「さて、巫女さん、一ついいかな?」
「……………………。」
良太はハンドガンを構えながら聞いたが、霊夢は黙ったままだった。
「操られてないんでしょう?いや、操られてたふりをしていたということですよね?」
「……なぜわかったのかしら?」
操られていないことを見抜かれた霊夢は目を見開くが、すぐに元に戻した。
「目を見ればわかりますよ。巫女さんは自分の意思で動いてますからね。」
「流石聖人の弟ね。後、私は博麗霊夢という名前があるのよ。」
「誉め言葉として受け取っておきますよ。じゃあ霊夢さん、これからすることは?」
「わかるわよね?」
良太はハンドガンの残弾を確認しながら霊夢に聞く。霊夢はお祓い棒と御札を持ち。
「話が早いわ。さあ構えなさい!!」
「女の子には関わりたくないんですがねえ。それに女の子を殴る訳にはいかないですし。」
良太は頭をポリポリかきながら呟く。その様子を見て霊夢はため息をつきながら。
「どこまでそっくりなのよ。」
そう言い霊夢は良太に向けてお札を投げてきた。しかし、良太はそれを軽くかわす。
「武器がお札とお払い棒ですか。神社の道具をそんな風にして使ってもいいんですか?」
「巫女なんだから当たり前でしょう?それにこれは神社で使うものを改造したものよ。」
そう言い霊夢は近づき、良太に向けてお払い棒で殴ってきた。
「おっと、危ないですよ。」
良太は手でそれを受け止める。それを見た霊夢は少し笑って。
「へえ、外来人のくせにやるじゃない。」
「そりゃどうもです。けど、俺は普通の外来人じゃないんですよ!」
「なるほどね、じゃあ少し本気を出すわよ。夢符『封魔陣』!!」
「これはすごいですね。外の世界では見たことがないです。」
そう言いながらも良太は霊夢のスペルの弾幕を当たるか当たらないかのギリギリでかわす。
「何で当たらないのよ!?」
霊夢は少し苛ついているようだ。良太はすました顔をしながら。
「何ででしょうね?もっとよく見て当てた方がいいんじゃないですか?」
そうこうしている間に霊夢のスペルがブレイクした。
「いいわ、次、霊符『夢想封印』!!」
「なかなかきれいですね。自分のところに来なければずっと見ていたいですね。」
「この弾幕はホーミング付きよ。避けられるかしらね?」
そう言い霊夢は夢想封印を良太に向けて放った。良太は走って弾幕を撒こうとするが、ホーミングが付いてるため、撒けなかった。
「しつこい弾幕ですね。じゃあこちらもスペルを使いますよ。」
そう言い良太は銃をスライドし、弾幕が1列に並んだ時に。
「銃符『フレアバレット』!!」
そう言いトリガーを引いた。すると銃から赤い弾幕が大量に出てきて、全ての夢想封印の弾幕を相殺した。
「へぇー、これも攻略するのね。」
霊夢は夢想封印が突破されたのになぜか笑っていた。良太はその原因を考えていると。
「痛っ!!」
良太の背中から痛みが走った。どうやら全ては相殺できなかったようだ。
「もしものために、隠しておいてよかったわ。」
「迂闊でしたね。注意力が散漫だなぁ。もっと集中することにしますか。」
「そう言ってる時点で駄目なのよ。」
「どういう!?」
良太がそう言いかけた時、霊夢は良太の後ろに回り込み、良太の頭を地面に叩き付けた。
「うっ!!くっ、くそ!」
良太は起き上がろうとするがぴくりとも体が動かなかった。
「所詮は外来人、私からしてみればあんたはちょっと強い中級妖怪くらいの力よ。」
「舐められたもんですね!!」
良太は起き上がろうとはせず、霊夢の足目掛けて弾幕を放つ。
「じゃあこれならどうかしら?霊符『夢想封印 集』!」
霊夢は弾幕を避けると同時にスペルを放つ。
「痛い痛い……、ってさっきと同じじゃないですか。」
「そうかしら?」
夢想封印と同じ弾幕だか良太の周りを囲んで一気に襲ってきた。
「そうきたんですね。なら俺も、銃符『クイックターン』!!」
良太は2丁拳銃にし、体を回転させながら弾幕を打ち、霊夢の弾幕を全て相殺させる。
「これも突破するなんてね。」
「よそ見をしている場合じゃないですよ。」
「何を!!!」
良太が霊夢に銃を突き付けると、さっき良太の放った弾幕が一斉に霊夢に襲いかかっていく。
「ちょ!!くっ!!」
霊夢はお祓い棒で弾幕を弾いたりして、ぎりぎりのところで回避する。
「はあ、危ないわねぇ……。」
霊夢の様子を見た良太はもう1枚スペルカードを取り出す。
「休んでる暇はありませんよ。銃符『オーバーショット』!!」
そう言い良太は2丁拳銃で大量の弾幕を放った。霊夢は御札を投げたり、飛んだりして避けていったが、段々捌ききれなくなっていく。
「まずいわね、霊符『二重結界』!!」
霊夢は結界で防御しようとするが、良太の放った弾幕は結界を貫通してくる。
「なっ、なんなのよ!?」
「これを待っていたんですよ。霊夢さんが結界を使う時をね!」
「きゃあああ!!」
霊夢はスペルを使った硬直で、動くのが遅れていくらか被弾し、倒れた。
「少し、効いたわね。」
霊夢は息を吐きながら立ち上がる。
「ん? まだ立ち上がりますか。」
