限界ゲーム実況者とヤンデレ少女たち 作:せいらーむーん
「ああああああああああ!!!!もぅ!!!㊙ね!!!!!」
ゲームモニターに向かって叫び、コントローラーを激しく叩く。
彼の名は瀬村豊。高校3年生。中学生の頃からゲーム実況動画を投稿し始め、さっきのような激しい暴言を吐きながらコントローラーや机などを叩く、いわゆる『台パン』をするというスタイルで、かなりの人気を得ており、現在彼の動画サイトのアカウントには、100万人のフォロワーがいる。そのため、彼は高校生でありながらも動画の広告収入により、月に98万という多額の収入を得ている。一見かなり順風満帆な生活を送っている様だが、彼には解決しきれない悩みがあった。
「ああもう、やる気失せたすべてにおいて。やめるわ」
動画の撮影が終了した。その時、
ピンポーン
「は」
(ま、まさかな)
「豊~。いるんでしょ~?開けてくんね~??」
(うわ~~~、やっぱり)
悩みの種が来てしまった。
ドンドンドンドンドンドンドンドンドン
ドアを叩く音がどんどん大きくなる。このままでは流石に近所に人に迷惑がかかるため、
(しかたねぇ出るか…)
ドアを開けた。その瞬間すぐに抱き着いてきた。
「やっと開いたし~、またゲーム実況してたん?」
「まぁ、今終わったとこだけどな」
「もう、ゲームもいいけど、たまにはアタシにも構ってくんないと」
抱き着く強さが増す。彼女の名は桐ヶ谷透子。あのお嬢様学校で有名な月ノ森女子学園に通う高校1年生。といってもウェーブのかかった金髪に短いショートパンツ、カジュアルなスニーカーを履いているなど、お嬢様というより今どきなギャルの感じが強い。だがその見た目は伊達じゃなく、流行に敏感な彼女は、次はどんなブームが来るかを予想し、時にインフルエンサーとして流行を起こす力を持つ。そのため、彼女のSNSのフォロワーは十万人という、豊と同じく高校性のSNSアカウントとは思えないフォロワーの数を誇る(ちなみに豊のSNSのフォロワーは40万人もいる)。
そんな透子と豊は昔からの付き合い、いわば幼馴染という関係である。どういうわけか、透子は豊かに完全にデレデレである。なので、出会ったたびに抱き着いてきたり、隙あらばキスしてきたり、豊が出かける際は『浮気チェック』と言ってついてきたり、恋愛に興味がない豊にとって、彼女の存在はただの厄介者にすぎない。なぜこうなったかは豊も見当がつかない。
「いや悪いけど、俺これからゲ行ってくるから離してくんね」
「え?ゲーセンいくならアタシもいくよ?」
「いや俺一人で行きたいんだ」
「なんで?ナンデナンデナンデナンデナンデナンデナンデ?アタシがついてきたら困るような場所にでも行くわけ?浮気は許さないよ?」
「いやふつうにゲ行くだけだって。たまには一人で出かけさせろ」
「いいの?アタシがSNSであのことバラしちゃうけどそれでもいいの?」
「は」
「たとえば、昔中学の時豊が自己紹介の時に「あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ」ね?困るでしょ?じゃあついて行ってもいいよね?」
「しょうがない、俺に黙ってついてこい」
「やった~!!でもそれだけじゃないんだよね~」
「なんすか」
「アタシと恋人として付き合って」
「はいよ、ってはい?」
「はいって2回も言ってくれた!!やっぱり豊とアタシって両想いだったんだね!!今日からカレカノとしてよろしく!!」
「ふぁあああああああ!?!?!?!?!?」
「そうだ。今日から付き合い始めましたってSNSで報告しなきゃ!!ほら豊、カメラ入って!!」
「ちょっと待った~~」
「自己紹介」
「...わかりました」
「じゃ、撮るよ~」
こうして、人気ゲーム実況者とSNSで人気なお嬢様ギャルという異色なカップルが生まれた。