undesired enders   作:tCADE

10 / 16
「騎士王と光の御子」

マシュ・キリエライト、そして藤丸立香。

突如として出現した2人組の少女。

群がる怪物達を相手に立つ2人の背中を、光侍と葦咫は唖然とした様子で見つめていた。

 

「マシュ、行ける?」

「はい、大丈夫、です……これくらいの相手なら……!」

 

 敵との距離を保ちつつ、小声でやり取りするマシュと立香。

だが、マシュの返答は何処かぎこちない。巨大な盾を構える高さも下がり気味だ。

 

「――迎撃!」

「はい!!」

 

 立香は承知していた。マシュの体の不調を。だとしても、マシュは決して音を上げる事は無いのだろうと言う事も。

故にあまり時間はかけられないと言う事も。

 

「はあぁッ!!」

 

 刀を振り上げるスケルトン兵の太刀筋を見極め、バックステップで回避した後、

レンジ外から横薙ぎの盾で粉々に打ち砕く。

堅牢な盾は守ると同時に、強力な武器としても機能する。

 

(行ける……これなら……!)

 

 倒せない相手ではない。各個撃破。少しずつ数を減らしていけば。

 

「ふっ! やあぁッ!!」

 

 敵を近寄らせないように立ち回るマシュ。すると、今度は槍を携えたスケルトン兵が強襲する。

 

「くっ……!!」

 

 マシュの戦い方を学習したのか、今度はスケルトン兵が間合いの外から槍を突き出して攻めてくる。

反撃をしようにも、攻めの手が今一歩足りない。防戦一方を余儀なくされる。

そこにつけ込み、他のスケルトン兵も便乗して一気に攻め立ててきた。

 

「いけない! このままじゃマシュが……!」

「はぁ……! はぁ……!!」

 

 押し込まれるマシュ。息が切れる。汗が伝い落ちる。集中力が途切れ始める。

 

「――マシュ。無理はしないように」

「!? アルトリア卿!?」

 

 精悍なる声と共に、一陣の風がマシュの横を通り抜ける。次の瞬間、マシュに集中攻撃を仕掛けていたスケルトン兵5体が

バラバラに吹き飛び、その中心には刀身の無い剣を携えた金髪の少女騎士が立っていた。

 

 騎士王、アルトリア・ペンドラゴン。

 

「そうそう。戦いは本業に任せな!」

 

 さらに、赤い閃光が戦場に駆け抜け、残る敵を残らず刺し貫く。それは一振りの槍。

役目を終え、主の手へと吸い込まれるようにして戻っていく槍を受け取る、

逆立つ青髪、長身体躯の男。

 

 光の御子、クー・フーリン。

 

 セイバーとランサー。

アルトリアとクー・フーリンの登場により、均衡していた戦況は一気に覆され、戦いは終局を迎える。

 

「マシュ、やっぱり体が……」

「はぁ、はぁ、す、すみません、マスター……」

 

 緊張の糸が解け、マシュの姿が甲冑から非戦闘用の制服へと変わった。

駆け寄る立香に体を預けるようにして項垂れる。

 

「ほえぇ……す、凄い……」

「一体、あの連中は……」

 

 新世界を訪れた早々、波乱を含んだ出遭いを果たした光侍と立香たち。

彼らを待ち受ける運命とは……

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。