なんでフェストゥムはテラにいるんですか?   作:野菜大好き丸

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ミラ○レアス狩ってたり、セリエナ祭を満喫して初投稿です。

今回遅れたのはこれが原因なのがはっきりわかんだね。ちょっとミラボ強すぎんよ~。おかげで死にまくって結構時間と気力が喰われた。

土日は何かを進めるのにいい日だけど、どうしても何かすると時間と体力と気力的な問題で、他のことがあまりできないから困りモノだゾ。他のことしてぇ~なぁ~、俺もな~

一応幕問のネタを考えてはいても、文に起こせていないのも投稿が遅れる原因のひとつなんすけどね。





幕間2 痕跡 ~てがみ~①

「うっひゃ~、ここが西北凍原か~。同じ雪国なのに私の故郷とは全然違うな~」

 

「僕の故郷であるイェラグとも違うね。広い平地だから地平の向こうまでハッキリと見えるよ」

 

 目の前に広がる白銀の世界に二人の少年少女が驚く。二人ともこことは違う雪国の出身であり、それぞれ森林地帯と山岳地帯の出身だ。

 

 目の前に何も無くただ広く水平線が見えるほどの雪原は彼らの故郷ではなかなか見られなかったため、驚くのも無理もない。

 

「カーディ、スチュワードさん。故郷を懐かしむのは良いですけど、周囲の警戒を緩めないでくださいね。特にカーディ!」

 

「ええっ!? あたしっ!?」

 

「まぁまぁアンセル、事実だけど言わぬが花だよ。俺も周囲を警戒しているけど、特に異常は見当たらないから安心して」

 

「うわーん! スチュワードくーん、二人がいじわるだよ~(´;ω;`)」

 

「ははは…………」

 

 薄桃色のコータスの少年、アンセルの辛辣な指摘に元気はつらつなペッローの少女、カーディが慌てふためく。それを頭上の光輪が左に傾いているサンクタの少年、アドナキエルが口にしたフォローにもなってない言葉がトドメになり、カーディは白いヴァルポの少年、スチュワードに対して妹のように泣き付く。任務中でもメンバーの相変わらずな光景にスチュワードは苦笑しながらも笑顔で彼らの姿を眺める。

 

「ごめんなさい……、プロヴァンスさんにご迷惑をおかけして……」

 

「ううん、大丈夫! みんな元気がしっかりあるから任務を問題なくこなせそうで安心しているよ。それに僕から見れば、皆はお互いに足りないところをカバーし合えているよ」

 

 彼らのチームリーダーであるワインレッドのフェリーンの少女、メランサが申し訳なさそうな様子でプロヴァンスに謝る。しかし、彼女は彼ら行動予備隊A4の雰囲気に問題ないと言わんばかりに元気よく答える。

 

 

 

 

 実際、彼ら行動予備隊A4は結成してから日が浅いが、優秀なチームのお手本としてロドス内で注目されている。

 

 

 明るさとパワフルさでメンバーを引っ張り、仲間を守る重装のカーディ。

 

 大人びていて慎重にアーツの支援を行う術師のスチュワード。

 

 どんな時でも落ち着いてメンバーの健康管理、治療を手掛ける医療のアンセル。

 

 淡白な印象が強いが、好奇心旺盛で観察眼に長けている狙撃のアドナキエル。

 

 そして、内向的だが優しく仲間思いな前衛であり彼らの隊長であるメランサ。

 

 

 彼ら全員の個性がメンバーの欠点を互いに補い合い、長所を遺憾なく発揮できる連携が取れている。実際に今まで参加した作戦はまだ数少ないが、どれも彼らと参加した者達から高評価であり、密かに今後の成長が期待されている。

 

「後は地道に経験を積んでいけば良いだけだから……って偉そうに言っても僕はこうした野外での活動しか教えられないけどね、ははは……」

 

「そんなことありません……。私達はこういった調査任務の経験はまだ浅いので……、プロブァンスさんのような野外調査のプロにご指導頂けて有難いです。こちらこそ頑張りますのでよろしくお願いします……」

 

