「俺は炎柱の煉獄杏寿郎! 君が噂に聞く鬼か! 何故殺す?」
「鬼狩りが何を言ってんだぁ。お前顔はいいけど、頭は悪いなあぁぁ」
さらりと杏寿郎を罵倒した妓夫太郎は、がりがりと爪で顔を掻く。
「でもいいな、いいなあぁぁ。顔もいいし肌も綺麗だし、肉付きもいいぃ。女にもさぞ持て囃されるんだろうなあぁぁ。妬ましいなあ妬ましいなあ、死んでくんねえかなあぁ。そりゃもう苦しい死に方でなぁあああ」
「君は人の美点を見つけるのが得意なようだな! だが妬んでばかりでは進歩はないぞ!」
「お前前向きだなぁ、幸せそうだなぁあ。許せねえなあ許せねえなあ」
感情の昂りと共に掻きむしる爪が顔を引き裂き血を流させる。傷は即座に再生するがその上からまた傷が刻まれ、血がとめどなく流れ出ていた。
「許せないとはこちらが言いたい! 君は俺達を鬼狩りと言うが、隊士たちは鬼を狩った事などない! なのにこうも殺すとは、まさに悪鬼羅刹の所業!」
「だったら何で今も鬼殺隊を名乗ってるんだぁあ。やっぱお前頭悪いなぁぁあ」
鬼殺隊が実際に鬼を殺していたのは平安の昔だ。戦国時代は傭兵で、今はヤクザの親戚――要は地域のまとめ役や用心棒――である。どこにも“鬼殺”の要素はないし、歴史的にも鬼よりも人を殺していた時期の方が長い。なのに未だに鬼殺を掲げているのは、つまりそういう事なのだろう。
「ああでも幸せそうだよなあぁぁ。頭が悪くてもやっぱ許せねえなぁあ。俺は取り立てるぜ、幸せそうな奴からは必ず取り立てる。死ぬ時グルグル巡らせろ、俺の名は妓夫太郎だからなあぁぁ!」
妓夫太郎が鎌を振り上げると、血の斬撃が再び生成され杏寿郎を襲う。杏寿郎は刀を振るってそれを打ち落とすが、その攻撃方法そのものに眉を顰めた。
(分かっていたがやはり実体がある、呼吸法による幻影とは違う! これが記録にあった血鬼術というものか。鬼は頸を斬れば倒せるというが、このまま距離を取られて攻撃され続ければ不可能だ)
「ならば! 近寄るまで!」
――――炎の呼吸 壱ノ型 不知火
杏寿郎は強く踏み込み、炎を纏いながら一直線に妓夫太郎に向かう。頸を斬らんと刀を横に一閃するが、それは片手の鎌で防がれた。
(速い! 何という反射速度!)
