広町は普通に過ごしてるだけですよ~?   作:開屋

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 前に書いたガヴドロのんのんのクロスオーバーとやや雰囲気似てるかもです。こちらはゆる~く気ままに書いていきたいと思います。どうかよろしくお願い致します。


うどん屋さん

 月ノ森の学生が制服のままうどん屋に来ているというのは少々シュールな光景かも知れないが、まぁこれにはちょっとした、ホントにちょっとしたことがあったワケで。

 

 

 

 

「ねぇ、しろちゃんのオススメの食べ物のお店ってないかな?」

 

 昼休みに七深がましろに尋ねる。

 

「オススメの....?」

 

「うん。ちょっと知りたいなーって思って。なんか美味しいお店とかない?」

 

「そうだなぁ....よく前から家族で行ってたうどん屋さんとかは美味しいと思うけど」

 

 斜め上の方を見てましろが言う。

 

「そのお店って色んな人が来てたりする?」

 

 興味深そうに七深が尋ねる。急に距離を詰めてきた七深にましろは少々たじろぐ。

 

「う、うん。それなりに人もいたと思うよ。どうして?」

 

 そうましろが聞き返すと

 

「ホント?それなら今日の放課後一緒に行こうよ!」

 

「えぇっ!?今日!?」

 

 

 

 

 そして今に至る訳である。行動的になった七深をましろでは止めきれなかった。お嬢様学校である月ノ森の制服の子がいるとなってちょくちょくお客さんはそちらの方に視線を寄せている。

 

「やっぱりいっぺん家に帰ってからの方が良かったんじゃ....」

 

 ましろがコソコソ七深に話しかける。しかし当の七深の方は意にも介さずといった様子である。

 

「そうかな?別に大丈夫だと思うけど」

 

「だってみんなこっち見てるし....絶対目立ってるよ....」

 

「....ホント?それじゃあ一回帰った方がいいかな」

 

「いや、ここで帰ったら尚更目立っちゃうよ....」

 

「それならこのままでいっか。それでここの店ってどんな感じなの?みんな並んでるみたいだけど....」

 

 七深は興味津々に並ぶ列を見る。

 

「えっと、ここは乗せたいうどんの具が書かれてるプラカードをお盆に取っていくんだ。ほら、あそこわかめとか書いてるでしょ?」

 

 そう言ってましろがそちらの方を指し示す。

 

「なるほど、面白い仕組みになってるんだね~。それじゃあ行こうよ!」

 

「ま、待って!というか先行って大丈夫なの!?」

 

 

 

 

「かんせ~い!これぞ私こだわりの『広町スペシャル』~!」

 

「まさか全具材乗っけるとは思わなかったよ....こんな量食べれるの?それにえび天3つって....そこまで乗っけてる人見たことないよ」

 

「へーきへーき。....ってこんなには乗せないの?」

 

 ましろの発言が七深に引っかかったらしい。

 

「ま、まぁうん。大体2,3種類くらいのイメージかな」

 

「そうだったんだ、それなら気をつけないと....まぁでも今日は仕方ないか。食べたかったんだし」

 

「まぁ七深ちゃんがいいならいいけど....まあ食べよっか」

 

「いっただきまーす!」

 

 そう言うと七深は勢い良くすする。

 

「おお、中々。あんまりこういう店で食べたことなかったから知らなかったけどこれは確かにハマるのも分かるかも」

 

「ま、まぁハマるって言っても私もそんなにしょっちゅう行ってるわけじゃないんだけどね。あくまでたまに行くくらいだし」

 

「ふーん、そんなもんなんだ....ん?」

 

 ふと七深の目に小さな小瓶が留まった。

 

「ああ、それ七味唐辛子。あんまりかけ過ぎたら辛くなっちゃうから程々に....ってもうかけてる!?」

 

 ましろの忠告を前に、もうすでに七深は唐辛子をかけている。それも結構な量を。

 

「....それ多分かけ過ぎてると思うよ七深ちゃん」

 

「えっ?」

 

「だ、大丈夫?食べれる?」

 

「まぁとりあえず食べてみないと分かんないかな....」

 

 そう言って唐辛子の絡みついているのが肉眼で見えるうどんをすする。

 

 

「こ、これは....」

 

 そう言って七深が橋を置く。

 

「や、やっぱり辛すぎた?ゴメン、もうちょっと私が早く言ってれば—」

 

「....おいしい!他の具も絶妙に唐辛子が効いてて、もっとかけてもいいかも!」

 

 そう言うと同時に七深は再び七味をかけ始める。元々常人ならかなり堪える程だったのに重ねがけで。

 

「うわぁ、なんかもう出汁の色が変わってきてない....?」

 

「そうかなぁ、私はこれくらいがいいと思ったんだけど....おおっ、これは広町スペシャルを超えて『広町プレミアム』くらいまで行っちゃった感じだよ~!」

 

「なんかまぁよく分からないけど....七深ちゃんがいいならそれでいっか」

 

 ましろは苦笑いを浮かべて言った。

 

 

 

 

「ごちそうさまでした~。いやぁ、美味しかったよしろちゃん」

 

「そ、そう?それなら良かったけど」

 

 あの火を吹きそうなほどに辛そうな、超具沢山のうどんと呼べるかも分からない代物を思い浮かべながらましろは返事する。

 

「そう言えばしろちゃんは七味使ってなかったけど....」

 

「私はあんまりあれかけないかな。辛すぎると食べられなくなっちゃいそうだから」

 

「へぇ~、勿体ないなぁ。そうだ、次一緒に来る機会があれば私のオススメで食べてみない?きっとしろちゃんもハマるよ~?」

 

 そう七深が言うと危機を察知したかのようにましろが体をビクつかせる。

 

「わ、私は遠慮しとこうかな....ほら、好みって人それぞれだから」

 

「そう?勿体ないなぁ」

 

 七深がちょっぴり残念そうにしていた。

 

 

 

 

 翌日の月ノ森の教室、ましろが来る前では七深とつくしが話をしていた。

 

「そうそう、それで昨日しろちゃんと一緒に放課後うどん屋さん行ったんだよね」

 

「放課後って....まさか制服のままで?」

 

「まぁまぁ、堅いことはいいじゃん」

 

「よくないっ!七深ちゃんももっと月ノ森としての自覚を—」

 

「わ、分かったって。今度からは気をつけるからさ。それでそこがすっごい美味しかったからいつかつーちゃんとも一緒に行きたいな~って思ってるんだよね」

 

「まったくもう....でもうどん屋さんかぁ。七深ちゃんが言うってことはホントに美味しいのかな」

 

「そりゃあもう、広町のお墨付きですよ~。そこで私が編み出した『広町プレミアム』を是非ともつーちゃんに味わって欲しいんですよ」

 

「広町、プレミアム?....よく分かんないしちょっと不安だけどそのお店は私も行ってみたいかも」

 

「それなら週末一緒に行かない?」

 

「そうだなぁ、週末なら特別予定は無いし....うん大丈夫だよ」

 

「やった~。楽しみ~。それじゃあ時間とか決まったら連絡するね。っと、もう休み時間終わっちゃった。それじゃこの話はまた後で」

 

「うん、また後でね」

 

 お互いそう言って席に戻った。

 

「(『広町プレミアム』って何なんだろう....?)」




 うちの近所にも結構行ってたうどん屋さんあって、そこの店結構美味しかったです。調べたら予想の斜め上レベルでローカルの店でビックリしました。今ここで名前出さなくてよかった....
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