「ありがとう。僕も先輩として、君達に失望されないよう期待に答えるからね!」

 

 

 今回彼らは彼女の任務に護衛兼調査任務の人手と訓練として参加してもらっている。何故こんなことになったのは少し時を遡る……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 医務室の出来事から数週間後、突如僕は任務でこの凍原の異変を調査することになった。なんでも最近、その地域一帯にある源石の塊が消失したらしい。それも最近に当たる出来事だという。

 この不可解な現象に対しロドスは原因を突き止めて欲しいと、僕に調査を依頼した。ついでに行動予備隊A4のメンバーに調査の実地訓練も兼ねて人手として連れて行って欲しいと頼まれた。

 

「それにしても……、目的地に到着しましたけど、報告通り源石が一つもありませんね……」

 

「そうだね。僕は主に荒野の調査が主だけど、基本的に大体の場所は調査しに行ってるのと、此処にはかつて天災で遺された源石があることも過去の調査情報から知ってる。けど今の場所には地表に源石の塊が一つも無いのは異常だ……」

 

(地面は見た感じ、源石が採掘された形跡は無さそう……。そうなると人の手という線は殆ど無い……)

 

 任務を受けてから数日後、僕達は無事に目的地に到着し広大な雪原を眺める。

 

 僕達の目に映るのは源石の塊が一つも無く、それどころか積雪の隙間から寒冷地でも生育できる植物や苔が所々群生している生きた大地の姿だった。少なくても天災後では一度も見られなかった現象がこの大地で起きていることがはっきりとわかる。

 

(まるで大地が息を吹き返したかのような……。まさか、もしかして……)

 

 この現象を見て一つだけ思い当たることが僕の脳裏に浮かびあがる。彼、せっくんの存在だ。少なくともこんな現象を引き起こせる存在など、この世界にそうそういない。

 

 

 そうなるとロドスが僕をこの任務に向かわせた理由が分かる。あの医務室での問答からその後、僕は特に何のお咎めを受けず、この任務を受ける前に僕は再びアーミヤちゃん達に呼び出された。

 

 彼女達の話から僕が嘘をついていたことはバレていたけど、内容が内容のため彼女達も大事にせず追求するのは難しいらしい。よって詳細を話すのは僕のタイミングで良いことになった。

 

 無理強いに彼のことを話さずに済んだことで彼の身を守れて安心したけど、それでも理由があるとはいえ彼女達に嘘をついてしまったことに変わりないので、申し訳ないと僕は再び彼女達に謝罪した。

 

 そして突如起こった今回の異変。源石の消失という事態に彼女達は僕の鉱石病の完治と何かしらの線がないか僕に詳細な調査を任せたんだと思う。

 

 ただし外部に今回のことを悟られないよう、表向きは調査任務の訓練と人手として行動予備隊A4にも同伴させ、任務のカモフラージュをすることになった。

 

 ちなみにA4の皆はアンセル君を除いて僕の鉱石病改善のことを知らない。アンセル君は医療チームにも所属しているため僕の体に起きた件を少し把握しているが、一応僕の症状改善の件については、情報漏洩による混乱を防ぐために、今のところ件に関わった医療チームの人間全員に緘口令を敷かれ、秘匿にされてる。

 

 今回快く協力してくれるA4の皆には隠し事をして申し訳ないと思っているし、もし彼のことを話すことが出来ればアーミヤちゃん達だけじゃなく、彼らにも話してあげたい。こうして協力してくれた彼らにはそれを知る権利がある。

 

 

 

 

 

 そして現地に着いた今、僕は少なくてもこの異変は彼が関係していると肌で感じ、今回の任務は何かしらの手掛かりを得ようと意気込む。

 

「……よし! さて、みんな! 気を引き締めて任務に取り掛かるよ!」

 

「「「「「了解(です)!」」」」」

 

「ワン!」

 

 A4の皆とグレープさんの返事が高らかに響き渡り、今回の任務は絶対に成功させようという気迫が伝わってくる。

 

(せっくん……、待ってて。今会いに行くから)

 

