東方外遠記 【リメイク版】   作:宗也

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聖人VS幽香

名も無き平原

 

「なあ幽香、本当にやるのかよ。俺と幽香じゃ実力の差は歴然だと思うんだけど?」

 

「そうね、でも貴方の本当の実力が知りたいもの。」

 

どーも幽香に喧嘩を売られた聖人だ。今は太陽の畑から離れた平原に来ている。

 

「ルールはどうするんだ?」

 

周りは何もないな、はあ、何で目の前の美人とキャッキャウフフ(物理)しなくちゃならないんだ。

 

「それはどちらかが倒れるか、降参するまでよ。」

 

はぁ、一番めんどくさいルールだ。

 

「けど、降参なんてさせようとは思ってないわよ?貴方を徹底的に苛めてあげるわ。」

 

そう言いながら舌舐めずりしてきたぞ!?俺はとんでもない人に目を付けられたのか。

 

「まあ、精々楽しませて頂戴!」

 

そう言い幽香は目で捉えるのが難しいくらいのスピードで殴りかかってきた。それを手で受け止めるが、バチィィィィンっていう音がしたぞ!?

 

「へぇ、少しはやるみたいね。」

 

「そりゃどうも!!」

 

受け止めた瞬間にものすごい衝撃が来て手が痺れちまったよ。折れてないか不安だな。

 

「ふん、せい!!」

 

木刀で幽香に斬りかかるが、幽香は日傘を盾にして防ぐ。その日傘硬すぎだろ!!

 

「その日傘何で出来てるんだよ!?」

 

「レディに秘密は付き物よ。覚えておきなさい。」

 

その会話の後、俺と幽香は木刀と日傘で斬りあった。俺が木刀で横払いすると、幽香はそれを日傘で防ぎ空いてる手で殴ってくる。それを避けて回し蹴りを叩き込むが、幽香は体を捻らせて避ける。

 

「きりがないな。なら『オーバードライブlevel1』!!」

 

「きりがないね、あなたは気付かないのかしら?」

 

幽香は怪しい笑みで言ってくる。背筋が凍り付くからその笑み止めてほしいんだけど!?

 

「何が……っておいおい!!」

 

周りを見渡せば植物に囲まれていた。あの斬り合いの中でこんなことをしてくるのかよ!?

 

「私は『花を操る程度の能力』を持ってるのよ。こんなこと目を閉じてでも出来るわ。」

 

もっと平和な能力かと思ったがそうではないらしいな。周りの植物から妖力を感じるし。

 

「さて、貴方はこの集中砲火に耐えられるかしら」

 

幽香が指を鳴らすと周りの植物から一斉に弾幕が放たれた。

 

「嘘だろ!?」

 

それを必死に避ける、いやほぼ勘を頼りに動き回ってると言った方が正しいかもな。当たったら、想像したくねぇ。

 

「さあ、逃げ回りなさい!」

 

幽香はドSだな、おかげでこっちは袋の中の鼠状態だよまったく。でもいつまでも逃げてるわけにはいかない。

 

「剣符『イリュージョンソード』!!」

 

とにかくこの弾幕地帯から脱出するべく俺の前に見えている植物を鎌鼬で切り崩して脱出する。

 

「ふー、なんとかなったか。」

 

ん?幽香がいねえぞ?何処行きやがったんだ?

 

「フフ、まんまとかかってくれたわね。」

 

幽香の声がした方向を向くと、日傘を俺に突き付けて先端部分に力を溜めている幽香がいた。

 

「まずはあの地帯を突破したのは褒めてあげるわ。でも残念だったわね、私が突破された後の事を考えていないとでも思ったのかしら?」

 

流石は大妖怪と言われてるだけあるな。って落ち着いてる場合じゃねえ!!

 

「これは……もしかして。」

 

「そうよ、貴方はここでゲームオーバーよ。」

 

幽香の前から離れようとするが、ピタリとも自分の体が動かねえ!!

