それからも、それがし理伊 茶乃介は、刀を鍛え、訓練所で力を磨きながら任務をこなしていったでござる。
そのかいあって、コボルドが2~3匹ぐらいなら、なんとか相手ができるようになったでござる。
さてさて。そんなそれがしがある日、護衛任務を受けた時のこと。
「おうおう、見逃してほしくば……」
そう、いつぞやそれがしが遭遇した強盗団がまた現れたのでござる!
その瞬間、それがしの頭で高速演算がなされたのでござった。
・立ち向かう→瞬殺
・お金を渡す→野垂れ死に
答え:逃走
「依頼主殿、逃げるでござるぞ!」
「わ、わかった」
かくしてそれがしは、大急ぎで奴らから逃げ出した。
どちらの死にざまもそれがしはご免でござるからな。
* * * * *
さてさて、そして依頼を重ねながら修練を積むうち、それがしは恩恵札が使えるぐらい賢くなったので、さっそく購入したでござる。
これで、自分で回復もできるようになったし、戦いが楽になるでござるな。
そう思いながら、酒場に入ると、美しく、また賢そうな女性が!
これはぜひ、仲間に誘わなければ!
そう思い、彼女に駆け寄り声をかけたのでござるが……。
「私、あなたとは性格があわないから嫌なの」
彼女はそう言って去っていったでござる……がーん、がーん、がーん……。
* * * * *
しかし、そんなそれがしにも、ついに春が来たでござる!
華菜という女性を仲間に誘ったら、OKをもらえたでござる!
ひゃっはー!……こほん。人物が一瞬壊れたでござる。
しかし、好事魔多し。
その数日後、初の討伐任務に挑むも、その討伐対象の怪物の攻撃力の前に力尽きる……という夢を見た翌日、それがしは討伐任務を受けたのでござるが……。
「な、なんでござるか、この怪物の攻撃力は!? 回復が手一杯でなかなか攻撃ができないではござらぬか!? も、もしかしてあれは正夢……?」
「グアアアアア!!」
「ぎゃあああああ!!」
それがしが何度目かの回復をしようと思った直後、怪物はそれがしにかみついた!
奴の牙が、それがしの鎧を砕き、肉を貫き、臓腑をかみちぎる感触が体を駆け抜け、それがしの意識は遠くなっていった……!
地面にたたきつけられたそれがし、それがしが見た最期の光景は、華菜殿が、怪物の爪で真っ二つに切り裂かれるところでござった……。
* * * * *
「という悪夢を見たのでござるよ」
「それは災難でしたね。あ、また敵が来ましたよ」
「うむ、いくでござるぞ!」
そしてそれがしと華菜殿は、退治依頼で、あるダンジョンに潜っているところでござる。
幸い、ここの敵は、かなり強力で倒すのに苦労するのでござるが、夢の中の怪物よりはましでござるので、なんとか依頼を順調に進めているでござる。が……。
「えーと、あそこにはどう行けのばいいのでござろうか……?」
「えーと、この道をこう……いえ、違いますね。ここをこう……」
このダンジョンは道がかなり入り組んでいて、しかも階段もあちこちにあるので、そこに行くのはどう行けばいいのか、本当に迷いやすいのでござる。それでもなんとか……。
「せいっ!」
「ぴぎゃー!!」
ばたりこ。
それがしの刀の一閃で、最後の河童は倒れ伏したでござる。
ふぅ、これで退治依頼は完了でござるな。
かくして、無事に依頼を終えたそれがしは、酒場で報酬の金貨をもらって華菜殿と山分けし、ほくほくして次の街に出発!
……したのでござるが……。
「茶乃介! その命、いただくわ!」
「なんとぉ!?」