 こうして僕とグレープさん、A4の皆は西北凍原へと歩みを進めていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 あれから僕達は凍原の奥へと進み続けた。道中サンプル用の土採取や異変の痕跡の写真等を取りつつ調査は進めているが、この事象の原因は分からないままだ。

 

 

 もしかして今回のことは彼に関係ないのか、はたまた原因は別の何かなのか、真相となる鍵は見つかっていない。

 

 

 

 そして調査が長引き、次第に周囲が暗くなって夜も更けてくる。僕達は暗闇で視界が厳しくなり、寒さも段々と厳しくなってきた状況から身を守るために地図上に記載されているとある廃村へと向かった。

 

 だが、廃村には暗がりながらも立ち昇る煙が目について、村の異変を感じ取った。廃村に何が起きてるのか分からない僕達は危険を感じ取りながらも慎重に村の中へと潜入することになった。一体何が起きてるのか分からない僕達は静かに廃村の奥へと進んでいく。

 

 そして村の中心と思われるような場所へと辿り着き、そこから明かりが出ているようだ。僕達は明かりの小隊を確認するために、倒壊した建物の物陰から覗き見たのは……、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ぬわああああああん疲れたもおおおおおおおん!」

 

「チカレタ……」

 

「ホントに……」

 

「(野外訓練)すっげえキツかったゾ~!」

 

 半壊した建物を利用して設置された拠点の中で焚き火の周りを囲んで座り、なんだかとても情けない声で嘆く白い外套を纏ったレユニオンの三人組の姿だった。

 

 

 

 

(……えっ? 何なのこの人達……)

 

(…………見た感じ彼らはレユニオン? それにしては何というか……、随分と和やかな雰囲気だね……)

 

(……何でしょう? 彼らと関わると碌なことにならないとしか思えません。特に私が)

 

(奇遇だねアンセル。俺もだよ……)

 

(僕もだ……。何だろうこの寒気……)

 

(……大丈夫ですか? アンセルさん、アドナキエルさん、スチュワードさん……?)

 

(ワフ……?)

 

 

 彼らの姿を見て僕たち全員はそれぞれ違った反応をする。僕とカーディちゃんは目の前の光景に不思議がり、男性陣は何処からか寒気を感じ、全員何故か無意識にお尻を抑えていた。そんな男性陣をメランサちゃんとグレープさんは心配そうに気遣う。

 

 

 

 隠れている僕達には気づいたような素振りは無く、三人組は談笑を弾ませ続ける。

 

 

 

 

「こんなのが続いたらやめたくなりますよ~、訓練~。早く終わらせてーなー」

 

「あっ、おぃ、待てぃ(江戸っ子)。まだ訓練は終わってないから、気を抜いていたら隊長に怒られるゾ」

 

「大丈夫だって安心しろよ~。ちゃんと休憩前に軽く偵察した感じここらに敵はいないってはっきりわかんだね。なので気を抜いていても怒られない、Q.E.D 証明完了」

 

 

 

((((((自慢気に言う彼には悪いけど、僕(私)(俺)達はここに居るんだけどね……))))))

 

 

 一番情けなさそうな声を上げる彼の話からすると、どうやら彼らは何かの訓練でここに来たようだ。彼らの目的は何なのかは分からないけど、レユニオンが居る今この状況でこの場から離れるか、あえて残って情報を聞き取るか僕は判断に悩ませていた。もしかしたらこの異変について彼らは何か知っているかもしれないと、このままみすみす逃がすのは惜しいと感じた。

 

 

 

 

 

 だが次の瞬間、僕はその選択は間違いだったと思い知らされる。

 

 

 

「まぁ辛いのは分かるっすけど、あとちょっとで今回の訓練も終わりになるっすから、もう少しの辛抱っすよ」

 

「「「!!?」」」

 

((((((!!?))))))

