下弦の壱討伐から数日後、和哉は任務で銀座へ向かっていた。
「ここが…銀座…。」
(人いすぎだろ!夜なのに明るすぎだろ!こんなとこに鬼が現れんのかよ!)
そう思いながら路地裏へ入っていくと奥の方から声が聞こえてきた。様子を見に行くと鬼が青年と女性を行き止まりに追い詰めていた。
「もう逃げ場は無いぞ、逃れ者。」
「くっ、珠世様!ここは俺に任せて貴女はお逃げください!」
「愈史郎!それでは貴方が──」
「安心しろ小僧、お前らは二人仲良くここで死ぬんだからよ!」
鬼は腕を刃に変形させ愈史郎に斬りかかった。だが、和哉は一瞬早く鬼の両腕を斬り落とした。
『龍の呼吸 陸ノ型 登龍門・龍魚』
鯉の滝登りの如く、刀を下から上に振り上げる技。(昇り炎天と少し似た技)
「グァァ!う、腕がァァ!」
「ふぅ、ギリギリ間に合ったか。怪我はないですか?お二人さん。」
「あ、貴方は…。」
「自己紹介はこいつを倒してからにしましょう。」
鬼の方を見ると、既に鬼の両腕は再生していた。
「クソッ、何で此処に鬼狩りがいるんだ!」
そう言うと、鬼が和哉に向かって襲い掛かってきた。
「何でって、此処に鬼がいるからだろうが。」
『龍の呼吸 壱ノ型 龍が如く』
鬼が間合いに入った瞬間、和哉は型を繰り出し鬼の首を斬り落とした。
「…さて、お怪我はありませんか?お嬢さん。」
「ええ、大丈夫です──」
「おい貴様!珠世様に気安く話しかけるな!」
(何なんだこの青年は。確か愈史郎とか言ってたな。)
「おやめなさい愈史郎。この方は私たちを助けてくださったのですよ。」
「ですが!この男は鬼狩りですよ!」
(何だこいつ、俺が鬼殺隊だとまずいのか?…まさか。)
「えっとぉ、一つ聞いてもいいですか?貴方たちは━━」
「ええ、そうです。」
「!」
「私たちは、人ではなく鬼です。ですが、他の鬼とは違い人を襲うことはしません。詳しいことは私たちの家で話しましょう。」
和哉は二人に導かれ、塀をすり抜けると洋風の屋敷に着いた。
「こんなところに、いきなり屋敷が…」
「では、どうぞ御上がりください。」
屋敷の中に入り、珠世は自分たちのことについて話してくれた。鬼舞辻により鬼にされたこと、鬼舞辻の呪いから解放されたこと、愈史郎は自分が鬼にした最初の人間だということ…。
「…そんなことがあったんですか。珠世さん、一つ聞きたいことがあるんですが…。」
「ええ、なんでしょう。」
俺は紅茶を一口飲んでから質問した。
「貴女は、
そう、和哉はかつて鬼舞辻の側近だった彼女にこの質問をしたかった。継国 巌勝。あの手紙に書いてあった、
「継国 巌勝…」
「ご存知ないですか。」
「ええ…ですが、継国 縁壱という同じ姓の人物に昔会ったことがあります。」
(継国 縁壱。確かこの名前もあの手紙書いてあった。だが、俺が今知りたいのは継国 巌勝のことについてだ。)
「…そうですか。」
「すみません、力になれなくて。」
「あ、いえ、とんでもない!あ、紅茶のおかわりもらってもいいですか?」
(やばい、今気づいたが、愈史郎がめっちゃ睨み付けているんだけど。)
「?…ええ、いいですよ。」
珠世は紅茶を入れに台所へ行った。
「おい、貴様。」
「え?」
(うわー。愈史郎めちゃくちゃ怒ってるー。ただ話してただけなのに怒るか普通。ん、まてよ、この人まさか…)
「珠世様をあまり困らせるんじゃな──」
「なあ、愈史郎。」
「あ?」
「珠世さんのことが好きなのか?」
「え、いや、それは…」
(図星だな。てか顔赤くなりすぎだろ。子どもかよ。)
和哉はその後紅茶のおかわりを飲み、屋敷を後にした。そして、すぐに次の命令がきた。
「カアァ!桐生 和哉ァ!次ノ場所ハァ南南西!南南西ノ町ニ向カエェ!」
◇
「次の場所はこの町か。」
町に着いたとき、時間は深夜2時を回っていた。そのため、外に人気が全くなかった。
(キングクリムゾンッ!スデニッ!)
「さて、鬼は倒したしさっさと帰──」
『月の呼吸 壱ノ型 闇月・宵の宮』
「!」
和哉は鬼を倒し、帰ろうとしたその時、背後から攻撃が繰り出された。だが、和哉は既の所で攻撃をかわした。
「あ、危ねェ。」
(何だ、今の攻撃は。かわすことはできたが、速すぎてほとんど見えなかった。)
「ほう…至近距離からの攻撃をかわすとは…。」
「!」
和哉は振り返ると、そこには、剣士の姿をした目が六つある鬼がいた。そしてその目には『上弦 壱』という文字が刻まれていた。
「お、お前は!」
そう、そこにいたのは《上弦の壱 黒死牟》だった。
南南西の町の鬼との戦いはキンクリカットさせていただきました。スミマセン(-_-;)
今日のボス、コロネヘアーと同じ声の刀鍛冶に殺され死亡
次回 第7話 龍王
次の投稿は、一週間後にさせていただきます。