

「随分、熱心に勧誘して、くれるじゃねえか……それはあれか、俺が強いからか」

 

 怪我に咳き込みながら問いかける天元に、猗窩座は端的に答える。

 

「そうだ。俺は強者が好きだ」

「んで……弱い奴が、嫌いってか」

「そうだ。俺は弱者が嫌いだ。弱い奴には虫唾が走る、反吐が出る。それでも、身の程を知り大人しく引っ込んでいるのなら、見逃してやらなくもない。だが」

 

 猗窩座は強く歯を食いしばる。歯が砕ける音が、天元のもとにまで届いた。

 

「駄目だ。剣を持って()()()()と戦いの場に出て来るような奴は駄目だ。おぞましい、鳥肌が立つ、消えて欲しい。ただ死にに来るなど、虫にも劣る愚かさだ」

 

 そもそも鬼殺隊士は鳴女に落とされたからここ無限城にいる訳だが、それを言えば『ならば最初から剣を取るな、鬼狩りになどなるな』と返って来るだろう。それを何となく察した天元は、だから話を変えた。

 

「なるほどなぁ、お前は自分が嫌いな訳だ」

「……なんだと?」

 

 猗窩座の表情が変わるが、天元はそれに構わず言葉を続ける。

 

「お前の戦い方は、力頼りじゃねえ。どっかで格闘技をしっかり習った奴の、戦い方だ。の割にゃ攻撃を食らい過ぎてる。最初はすぐ怪我が治る鬼だからかと思ったが……お前の話で違うと確信したぜ」

「出鱈目を抜かすな」

「出鱈目なんかじゃねえさ。お前は自分が嫌いなんだ。だから自分が傷つく事が怖くない……いや違うな、自分を傷つけるように戦ってんだ。嫌いな奴は痛めつけたくなるだろ? お前はそれが他人じゃなくて自分なのさ」

「黙れ」

 

 猗窩座の雰囲気が明らかに変容するが、天元の口は止まらない。

 

「で、だ。何故自分が嫌いなのか。お前はおそらく人間の時分も、相当強かったはずだ。じゃなきゃあここまで格闘技が身に染み付かねえ。んな強い奴が、自分を嫌いな理由。()()自分が嫌いな理由とくりゃあ、相場は決まってる」

 

 そこで一拍置き、天元は神経を逆なでするような笑みを意図的に浮かべて言い放った。

 

「お前、守れなかったんだろ」

 

 猗窩座の動きが完全に止まった。その顔に浮かぶのは“無”だ。何の感情も浮かんでいない、完全な無表情だ。だがそれが嵐の前の静けさだという事は、天元には分かった。それでもここで止める選択肢はない。

 

「強さを持ってても守れなかったから自分が嫌いなんだ。弱い奴は何も守れねえから嫌いなんだ。お前は強い奴が好きなんじゃねえ、弱い奴が嫌いなのさ。何のこたあねえ、ただの裏返しだ」

 

 鬼舞辻無惨曰く、『鬼の姿や血鬼術は、その心を表す』。

 

 猗窩座の身体には線のような紋様がある。これは江戸時代の刑罰、刺青刑の模様が広がって出来たものだ。三本の刺青は罪の象徴。罪の象徴が広がったその総身は、猗窩座の人生において、大切な者を誰一人守れなかった罪の意識を示す。

 

 戦いの羅針盤は、“羅針盤”と称する割には一般的な羅針盤とは全く異なる形をしている。雪の結晶のような形のそれは、恋人がいつもつけていた髪飾りを模している。

 技名は全て花火に関係しており、それは恋人と共に見た花火を示す。

 格闘術は恋人の父親から習い覚えたものであり、鬼になっても忘れられなかったものだ。

 

 猗窩座に人間だった頃の記憶はない。鬼にする時、鬼舞辻無惨が消している。だが頭は忘れても心は忘れなかった。守れなかった後悔が更なる強さを求めさせ、『毒を井戸に入れた者の敵意を察知できていれば』という思いが血鬼術に現れ、恋人と共に毒殺された恩人から習った格闘技で今なお戦っている。

 

 猗窩座の全ては過去で構成されている。だから天元のその言葉は、記憶がなくとも心の最も深いところに突き刺さった。

 

「あの時強けりゃ守れてたかも、なんざ究極に地味な奴だぜお前は!」

 

 ――――破壊殺・砕式 万葉閃柳

 

 言葉はなかった。返事は上から打ち下ろす拳だった。天元は何とか直撃は避けたが、床が砕け散り蜘蛛の巣状の罅が一帯に刻まれた。

 

「がっ……!」

 

 天元の鼻からどろりと血が垂れ、身体のあちこちが軋む。かすっただけだというのに、恐ろしい威力だった。

 

(躱したってのにこれか! 時間を稼いで何とか回復、ハッタリとこじつけ半分で挑発して怒らせて技を粗くさせられればと思ってたが、コイツぁ見誤ったか……!?)

