複数主人公の復活トリップ夢小説(名前あり) 作:夢豚のソテー
「オレの眠りを妨げるなんて、いい度胸じゃないか」
目の前に突きつけられたのは、銃口。
それを握っているのは、なぜかどう見ても5歳にもいってないような子どもだ。
────って…あり得ない状況にもほどがあるだろおおおお!!!!!
そう佐藤七歌こと、わたしは思った。
子どもが銃を持ってることなどはこの際どうでもいい。世界にはもしかしたら幼い子どもが銃を所持してるのが普通で、それを突きつけるのが親愛の情を示す挨拶だという国が存在するのかもしれない。たぶん。もしかして。
しかしその子どもはナナカのよく知っている子ども、そして常識で考えれば考えるほど、その子どもは目の前にいるはずがない。
むしろ、居ちゃいけない。その事実がなおのこと、ナナカの頭を混乱させていた。
だって、その子どもの、名前は……!
「何か言い残すことはないか?」
「りっ…りりり……」
「「リボーン!!!????」」
ナナカの叫びと、部屋にものすごい勢いで飛び込んできた少年の絶叫がかぶった。
ものすごい癖のある髪なのか、かなり重力を無視したような髪型の気の弱そうな少年が悲痛な声で続ける。
「誰だよこの子!? やめろよウチで人殺すなよ!!」
大声でまくしたてる少年。彼のこともまた、ナナカはよく知っていて──……
「つ、ツナー!!!!!??」
頭が真っ白になり、とりあえずあまりにもあんまりな現実から逃避するために、その場で卒倒した。
佐藤ナナカはごくごく普通の、そして平凡な、ただの中学生だ。
そんな彼女はつい1時間前まで、確実に日本に居た。学校から帰る途中、ある歌が聞こえるまでは。
〜大空に 手をかざせばほら
離れていても 手と手つなげる〜
ナナカはこの曲を知っていた。なんで?と思った。
だってこんなところで聞こえるはずがない。こんな街中の交差点にはとても不似合いな曲だったからだ。
しかし、なんとはなしに口ずさんでしまう。
これが…失敗だったのかもしれない。
「守りたい笑顔 眩しさに 生きる僕らは そう………」
最後の歌詞を言った、その瞬間、視界が暗転した。
それはまるでコントか、もしくは子ども向けアニメのように。
「……そして、この状況に至ったわけです……」
「え…っと、それ、ホント?」
「この状況で嘘ついてどうするの……」
ナナカはため息をついた。
あまりに唐突すぎて、この状況を分析したり楽しんだりする余裕もない。
混乱と驚きと興奮が4:5:1くらいの割合で頭を支配していた。
「まて。そういや、そんな話を聞いたことがあるぞ」
リボーンの声に、2人は視線を落とした。
「リボーン、ほんとかよ?」
「ああ、なんでも時々、この世界とはズレた世界から人間が落ちてくるとかなんとか……」
マジでか……と2人分のつぶやきが聞こえる。
じゃあこれ、夢じゃないんだ。ほんとにリボーンの世界に、並盛に来ちゃったんだ。
そう思ったら、ちょっと悲しくなってきた。ここでは家族も友達も知り合いも、誰もいない。
普通の人は別の世界から来たなんて言っても信じてくれないだろうし。
元の世界に帰りたい。
「わたしこれから……どうしよう……」
「ズレた世界から落ちてきたのが本当なら、他にも落ちてきたやつがいるはずだぞ」
その言葉に、ナナカは顔を上げた。
「ほ、ほんとですか!?」
「言い伝えではそうなってるな。たぶん、あと3人くらいはいるはずだ」
自分と同じように落ちてきた人がいる。
なんだか理由は分からないけど、自分はその人たちを知っているような予感がした。
「オレの情報網を使って、探してやろうか?」
「お、お願いします!!」
まず、その人たちを探すことができれば、次にやるべきことが分かるかもしれない。
これも何の根拠もないただの直感だが。でも、そうなる気がした。
「その間はここに住むといい」
「な、何勝手に決めてるんだよ!!?」
「女には優しくするもんだ。マフィアってのはな」
「お、お世話になりまーす」
おいおい…と頭を抱えながら、ツナは了承してくれたようだ。
「と、名前聞いてなかった!オレは沢田綱吉」
知ってるよ、と思いつつナナカは名乗った。
「わたしは佐藤ナナカだよ。よろしくね」