聖遺物。
それは、長い人類の歴史において神話、
伝承として現代に伝えられる超技術の総称である。
時折、古代遺跡などから発掘されたと言う報告もあるが、
その殆どは経年劣化により本来の力を失ってしまっているものが殆どだ。
だが、ごく稀に、機能を保持したままのものも発見される。
聖遺物は人智の及ばぬ力を有し、
使い方を誤れば世界そのものさえも滅亡させてしまう危険性を持つ。
かつて、聖遺物を巡り、いくつかの戦いが勃発した。
その戦場の真ん中で、歌を歌い続ける少女がいた。
正義を信じて握り締めた拳で、誰かの手を繋ぐために。
例え、その手を払い除けられても。
例え、その想いを踏み躙られても。
少女は歌を歌った。
やがて、少女の歌は想いを貫き通す槍となり、全てを優しく包み込んでいった。
少女の名は、立花響。
歌によって起動する聖遺物「ガングニール」を身に纏いて戦う
シンフォギアの装者。
世界の平和を脅かす超常的な脅威に立ち向かうべく、
国連によって組織された「S.O.N.G」の一員となった響と仲間たちに、
新たなる戦いの時が迫っていた…
「ギャラルホルンが?」
世界各地に点在する聖遺物の中でも、大きな損傷も無く、
形状と権能を保持し続けるものを「完全聖遺物」と呼ぶ。
響が事故によってガングニールの装者となるよりも以前に発掘されるも、
人間の手による制御を一切受け付けなかったため、
厳重に封印、保管するより他に無かった、禁断の完全聖遺物「ギャラルホルン」。
それが、今になって突然活動を活発化させたと言うのだ。
ギャラルホルンの権能…それは、並行世界へ繋がる門を開く事。
発生時期、繋がる先、その一切はギャラルホルンに委ねられる。
『うむ…並行世界との繋がり…放置していては危険だ。
そのために、響君達には調査に向かってもらいたい』
響に武術のいろはを伝授した師匠であり、S.O.N.G司令である風鳴弦十郎により
シンフォギア装者たちに招集命令が下った。
「まっかせてください、師匠!」
しかし、事態は急展開を迎える。
「ギャラルホルンが開いたゲートから、未確認物体が出現!!」
「何だとゥ!?」
けたたましい警報音。
ギャラルホルンが保管されている地下施設へ急行する響たちの前に現れたのは、
並行世界のゲートから無理矢理に這い出てこようとする怪物の姿。
「うええ!? な、何これ…」
「詮索は後だ! 蹴散らすぞ、立花!!」
【――balwisyall nescell gungnir tron――】
【――Imyuteus amenohabakiri tron――】
響が、そして天羽々斬の装者、風鳴翼が詠唱すると共に、
シンフォギアを装着する。
これこそが、ギャラルホルンがもたらす混沌。
好むと好まざるとに関わらず、
招かれざる来訪者を並行世界より無差別に呼び寄せる。
少女の歌が、今再び戦場に響き渡る…