undesired enders   作:tCADE

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「始まりの男と終わりなき旅人」

「またひとつ、世界が破壊された…」

 

 

 男の瞳は、世界の終わりを俯瞰していた。

 

ひとつ、ふたつ…弾かれたビリヤードの玉が千々に飛び、

 

ぶつかり合うように

 

互いに引かれ合う世界は衝突と崩壊を繰り返す。

 

 

 

 そんな光景を、男はこれまでに何度も見てきた。

 

長い長い旅路の中で。始まりがあれば、必ず終わりが来る。

 

そして終わるこそから、新たなる始まりが訪れる。

 

それは「必然」である事を、男は知っていた。

 

 

 

「だが、これは自然の流れじゃない」

 

 

 

 長身に黒いスーツを着こなし、

 

首からトイカメラを提げた男の背後から姿を現す、

 

神々しき装束と聖人めいた眼差しを湛える金髪の男。

 

 

 

「お前か…初めて会った時とは、

 

随分と雰囲気が変わったじゃないか」

 

 

 

 2人はお互いを見知っていた。時には共闘した事もある。

 

 

 

「色々とあったのさ。色々とな」

 

 

 

 世界の理から外れ、全てを見守り続ける使命を帯びた者。

 

全ての世界を巡り、全てを繋ぐ者。

 

 

 

「で、これが自然の流れじゃないとすれば…」

 

「この現象を人為的に起こしている奴がいる。

 

だが、それが何者なのかは…」

 

 

 

「なら、次の旅の行き先は決まった」

 

「行くのか?」

 

 

 

「ああ。こんな事をしでかす奴の面を拝んでみたい」

 

「相変わらずだな、アンタは」

 

 

 

小さく笑みをこぼす金髪の男を見て、

 

 

 

「そう言う顔の方が、俺の知っているお前らしい」

 

 

 

 トイカメラで1枚。

 

旅の行く先々で出逢う得難き瞬間瞬間をカメラに収める。

 

それが彼――門矢士のライフワーク。

 

 

 

「またいつか逢おう…葛葉紘汰」

 

 

 

 時空が歪み、士を招き入れるかの如くオーロラが生まれる。

 

それを潜れば、また新しい世界が士を待っている。

 

終わる事無き旅に身を投じる士に、

 

「始まりの男」へと至った葛葉紘汰は祝福を贈った。

 

 

 

「気をつけてな。何か大きな事が起こる予感がする」

 

「何、そんなのは今に始まった事じゃないさ」

 

 

 

 ポケットに両手を突っ込み、

 

無作法に歩きながら士がオーロラの中へと消えていくと、

 

やがて時空が正常化する。

 

 

 

「頼んだぞ…みんな」

 

 

 

 士を見送った紘汰が想いを馳せるのは、

 

かつて共に手を取り合い、世界の危機を救った同志たち。

 

人間の自由と平和を守る英雄に贈られる称号を持つ者。

 

 

 

 その名は「仮面ライダー」。

 

 

 

「しかし…こんなに急速に世界の崩壊が

 

連続して訪れるなんて事は今まで無かった。

 

それを意のままに出来る奴がいるとすれば、そいつは…」

 

 

 

 世界崩壊の裏に潜む謎の存在。

 

これまで数々の強敵を相手に戦い続けてきた紘汰でさえも、

 

その脅威を感じざるを得なかった。

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