undesired enders   作:tCADE

16 / 16
「行こうぜブロリー! 目指すは破壊神の星」

 世界に迫りつつある新たな脅威に気づく由も無く、ブロリーが暮らす

惑星バンパにやってきた孫悟空は

早速ブロリーとの修行に取り掛かっていた。

 

「うっし、いっちょやってみっか!」

 

 気合充分の悟空はそれぞれ離れた岩山の頂きに立つブロリーと向かい合うや否や、

静かに構える。

その構えは悟空の原点とも言える亀仙流に由来したもので、

相手の出方を窺いつつ

隙を突くというものだ。一方ブロリーはと言えば、そんな悟空の様子など意にも介さず、

無造作に突っ込んでくる。

 

「でぇああああああッ!!」

「おわっと!?」

 

 悟空が立っていた岩山がブロリーの鉄拳で砕け散る慌てて避けるも、

次の瞬間にはまたもブロリーが飛び掛かってきた。

 

 

「ぬあああああああああああああッ……!!」

 

力任せに飛んでくるブロリーの攻撃を、悟空は冷静に、そして確実に捌きながら語り聞かせる。

 

「いいか、ブロリー。おめえは確かに強ええが、キレちまうと周りが何にも見えなくなっちまう」

「……!!」

 

「オラが相手してやるからよ、とりあえず落ち着いて戦ってみろ。

そうすりゃ、もっと強くなれらぁ」

「わ、分かった……」

 

 こうして悟空の指導のもと、ブロリーは少しずつ戦闘経験を積んでいくこととなった。

 

「ふう、腹減ったな。ブロリー、メシにすっぞー」

「う、うん」

 

 修行を切り上げ、悟空の声に反応したブロリーはすぐに駆け寄ってくる。

 

「アンタら、よく飽きもせず毎日のように殴り合ってられるねぇ」

 

 呆れ顔で眺めるのはブロリーを追ってこの星を訪れたチライである。

 

「オラはまだまだ全然本気じゃねえけどな。ブロリーもだけんどよ」

「……そうなんだ」

 

 ブロリーの凄まじいまでのパワーを目の当たりにしておきながら、

それでもなお余裕綽々の態度を見せる悟空に、チライは改めて驚愕するばかりであった。

 

「それがサイヤ人ってもんなんだろうよ」

 

 レモが料理を運んできた。

 

「ほれ、出来たぞ」

「おお! 待ってましたあ!!」

 

 目を輝かせる悟空の隣では、チライもまた期待に満ちた表情を浮かべている。

 

「いただきます!」

 

4人は仲良く食事を始めるのだが、その様子を見たレモは思わず呟いた。

 

「相変わらず良い食いっぷりだな。作り甲斐があるってもんだぜ」

「へへっ、そっかぁ? でもよ、ホントにうめえもんばっかり食わせてくれるからさ。

ついつい食べ過ぎちまうんだよな」

「そう言ってくれるなら何よりだ。これからも腕によりをかけて作るとするかな」

 

「ところでさ、フリーザってやっぱり今でもブロリーの事スカウトしようとしてんのかな?」

 

フリーザは自らの軍を再建すべく、宇宙の各地から屈強な戦士を部下として

引き抜こうとしていた。

レモ、チライ、ブロリー。

皆、宇宙の帝王フリーザの戦力として各地から招集された者たちであったが、

それが今や不思議な縁で結ばれている。

 

「そうだなあ。いずれはこの星に来てまたブロリーを悪い事に利用しようとすっかも知んねえな」

 

 実際、フリーザがブロリーを引き連れて地球にやって来た時は悟空やベジータでも

手に負えない程の大騒動となった。

ブロリーは黙々と食事を続けながらも、

 

「……あの時みたいにならないように頑張る……」と決意を新たにする。

 

 それから幾許かの月日が経過したが、

特にこれといった出来事もなく日々は穏やかに流れていった。

 

そんなある日のこと。

 

「おい、ブロリー。ちょっといいか」

「うん……」

 

 いつものように修行に励むべく外へ出た2人だったが、

その日に限って何故か一向に組手を始めようとしない。

 

「良い事思いついたんだ。フリーザがそう簡単に来れねえ場所」

「どこ……?」

 

「ビルス様ン所さ。あそこならここからも大分離れてるし何よりビルス様が相手じゃ

流石のフリーザも怖くて手が出せねえんじゃないのかなって思ってよ」

 

「なるほど……それは一理あるかも」

「だろ? そんじゃあ早速オラの瞬間移動で行くぞ」

 

 こうして悟空とブロリーはチライ、レモを連れ、破壊神ビルスの住む惑星へと

赴いたのであった。

 

「おっ、ビルス様。ウイスさんも」

「何だぁ? 悟空か……」

「おや、これは珍しいお客様ですねぇ」

 

 悟空たちの姿を見るなり、ビルスは露骨に嫌そうな顔をした。

ちょうど『例の事件』について頭を悩ませていたところだったからだ。

 

「お前たちまで来たということは何か厄介事でも抱えてきたんじゃないだろうな?」

「そんなことねえって」

「それにゾロゾロ知らん顔を連れて来て、まさか僕に押し付けるつもりじゃなかろうな?」

 

「押しつけるなんてとんでもねえ。ただちょっと頼みがあってさ」

「頼みだとぉ!? ボクの手を煩わせるような真似をした日には承知せんぞ!!」

 

「そんな怒ることないじゃんか。こいつ、ブロリーっちゅうんだけど

フリーザに追われててさ。何とかしてえと思って連れて来たんだ」

「ふむ、それは構わないのですが、こちらも少々厄介な事になっていましてねえ」

 

 ウイスは軽く溜め息をついた。

 

「実は突如として星々が消滅する現象が多発しているんです」

「星々が消滅ぅ~? そりゃ一体どういうことだ?」

 

 悟空の問いに対し、ウイスが説明を始めた。

 

「どうにも何らかの力によって星々が次々と消滅しているみたいなんですよ」

「消滅した星の奴らはどうなったんだ?」

「丸ごと消えている。最初からいなかったかのようにな」

 

「何だって!? もしかしてフリーザの仕業か?」

「いいえ、何者かが破壊したのではなく、自然現象に近い様子でして……

いずれにせよ、このまま放っておくわけにはいかないでしょう」

 

「そのブロリーとか言うのと、そっちの……」

「はい、チライと言います」

「レモです……」

「チライ、か。かわいいな……よし、そいつらは預かっといてやるから

悟空、お前はその不可思議な現象について調べてこい」

 

「何だか妙な事になってるみてえだが、サンキュー、ビルス様!

ところで、オラは何処に行けばいいんだ?」

 

「どうやら銀河連邦警察もこの件について調査しているようですよ。

あちらの方角にある気を探ってごらんなさい」

「オッケー。そんじゃ行ってくらあ!」

 

 こうして悟空はウイスの言う気を辿って再び瞬間移動し、

チライたちはビルスと共にこの場に残ることとなった。

 

「ビルス様。ホントはご自分で動くのがめんどくさ~い、なんて思ってたのでは?」

「馬鹿言え、そんな事は無い。それよりそっちのチライとか言う娘。

一緒にアイスでも食わんか?」

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
※参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。