「それでね、カズマさんったら家出した私を追って魔王城まで来てくれたのよ!」
「うわぁ!まるでどこかの物語みたいな展開ですね!」
「ふふん!そうでしょう、そうでしょう!」
アクアがいつかのエピソードを誇らしげに響たちに語る。
なんか、向こうでの俺の話を聞いてくうちに打ち解けてきた装者とアクア達、いやまぁ昔の俺の話をされてる俺としてはなかなかいたたまれないんですけど……。
まぁ、未だに未来とめぐみんだけは打ち解けてないんだが。
「向こうにいた頃の和真ってかなり情けない性格だって聞いてたけどアクアやダクネスの話を聞いてるとそうでもないように思えるね」
「いやいや、それは違うわよカナデ。カズマさんは私生活はホントダメダメだったのよ、好きあらば引きこもろうとするし、ヘタレだし、最弱職だから当然弱いしだけど、ねぇ?」
「どんなに文句を言っても、最後の最後で『しょうがねぇなぁ』といって状況をひっくり返してくれる」
「私達がこの男に惹かれたのはそんなところなのだろうな」
「「「「「ヒューヒュー!!」」」」」
周りにいるS.O.N.G職員がなんか冷やかし来る。後で覚えとけよ、アイツラ……!
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「で、その時いじめられてた私を助けてくれたのが和真さんだったんです」
「へぇ、カズマさんったら男前じゃない」
話はシフトチェンジして、今度は響達の話になった。
もうこれ、完全に女子会だわ。でもいい加減、俺を正座から開放してくんない?
「カズマ、正座崩さないでくださいね?」
「………ウス」
怖えぇぇぇぇぇえぇぇ!!アイツ、俺の頭の中読めるのかよ……。
「でもッ!あのときは本気で心配したんですよ!ルナアタックのとき……了子さんの攻撃から私達を守るためだけに剣を振ってボロボロになって……失血でホントに死んじゃうかと……」
フィーネとの戦い、戦ってる四人を守るために凪や幻日虹といった防御、回避系の型のみで戦ったときのことだな。
―――コイツラは希望だ……俺なんかよりもよっぽど明るくこの世界を照らしてくれる光だ。俺の命をコイツラを守るこの一瞬のためにある……!
「オマケにあんな今際の際みたいなこと言いやがって……あたしらがどんだけ心配したかわかってんのか!?」
「すみませんっ、すみませんっ……!もう二度とあんなことしないので、許してお願い!」
クリスに首をガクガクされ謝ることしかできない、俺。もはや、兄の威厳の欠片もねぇぞ!
―――ゴメンな……クリス、結局兄貴らしいことなんにもしてやれなかったなぁ。奏と翼にも…随分、迷惑かけたな。それに、響。
―――お前には本当に酷いことをしてきた……お前の気持ちをわかっていながら、ずっと引き離そうとしてきた。だけど、ホントはさ……ずっと褒めてやりたかったんだ。お前が誰かを助けたとき、よくやったって。でも、俺がいなくなるときお前が悲しむ顔を見たくなくて……いや、逆だな。ホントは俺が寂しかっただけなんだ……馬鹿だよなぁ。
「今思うと、響への言葉はあたし達より随分多かったじゃないか?」
「そういえば、そうだったわね。私と奏なんてほぼ一文だったし」
「あたしもだ、8年ぶりだぞ?8年ぶりに再会した義妹に言うことがアレだけって、それこそ兄貴としてどうなんだよ?え?」
三人からの追求にどんどん小さくならざるを得ない俺。はっきり言ってあのときのことはよく覚えてないんだよ……!こっちだって、一歩遅れてたら死んでたんだから。
それにクリスとの記憶だってまだ完全には戻ってなかったから、あれくらいしか言えることがなかったんだ。
「じゃあ、次。マリア達がカズマに惚れた理由を聞きたいわ」
「そうね……私とセレナは五年前にネフィリムっていう怪物に助けられたときから、再会を夢見てたの。敵として再会することになったときは辛かったけど、また助けられて……今は今で幸せよ」
流石はここで一番年上のマリアだな。というか、サラッと俺に惚れてるって公言しなかった?
だが、彼女の妹であるセレナは少々暗い面持ちで苦笑いを浮かべながら、口を開く。
「でも、あのときは効きました。再会したときに『私達のこと覚えてますか?』って聞いたとき、『誰だ?』と言われたのは……」
「えぇ、珍しく泣きそうになった……いえ、セレナは泣いてたものね」
「うわぁ……さすがのカズマさんね、敵として現れたのにそんなこと言ったら絶対に何かあるに決まってるじゃない。なのに、『誰だ』はないでしょ」
アクアたちの視線が痛い、たしかに言い得てからあれはなかったって思ったけど、思い出す前だったんだから仕方なくね?
「でも、その後ちゃんと思い出してくれて……いってくれた言葉は私の宝物です」
フロンティア事変が終わり、マリアたちの身柄を俺たちが預かることになったとき俺がマリアとセレナに行った言葉、か。
―――俺なんかに会おうとしてくれてありがとう。俺が、この世界にいていい理由でいてくれて……ありがとう。
あんな言葉が宝物って……あれは寧ろ俺からの礼の言葉だったのに。
そう思っていると、今度は切歌と調からなんとも年に似合わない重いため息が聞こえてきた。
「セレナたちはいいデスよね〜……アタシと調なんて先生と初めてあったとき、ものの数秒で気絶させられたのに」
「あのときの手刀、本当に痛かった……。」
「悪かったって……。」
対人戦なんてフィーネ以来、おやっさんや響たちとの訓練以外でしたことなかったから手加減ができなかったんだよ……。おまけにシンフォギア纏って捕らえに来る奴らにどう手加減しろと。
「流石、カズマだ。こんないたいけな少女にも容赦がない。それでこそ、私の見込んだ男だ。鬼畜っぷりは鳴りを潜めたが容赦の無さは変わらないらしい」
「黙ってろ変態」
「んんっ!久しぶりの罵倒、ありがとうございますっ!」
「本当に変態さんなんですね……。」
「見た目キレイなのに、もったいない……。」
まったくもって、同感だ。
「コホン。それで?どうせカズマさんのことだから二人にもなんかそれらしいセリフ言ったんでしょう」
おい、アクア。お前俺をなんだと思ってんだ……。くさいセリフ製造機か、この野郎!
