東方外遠記 【リメイク版】   作:宗也

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そうだ、冥界に住もう

白玉桜 妖夢の部屋

 

「うーん、あり?ここは?」

 

気が付いたら見知らぬ天井が見えた。博麗神社でもなさそうだ。

 

「あっ、気が付いた見たいですね!」

 

首を横に向けると、さっきまで戦ってた女の子が俺を見てきた。

 

「ここは?」

 

「私の部屋ですよ。」

 

なるほどなるほど、って今なんて言いましたかね?私の部屋とか聴こえたんですが?

 

「えっと、もう一度言うぞ。ここは何処だ?」

 

「だから私の部屋ですよ。他に寝かせられる場所がなかったものですから。」

 

そーかそーかそういうことか。俺は二日連続で女の子の布団で寝たということか。

 

「お邪魔しました!!!」

 

俺は跳び跳ねるようにして起き、部屋から出る。女の子の部屋にいられないっつーの!!また吐血するわ!!

 

「逃げないでください!!」

 

女の子に服の襟の部分を掴まれた。って首が締まる締まる!!

 

「どうして逃げるんですか!?失礼じゃないですか!?」

 

「えっと、まあ、その。条件反射?」

 

「何ですかそれ。」

 

女の子は呆れたように溜め息を付いたな。おいおい、溜め息を付きたいのはこっちの方だよ。

 

「もういいです。私の名は魂魄妖夢(こんぱくようむ)です。」

 

魂魄妖夢か。はて、どっかで聞いたことあるな。それに、何か雰囲気もあの人と似てるな。

 

「俺は泊谷聖人だ。よろしくな。」

 

そう挨拶すると、妖夢は急に土下座してきた。ホワイ?

 

「どしたいきなり?妖夢は初対面の人に土下座する癖でもあるのかよ?」

 

「そういう訳ではありません。先ほどは本当に申し訳ありませんでした。」

 

ああ、侵入者と間違われた事か。全くこっちは死にかけたぞ、まあ斬られた筈の左腕は元に戻ってるから良しとするけど。

 

「大事な用があるのにも関わらず、斬りかかったことをお許しください。」

 

「終わったことだからもういいよ。」

 

「ですが、それだと私の気が収まりません。」

 

「俺が気にしないから妖夢も気にするな。はい、この一件はもうおしまい。」

 

そう言うとようやく妖夢は顔を上げた。恐らく真面目なんだろう。いや融通が効かないと言うべきなのかもな。

 

「あの聖人さん、一つ聞きたいことがあるんです。」

 

「何かな?」

 

「なぜ貴方が私の技よりも鋭く、速い剣術の技を使えるのですか?外来人はそこまで強くありません。ですが聖人さんは外来人ですよね?」

 

うーん、はぐらかしてもいいんだけど、これはちゃんと説明した方がいいかな?

 

「まあ深い訳があってね。」

 

「きちんと教えてください!!」

 

そう言いながら妖夢は顔を近付けてくるけど、ちょっと妖夢さん、顔近いんですけど?

 

「なんとなく出来た!!じゃあ駄目か?」

 

「駄目に決まってます!!」

 

あー、誤魔化すのは駄目か。仕方無い、話すことにしよう。

 

「師匠から剣術は教えてもらったんだよ。」

 

「その師匠の名前は?」

 

妖夢は目を輝かせているな。なんだろう、あいつに似ているな。ってだから顔近いって妖夢。

 

「師匠は名前を教えてくれなかったからなぁ、えっと誰かから聞いた話によると、確か妖忌とか言ってたな。」

 

「やっぱりおじいちゃんは生きてたんですね!!」

 

お、おじいちゃん?師匠が妖夢のお爺ちゃん?

 

「いや、俺が13の時に突然いなくなったぞ。」

 

「そう、なんですか。」

 

妖夢は落ち込んだみたいだ。そりゃそうだ、自分のおじいちゃんの手掛かりが掴めると思ってたからな。

 

「(と、いっても多分こっちにきてると思うけどな。)」

 

しばらく妖夢は俯いた、その後静かに泣き出したな。

 

「おじいちゃん。」

 

そう言って妖夢は刀を握りしめたか。なるほど、その刀が形見なのか。

 

「おじいちゃんは、私が小さい頃からいろんなことを教えてもらいました。剣術やら料理やら庭師の仕事などを。」

 

へぇ、師匠はこの広い日本庭園みたいな所を一人で掃除やら料理やらをしてたのか。だから手先が器用なんだな。

 

「……………。」

 

「そして突然私にこの刀を預けると言ってこの白玉桜を出ていきました。多分、私に託してくれたんでしょう。」

 

「………………。」

 

「でももういない。手掛かりが掴めると思ってたのに。」

 

妖夢はさらに泣き出したな。いやまあ、本当の事を伝えるべきか?いる場所は知ってるし。でも、師匠になに言われるかわかったもんじゃないし黙っておこう。

 