妓夫太郎は空いている手の鎌で腹を裂こうとするが、杏寿郎はやや大仰なほどに跳びのき逃れた。それを見た妓夫太郎の顔が、ほんの少しだけ歪む。
「お前、まさか、気付いてるなぁ?」
「やはり
――――血鬼術 飛び血鎌
血色の刃が杏寿郎に殺到するが、横っ飛びに大きく跳んで避ける。血刃はそのまま外れ明後日の方向に飛んでいくかと思われたが、妓夫太郎は執念のこもった声でそれを覆す。
「曲がれ、飛び血鎌」
「むっ!」
まるで意思があるかのように血刃は曲がり、杏寿郎を再び襲う。再度切り裂き打ち落とすが、その一瞬の間に妓夫太郎は距離を詰めていた。
「死ねぇ」
「断る!」
妓夫太郎の鎌はまるで蟷螂のようで、動きが素早く不規則な太刀筋で読みづらい。それでもなお杏寿郎は刀を振るい鎌を捌いてゆく。金属音が鳴り響き、一時的な膠着状態が作られる。それを崩したのは、二人のどちらでもなかった。
「炎柱様をお助けするのだ!」
「おおお!!」
最初に杏寿郎に庇われ、横で戦いを眺めているしかなかった隊士たちだ。
「駄目だ来るな!」
「邪魔すんなよなぁあ」
――――血鬼術 円斬旋廻・飛び血鎌
血刃が渦を巻き、横倒しの竜巻の如く広がってゆく。杏寿郎は何とか後ろに跳ぶと同時に技を繰り出し弾いて無事だったが、柱に遠く及ばない隊士たちはそうもいかなかった。一瞬にして血肉が飛び散り、悲鳴が木霊する地獄が現出した。
「う、腕が……!」
「ぉ、ぐ……」
「お、おい死ぬな!」
それでも前の者が壁になったのか、数名は生き残っていた。妓夫太郎の眼がぎろりと動いて彼らを捉え、追撃をかけようとする。
「結構残ったなあぁぁ」
「やめろ!!」
それを察した杏寿郎は、妓夫太郎に向け技を繰り出し妨害する。妨害と言っても本気の技であり、仕留めるつもりの攻撃でもあった。
――――炎の呼吸 伍ノ型 炎虎
――――血鬼術 跋扈跳梁
炎の虎の如き斬撃が、斬撃の天蓋とぶつかり合う。双方は拮抗し、互いに後ろに下がり一旦距離を取った。
「これ以上はやらせん!」
「部下を守って格好良いなあ。羨ましいなあ妬ましいなあぁぁあ。でもやっぱ頭悪いなあ」
妓夫太郎が口の端を吊り上げる。運よく重傷を免れ、軽傷で済んだはずの隊士たちが、杏寿郎の後ろでばたばたと倒れた。
「くっ……やはり毒か!」
「最初に見た死体の様子から気付いたなぁ? でもそれを活かせてねえ、ぜんぜん駄目だなぁ」
妓夫太郎の血鎌には猛毒がある。杏寿郎はそれに気づいていたため、一撃も受けないように立ち回っていたのだ。そういう意味では妓夫太郎の言は的外れとも言えるのだが、杏寿郎にとってはそうではなかった。毒の事を伝えていれば一人でも助かったかもしれない、と考えてしまうのが杏寿郎なのだ。実際には不可能だったであろうにしても。
「……その通りだ! 柱として俺は未熟! やはり俺に才能はないのだろう!」
杏寿郎の脳裏によぎるのは、自らの父親だ。昔は柱として立派に務めていたが、妻が……杏寿郎にとっての母が亡くなってから変わってしまった。柱を辞めると、日がな一日酒に溺れ、寝転がって腐るばかり。
それでも杏寿郎は父を尊敬していたし、認めてほしくて剣の修練も全力で取り組んだ。教わる相手はおらず本で学ぶしかなかったが、それでも柱にまで至った。だが彼の父は“お前には才能など無い。才の無い者が何をしようが無駄だ”と繰り返すだけだった。
普通ならそこで折れてしまいそうなものだが、真面目でまっすぐな杏寿郎は己の不明を恥じ、より一層の修練に励んだ。それでも、才能がないという言葉は胸にわだかまり、時折思い出したように浮かび上がってくる。そう、例えば今のように、守り切れなかった時に。