 

 

 

 盛り上がる三人組の雑談に突然割り込まれた声とともに、三人組の後ろから一人の男性が現れた。まるでそこに初めから居たかのような振る舞う彼の姿は三人組と同じだが、腕に青いスカーフが巻かれている。

 

 だが僕達が驚いたのは彼の姿ではない。物陰から目を離さないで様子を覗っていたにも関わらず、姿と気配を隠していた彼の技量に驚かされた。不可解さのあまりスカーフの人物に対して全員この場に霧散していた警戒心を起こして最大限に彼の動きを注視した。

 

 そして突然現れた彼に驚いたのは僕達だけじゃなく、三人組も驚いていた。

 

 

「「「……ファッ!? 隊長いつの間に!? 外の見回りに言ってたんじゃ!?」」」

 

「そんなのとっくに終わらせて、君が言ってた「ぬわ疲」の時にいたっすよ?」

 

「最初からじゃないか……(困惑)。隊長化け物かよ……」

 

「いやいや、自分が化け物なんて烏滸がましいっす。世の中にはもっと凄いのがうじゃうじゃいるっすよ?」

 

「えぇ……(絶望)」

 

 

 

 

 

(……アドナキエルさん、彼の動きは見えてましたか?)

 

(さっぱりだよ。油断してたわけじゃないけど、あの人の実力は本物だ。いつの間にどうやって……?)

 

(それにあの三人組……。あの隊長の存在と彼らがふざけているおかげで分かりづらかったけど、彼に気づいた時の反応と動きからして、単純な実力は僕達よりも上のようだ……。数的に有利とはいえ、もし戦うことになればこちらも無事には済みそうにないね……)

 

(それって見つかったらまずいよ! どうすればいいの!?)

 

 

 A4のメンバーが焦るのも無理は無い。今回の任務は探索がメインなため、強敵相手に逃げるは兎も角、戦うような本格的な装備は無い。流石にあれほどの手練れが居るとなれば、まともに戦うのは無謀だ。

 

 

(落ち着いてメイリィ……。プロヴァンスさん、少しよろしいですか……?)

 

(どうしたの?)

 

 危機的に近い状況の中、メランサちゃんが僕に声を掛ける。

 

(少なくとも相手の実力は未知数です。とりあえず急いでこの場から撤退して、ロドスに帰還した方がいいと思います……。今回の任務の隊長はプロヴァンスさんなのですが……、若輩ながらA4を纏めてる身として、失礼ながらも意見してみました。どうでしょうか……?)

 

(……そうだね、ここが引き時だ。ありがとう、メランサちゃん。よしみんな! 撤退するよ!)

 

 

 兎に角、相手がこちらに気づいていない今の内にこの場から離れるのが最優先だ。僕が皆にすぐさま指示を出してこの場から離れようと撤退の準備をする中、スカーフの人物が唐突に口を開き始める。

 

 

 

 

「けど全く……。確かに息抜きはするようには言ったっすけど、あくまで安全が確保できた時に行うのが基本っすよ」

 

「? どういうことだゾ?」

 

「それは……」

 

 

 彼の言葉を理解できてない三人組を余所に彼は無造作にナイフを取り出し、すぐさまこちらに向けてナイフを投擲する。

 

 ナイフは真っ直ぐと僕達の所まで飛び、隠れている障害物へと軽い音を立てて突き刺さった。

 

 

 撤退の準備をしていた僕達だが、彼の突然のナイフの投擲に反応したせいで身体が勝手に身構え、一瞬身動きを取れずにいた。そして彼が僕たちの方へと視線を向けると、

 

 

「……あー、コホン。そこの物陰にいる人達~! さっきのは威嚇っす! 両手を上げておとなしく出てくるなら命までは取らないっすよ~」

 

「「「!!?」」」

 

((((((!!?))))))

 

 

 彼は物陰に隠れてる僕達に向けて降参の勧告する。三人組は「何言ってんだ?」と言わんばかりな雰囲気で彼を見つめる。

 

 緊張感が無い間延びした声が響き渡るも、僕達の心はその声に落ち着けずバクバクと鼓動を早めていた。完全にバレていた事実に、全員の頬に冷や汗が流れる。

 

(バレてた!? いつの間に!?)