 

「動けねえ、何でだよ!!」

 

「話してる時に逃げられないように貴方の足に植物を絡ませておいたわ。」

 

足元を見れば植物の茎が足に絡まっていた。応用効きすぎだろ幽香の能力!!

 

「くそっ!!」

 

「もう遅いわよ。私の力は溜まった、後は放つだけ。」

 

そう言い幽香は俺に近付いて来る。何する気だ?

 

「どうして近付いてくんだよ?」

 

「それは貴方が恐怖で怯えてる姿を近くで見たいからよ。」

 

やべぇよこの人、ドSを通り越してるよ。必死に逃げようとするが中々に厳重に絡みついていているなちくしょう!

 

「大丈夫よ、そんなに怖がらなくても。痛みは一瞬だから。」

 

そう言いスペルカードを持って幽香はニヤリと笑った。

 

「花達の肥料にしてあげるから。『マスタースパーク』!!」

 

幽香の日傘の先端から太いビームが放たれた。俺は咄嗟に魔力と霊力で体を覆って守る。

 

「うわぁぁぁぁぁ!!!!」

 

予想外の衝撃が来て、足に絡まってた植物も焼かれて吹き飛ばされた。魔理沙の何倍の衝撃じゃねえかよ。

 

「うぐっ。」

 

吹き飛ばされた後、地面を何回がバウンドして止まった。なんとか死なずに済んだか。

 

「けど、マジかよ……。」

 

体のあちこちに火傷をしてるし、切り傷や擦り傷も多かった。

 

「あら、まだ死んでなかったのね。」

 

幽香は日傘をくるくる回しながらこっちに来た。表情は多少驚いているように見える。視界がぐわんぐわんしてよくわからねえ。

 

「威力は抑えた方だけど人間で生きていたのは貴方が初めてね。」

 

「冗談、だろ!?」

 

これで威力を抑えた方だなんて、力ありすぎだろ!

 

「でも次は手加減しないわよ。」

 

幽香は再び日傘をこっちに向けた。またあれをやる気か!?2度は喰らえねぇ!!

 

「ここに来たことを後悔しなさい。」

 

そう言うとさっきのビームが放たれた。ここで俺の人生は終わってしまった。

 

「って勝手に死ねるかっての!!」

 

まだやることはたくさん残ってんだよ!こんなところで死ねるか!

 

「でもこれを乗り切る方法は、出来れば使いたくなかったけど、仕方ないか。」

 

木刀に緑色のオーラを漂わせて盾にして、ビームを防ぐ。

 

「ふぅ、終わったわね、にしてももうちょっとやると思ってたのにつまらないわ。」

 

幽香が放ったビームが当たったところから煙が出てるのを気にしない様子で幽香は言った。

 

「まあ、お疲れさん。向こうで自分の行動を嘆きなさい。」

 

「そうかよ、それは無理だな。」

 

「!!!」

 

木刀で煙を払って幽香を見る。幽香は俺が生きていることに驚いているらしいな。

 

「どうして生きてるのよ!?私の最大のパワーで放ったのよ!!」

 

「教えると思うか!?『オーバードライブlevel3』!!」

 

更に身体能力を強化して幽香に真正面から突っ込む。幽香は急いでスペルカードを持ったな。

 

「真正面から突っ込むなんて、貴方はバカね。今度こそやられなさい!!花符『幻想郷の開花』!!」

 

幽香から大量の弾幕が現れた。なるほど、幽香のこのスペルの弾幕は花を参考にした弾幕なんだな。だから開花か。

 

「でも俺は何も考えてないで突っ込むとは限らないぞ?」

 

避けながら幽香に話しかける。避けてる間にも傷口から血が出るがそれを無視する。

 

「ハッタリね、今は避けられてるけど、これならどうかしら!?」

 

幽香は密度が濃すぎる弾幕を目の前で放ってきた。

 

「これで終わりよ!!」

 

まあ、普通なら諦めるよな。でもこっちにはとっておきがあるからな。

 

「終わるのは幽香の方だ。幻符『イマジネーションブレード』!!」

 

