今回は総司と黒死牟の過去編です。
「俺の師匠の名は、桐生 総司。あんたがよく知っている人物だろ。」
「桐生…総司…だと…。」
この小僧…何故あの男の名を知っている…。あの男は…あのとき…
◇
そう、400年前のあのとき。私が鬼となった直後、あの男は私の前に現れた。
「お前、巌勝なのか!?その姿は…」
総司は驚いていた。驚くのも無理もない。ついこないだまで共に戦ってきた仲間が鬼になっているのだから。
「お前、鬼になったのか…!?」
「あぁ…そうだ…。」
私はそう答えると、総司は更に問いかけてきた。
「何故……何故鬼になった!巌勝!!答えろ!!」
「何故鬼になったか…。縁壱を超える為…。そして、更なる強さを…力を得る為…。私は…自分の意思で鬼となったのだ…。」
「……」
そう言うと、総司は沈黙した。だが、数秒後、突然大声で笑い出した。
「フッ…フハハハハハ!!!」
「何が可笑しい…」
「ハハハ!そうか!そうか!そんな糞みてぇな理由で鬼になったのか!!上等だよ!!相手してやる!来いよ!!
「っ…!!」
『月の呼吸 弐ノ型 珠華ノ弄月』
黒死牟は、切り上げるようにして正面に三連の斬撃を放ち、月輪の斬撃で総司を取り囲んだ。
「血鬼術で技が強化されてるな…だが!!」
総司は左手に『青龍』そして、右手に『白龍』を持ち、技を繰り出した。
『龍の呼吸 雷龍王
「!?」
総司は稲妻を纏った龍の斬撃を放ち、月輪の斬撃を全て打ち消した。
「(何だ…今の技は…)」
「ボーッと、突っ立っている暇は無いぞ!!」
『龍の呼吸 風龍王
凄まじい勢いで回転し、地面を抉りながら黒死牟に向かって猛進した。
「っ…!?不味い…!!」
『月の呼吸 参ノ…』
黒死牟は型を繰り出そうとしたが、総司に間合いの内側に入られてしまった。更に総司は別の技を繰り出す。
「遅いんだよ!雑魚が!!」
『龍の呼吸 水龍王
総司は、うねる龍の如く刃を振るい黒死牟の両腕と胴を切断した。
そして、切断した胴を踏みつけ、頚に向かって刃を振りかざした。
「ぐっ…!?」
その時、私は、自分の死を覚悟した。しかし、ここで予想外のことが起こった。総司は刃をすんでのところで止めたのだ。
「貴様…何故刀を止め……!?」
総司の顔を見ると、涙を流し、とても悲しい表情をしていた。私は困惑した。
「お前…本当に…何で鬼なんかになったんだよ…」
だが、私はこの一瞬の隙を逃さなかった。
月の呼吸 伍ノ型 月魄災禍
斬り落とされた私の腕に握られた刀から斬撃が放たれ、総司の左腕と右足を斬り落とした。
「ガハッ…」
総司はその場で倒れ、その後ピクリとも動かなくなった。
「死んだか…」
なんてこった!今までで一番酷い出来の話を作っちゃった!
この人でなし!
次回 第9話 始まり
(次の話で第1章の最終話になります)