「そうデスね、色々あった気がするデス……。」
「切ちゃん、やっぱりあれじゃないかな?ほら、編入前の」
―――間違えなかった人間なんていやしないさ、大事なのはその後何をするのか。まぁ、こんなのはどんな人間にも言えることだろう。最後に重要なのはテメェが明日のテメェに胸を張れるやり方を見つけることだな。まぁ、それを教えてやるのが俺の仕事ってわけだ。
「「「「「ヒュー!ヒュー!」」」」」
「おい、今冷やかしたやつ顔覚えたからな!後で覚えとけよ貴様らッ!特に藤堯咲也ァァァァァァァ!!」
「なんで俺ッ!?」
うるせぇ!こっちは女子にいじられてイライラしてんだよ!
「さて、あとは貴方ですよ。ミク、私にあれだけの大見得を切ったんですよっぽどのエピソードがあるんでしょうね?」
「めぐみん、だからもう少し好意的にしろと……いや、だが確かに気になるな。」
「もとから、好意はありましたけど……やっぱり落とし文句というと……響と一緒に神獣鏡に飲まれてた私を命がけで正気に戻してくれたときとか、ですかね……。」
「その落とし文句ってやめてくんない?」
「だったら、あのときのセリフを復唱してください」
「あの時のセリフって、いいけどさ」
―――なにもできてない?そんなことはない。響がよく言ってた、『未来は自分にとってひだまりだって』。それは俺にも当て嵌まるんだ。昔の俺なら自爆技だろうと容赦なく使ったと思う、だけど、お前が俺や響を信じて待ってくれてるから、俺は生きて帰ろうと思えるんだ。
「うん、改めて復唱したら明らかにただの落とし文句ですね。」
「だな」
「えぇ」
「だよね」
「あぁ」
「デス」
「うん」
「はい」
「そうね」
装者達の容赦のない同意の言葉。でも仕方ない、俺もそう思ってしまったから。
そうこうしていると、アクアの奴がなんか思案顔から顔を上げる。
「よしっ!決めたわ!」
「何をだよ?」
「私、こっちに住むわ!」
「ブッ!!」
アクアの爆弾発言に俺は吹き出し、俺以外は装者、S.O.N.Gメンバー問わず絶句する。めぐみんとダクネスまでもだ。
「何いってんのお前!何いってんのお前!!女神だろお前、立場考えろよ!!?」
「なによ!天界から私を引きずり下ろした人が今更何言ってんのよ!安心しなさいな、ギャラルホルンを通じればいつでも向こうの世界に帰れるし、魔王がいないことで女神の仕事が殆どないのよ、これが」
「えぇー……。」
「ならば、私も残りましょう」
「では私も」
「待て待て待て、一旦落ち着こうか!」
めぐみん、ダクネスまでトチ狂ったことを言い出す。
「住むっていったってどこに住む気だ?」
「カズマの家に決まっているでしょう。元々、同じ屋敷に住んでいたのです。今更でしょう」
「OK、百歩譲ってめぐみんはいいとしよう。だけど、ダクネスお前貴族の仕事とかあるだろう?」
「安心しろ、向こうにいる間に引き継ぎは終わらせてきた」
「引継ぎって誰に?」
「バルターだ」
ああ、あのクソ領主の息子のくせに真面目なあの人か。
「というか、書類にでも向き合っていなければしていなければ二週間も耐えられなかったからな」
「「…………。」」
珍しく、ガチ悲痛な顔になるパーティメンバー。確かにこっちでは結構な時間を生きてる俺だけど、向こうではたった二週間、だけど、こいつらにとっては二週間もの間つらい思いをさせたんだよな。
「和真さん……?」
響までなんかすがるような目を向けてくる。
「あたしは構わないぜ、元々部屋は腐るほどあるしな」
「クリス……はぁ、わぁったわぁった!もう好きにしてくれよ」
「いやったー!こっちのお酒飲みまくるわよ―!」
「おい、それが目的じゃないよな!?」
だとしたら、俺の感動返してくんない?
「これからよろしくね、めぐみんちゃん」
「よろしくデス!」
「えぇ、よろしくおねがいしますよ。特にミク」
「うふふ、負けないよめぐみんちゃん」
や、やっぱ、この二人超怖え……。
「大変なことになったな、和真」
「おやっさん……アイツラの戸籍頼めます?俺はやることあるので」
「やること?」
俺はさっき人の話を肴にしてたS.O.N.G職員たちの前に行く。
「取り敢えず、校舎裏行こうか?」
「いや、ここ校舎裏とかないんだけど……。」
「関係あるかぁあぁあぁぁぁあ!!!」
「「「「「副司令がキレたぁぁぁぁぁぁぁ!!」」」」」
ストレス発散させてもらうぞ、コラァァァァァァァ!!
―――その後、おやっさんに止められるまで一時間に渡ってリアル鬼ごっこが続いた。
感想、評価、お待ちしていま!
カズマさんには趣味にギターを追加してアニソンとか披露させたいのですがどうでしょう?
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いいんじゃない?
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駄目じゃない?