 

(どうする……。相手さんはこう言ってるけど、素直に出てくるのは拙いな……)

 

(だけど応戦しても勝てるかどうか……)

 

 彼の行動に息を潜めながらも動揺が隠せない僕達。どうにかしてこの危機的な状況をどう切り抜けると考えていると、再び彼の声が響き渡る。

 

「あ―、言い忘れてたっす! こっちに交戦の意思はないっすから、いきなり襲うような真似はしないことは約束するっす。そっちが戦うなら仕方なく反撃するっすけど、そうでないなら姿を現して欲しいっすよ!」

 

「いや、隊長。本当にいるんですか?」

 

「何言ってるんだゾ、隊長の探知能力はトップクラスだって言ってるじゃないか。多分……」

 

「多分なのか……(困惑)」

 

 

 ……どういうこと? どうやら相手は戦う意思は無い。……一体何が目的なんだ? 

 

 だがあの人物の言ったことが本当か嘘か関係無く、これなら少なくても彼らだけでもこの場から離れさせることが出来る。そう確信した僕はA4の皆に口早に伝える。

 

 

(……みんな、今から僕が出て時間を稼ぐからチャンスが来たらすぐにこの村から離れて)

 

(っ!? 何を言ってるんですかプロヴァンスさん!?)

 

(この状況を回避できなかったのは僕の責任だ。だけどみんなの命だけは何としても助けるのが僕の役目だ)

 

 

 僕の言葉にA4の皆は僕の提案に拒もうと首を横に振る。だけど彼らの命を守るにはこれしかないと僕は彼らを諭す。

 

 

(大丈夫……、危なくなる前に僕もどうにか逃げるから。グレープさん、皆を頼んだからね!)

 

(駄目です……! プロヴァンスさん、戻ってください……!)

 

(((((プロヴァンスさん!!)))))

 

 

 彼らの声を振り切って僕は物陰から姿を現し、両手を上げて彼らの前に現れる。暗がりから現れたため姿ははっきりと見えていないはずだが、本当に隠れていたことに三人組は驚いていた。

 

 

「ファッ!? 本当にいた!?」

 

「ポッチャマ……」

 

「なんであの時、誰もいないって自信満々に言ってたんですか……(呆れ)」

 

 

 だがしかし、スカーフの人物は訝し気な様子でこちらを見据えていた。

 

 

「……一人? 気配からして六、七人くらいはいると思ったんすけど…………? まだそこに隠れているっすか?」

 

 

 そして暗がりにいる僕のことを確認しようとランタンを持って僕の方へと近づいてくる。

 

 近づいてきた彼が持ってたランタンの明かりが僕の姿を照らす。敵意が無いとはいえ彼らの目的が何なのか分からない。

 

 けど、せめてA4の皆だけでもここから脱出させなければいけない。彼らの命と、ここで手に入れた数少ない情報を奪われないために、それが僕が今やるべきことだとこの身を奮い立たせた。

 

 

「まぁ、きちんと出て来てくれた以上、こちらは何もしないっすからおとなしくして…………んんん?」

 

 

 だが、決死の思いで姿を現した僕の考えとは裏腹に、予想できない展開が待っていた。

 

 

 

 明かりではっきりと僕の姿を目に捉えた彼は突然言葉が詰まり、何故か自分の目を疑うような動作を見せる。緊迫した状況には似合わない彼の行動に僕は、何故目の前の彼がこんなことをするのか理解できなかった。少なくとも僕に彼との接点は無い。なのに何故目の前にいる人物はこんなに動揺しているんだ。

 

 理解できない状況に困惑する僕に対し、スカーフの人は何度も目をこすって僕の姿を確認し、深呼吸して落ち着かせる。

 

 

 

 

 ……そして数分後、彼はおそるおそると僕に向けて問いかけてくる。 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……もしかして、あなたがプロヴァンスさんっすか? せっさんが言ってたご友人というのは?」

 

 

 

 彼の発言を聞いたその瞬間、世界の時が一瞬止まったかのような感覚に襲われる。

 

 まさか彼の口から僕が捜している人の名前がこぼれるなんて僕には想像できるわけなかった。




次回! 雪怪スノーデビル小隊、冷の裏技(大嘘)

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