S.O.N.G本部のとある一室。そこには、俺を含む殆どのS.O.N.Gメンバーとアクア達異世界組が揃っていた。
『……………。』
『……………。』
俺はこの状況に全身から流れる汗を止められずにいた。その原因は机に座って対面する装者達とアクア達向こうの世界のパーティメンバー達。
ただし、発するオーラが凄まじく重い。お互いニッコリ笑ってるのに空気だけは恐ろしく重たい……因みに俺は(俺が座っていい)椅子がないので床に正座させられている。是非もないよネ!
俺がこっちで、せめて響達が卒業するまでの間教師を続けたいと頼むとめぐみん達は猛反対。すぐにでも俺を向こうの世界に連れ戻そうという感じになったので今この場を借りて話し合いを設けることとなった。
そういや、装者とアクア達がこうやって面会するのって初めてじゃないか?
「……さて、取り敢えず自己紹介から始めましょうかっ!」
その重い空気を振り払うようにアクアができる限り明るい声で提案する。
お前、まさか……この重い空気を振り払うために……。アクアは俺の方を向くとウィンクをする。お前、俺がいない間に成長してくれたのか、いかん涙腺がもろく。
「なんか、二人の間で謎のアイサインが行き交っているのですが……。」
「あぁ、仲が良くて何よりだ」
しかし、その様子を見ていためぐみんとダクネスがこめかみに青筋を作った。いかん、逆効果だ!
「と、取り敢えず自己紹介しましょう。まずは私から、えっと、立花響といいます。和真さんの部下で、生徒です。次クリスちゃん!」
「なんでだよっ!まぁいいか、アタシは雪音クリス。『佐藤和真』の『妹』だ」
クリスの『妹』という発言を聞いた瞬間、めぐみんの方から何かが切れる音がしたのは俺の気の所為ではないと思う。
「カズマ……」
「……はい」
「なんですか、貴方は!?そんなに妹属性が好きですか!!アイリスといい、そんなに自分に懐いてくれる女の子が可愛いですか!!」
「ちょ、首がカクカクするからやめて……やめっ、やめろォ!」
めぐみんに胸ぐらをつかまれ盛大に揺さぶられる。なんなんだ、この馬鹿力は……!
「おい、めぐみん。そのへんにしておけ……。」
「そうよ、カズマさん白目になりかけてるわよ?」
「ゲホッ、ゲホッ……!し、死ぬかと思った……!!」
アクアとダクネスが止めてくれたお陰でなんとかめぐみんから開放される。アダムのやろうと戦ったとき以上に死の恐怖を感じたぞ。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
それから、S.O.N.G側の自己紹介が終わると、先に自己紹介を終えていたアクア以外の二人の自己紹介。性癖以外は至って常識人のダクネスの自己紹介が終えると、めぐみんが紅魔族特有のマントをバサッしたあとの自己紹介を始める。
「我が名はめぐみん!紅魔族随一の魔法使いであり、その男と将来を誓いあったもの!」
『は?』
装者達の一部からがドスの聞いた声が上がり、俺への視線が険しくなる。
「待て待て待て、めぐみん。話をでっち上げるなよ!」
俺は告白された覚えはあっても、まだOKした覚えはないぞ!
「あ?」
「…………すみませんでした」
これまたドスの聞いためぐみんの声に俺は押し黙った。何コイツ、元から危ないやつだったけど向こうで俺がいなかった二週間で何があった……?
「それで『自称』未来の妻のめぐみんちゃんはカズマさんを元の世界に連れ戻したいんだね?」
「えぇ、そういうことですよ。それと、『自称』ってなんですか?爆裂魔法で吹き飛ばしてあげましょうか?」
「ふふふ、ごめんね?私の神獣鏡に魔法は効かないの」
な、なんだ……未来とめぐみんの二人から黒いもの出てるような気がする。というか、そろそろ、俺キレて良くない?俺別にまだ誰とも付き合ってねぇし、行動を制限されるいわれ自体ないだろう。
そう思い至った俺は、立ち上がって未来とめぐみんに文句を言おうとする。
「お前ら、いい加減に……」
「和真さん」
「カズマ」
「「誰が立っていいと、いいましたか?」」
「……………はい、すみませんでした」
めぐみんと未来の気迫に気圧されて、俺は再び床に正座する。
「あの副司令がまるで借りてきた猫みたいに………。」
「これがリアル修羅場か……。」
朔也さん達オペレーターがなんか言っているが今の俺の耳には届いていない。恐怖なんてちゃちなもんじゃねぇ、これはネズミが猫から逃げるのと同じくらい当たり前のことだ。そう体が言っている。
「な、なぁ、めぐみん。もう少し穏便にやってもいいんじゃないか?」
「そ、そうだよ、未来。アクアさんたちだってようやく再会できたんだから。」
「駄目です、この男は下手に出ると調子に乗るので」
「そのとおりだよ響、和真さんとは一度ここでしっかり話をつけるべきだと思うの」
なんで、こいつらこんなときだけ息ピッタリなんだよ……!
「貴方達はカズマのいいところしか知らないのでしょう、私達はこの人のいいところも悪いところもいつも隣で見てきました。彼のことをよく知っているのは私達の方です。よって、カズマは私達の世界に連れ帰ります」
「それは違うよ、めぐみんちゃん。私達もこの人の悪いところをちゃんと理解してるよ」
この言葉にはさすがの響も少し高圧的に答える。
「ほう、ならば聞きましょうか?」
めぐみんの質問に、響は座っている装者たちに目を向けて、合図を送る。
「まず、性格がありえないほどにねじ曲がってる」
「うぐっ!」
「たまに私達が挑発して誘惑すると、『俺にハニトラ』はきかんとかカッコつけてるけど、その実そんな根性がないだけのこと」
「ガハッ!」
「そのくせ時々私達のギアを見て顔を赤くしてそっぽを向く、ちょっと可愛い……。」
「あぐぅ……。」
奏、マリア、調の容赦のない言葉の三段突きに俺は心に風穴が飽きそうな気分だった。
「くっ、なかなかやりますね。カズマの捻くれたヘタレ性格をよく理解している……!」
「お前らなぁ!俺のことをなんだと……!」
「「黙って、座りなさい」」
「………………サーセンした」
俺、教師だよね?副司令だよね?勇者だよね?何この不当な扱い、泣いて良くない?泣いて良くない!?
感想、評価、お待ちしています
カズマさんには趣味にギターを追加してアニソンとか披露させたいのですがどうでしょう?
-
いいんじゃない?
-
駄目じゃない?