広町は普通に過ごしてるだけですよ~?   作:開屋

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『オチが見える』のは仕様です。


カップ焼きそば

 ある日の月ノ森にて。七深と透子が何か話している。

 

「そう言えば透子ちゃんってカップ焼きそば好きなんだっけ?」

 

「そりゃもっちろん!あの良さを知れないのはマジでもったいないっつー感じだよ!」

 

「私実はあれ食べたことないんだよね~」

 

「マジ!?人生損してるって!」

 

「そ、そうなんだ。どこで売ってるかな?」

 

 七深は少し透子に気圧される。

 

「まぁフツーにどこでもあると思うけど。その辺のコンビニでも行けば売ってんじゃない?」

 

「なるほど....」

 

 このやりとりで七深の放課後のスケジュールが決まった。

 

 

 

 

 その日の放課後、七深はコンビニに姿を現していた。相変わらずアクティブなものだ。

 

「あれ?七深?」

 

 レジに入っていたのはリサだった。

 

「あっ、リサ先輩!今日バイトだったんですか。偶然ですね~」

 

「それで今日はどうしたの?またおまけコレクション?」

 

「いや、今日はそうじゃなくて今日のお目当ては~....ズバリ!カップ焼きそばです~!」

 

「カップ焼きそば?それはまたどうして?」

 

 リサは不思議そうにする。

 

「いやぁ、今日とーこちゃんと話してたんですけどそれでとーこちゃんがカップ焼きそばが好きって言ってて。それで思い返してみれば今まで食べたことなかったな~って。それでコンビニに行ったら置いてあるって聞いたんで今日来たんです。リサ先輩が今日入ってたと言うのは知らなかったですけど」

 

「へー....透子ってカップ焼きそば好きなんだ、ちょっと意外だったかも。ってか今まで一回も食べたことないの?ちょっと珍しいかも」

 

「そうなんですか?っと、どの辺に置いてますか?カップ焼きそば」

 

「えっと、向こうの方の棚に置いてるよ」

 

「なるほど~、ありがとうございます!」

 

 そう言ってリサの言った方に七深が行く。

 

「ソースと塩があるんだ....今はソースの気分かなぁ~」

 

 その日の七深は焼きそばだけ買って帰って行った。

 

 

 

 

 その翌日七深はまた同じコンビニに出没していた。

 

「あれ~?七深ちんじゃないですか~」

 

「あっホントだ!」

 

「あっ、今日はリサ先輩とモカ先輩のお二人だったんですか~?」

 

「うん、というか今日はどうしたの?もしかしてカップ焼きそばハマっちゃった感じ?」

 

「その様子だとちょっと前にも来てたんですか~?それにカップ焼きそばって?」

 

「はい、昨日も来てました~。昨日はリサ先輩だけでしたが」

 

「それで今日はどうしたの?」

 

「今日はお菓子探しに来たんです~。前の魍魎列島とは別物ですが」

 

「もしかしなくても今回もおまけ目当て?」

 

「はい~。その通りです~。前のよりはかわいい感じのやつです」

 

「そういえばあれコンプできたんだってね。おめでと~」

 

「ありがとうございます~。皆さんの協力のお陰でしたよ」

 

 そう言って七深は二人に頭を下げる。

 

「いいっていいって!あ、そういえば昨日焼きそば買ってたけどどうだった?」

 

 昨日のことをリサが尋ねる。

 

「よかったですよ~。何かパッケージのものより味とか色々薄い感じはしましたが」

 

「薄い?」

 

 モカが首を傾げて訊く。一方それを聞いたリサの方は何かを察する。

 

「....ねぇ七深、それってホントにちゃんと手順通りに作った?」

 

「手順通り?多分そうだと思いますけど」

 

「じゃあ一つ質問したいんだけど、中のソースってどのタイミングで入れた?」

 

「あっ....」

 

 リサの質問を聞いたモカも何かを感じ取る。

 

「ソースですか?えっと確かかやくを入れてその後くらいだったと思います」

 

「....それでその後どうした?」

 

「お湯を入れましたけど、もしかして先に青のり入れなきゃマズかったりしちゃいますか....?」

 

 七深が慌てる。

 

「あちゃー....やっぱりかぁ」

 

「やっぱ青のりですか?」

 

「いやいや、そうじゃないそうじゃない。....それでお湯を入れた後に、待ってから湯切り口からお湯を出したと」

 

「はい、そうですね」

 

 疑問を持つこともなく七深が答える。それを見たモカは苦笑いしてこう続けた。

 

「....それで水に溶けたソースも一緒に流したと」

 

「....あっ」

 

 ここで七深もようやく過ちに気づいた。誰もが引っ掛かるブービートラップに七深もまた例外なく掛かったのであった。

 

「アハハ!確かにそのミスは分かる!カップ焼きそばについてはあるあるだよね~」

 

 リサがここで堪え切れずに噴き出した。が、しかしそれを聞いた七深は何か真剣そうな表情をしている。

 

「リサさんリサさん、七深ちんマジ顔ですぞ~?」

 

 モカにそう言われたところでリサも笑うのを止めた。

 

「ご、ごめん!ついついおかしくなっちゃって....やっぱりこのミスって結構あるんだなーとか思っちゃったり—」

 

「このミスってあるあるなんですか?」

 

 七深はリサにそう尋ねる。

 

「え?うんまぁ、結構聞く話ではあるよね」

 

 リサがそう言うと何故か七深は嬉しそうに

 

「そうだったんですね!それなら良かったです~!あっ、それなら今日お菓子だけじゃなくて焼きそばも買っていこ~!今日は塩の方で~」

 

 そう言って大量の食玩と塩のカップ焼きそばを2つレジに持ってきた。

 

「....焼きそばよりもお菓子の方がすごいねコレ....」

 

「まぁまぁ、コンプするならこのくらいの気概が必要なんですよ~それでは~」

 

 レジを終えた七深はそう言ってコンビニを出た。

 

「あっ!粉末ソースもお湯入れる前に入れちゃダメだからねー!」

 

「非常に残念ですがリサさん、多分七深ちんには聞こえてないです。あたし達に出来ることは信じてあげることだけなのです~」

 

「まぁもう同じミスしたりしないよね....うん」




 数ヵ月か数年後に絶対キャラの呼び方に矛盾発生してそうですねぇ....(震え声)
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