「なんだ分かってんじゃねえか。ひひっ、みっともねえなあみっともねえなあ」
「だが! だからこそ!」
たとえ己に才がなくとも。力が足りておらずとも。
退いてはならない時がある。行動せねばならない時がある。
今がその時だ。これがその行動だ。
「もう誰も殺させない! 君を自由にすれば他の隊士たちを殺すだろう! ここで倒す!」
心を、燃やせ。
――――炎の呼吸 奥義 玖ノ型 煉獄
刀を肩に担ぎ、螺旋を描く炎を伴って妓夫太郎に向け疾駆する。一撃でも受ければ毒で動けなくなり戦えなくなると見た杏寿郎は、後手に回る事を避け、一気に決める事を決断したのだ。
「どうせ全員死ぬのに、瞳をきらきらさすなよなぁ」
――――血鬼術 空花乱墜
妓夫太郎は防御を考えず、血鎌の乱れ撃ちで杏寿郎を迎え撃つ。一撃でも当たれば毒で勝てるという考えだ。炎と血刃が、これまでにない規模をもってぶつかり合った。
◇ ◇ ◇
これもう炎柱が主人公でいいんじゃないかな(白目)。父親に否定されてもほぼ独学で剣を修め柱に至り、強大な敵に立ち向かうとか、どう見ても王道熱血主人公そのものですよ。いや原作でもそうでしたが。
ここだと相手が猗窩座じゃなくて妓夫太郎なので、より熱血さが浮き彫りになってますね。性格的な相性の悪さも浮き彫りになってますが。熱血一直線な杏寿郎とひねくれて
>無限城の一角、屋上のように高く視界が開けている場所に。
>鳴女と玉壺、そして下弦の全員が揃っていた。
>鳴女は無限城を操作する時は、一ヶ所に留まり動けなくなる。
>いかな上弦とは言え、元琵琶法師で、実戦経験ゼロの彼女を戦わせようと思う程無惨も無謀ではない。故に護衛は必須なので、そのために付けられたのが玉壺である。
>下弦の方は、本来なら無限城の外の、安全な場所に待機しているべきだ。
>が、万が一にもその場所に柱級の強者が来れば、その時点で全滅の危機である。
>鳴女の“眼”も完璧ではない、見落とす可能性は常にある。
>となればやはり護衛がいるのだが、“鳴女の護衛”と“下弦の護衛”双方に割けるほど人手に余裕はない。少数精鋭方針の弊害だ。
>ならばいっその事ひとまとめにして守ってしまえ、という事になったのである。
>なお玉壺の金魚や、童磨の結晶ノ御子を下弦の護衛としてつける案もあったのだが、前者は弱すぎ、後者は論外という事で却下された。
例によって早送り中にログを見てみましたが、論外には草。童磨全く信用されてませんね。いや無惨様の命令ならしっかり遂行するでしょうけど、それを考慮に入れても嫌だったんでしょう。おそらく珠世が。
>そんな彼らは今、くつくつ煮える鍋の前で、肉と野菜をつついていた。
>鍋に割り下を入れ、牛肉と野菜を煮て食べる料理。牛鍋である。
>「こっち煮えてますよー」
>「俺達、こんな事してていいんでしょうか……」
>「何言ってんの
>
>なお牛鍋になったのは準備した堕姫の趣味である。
>「それなら食べるのは玉壺さんと鳴女さんだけでいいんじゃ……いや何でもないです」
>馬酔木にぎろりと睨まれた樒が首をすくめて口を閉ざす。
>馬酔木が下弦の陸、樒が下弦の参で、序列は樒の方が上なのだが、そんな事は全く感じさせない光景だった。完全に尻に敷かれている。
>序列がはっきりしたとは言え、それまでの人間関係が消えてなくなる訳ではないのだ。人間ならざる鬼であっても。
>「たくさん用意したから皆どんどん食べてね!」
>堕姫が自身の血鬼術、“帯”から追加の肉を取り出しながら笑顔で言う。
>この“帯”こそ、彼女を下弦の陸から肆に押し上げた大きな要因だ。
