マシュ・キリエライト、そして藤丸立香。
突如として出現した2人組の少女。
群がる怪物達を相手に立つ2人の背中を、光侍と葦咫は唖然とした様子で見つめていた。
「マシュ、行ける?」
「はい、大丈夫、です……これくらいの相手なら……!」
敵との距離を保ちつつ、小声でやり取りするマシュと立香。
だが、マシュの返答は何処かぎこちない。巨大な盾を構える高さも下がり気味だ。
「――迎撃!」
「はい!!」
立香は承知していた。マシュの体の不調を。だとしても、マシュは決して音を上げる事は無いのだろうと言う事も。
故にあまり時間はかけられないと言う事も。
「はあぁッ!!」
刀を振り上げるスケルトン兵の太刀筋を見極め、バックステップで回避した後、
レンジ外から横薙ぎの盾で粉々に打ち砕く。
堅牢な盾は守ると同時に、強力な武器としても機能する。
(行ける……これなら……!)
倒せない相手ではない。各個撃破。少しずつ数を減らしていけば。
「ふっ! やあぁッ!!」
敵を近寄らせないように立ち回るマシュ。すると、今度は槍を携えたスケルトン兵が強襲する。
「くっ……!!」
マシュの戦い方を学習したのか、今度はスケルトン兵が間合いの外から槍を突き出して攻めてくる。
反撃をしようにも、攻めの手が今一歩足りない。防戦一方を余儀なくされる。
そこにつけ込み、他のスケルトン兵も便乗して一気に攻め立ててきた。
「いけない! このままじゃマシュが……!」
「はぁ……! はぁ……!!」
押し込まれるマシュ。息が切れる。汗が伝い落ちる。集中力が途切れ始める。
「――マシュ。無理はしないように」
「!? アルトリア卿!?」
精悍なる声と共に、一陣の風がマシュの横を通り抜ける。次の瞬間、マシュに集中攻撃を仕掛けていたスケルトン兵5体が
バラバラに吹き飛び、その中心には刀身の無い剣を携えた金髪の少女騎士が立っていた。
騎士王、アルトリア・ペンドラゴン。
「そうそう。戦いは本業に任せな!」
さらに、赤い閃光が戦場に駆け抜け、残る敵を残らず刺し貫く。それは一振りの槍。
役目を終え、主の手へと吸い込まれるようにして戻っていく槍を受け取る、
逆立つ青髪、長身体躯の男。
光の御子、クー・フーリン。
セイバーとランサー。
アルトリアとクー・フーリンの登場により、均衡していた戦況は一気に覆され、戦いは終局を迎える。
「マシュ、やっぱり体が……」
「はぁ、はぁ、す、すみません、マスター……」
緊張の糸が解け、マシュの姿が甲冑から非戦闘用の制服へと変わった。
駆け寄る立香に体を預けるようにして項垂れる。
「ほえぇ……す、凄い……」
「一体、あの連中は……」
新世界を訪れた早々、波乱を含んだ出遭いを果たした光侍と立香たち。
彼らを待ち受ける運命とは……