「当たり前よ。こんなので倒れてたら博麗の巫女失格よ。」
「今ので決めたかったんですけどね。」
「私以外なら決まっていたわね。けど、あんたは私を怒らせた。これであんたの負けよ。『夢想天生』!!」
そう言うと霊夢の体は半透明になった。良太は試しに銃で弾幕を放ったが、霊夢の体を通り過ぎていった。
「あれ?当たらない?」
「隙だらけね。亜空穴!!」
そう言い霊夢はもう1回良太の後ろに回り込んで地面に叩き付ける。
「ま、た、ですか!?」
「今度は私に弾幕を放っても無駄よ。」
「だったら!!」
良太は両手に力を入れて起き上がろうとするが、やはりびくともしなかった。
「……これが現実よ。あんたは私を助けようとしたけど、無駄だったわね。」
「無駄じゃない!絶対に助ける!!」
「だったら!起き上がってみなさいよ!!」
「くそおおおおお!!!」
だが、霊夢の方が力が強いため、良太は起き上がることはできなかった。
「ほら見なさい。私の力に負ける時点で助けることなんて不可能なのよ。綺麗事は他所で言ってくれない?虫酸が走るのよね。」
「綺麗事で終わらせてたまるかよ!!」
良太は銃口を地面に付けて弾幕を放ち、体を浮かせた。
「!!!」
霊夢は思わず手を離し、距離を取った。良太は空中で回転しながら霊夢に弾幕を放つがどれも霊夢の体をすり抜けていった。
「このスペルは全ての理から浮くことが出来るのよ。これであんたの攻撃は通らないわよ。さあ、覚悟しなさい!!」
けど、その様子を見て良太は溜め息をついた。
「ちょっとどういうつもりかしら?もしかして降参するつもりなのかしら?」
「いや、今の霊夢さんを見ていると、なんか惨めだなと思いましてね。」
予想していなかった台詞を良太に言われ、霊夢は驚愕の表情を浮かべながら良太を睨み付ける。
「なっ、誰が惨めよ!?」
「もっと自由に生きたらどうですか?」
「うるさいわよ!!何も知らないあんたなんかと一緒にするな!!」
霊夢は顔を真っ赤にしながら怒鳴り声で叫ぶが、良太はそれを見て哀れみの眼差しを霊夢に向けていた。
「私だって自由に生きたいわよ。もっと自分の好きなことをしたいわよ!!もっと皆と遊んだりしたいわよ!!けど、私は博麗の巫女なのよ!!誰かに気安く関わってはいけないのよ!!私は本当はなりたくなかったのよ!!けど仕方なかったのよ!!」
「……………………。」
霊夢の言うことを良太は黙って聞いていた。
「これは博麗の掟なのよ。破ってはいけないのよ!!」
霊夢はいつの間にか目から涙を流していた。その姿は外見と変わらない年頃の少女だった。
「くだらねぇ、本当にくだらねぇ。」
良太はそう吐き捨てその言葉を聞いた霊夢は良太を更に鋭い目付きで睨み付ける。
「くだらないですって?」
「ああ、俺はそう言ったよ。掟、掟ってあんたは餓鬼か?んなくだらねぇもんに縛られやがって。」
「うるさいわね!!あんたなんかに私の気持ちがわかるの!?」
霊夢は良太に封魔針や御札弾幕を放つが、良太はそれを銃口から出す弾幕で全て相殺させる。
「知らねえよ。俺は博麗の巫女になったことがないからわかるわけないだろ。」
「だったら!!」
「だったら言うなって?はあ、巫女さんは意外と頭かてえな。簡単な話だろ。スペルカードルールもあんたが考えたんだろ?」
「どうして知ってるのよ?」
「そんなことはどうでもいい。だったら掟もお前が変えちまえよ。」
良太の台詞に霊夢が一瞬動揺したが、すぐに首を横に振る。
「そんなこと!!」
「できるわけないって?確かに厳しいとは思う。けど当代の博麗の巫女は誰だ?」
「………………。」
「その様子じゃ一人じゃ無理だって感じですね。けど、一人じゃ辛いなら。」
良太は一呼吸置いて。
「俺がなんとかしますよ。」
「無理よ。外来人なんかに私の支えになることなんて出来ないわよ。」
「んなのはやってみないとわからない。」
そう言い良太はスペルカードを取り出し、2丁の銃を懐にしまった。
「とりあえずこの戦いを終わらせる。それでいいですね?」
「……この技は無敵よ。どんな攻撃を受け付けないわよ。」
霊夢はそう言うが、良太は不敵な笑みを浮かべて狙撃用のライフルを取り出して構える。
「それはどうかな。銃符『トゥルー・ザ・ワールド』!!」
良太はスペルを宣言し後ろに吹っ飛ばされながらも引き金を引いた。
「(この技は無敵、何をしても「ズドン!!」えっ?」
良太の放った弾幕は霊夢の体を素通りせずに、直撃した。
「どう、して?」
「それは俺の能力『全てを撃ち抜く程度の能力』のおかげだ。まあ最後のあれはこのスペルを使わなければならなかったんですけどね。」
ライフルをしまいながら良太は霊夢に説明し、霊夢は前のめりに倒れこんだ。
「おっと、それより外しますか。」
良太は霊夢の背中に付いていた機械を外し、外したと同時に絢斗が来る。
「お疲れ~。良太も強くなったね~。」
「まだまだですよ、さて、だいだい終わったんですか?」
「終わったよ~。あとはあいつをぶっ潰すだけだね~。」
絢斗がニヤリと笑うと良太もニヤリと笑い、聖人がいる所に歩いていった。