>見た目は着物の帯にそっくりなそれは、体積をある程度無視して物体や生物を収納できる能力を持つ。さらに複数出せる上、自身の意思によって自由に動かせ、刃のように対象を切り裂く事も出来る。
>堕姫の器用さの象徴のようなこの血鬼術は、普段は実験動物の鼠や壊れやすい道具を安全に収納したりと大活躍だったが、今日は食材が大量に入っていた。
>「牛を食べるとは……これも時代でしょうか。いえ美味しいですし初めてでもありませんが」
>「ヒョッヒョッ、牛は労働力ですからな。食べるとは中々考え付かぬものです」
>「それもありますが、私にとっては牛車を曳くものという印象が強くてですね。貴族の持ち物ですから、それを食べるとは思いもよりませんでした」
>「ほう、牛車ですか。時代を感じますな」
>「ええ、本当に……遠くまで来たものです」
>美女と野獣ならぬ、美女と怪物といった組み合わせの珠世と玉壺だったが、意外と相性は悪くないようであった。
>同じ場所に住み、毎日のように顔を合わせているので無理からぬ事ではあったが。
>「ほら、鳴女さんも食べないと!」
>「いえ、私は……」
>琵琶から両手が離せない鳴女に向かって、笑顔で箸を差し出す堕姫。
>鳴女は正直あまり食べたくなかったのだが、堕姫に悪意がないのでとても断りにくい。
>結果として、口を開けざるを得なかった。
>「………………いただきます」
>牛肉の少し癖のある味が口の中に広がる。
>別に嫌いではないし、むしろ好きな方ではあるのだが、こうしていると
>そう、血鬼術を成長させるために、ひたすら食べ続けた日々を。
>鬼はたくさん食べる事によって基礎能力が向上し、それに伴い血鬼術も強化される。
>非常に有用な血鬼術に目覚めた鳴女は、だからこそそれを成長させるために山ほど食べさせられたのだ。
>鳴女としても鬼狩りは壊滅させておきたかったので、血鬼術を成長させる事に否やはなかった。
>だが、量が尋常ではなかった。比喩ではなく、文字通り山のような食料だ。いくら鬼でも限度というものがある。
>それでも鳴女は頑張った。無惨を見て内心“この鬼……! あっ本物の鬼だった”と考えたり考えなかったりしながら、ものすごく頑張ったのだ。
>あまりの量に手が止まる事もあったが、そこで『やはり人間の方が効率が良いか……?』という無惨の独り言を聞いて内心戦慄してさらに頑張った。鳴女の感性は普通なので、なるべくなら人を喰いたくはなかったのだ。
>だから頑張って頑張って死ぬほど頑張って、どうにかこうにか血鬼術を成長させ、産屋敷の居場所だって見つけたし、その血族と日輪刀の製造者を見つけろという無茶振りにだって応えたのである。
>「どう!? おいしい!?」
>「…………………………オイシイデス」
>食事というのはそんな日々を否応なく思い出させるものなのだがしかし、肉は美味しいので、複雑な顔にならざるを得ない。
>結果として鳴女は、顔をひくつかせて片言になるしかなかった。
フードファイター鳴女。でもあの血鬼術を見たら誰でもそーする、無惨様だってそーする。ちょっとトラウマが出来たとしても些細な事ですね!
なお大食いの歴史は古く、1649年には大食い大会が開かれた記録があるそうです。それからもちょくちょく開かれ、1817年の大会ではご飯68杯に醤油2合という記録を残した人がいたとかいないとか。
人間でもそれくらいいけたんだから鬼ならもっといけるいける大丈夫!
……っと、早送りが解除されました。これは決着つきましたかね?
◇ ◇ ◇
(危なかった! まさに紙一重!)