 

 怒りは力を増加させるが、同時に動きを粗雑にする。そうすれば、どんな相手でも付け入る隙は生まれ得る。そういう意味では、天元の考えは決して間違っていない。

 

 だが彼は知らなかったのだ。激情にかられて完全にリミッターが外れた鬼の力と、闘気を探知しそこに正確に攻撃を捻じ込める、猗窩座の羅針盤と身に染み付いた格闘術を。

 

 ――――破壊殺・脚式 飛遊星千輪

 

 猗窩座の内面は嵐のように荒れ狂っているが、それとは対照的に蹴り上げる脚はまるで機械のように正確に、空中の天元に吸い寄せられる。何の皮肉か、恋人の髪飾りの羅針は正確無比に闘気を感知し、恩人の格闘技は些かたりとも陰りを見せず、花火を冠する技は圧倒的な破壊力を秘めていた。

 

 ――――音の呼吸 壱ノ型 轟

 

 天元は二刀を振り下ろし、爆発で技の威力を相殺しようとする。爆ぜる刀と衝撃波が衝突し、天元は吹き飛ばされ天井に叩きつけられる。重力に引かれ落ちようとする彼が目にしたのは、まるで花火のような技だった。

 

 ――――術式展開 終式 青銀乱残光

 

 猗窩座を中心に、百発以上の衝撃波が乱舞する。天元はそれを、音の呼吸最大威力の技を以って迎え撃った。

 

 ――――音の呼吸 漆ノ型 残響無音

 

 放てば必ず敵を斃し、その後には残響だけが残されそれもいつしか消えて無音になる。そういった意を込めて名付けられた最強の技でも、猗窩座の拳を全て打ち落とす事は出来なかった。

 

「がっ……は」

 

 地に墜ちた天元の胴体には、腕がすっぽり収まってしまいそうな大穴が開いていた。もはや助からない事を悟りせめて相打ちに持ち込まんと剣を握るが、背骨を痛めたのか腰から下に力が入らず立ち上がれない。

 

 猗窩座が無表情で、しかして目だけを炯々と光らせ突っ込んでくる。途轍もない速度のはずなのに、天元には何故かそれがゆっくり見えた。だが身体は動かない。心は折れずとも、物理的に動かないものはどうしようもない。

 

(ああ、くそ)

 

 宇随天元の脳裏に最期によぎったのは、三人の妻たちの顔だった。

 

 ――――破壊殺・滅式

 

 そんな走馬燈ごと、猗窩座の拳が全てを消し飛ばした。肉の一片すらもそこには残らず、砕けかけた二振りの刀のみが、墓標のように突き立っていた。

 

 

◇ ◇ ◇

 

 

 という事で、決着がつきました。このゲーム、原作で死ななかったキャラでも普通に死にます。それで発狂する人もたまにいますが、逆に原作キャラ救済を目指すと言って燃える人もいます。まあ楽しみ方は人それぞれですね。

 

 しかしあれですね、猗窩座は試合に勝って勝負に負けた感がありますね。天元は、猗窩座が鬼になってから格闘を学んだ可能性には言及してない等、よく見ると割と当てずっぽうで言ってる事が分かるんですが、それがたまたまクリティカル、もしくはファンブルを叩き出してしまった模様。

 

 つっても天元はあのまま戦ってても押し負けてたでしょうし、怒らせて隙を見つけるというのは十分有りだったでしょう。悪い方に転がってしまいましたが。やっぱり“痣”も鬼の知識も交戦経験もないのはキツかったですね。三人も嫁がいる野郎とか死んでいいと思いますけど(嫉妬)。

 

 でもよく考えたら、鬼殺隊に鬼との戦闘経験がないのは無惨様が少数精鋭方針を取ったからで、そうした切っ掛けは昔配下の鬼を一斉処分したからなんですよね……。あの時はガバかと思ったもんですが、実は高度な計算だった……?

 

 

>猗窩座と天元の戦いが始まる少し前。無限城のまた別の場所で、妓夫太郎が己が血肉で出来た鎌を振るっていた。

 

――――血鬼術 飛び血鎌

 

>「うっ、うわあっ!」

>「なんだこれっ!?」

>鎌を振るうたびに血の斬撃が飛び、隊士たちを刻んでゆく。なす術もなく殺されるだけかと隊士たちが絶望したその時、渦巻く炎の斬撃が血鎌を打ち落とした。

 

――――炎の呼吸 肆ノ型 盛炎のうねり

 

>「炎柱様!」

>「煉獄様!」

>「お前たちは下がっていろ!」

>「はっ、はい!」

>まるで燃える獅子のような、炎柱と呼ばれた男に妓夫太郎は無言で斬りかかる。一瞬の交錯の後に鈍い金属音が響き渡り、二人は互いに距離を取った。

>「いきなりだな!」

>「お前、強いなあぁ。羽織しか斬れなかったなぁあ。殺すつもりで斬ったけどなぁ。いいなあお前。いいなあぁぁああ」

>見上げるようにねめつける上弦の伍、妓夫太郎と、堂々とその視線を受け止める炎柱、煉獄杏寿郎。陰陽対照的な二人は、ここに邂逅した。

 

 お、今度は妓夫太郎VS炎柱ですね。これもどうなるのか気になるところではありますが、やっぱり早送りです。残念。

 

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