ビームを防いだ時みたいに木刀に緑色のオーラを漂わせて大量の弾幕を走りながら弾く。弾いた弾幕は全部粉々になった。

 

「嘘でしょ!!?」

 

幽香は目をぱちぱちさせながら驚いていた。その隙に幽香の首もとに木刀をつける。

 

「終わりだな。」

 

「まだ終わりじゃないわよ!!」

 

そう言い幽香は弾幕を放とうとするが、弾幕は一つも発生しなかった。良かった、上手くいったか。

 

「どうして弾幕が出せないのよ!!」

 

「それはこのスペルの効果さ。」

 

今は言えないけど、このスペルで幽香の弾幕を出せないようにしている。

 

「だったら!!」

 

次に日傘で殴りかかろうとするが、こうなることは分かっているんだよ!!

 

「それも推測済みだ。」

 

急いでスペルカードを取り出して。あったあった。

 

「想符『デュアルスパーク』!!」

 

幽香の日傘に向けて2つのレーザーを放った。幽香の日傘は吹き飛ばされ、遠くに飛んでいった。

 

「っ!!!なら!!」

 

幽香は俺に向かって拳で殴ろうとしてくる。幽香って思っていた以上に武闘派だよな。

 

「だから推測済みだって。」

 

左手で幽香に向かって雷を放つ。

 

「きゃああ!!!」

 

幽香は体を震わせた後、へなへなと座り込んだ。

 

「どうして!!力が、入らない。」

 

「それはさっきの雷で筋肉を麻痺させたからだ。」

 

原理はよくわからん。でも何故か出来る。

 

「さて、まだやるのか?」

 

でも、これは数十秒程度しか持たない。ここで降参してくれなかったら俺の負け。

 

「……私の負けでいいわよ。」

 

幽香は膨れっ面になりながら言った。ふう、『オーバードライブ』を解除してっと。

 

「さて、疲れたからそろそろ帰るかな。」

 

「ちょっと待ってよ!!力が入らないのよ!」

 

「もう治ってるよ。」

 

「本当だわ。」

 

幽香はすっと立ち上がるとそっぽ向いたな。

 

「……また暇な時来なさい。今度はお茶用意して待ってるから。」

 

「わかったよ。」

 

そう言い立ち去ろうとしたが、幽香に呼び止められる。

 

「ちょっと待って、どうして聖人は植物を木刀の鎌鼬で切ったのよ?てっきりもう片方の刀で斬ってくると思ってたのに。」

 

「まあ、そっちの方がてっとり早いんだけど、植物も生きてるだろ?それを斬るのはちょっとな。鎌鼬ならすぐに再生出来るようにしておけるから。」

 

鎌鼬で斬った後、植物は元に戻しておいたからな。もし刀で斬ったとなれば治すところが増えて面倒くさくなるし。

 

「そう、聖人は植物や花も生きてると思ってるのね」

 

「当たり前だ。もう失いたくないしな。」

 

そう言い白玉桜へ帰る。マジで疲れた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

白玉桜

 

「ただいま。」

 

「おかえりなさいつってどうしたんですかその傷!!」

 

ここに帰った後すぐ妖夢に見つかってしまった。妖夢は俺の姿を見た瞬間にギョッとした表情をしたな。

 

「いや、ちょっとね。」

 

「ちょっとじゃないですよ!!何して来たんですか!?」

 

マジで?おおう、改めて自分の体を見てみると思った以上にボロボロだな。よく帰れたもんだな。

 

「落ち着きなさい妖夢。男の子は傷を負ってくるのに憧れてるのよ。」

 

「幽々子、そんなんじゃないから。」

 

それは余程のドMじゃないとやらないぞ。

 

「ちょっと幽香と戦ってきた。」

 

「ええっっ!!!?」

 

「いやはや、強かったな。」

 

「よく生きてますね!!」

 

本当にギリギリだったけどな。

 

「妖夢お腹すいた~。」

 

「わかりました。聖人さんはしばらく大人しくしてくださいよ!」

 

「はいはい。」

 

そう言いながら居間に向かう。全く、今日は災難だったな。

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