杏寿郎は冷や汗を流し大きく息を吐き、倒れ伏す妓夫太郎を見下ろしていた。その身体には首がなく、それは少し離れたところに転がっていた。
『飛び血鎌に一発も被弾しない』『妓夫太郎の頸を斬る』。これまでの人生で間違いなく一番の難事だったが、杏寿郎はやり遂げた。正直もう一度やれと言われても不可能だ。後者はまだしも、前者は多大なる運を味方につけたが為だという事は分かっていた。
(記録通りなら、これで死ぬはずだが……)
杏寿郎が鬼と戦うのはこれが初めてだ。だから『鬼は日輪刀で頸を斬れば倒せる』という情報も正しいかは分からなかった。そのため用心して、首が離れた妓夫太郎の身体から目を離さなかった。結果としてそれが功を奏した。
「!」
突如として妓夫太郎の身体がバネ仕掛けの人形のように跳ね起き、杏寿郎に向かって鎌を振るって来たのだ。驚きこそあれど、彼の身体は訓練の通りに適切な行動を取る。
――――炎の呼吸 弐ノ型 昇り炎天
下から炎の円を描くように斬り上げられる刀が、妓夫太郎を鎌ごと弾き飛ばす。残心を切っていなかった事と、妓夫太郎の動きが先程より明らかに劣っていた事の双方が、反撃を可能にした。片方だけでも欠けていれば、杏寿郎は今頃骸をさらしていただろう。
「よもやよもやだ! 頸を斬っても死なぬとは! 鬼とは皆そうなのか!?」
鬼は日輪刀で頸を斬られれば死ぬが、妓夫太郎はそれだけでは死なない。妹の堕姫の首も同時に切り離した状態にしない限り、死ぬ事はないのだ。そして堕姫はここにはいないため、杏寿郎に妓夫太郎を殺す手段はない。
とは言えそんな事を馬鹿正直に伝える必要はない。弾かれた妓夫太郎の胴体は、自らの首を拾い上げてくっつける。元の場所に戻った生首は、杏寿郎の問いに答える事なく忌々しそうに顔を歪めた。
「これでも駄目かあぁあ。お前、本当に強いなあぁぁ」
(いや……俺が弱いのかぁ)
この炎柱と名乗った男は、少なくとも黒死牟よりは遥かに弱い。それでもなおかすり傷の一つすらつけられていないのは、運もあるにはあるが、妓夫太郎が弱いからだ。
妓夫太郎に実戦経験は少ない。日光克服薬開発を優先していたためだ。無惨としても戦闘よりそちらを優先して欲しかったし、妹も兄と一緒だと喜ぶので、ますます戦う機会は減った。特にここ五十年は、その傾向が顕著だった。
それでも鍛錬を欠かした事はなかったが、やはり実戦と訓練は違う。玉磨かざれば光なし。妓夫太郎に戦いの才はあるが、それを磨く機会が足りなかったのだ。そのツケは今、燃える獅子のような男の形を取って眼前に現れていた。
「いや、それなら『鬼は頸を斬れば倒せる』という記録が残るとは思えない! 頸を斬っても死なないのは、おそらく君だけだ!」
「だったらどうだってんだあぁ」
「死ぬまで斬るのみ! それで死なずとも、治るより早く斬れば動きは止められるだろう!」
妓夫太郎は内心舌打ちをする。確かに現状では死ぬ事はないが、それだけだ。頸を斬られれば死なずとも弱体化する。一度どこかを斬られれば、再度くっつけるにしても新しく生やすにしても時間はかかる。再生速度よりも速く斬られ続ければ、動きは止められざるを得ない。
可能かどうかはさて置くにしても、実行されると困るのは確かだった。
「…………未完成だったから使う気はなかったけどなぁ。こんなところで足止めされてる訳にもいかないからなぁああ」
「む!」
雰囲気の変わった妓夫太郎に、何か仕掛ける気かと杏寿郎が構える。その耳が捉えたのは、どこか聞き覚えのある、しかして初めて聞く音だった。
――――ジャアアァァァァァ
まるで砥石で刃を練磨するが如き音だ。鬼のものとは言え、人体から出ているとは到底思えぬ音だ。知らなければ、
「まさか!」
――――鎌の呼吸 壱ノ型 飛刃砕月
血刃が飛ぶ。だがそれは、先程までの血刃ではない。三日月を縦に二つに割ったような形の、鎌そっくりの刃が、無数に纏わりついていた。
「呼吸法だと!?」
杏寿郎の目が、大きく見開かれた。