「そんなに泣くなよ妖夢。」

 

俺は妖夢の頭を撫でる。何か無意識に手が伸びて気が付けば妖夢の頭を撫でていた。

 

「ふぇ!?な、何をするんですか!?」

 

「今まで辛かったんだろう?苦しかったんだろ?」

 

「いえ、そんなことは、ないです。」

 

妖夢はそう言い首を横に振る。いや、相当辛かったはずだ。ずっと修行ばっかで遊ぶことや誰かに甘えることができなかったはずだ。

 

「師匠も心配してたな、あいつに辛い思いをさせたって。もっと自由にさせてやりたかったって。」

 

「もしかして!?」

 

「多分、妖夢のことを言ってたんだろう。でもあいつなら俺を越えるはずだって、俺の自慢の子だって。そう笑顔で話してくれたよ。」

 

あの時の師匠の顔は本当に嬉しそうだったな。まるで自分の事みたいに話してたもんな。

 

「うっ、ううっ。」

 

「だから俺に最後こう言ったのかねぇ。あいつを、儂の子を頼んだって。最後まで師匠は妖夢を心配してたぞ。」

 

「うわあぁぁぁぁぁん!!!」

 

妖夢は俺に抱きついてきた。それを優しく受け止める。普通なら避けるところだが、今回は受け止める。

 

「うっ、ううっ!!」

 

「今までよく頑張ったな。」

 

妖夢の頭を優しく撫でると妖夢は俺の胸に顔を埋めてきたな。おうっふ、役得だぜ。

 

「やっぱりこういうのっていいわね~。」

 

「「ぎゃあぁぁぁぁ!!!」」

 

いつの間にか後ろに幽々子が扇子をパタパタさせながらこっちを見ていたよ!!一体いつからいたんだよ!?

 

「あら、脅かすつもりはなかったのよ。」

 

絶対に嘘だ。顔がいたずら成功といわんばかりの笑顔だし。

 

「そのわりにめっちゃ笑顔じゃないか。」

 

「そんなことはいいじゃない。妖夢、お腹すいたわ~。今すぐごはん頼むね。」

 

「わかりました!!あ、聖人さんもどうです?」

 

「いや、俺は遠慮しとくよ。」

 

ぐぎゅるるるる!!ごぎゅるるるる!!

 

「コレハムシノナキゴエダヨ。ハラノオトジャナイヨ。」

 

「あははははは!!!」

 

「笑うなよ妖夢!!!」

 

何でこうも都合よく鳴るんだよ!センサーでも付いているのか!?

 

「じゃあ、とびきり美味しいのをつくりますね!」

 

そう言うと妖夢は笑顔で台所へ向かった。くそ、もう少し空気読めよ俺の腹の虫。

 

「妖夢に何したのかしら?」

 

「ちょっと昔話をな。ってかどうせ聞いてたんだろ幽々子?」

 

「ええ、最初からバッチリとねぇ。にしても二人のやり取りは見てて飽きないわ~。」

 

見せ物じゃないぞ全く。

 

「あの子には辛い思いをさせたわ。聖人、一つお願いがあるけどいいかしら?」

 

「何ですか?」

 

「白玉桜に住んでくれない?」

 

おお?予想外な提案をしてきたな?まあ住むのは構わないけど。

 

「どうしてなんだ?」

 

「あなたがいると妖夢は変われるような気がするのよ。今のままの妖夢じゃ駄目なのよ。」

 

「なるほど、わかったよ幽々子。」

 

でも、俺よりもあいつ(・・・)の方が適任っぽいんだよな。まあ来れるわけないし、頼まれるか。

 

「ありがとう聖人。」

 

「礼なんか言われる程じゃねえよ。」

 

その後、しばらく雑談しているととてもいい匂いがしてきたな。

 

「出来ましたよ!!」

 

「今行くわよ~。」

 

幽々子はそそくさと居間に向かったな。俺も向かうことにするか、実質二日ぶりくらいのまともなご飯だし。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

妖夢の料理はとても美味しかった。今まで料理を食べてきた中で一か二を争うくらい旨かったな。けど、幽々子の食べっぷりには驚いた。

 

「いや~よく食べたわ~。久しぶりにお腹一杯よ♪」

 

「一体何皿食べたんだ幽々子?」

 

数えきれない程の皿の数があるんだが?どこがどうなったらあんなに料理が入るんだよ?

 

「ご馳走さまでした。じゃあ私は皿洗いしてきますね。」

 

「俺も手伝うよ。」

 

「いや悪いですよ。」

 

「いいからいいから。一宿一飯の恩とでも言うだろ?」

 

ただ飯は流石にまずいからな。けどなんか妖夢は嬉しそうだな。まあ今まで一人でやってたからだろうな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「むむ、俺が呼ばれた気がしたぞ~。こりゃ一刻も早く聖人が消えた原因を調べないとね~。」

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