undesired enders   作:tCADE

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「世界消失の危機! お前の出番だ孫悟空!」

 

――世界は無数に存在する。

 

 本来、それらは交わる事は無い。

世界と世界を隔てる壁によって、お互いを認識する事も無い。

 

 世界が変われば、その世界を司る理も変わる。

一方で悪とされる事象も、もう一方の世界では善であると言う場合もある。

 

 互いに干渉し合わない…名付けるなら「ユニバーサル・ディスタンス」。

それを保つ事によって世界は存続し続ける事が出来るのだ。

しかし、その調和は長くは続かなかった。

 

 ユニバーサル・ディスタンスを踏み越え、別世界への侵略を目論む者たちの暗躍。

或いは人知を超越したオーバーテクノロジーによって世界を隔てる壁は脆くも崩れ去った。

そう言った事件は枚挙に暇が無い。

 

 踏み躙られた平和と秩序を取り戻す……

その心をひとつに合わせ、出自や境遇を超えて手を取り合った英雄たちがいる。

彼らの活躍で世界は守られた。

 

 だが、それも今は昔の話。

謎の少女・ペルフェクタリアが語ったように、

世界そのものが何の前触れも無く消失する事件が後を絶たなかった。

その原因は一切不明。世界消失を観測する事が可能な者はほんの一握り。

さらに、観測する事は出来ても

その事象を食い止める事はほぼ不可能に近かった。

 

 天変地異とも、戦争行為とも違う、世界消失の謎。その対応に臨もうとする者たちがいた。

 

「またひとつ、世界が消えた…」

「ふぅむ。これで何件目でしたかねぇ」

 

 人間が足を踏み入れざる領域。豊かな自然に囲まれた静かな場所。

空中に映し出したビジョンが、世界の終わりを観測する。

その様子を眺める猫型の獣人と、その付き人。

 

それこそが、破壊神ビルス。そして破壊神のお目付け役である天使のウイスだ。

 

「破壊神であるビルス様以外に、このような芸当が出来る者がいるとは」

「何処のどいつだ、ボクを差し置いて勝手な事を…見つけ出して破壊してやる…!!」

 

 物腰柔らかなウイスと相反して、破壊神ビルスはまさに怒り心頭と言った様子だ。

その名の如く破壊を司る神たるビルスの意志ひとつで宇宙そのものを消し去る事さえ容易い事。

 

「ビルス様でないとすると…全王様のご判断でしょうか」

「げっ…! ぜ、全王様だとォ…?」

 

その破壊神さえも頭が上がらない存在、全王。その名を聞くだけで怒りも霧散する。

 

「ビルス様が破壊神としての仕事をサボってばかりいるから、全王様がお怒りでいらっしゃるとか…」

「そ、そんなわけあるか…ボクは至って真面目に破壊神としての職務を全うしているだろうが! うん、多分、きっと…」

 

「このままですと、いずれ我々がいるこの世界もある日突然パッ! っと消えちゃうかも知れませんねぇ」

「冗談じゃない…破壊神が誰かに破壊されるなんて笑い話にもならん! 何とかせねば…!!」

 

 

 

――惑星バンパ。

 

 水も無い、荒れ果て渇ききった星。

そこに、彼はいた。

 

「よう、ブロリー! 今日もいっちょやろうぜ!」

「……」

 

「あいつ、また来てる…」

「まったく、サイヤ人は戦闘民族とは言うがあいつの場合は

ホントにそれしか考えてねえみたいだな」

 

対にそびえる岩場。その頂きに立つ2人の男を見て、

異星人の男女は呆れ返るようにぼやいた。

 

「あいつ…名前何て言ったっけ? ホント、変なヤツ…」

「よっ、ほっ…!」

 

 柔軟運動。軽く飛び跳ね、全身の筋肉を緩ませる。

山吹色の道着。生涯変わる事の無い、ところどころ反ね返った独特の髪型。

平和を愛しながら、強い者と戦う事を何より好む、地球育ちのサイヤ人。

 

 世界消失の危機が密かに迫る中にあっても、彼は些かも変わる事は無い。

 

 

 

 男の名は、孫悟空。またの名を、カカロット。

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