この世界での俺の朝は早い。なにせ、教師なのだから。まぁ、今日はそれだけが理由ではないが
俺は一年前に買った宝くじを元手に小さい一軒家を買った。え?何等があたったのかって?自分に『ブレッシング』かけたら、一等とニ等同時に出ました。
なので、金には困っちゃいない。
いつもどおり、朝食を作りテーブルに
そして、俺の感知に反応が現れる。
「やっぱ来たか、キャロル」
振り向くとそこには先程まではいなかった金髪少女、めぐみんのような三角帽子を被ったローブの少女がそこにはいた。
「何故、オレが来るとわかった?」
「俺の『直感』スキルが発動したんだよ」
「相変わらず、便利な力だ」
男のような口調とクールな立ち振舞をする幼女。彼女の名はキャロル・マールス・ディーンハイム。彼女曰く、錬金術師らしい。そして、何故か俺の正体を知る人間だ。
「とっとと座ってとっとと食え、そして、とっとと帰れ」
「素っ気のないやつだ」
「いきなり殺しかけられた俺がどうやってお前と仲良くしろと?」
「……そんなこともあったな」
「何黄昏れてんだよ、つい一年前だよ。いきなり現れたと思ったら『オレと来い、これは決定事項だ』なんてわけのわからないこと言って襲ってきやがって」
一年前、一人になったところを狙われ、コイツ本人とコイツが生み出した四体の自立式の人形、オートスコアラーに襲われた。
危うく誘拐されかけたが、なんとか撃退して……それからこうして口頭でスカウトに来ている。
「何度も言っとくが俺はお前の……なんだっけ?『万象黙示録計画』とやらに加担する気はないぞ?よくは知らんが」
「……話の前に朝食だ、準備してあるんだろう?」
なんつう、図太いやつ……。
「あのさ……俺、教師。しかもこのあと出勤なんだが?」
なんでファミレス感覚でそんなちょくちょく来んの?マジでアクア印の結界張っといたほうがいいかもしれない。
「教師?ああ、あの乳臭い子供に世間の厳しさを教える仕事か」
「お前の中の教師像どんだけひん曲がってんだよ!?」
いや、ある意味では間違ってないような気がしないでもないが……。
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俺達はお互い無言で食事を取る。
俺達の食事は特に会話はない。ただ食器を合わせるカチャカチャという音だけがキッチンに響く。それはそうだろう、俺は彼女のことを名前と錬金術師であるということしか知らない。
その彼女が何故俺なんかに関わり合いを持とうとするのか、それも不明だ。
だが、一つ、たった一つだけ心当たりがある。
「……なぁ、お前は俺に会ったことがあるのか?」
俺は一度食器をテーブルにおいてキャロルの顔を見てそう訪ねた。当の本人は面食らったような顔をしている。
「……どういう意味だ?」
「いやさ、少し前から夢を見るんだよ。……天真爛漫を絵に書いたような性格の……自分のことを『私』って言ってるお前と俺が一緒にいる夢を」
すると、キャロルは、
「……それを見て、お前はどう思った」
そう聞いてきたのでここはストレートに、
「いや、ぶっちゃけ……すげぇ気持ち悪かった」
「……………。」
「……今のお前があの喋り方をしたとしたら俺はドン引く自信がある。だって、唯でさえいいイメージ持ってないのに、あんな喋り方されたら……ちょっと。」
いつものコイツならこの程度でキレるようなことなないだろう。めぐみんと違って爆裂魔法を擬人化したような人間じゃないはずだ。
自分の分を食い終え顔を上げると……そこには鬼がいた。
「………………。」
無言で俯き、椅子から立ち上がるキャロル。ゆらりゆらりと体を揺らす姿はとても不穏だ。
「ど、どうした、キャロル……?」
おそるおそる尋ねるとキャロルは光の無い目で俺を見る。
「ふっ、ふふふふふふははははははは!!!」
「怖い怖い怖い!なに、どうしたお前!?」
急に狂ったように笑い出すキャロルに俺は椅子を蹴って立ち上がって後退り、悲鳴にも似た声を出してしまう。そして、背後には壁。
しまった、追い込まれた……!
キャロルはゆっくりと指を俺に向ける、まずい!これは……!
「……………死ね」
「ッ!『ブレイクスペル!』」
錬金術で生み出した炎の渦が放たれるが、『ブレイクスペル』を使い打ち消す。この力は魔法だけでなく自然ではない力を打ち消すことができるということは既に確認済みである。
「死ね死ね死ね死ね死ねぇぇぇえ!!!」
「おまっ!家が壊れるだろうが!!!?」
いつもの冷静な姿はどこへやら……まるで癇癪を起こした子供のように次から次へと炎だけでなく、水、風、土を錬金術で生み出し飛ばしてくる。
俺は必死にブレイクスペルを撃ちまくり、なんとか攻撃が外に漏れないように相殺した。
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「ハァ……ハァ……」
「ハァ……ハァ……気は、済んだかよ?」
ボロボロになったキッチンの中で俺達は互いに肩で息をする。ったく、なんで出勤前にこんなに疲弊しなきゃいけねぇんだよ……!
「相変わらず、出鱈目な力だ……お前の仲間の女神とやらの力は……!」
「アイツは力だけは一級品だったからな……!」
……お陰で俺は今日も生きていられるんだしな。
「チッ!……今日は帰る」
不機嫌そうに俺に背を向けて懐から紫色の水晶を取りだす。アレは『テレポートジェム』という俺の『テレポート』と似たような力を持つ水晶らしい。
「そうか……また来いよ」
最初こそああはいったが今となっては友人?いや、悪友程度には考えているのでそれほど悪い気はしない。それにとんがり帽子にローブ、それにどこか勝ち気な性格。どっか重ねてんだろうな、アイツに……。
「……悪いが、食事の誘いなら断る。次に来たときは必ずお前をいただく。例え四肢のニ、三本を折ってもな」
そういった彼女の目は本気だった。
なんでコイツは俺にそこまで執着するのか。
「忘れるな、お前を狙ってる輩はオレ以外にも大勢いることをな。なにせ、お前の存在は俺にも殺せない……紛れもない『奇跡』なんだからな」
「……おいっ!そういやまだ、さっきの質問の答えは……!」
その答えを聞く前にキャロルは完全にその場をあとにした。
「ったく、どういう意味だよ……。」
そういや、伝え忘れちまったな。確かに夢に出てきたアイツは今とのギャップがあって気味が悪い用に見えたが……とても幸せそうに笑っていた。俺と彼女と同じ髪色の眼鏡の男性とともに。
「一体、アレは何なんだ……。」
俺の記憶?いや、そんなはずはない俺がこの世界に来たのは二年前のライブの事件が初のはずなのに。
まぁ、とりあえずは……。
「出勤までに片付くか、コレ?」
もはや、惨状という言葉が酷く似合うことになってしまったキッチンを見ながら呟いた。
カズマさんには他作品の名言をたくさん言ってもらいたいと思っています。
カズマさんには趣味にギターを追加してアニソンとか披露させたいのですがどうでしょう?
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いいんじゃない?
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駄目じゃない?